みんなの建築大賞

From Wikipedia, the free encyclopedia

受賞対象前年に竣工した日本国内の建築作品から、一般投票により大賞を決定する建築賞
日本の旗 日本
主催みんなの建築大賞推薦委員会
初回2024年
みんなの建築大賞
受賞対象前年に竣工した日本国内の建築作品から、一般投票により大賞を決定する建築賞
日本の旗 日本
主催みんなの建築大賞推薦委員会
初回2024年
公式サイトhttps://x.com/minnanokenchiku

みんなの建築大賞(みんなのけんちくたいしょう、英語: Japan Architecture Award -- Architecture Awards for Everyone)は、建築系の編集者建築史家ジャーナリストら有志約30名からなる推薦委員会が前年に竣工した日本国内の建築作品から「この建築がすごいベスト10」を選出し、XInstagram等での一般投票(「いいね」数)により大賞を決定する建築賞である[1]2024年に第1回が開催された。

主催・運営

「既存の建築賞は、建築界の権威付けにはなっても、一般の人に全く伝わっていない。世界に誇る魅力的な建築の数々を一般の人に知ってもらう機会を逸し続けている」という課題意識から、2023年春に企画が立ち上げられた[2]。「建築界の本屋大賞」とも形容され[2]、建築を「設計する側」ではなく「伝える側」の推薦と、一般市民のSNS投票という二段階の選考が特徴である。

役割担当
主催みんなの建築大賞推薦委員会
推薦委員長五十嵐太郎建築史家東北大学大学院教授)
事務局BUNGA NET(編集長:宮沢洋)、TECTURE MAG(編集長:加藤純)
協力文化庁
協賛(第3回〜)JINS

選考プロセス

第1段階:推薦委員会による「この建築がすごいベスト10」選出

  1. 推薦委員(編集者・建築史家・ジャーナリストなど約30名)がそれぞれ「世の中に向けて熱く伝えたい建築」を3件ずつ推薦(90字のコメントと写真付き)[3]
  2. 得票数上位5件は自動でベスト10入り
  3. 残り5件は委員長がジャンル・地域のバランスを考慮して選定

第2段階:一般投票による大賞決定

  1. ベスト10をXInstagram等に掲載
  2. 約10日間の投票期間中に「いいね」等で一般投票(複数作品への投票可)
  3. 最も多くの票を集めた作品が大賞に決定
  4. 推薦委員からの推薦数が最も多かった作品が推薦委員会ベスト1として表彰

投票プラットフォームは回を重ねるごとに拡大しており、第1回(2024年)はXのみ、第2回(2025年)以降はX・Instagram・Google フォームの3メディアの合計で集計されている[4]

賞の種類

  • 大賞(みんなの建築大賞) — 一般投票で最多得票の作品
  • 推薦委員会ベスト1 — 推薦委員からの推薦数が最も多かった作品
  • JINS賞(第3回から新設) — JINS創業者・田中仁がノミネート10作品から選定
  • 特別賞 — 推薦委員会の判断による特別な表彰

授与式

結果発表および授与式は、文化庁国立近現代建築資料館東京都文京区湯島)にて開催される[1]

歴代受賞一覧

開催年対象年大賞設計者推薦委員会ベスト1特別賞
第1回2024年2023年竣工学ぶ、学び舎VUILD天神町place
第2回2025年2024年竣工おにクル伊東豊雄建築設計事務所・竹中工務店設計JVおにクル(大賞と同一)ジブリパーク 魔女の谷
第3回2026年2025年竣工null²落合陽一ノイズ(NOIZ)、フジタ・大和リース特定建設工事共同企業体、乃村工藝社ワウ(WOW)アスラテック ほか大屋根リング香川県立体育館再生計画

第1回(2024年)

第1回は2023年に竣工・発表された建築作品を対象として開催された[5]。28名の推薦委員が43作品の中からベスト10を選出し、X上の「いいね」による一般投票で大賞を決定した。

大賞

  • 学ぶ、学び舎(まなぶ、まなびや) — 設計:VUILD — 東京都小金井市貫井北町4丁目750-2(東京学芸大学キャンパス内)
    • 鉄筋コンクリート造CLT(直交集成板)を型枠に使用し、型枠を外さずそのまま仕上げとした教育インキュベーション施設。延べ面積295.90m²、地上1階。1,000以上の木材パーツを3D木材加工機で切り出した[5]
    • 得票数:2,143票(Xの「いいね」数)

推薦委員会ベスト1

  • 天神町place(てんじんちょうプレイス) — 設計:伊藤博之建築設計事務所 — 東京都文京区湯島3丁目
    • 馬蹄形の中庭と独特な表情の外壁を持つ賃貸集合住宅[6]
    • 得票数:1,833票(2位)

ノミネート作品「この建築がすごいベスト10」

No.作品名画像設計者所在地得票数
1熊本地震震災ミュージアム KIOKU大西麻貴+百田有希 / o+h・産紘設計JV熊本県南阿蘇村
252間の縁側山﨑健太郎デザインワークショップ千葉県八千代市
3後藤邸後藤武+後藤千恵 / 後藤武建築設計事務所神奈川県逗子市
4SIMOSE坂茂建築設計広島県大竹市
5太宰府天満宮 仮殿藤本壮介建築設計事務所福岡県太宰府市
6地中図書館中村拓志 & NAP建築設計事務所千葉県木更津市
7天神町place 推薦委員会ベスト1伊藤博之建築設計事務所東京都文京区1,833
8庭の床 福武トレスFギャラリー武井誠+鍋島千恵 / TNA岡山県岡山市
9花重リノベーションMARU。architecture東京都台東区1,009(3位)
10学ぶ、学び舎 大賞VUILD東京都小金井市2,143(1位)

※ 得票数は上位3位のみ公表[6]。ノミネート作品は五十音順[7]

第2回(2025年)

第2回は2024年に竣工した建築作品を対象とし、31名の推薦委員により選出されたベスト10から、X・InstagramGoogle フォームの3メディアでの一般投票で大賞を決定した[8]。大賞と推薦委員会ベスト1を同一作品が受賞するダブル受賞となった。

大賞・推薦委員会ベスト1(ダブル受賞)

茨木市文化・子育て複合施設 おにクル

特別賞

ノミネート作品「この建築がすごいベスト10」

No.作品名画像設計者所在地一般投票順位
1伊豆市津波避難複合施設 テラッセ オレンジ トイ東京大学今井公太郎研究室、日本工営都市空間静岡県伊豆市土肥2657-65位
2茨木市文化・子育て複合施設 おにクル 大賞・推薦委員会ベスト1伊東豊雄建築設計事務所・竹中工務店設計JV大阪府茨木市駅前3-9-451位
3エバーフィールド木材加工場アトリエ・シムサ、kittan studio、3916、山田憲明構造設計事務所熊本県上益城郡甲佐町府領8924位
4小千谷市ひと・まち・文化共創拠点 ホントカ。平田晃久建築設計事務所新潟県小千谷市本町1-13-35
5グラングリーン大阪日建設計三菱地所設計大林組竹中工務店SANAA、GGN大阪府大阪市北区大深町6-383位
6ジブリパーク 魔女の谷 特別賞スタジオジブリ(デザイン監修)、日本設計愛知県長久手市茨ケ廻間乙1533-12位
72m26 Atelierセバスチャン・ルノー、メラニー・へレスバック京都府京都市
8豊田市博物館坂茂建築設計愛知県豊田市小坂本町5-80
9ポーラ青山ビルディング・土浦亀城邸復原移築安田アトリエ、久米設計東京都港区南青山2-5-17
10まちの保育園 南青山ALTEMY東京都港区南青山2-5-17

※ 一般投票の上位5位のみ公表[8]。ノミネート作品は五十音順[10]

第3回(2026年)

大賞を受賞したnull²大阪・関西万博シグネチャーパビリオン)
推薦委員会ベスト1の大屋根リング(大阪・関西万博)

第3回は2025年に竣工した建築作品を対象として開催された。第3回からJINSが協賛に加わり、JINS賞が新設された[4]。投票総数は前回(第2回)の約2倍に増加し、大阪・関西万博関連の2施設(null²大屋根リング)が注目を集めた[11]

大賞

推薦委員会ベスト1

JINS賞

特別賞

香川県立体育館丹下健三設計)
  • 香川県立体育館再生計画 — 旧香川県立体育館再生委員会
    • 丹下健三設計の名建築「船の体育館」の解体か再生かが問われている案件。建築文化・民主主義・政治の関係を考える契機として特別賞が授与された[11]

ノミネート作品「この建築がすごいベスト10」

No.作品名画像設計者所在地構造延べ面積一般投票順位
1大屋根リング 推薦委員会ベスト1藤本壮介、忽那裕樹、東海林弘靖、東畑・梓設計JV、大林組清水建設竹中工務店大阪府大阪市此花区夢洲中1地先木造・一部鉄骨造66,900.02m²2位
2霞ケ浦どうぶつとみんなのいえ髙橋一平建築事務所茨城県行方市玉造甲1234RC造・一部鉄骨造4,968.29m²
3Ginza Sony ParkGinza Sony Park Project、荒木信雄、石本建築事務所竹中工務店東京都中央区銀座5-3-1SRC造・一部RC造4,357.49m²
4東海国立大学機構 Common Nexus小堀哲夫建築設計事務所愛知県名古屋市千種区不老町RC造・一部鉄骨造7,312.60m²4位
5ド・ロさまと歩くミュージアム 大平作業場跡文化財保存計画協会、D4H長崎県長崎市西出津町1195-26鉄骨造・一部木造・RC造228.10m²
6ニシイケバレイ須藤剛建築設計事務所東京都豊島区西池袋5-12-3ほか木造・RC造計1,462.97m²5位
7null² 大賞落合陽一ノイズ(NOIZ)、フジタ・大和リース特定建設工事共同企業体、乃村工藝社ワウ(WOW)アスラテック ほか大阪府大阪市此花区夢洲中1地先鉄骨造655.46m²1位
8広島駅南口ビル西日本旅客鉄道、ジェイアール西日本コンサルタンツ、東畑建築事務所、SUPPOSE DESIGN OFFICE大林組、広成建設広島県広島市南区松原町2-37鉄骨造・一部SRC造113,688.47m²(増築部)3位
9横浜美術館 空間構築乾久美子建築設計事務所、菊地敦己事務所神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1既存建築改修
10ラビットホール JINS賞青木淳@AS岡山県岡山市北区丸の内2-7-108RC造・一部鉄骨造991.76m²

※ 一般投票の上位5位のみ公表[11]。ノミネート作品は五十音順[12]

関連イベント

  • プレゼン総選挙2026:2026年2月5日にオンライン生配信(無料・登録不要)。全10組+特別賞1組の設計者が登壇[13]

推薦委員会

推薦委員は建築家自身ではなく、建築を「伝える側」の編集者・建築史家・ジャーナリストらで構成される。第2回(2025年)時点の委員は以下の31名である[3]

委員名備考
五十嵐太郎(委員長)建築史家東北大学大学院教授
有岡三恵建築編集者
飯田彩建築ライター
猪飼尚司建築ライター
磯達雄建築ジャーナリスト・フリックスタジオ
加藤純TECTURE MAG編集長
神中智子建築編集者
倉方俊輔大阪公立大学教授・建築史家
阪口公子建築編集者
坂本愛建築メディア
櫻井ちるど建築ライター
白井良邦建築編集者
介川亜紀建築ライター
高木伸哉建築メディア
津川学建築メディア
富井雄太郎建築評論
豊永郁代建築メディア
長井美暁建築ジャーナリスト
中村光恵建築編集者
萩原詩子建築ライター
八久保誠子建築メディア
平塚桂建築ライター
前田智成建築メディア
宮沢洋BUNGA NET編集長・元日経アーキテクチュア編集長
本橋仁建築史家
森清建築メディア
山根一彦建築ライター
山田兼太郎建築メディア
吉田和弘建築編集者
ロンロ・ボナペティ建築系YouTuber
和田菜穂子建築史家

他の建築賞との比較

脚注

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI