アンド・アイ・ラヴ・ハー
From Wikipedia, the free encyclopedia
| 「アンド・アイ・ラヴ・ハー」 | |
|---|---|
| ビートルズ の シングル | |
| 初出アルバム『ハード・デイズ・ナイト』 | |
| B面 | 恋におちたら |
| リリース | |
| 規格 | 7インチシングル |
| 録音 |
|
| ジャンル | ラテン[1] |
| 時間 | |
| レーベル | |
| 作詞・作曲 | レノン=マッカートニー |
| プロデュース | ジョージ・マーティン |
| チャート最高順位 | |
| 後述を参照 | |
| 「アンド・アイ・ラヴ・ハー」 | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ジョージ・マーティン楽団 の シングル | ||||||||||
| 初出アルバム『A Hard Day's Night (United Artists)』 | ||||||||||
| B面 | リンゴのテーマ | |||||||||
| リリース | ||||||||||
| 規格 | 7インチシングル | |||||||||
| 時間 | ||||||||||
| レーベル | ユナイテッド・アーティスツ・レコード | |||||||||
| 作詞・作曲 | レノン=マッカートニー | |||||||||
| プロデュース | ジョージ・マーティン | |||||||||
| ||||||||||
「アンド・アイ・ラヴ・ハー」(And I Love Her)は、ビートルズの楽曲である。1964年に発売された3作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム発売『ハード・デイズ・ナイト』に収録された。レノン=マッカートニー名義となっているが、主にポール・マッカートニーによって書かれた楽曲。アメリカでは1964年7月20日にキャピトル・レコードより「恋におちたら」とともにシングル・カットされ、Billboard Hot 100で最高位12位を記録した。
1964年7月14日には、BBCラジオの番組『Top Gear』用にレコーディングが行われ、2日後に放送された。
曲の大部分のキーは、EメジャーとC#マイナーで、ソロの直前でFに転調し、Dメジャーのコードで終わる[2]。
「アンド・アイ・ラヴ・ハー」は、主にマッカートニーによって書かれた楽曲[3]だが、1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューでジョン・レノンは、「ミドルエイトは僕が手伝った」と主張している[4]。ビートルズの音楽出版者であるディック・ジェームズは、レノンの主張を支持していて、レコーディング中にプロデューサーのジョージ・マーティンの提案によってミドルエイトが追加されたとし、「30分以内に2人は、とても商業的な曲にとても建設的な中間部を加えた」と語っている[5]。一方でマッカートニーは「ミドルエイトは僕…この曲は僕が書いた。ジョンはたぶんミドルエイトを手伝ってくれたと思うけど、彼は『僕の曲だ』とは言えないよ」と語っている[5]。
本作について、マッカートニーは「ラブソングだよ。特定の誰かに向けて書いたわけじゃない。タイトルは文節の途中から抜き出した。これは我ながら賢明だと思ったよ」と語っている[6]。マッカートニーは、ジョージ・ハリスンがギターリフを書いたことを明かしていて、「この曲に見事な変化をもたらした」と賞賛している[7]。
ジョージ・マーティンによるオーケストラ・アレンジ版が存在しており、1964年7月18日にB面に「リンゴのテーマ」を収録したシングル盤として発売された。いずれもユナイテッド・アーティスツ・レコードから発売されたサウンドトラック・アルバム『A Hard Day's Night (United Artists)』にも収録された。
レコーディング
「アンド・アイ・ラヴ・ハー」のレコーディングは、EMIレコーディング・スタジオのスタジオ2で3日をかけて行なわれた[8]。プロデュースはジョージ・マーティンが手がけ、レコーディング・エンジニアはノーマン・スミス、セカンド・エンジニアはリチャード・ラングハムが務めた[8]。
1日目
1964年2月25日の午後2時30分に、映画『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』のサウンドトラックのためのセッションが開始された。同日に本作が2テイク録音され、最後まで演奏されたのはテイク2のみであった[9]。しかし、ビートルズは「より軽いタッチにする」と判断[9]。1995年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー1』にテイク2が収録された[10]。
1日目のセッションでの担当楽器は、以下のようになっている[11]。
- ポール・マッカートニー - リード・ボーカル、ヴォックスのベースアンプAC 100に繋いだヘフナー・500-1(1963年製)
- ジョン・レノン - ヴォックスのギターアンプAC-50に繋いだリッケンバッカー・325(1964年製)
- ジョージ・ハリスン - ヴォックスのギターアンプAC-50に繋いだリッケンバッカー・360/12(1964年製)
- リンゴ・スター - ラディック社のドラムセット
2日目・3日目
1964年2月26日の午後7時から午後10までのセッションで、17テイク録音された[12]。このセッションの途中で、スターの担当楽器がドラムからボンゴとクラベスに変更されたが、メンバーは演奏に満足しなかった[12]。セッションが中断され、休憩に入った際にミドルエイトが書き加えられた[12]。ドキュメンタリー『ザ・ビートルズ・アンソロジー』のエピソード8にテイク11の短い断片が収録されており、演奏が止まる前にマッカートニーが「And if you saw my love, I'd love her [too]...」と歌っている[13]。
1964年2月27日の午前10時からのセッションで新たに2テイク録音された。テイク20でベーシック・トラックが作成され、テイク21でマッカートニーのダブルトラッキングされたリード・ボーカルがオーバー・ダビングされた[12]。
2日目と3日目のセッションでの担当楽器は、以下のようになっている[11]。
- ポール・マッカートニー - リード・ボーカル、ヴォックスのベースアンプAC 100に繋いだヘフナー・500-1(1962年製)
- ジョン・レノン - ヴォックスのギターアンプAC-50に繋いだギブソン・J-160E(1964年製)
- ジョージ・ハリスン - ホセ・ラミレス社のクラシックギター
- リンゴ・スター - ラディック社のドラムセット、ボンゴ、クラベス
ミキシングとリリース
「アンド・アイ・ラヴ・ハー」のモノラル・ミックスとステレオ・ミックスは、それぞれ2種類存在しており、いずれもテイク21から作成された。
モノラル・ミックス(3月3日作成)
3月3日にEMIレコーディング・スタジオのスタジオ1のコントロール・ルームで作成されたモノラル・ミックスで、プロデュースをマーティンが手がけ、レコーディング・エンジニアをスミス、セカンド・エンジニアをA.B.リンカーンが務めた[14]。
このミックスにおいて、マッカートニーのボーカルは基本的にシングルトラックとなっているが、一部フレーズではダブルトラックになっている。
このミックスは、6月9日にキャピトル・レコードとユナイテッド・アーティスツに送られ[15]、6月26日にアメリカで発売されたサウンドトラック・アルバム『A Hard Day's Night (United Artists)』(モノラル盤)に収録され[注釈 1]、7月20日に発売されたキャピトル編集盤『サムシング・ニュー』(モノラル盤)にも収録された[16]。映画『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』では、半音キーが下げられた音源が使用された。
モノラル・ミックス(6月22日作成)
6月22日にEMIレコーディング・スタジオのスタジオ1のコントロール・ルームで2つ目のモノラル・ミックスが作成された。プロデュースとレコーディング・エンジニアは1つ目のモノラル・ミックスと同じくマーティンとスミスだが、セカンド・エンジニアはジェフ・エメリックが務めた[17]。
このミックスでは、マッカートニーのボーカルが3番目のヴァースの冒頭の2行を除いてダブルトラックになっている。
このミックスは、7月10日にイギリスで発売された『ハード・デイズ・ナイト』(モノラル盤)に収録された[16]。
ステレオ・ミックス
「アンド・アイ・ラヴ・ハー」のステレオ・ミックスは、2つ目のモノラル・ミックスと同じ6月22日に作成された。2つ目のモノラル・ミックスと同じく、マッカートニーのボーカルが3番のヴァースの冒頭の2行を除いてダブルトラックになっている。
このミックスは、7月10日に発売された『ハード・デイズ・ナイト』(ステレオ盤)や、7月20日に発売されたキャピトル編集盤『サムシング・ニュー』(ステレオ盤)に収録された[16]。
なお、ドイツで発売された『サムシング・ニュー』には編集が加えられたステレオ・ミックスが収録されており、こちらではギターのリフが6回繰り返されている。このミックスは、1980年にアメリカで発売された『レアリティーズ Vol.2』にも収録されたが、CD作品には未収録となっている。
クレジット
チャート成績(ビートルズ版)
週間チャート
| チャート (1964年 - 1965年) | 最高位 |
|---|---|
| ベルギー (Ultratop 50 Flanders)[19] | 10 |
| ベルギー (Ultratop 50 Wallonia)[20] | 11 |
| US Billboard Hot 100[21] | 12 |
| US Cash Box Top 100[22] | 14 |
月間チャート
| チャート (1964年) | 最高位 |
|---|---|
| 日本 (ミュージック・マンスリー洋楽チャート)[23] | 10 |
カバー・バージョン
カート・コバーンによるカバー
| 「アンド・アイ・ラヴ・ハー」 | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| カート・コバーン の シングル | ||||||||||
| 初出アルバム『COBAIN: モンタージュ・オブ・ヘック〜ザ・ホーム・レコーディングス』 | ||||||||||
| B面 | サッピー | |||||||||
| リリース | ||||||||||
| 規格 | 7インチシングル | |||||||||
| ジャンル | フォークロック | |||||||||
| レーベル | ユニバーサル | |||||||||
| 作詞・作曲 | レノン=マッカートニー | |||||||||
| チャート最高順位 | ||||||||||
| 後述を参照 | ||||||||||
| カート・コバーン シングル 年表 | ||||||||||
| ||||||||||
| ||||||||||
カート・コバーンによるカバー・バージョンは、2015年に公開されたドキュメンタリー映画『COBAIN: モンタージュ・オブ・ヘック』で初公開となった。同年11月6日に発売された同作のサウンドトラック・アルバム『COBAIN: モンタージュ・オブ・ヘック〜ザ・ホーム・レコーディングス』に収録された後、同月20日にB面に「サッピー」を収録した7インチシングル盤としてリカットされた[24][25]。
イギリスのVinyl Singles Chartでは第1位を獲得[26]し、アメリカの『ビルボード』誌が発表したHot Singles Salesでは最高位2位を記録した[27]。
チャート成績(カート・コバーン版)
| チャート (2015年) | 最高位 |
|---|---|
| UK Physical Singles Sales (Official Charts Company)[28] | 2 |
| UK Vinyl Singles Chart (Official Charts Company)[26] | 1 |
| US Hot Singles Sales (Billboard)[27] | 2 |
その他のアーティストによるカバー
- エスター・フィリップス - 1965年に歌詞とタイトルを女性目線に変更した「アンド・アイ・ラヴ・ヒム」(And I Love Him)としてカバー[29][30]。Billboard Hot 100で最高位54位を記録した[31]。
- ゲイリー・マクファーランド - 1965年に発売されたアルバム『Soft Samba』に収録[32]。
- ホセ・フェリシアーノ - 1968年に発売されたアルバム『Feliciano!』に収録[33]。
- ポール・マッカートニー - 複数のライブでセルフカバーしており、1991年に発売されたライブ・アルバム『公式海賊盤』に『MTVアンプラグド』での演奏が収録された[34]。
- Mi-Ke - 1993年に発売されたアルバム『永遠のリバプールサウンド〜Please Please Me, LOVE』に収録。
- ブラッド・メルドー・トリオ - 2016年に発売されたアルバム『Blues and Ballads』に収録[35]。