グローグー

『スター・ウォーズ』シリーズのキャラクター From Wikipedia, the free encyclopedia

ディン・グローグー (Din Grogu[ˈɡrɡu])、または単にグローグー、通称ベビーヨーダは、『スター・ウォーズ』のDisney+オリジナルテレビシリーズマンダロリアン』のキャラクターである。

デヴィッド・アコード英語版(音響効果)
フルネーム ディン・グローグー(旧:グローグー)
概要 ディン・グローグー, 初登場 ...
ディン・グローグー
スター・ウォーズのキャラクター
初登場チャプター1: マンダロリアン
マンダロリアン』(2019年)
作者
デヴィッド・アコード英語版(音響効果)
詳細情報
フルネーム ディン・グローグー(旧:グローグー)
別名
  • ザ・チャイルド
  • 賞金首
  • 孤児
  • 子供
種族 ヨーダの種族英語版
性別 男性
肩書き
職業
家族 "ディン・ジャリン/マンダロリアン"(養父)
師匠
年齢 53歳(41BBY頃生まれ)
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概要

『スター・ウォーズ』のキャラクターであるヨーダヤドルと同じ種族の幼児で、フォースの強力な使い手である。『マンダロリアン』では、"マンダロリアン"として知られる主人公(The Mandalorian、本名:ディン・ジャリン)が、衰退後の銀河帝国の残党の依頼でグローグーの追跡・捕獲をするために雇われるも、養父となって帝国軍から守る過程が描かれる。このキャラクターの本名は、「チャプター13: ジェダイ英語版」にてクローン戦争最中のコルサントジェダイ聖堂で育てられた過去とあわせて初めて明らかにされた。それ以前の字幕およびキャプションでは「ザ・チャイルド」が正式名称として用いられていた。「チャプター24: 帰還英語版」の終盤、正式に"マンダロリアン"の養子として迎えられたことで、「ディン」の姓を得てディン・グローグーとなる。

グローグーは「チャプター15: 信奉者英語版」を除くシリーズの全エピソードに登場する。『マンダロリアン』の原案・ショーランナージョン・ファヴローによって、ヨーダとその種族をとりまく謎への探究心を基に生み出されたキャラクターである。ファヴローとエグゼクティブ・プロデューサーのデイヴ・フィローニ間の初期の話し合いでより具体的に構想されていき、コンセプト・アーティストのクリスチャン・アルズマンがキャラクターデザインを確立させた。グローグーはCGIでいくらか調整されてはいるが、大部分はアニマトロニクスかつ人形劇によるもの(パペット)である。テレビシリーズ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』と映画『マンダロリアン・アンド・グローグー』にも登場している。

パペットの制作はレガシー・エフェクツが務めた。俳優のアダム・パリー英語版は、ファヴローから約500万ドル(当時の日本円で約5億3385万円)かかったと聞いたと述べている[1]。パペットは2人の技師が操作しており、1人が目と口を操作し、もう1人がその他の顔の表情を操作している。音声は人間の大人と幼児の声を組み合わせたもののほか、オオミミギツネキンカジューの鳴き声を録音したものを使用している。"マンダロリアン"とグローグーの関係性は『マンダロリアン』の中で共通している子育て父性というテーマを体現しており、このキャラクターを通してシリーズにおける善悪生まれか育ちかといった問題定義がなされている。

グローグーはファンや批評家から好意的な評価を受け、番組の人気キャラクターとして広く知られており[2][3]、すぐに一般的なインターネット・ミームとなった。The Gurdianは「2019年最大の新キャラクター」と呼んでおり[4]The Hollywood Reporterは「ハリウッドの未来を代表する」キャラクターだと述べている[5]。多くのライターはグローグーをDisney+成功の鍵と説明している[6][7][8][9]。『マンダロリアン』の番組配信以前はグローグーの存在は内密にされており、リークとネタバレを避けるために配信前のマーケティングとマーチャンダイズ計画(グッズ展開)から意図的に除外されていた。

登場作品

背景

スター・ウォーズ』のキャラクターであるヨーダ同じ種族英語版[10][11]、『マンダロリアン』シーズン1の1話「チャプター1: マンダロリアン」の出来事の時点で50歳だが、この種族の成長速度故に依然として赤子の姿をしている[12][13][14]。『スター・ウォーズ』原作者のジョージ・ルーカスがヨーダに神秘性を保つことを望んでいたため、この種族に固有の名称が与えられたことは無い[2][4][15]。『マンダロリアン』のチャプター13(シーズン2の5話)まで、グローグーは固有の名前で認識されておらず、好意的なキャラクターからは「the child」「the kid」あるいは「the baby」(日本語では「子供」「坊や」など)、敵対するキャラクターからは「the asset」「the bounty」「the target」あるいは「the donor」(日本語では「獲物」「賞金首」「ドナー」など)と呼ばれていた[11][16]

シーズン1

グローグーの最初の登場はシリーズ初回「チャプター1: マンダロリアン」で、そこでは"マンダロリアン"が「クライアント英語版」(ヴェルナー・ヘルツォーク)とのみ明かされる、衰退後の銀河帝国の残党に雇われた謎の男から報酬の大きな依頼を受ける。その内容は、正体不明の50歳の賞金首を追跡して捕らえることだった[17][18][19]。"マンダロリアン"と同行するバウンティハンター・ドロイドIG-11タイカ・ワイティティ)は、惑星・アーヴァラ7英語版にある人里離れて厳重に防衛された野営基地に潜入し、グローグーを見つける。IG-11はグローグーの抹殺を試みるも、"マンダロリアン"はIG-11を撃って破壊し、グローグーを守る[19][20][21]。「チャプター2: ザ・チャイルド」にて、グローグーはマッドホーンと呼ばれる巨大なサイのような生物と戦う"マンダロリアン"に同行する。マッドホーンが"マンダロリアン"を殺すために突進すると、グローグーがフォースを使ってマッドホーンを浮遊させ、"マンダロリアン"は驚いた後にマッドホーンを仕留める[22][23][24]。"マンダロリアン"は「チャプター3: 罪」にて惑星・ネヴァロ英語版にいるクライアントの元へグローグーを運び届け、クライアントがドクター・パーシング英語版オミッド・アブダヒ英語版)へグローグーから「必要なものを採取」するよう命じた後、報酬を受け取る[25][26]。"マンダロリアン"は後に再考し、グローグーを救うために複数のストームトルーパーを殺しながら帝国の基地へと戻る[27][28]。これがバウンティハンターギルドの規約違反となり、ギルドリーダーのグリーフ・カルガカール・ウェザース)率いるバウンティハンターの集団が"マンダロリアン"を襲撃し、グローグーを取り戻そうと試みる[29][30][31]。隠れ家にいたマンダロリアンの部族の仲間たちが2人を守るために現れ、"マンダロリアン"とグローグーは助かり、ネヴァロを脱出する[25][31]

チャプター4: 楽園英語版」で、"マンダロリアン"は人口のまばらな惑星・ソーガン英語版の村に避難する。オメラジュリア・ジョーンズ英語版)という名の未亡人の下へグローグーを置いていこうとするが、後に別のバウンティハンターが彼らを追跡してきたため、この惑星は安全ではないと悟る[32][33][34]。"マンダロリアン"とグローグーは「チャプター5: ガンファイター英語版」で惑星・タトゥイーンを訪れ、"マンダロリアン"が離れている間、グローグーはペリ・モットーエイミー・セダリス)という名のメカニックの世話になる。グローグーとペリはつかの間トロ・カリカン英語版ジェイク・カナヴェイル英語版)という名のバウンティハンターから攫われるが、"マンダロリアン"が殺害して事なきを得る[35]。「チャプター6: 囚人英語版」にて、"マンダロリアン"はランザー・マルク英語版マーク・ブーン・ジュニア英語版)が組んだ傭兵集団の一員として任務に参加する。"マンダロリアン"は任務の間グローグーを船に隠し続けるが、最終的に傭兵達はグローグーに気が付く。一行のうちの一名、 Q9-0英語版という名のドロイド(リチャード・アイオアディ) がグローグーの賞金を知って殺そうとするが、ドロイドは"マンダロリアン"に破壊される[36][37]。シーズン1の最後から2番目のエピソードである「チャプター7: 罰英語版」の冒頭では、"マンダロリアン"はグリーフ・カルガから通信を受け取り、"マンダロリアン"の行動が原因でクライアントがネヴァロの支配を強めたと告げられる。グリーフは"マンダロリアン"が依頼人を殺害するのを助け、星から帝国の者達を一掃すれば、交換条件として彼とグローグーはギルドからこれ以上如何なる報復も受けないことを提案する[38][39][40]

この提案は罠であり、グリーフは"マンダロリアン"を襲撃して殺害し、グローグーをクライアントの元へ連れ戻そうと企てる[29][40][41]。それにもかかわらず"マンダロリアン"はこの申し出を受け入れ、グローグーと、仲間のキャラ・デューンジーナ・カラーノ)、クイール(声:ニック・ノルティ)、クイールが再建し、ナースドロイドとしてリプログラムしたIG-11と共に星へ戻り、IG-11はグローグーを守護する[38][39][41]。旅の途中、一行はプテロダクティルスのような生物から襲撃を受け、グリーフが致命的な傷を負うが、グローグーがフォースを使って傷を治す[39][42][43]。これに感動したグリーフは心変わりし、他の者に罠について知らせる[29][42][30]。新しい計画を考案し、他の者がクライアントとその軍隊を抹殺している間に、クイールがグローグーを連れて"マンダロリアン"の船へ戻ろうと試みる[39][40][41]。この計画は失敗し、クイールはスカウト・トルーパーに殺され[44][45]、つかの間グローグーは攫われるが、シーズン1の最終話「チャプター8: 贖罪英語版」冒頭でIG-11によって救出される[46]。IG-11はグローグーを"マンダロリアン"、キャラ、グリーフの元へ連れ戻し、帝国軍将校のモフ・ギデオン英語版ジャンカルロ・エスポジート)からの襲撃を防御するのを手伝う。ギデオンは長い間グローグーを探し求めてきたことを明らかにし[47][48][49]、なぜ求めるのかは明らかにしないものの、「私にとっていかに重要かお前は知るまい」と述べる[50]

ギデオンのストームトルーパーによる攻撃を生き延びた後、グローグーはフォースを使ってストームトルーパーの火炎放射器からの攻撃を退け、一行とグローグーは地下道を通って脱出する。隠れているマンダロリアンの仲間に助けを求めるが、「チャプター3: 罪」で彼らの存在が明らかになった後、帝国軍が部族を一掃させたことが明らかになる[51]。部族のリーダーであるアーマラー英語版エミリー・スワロー)は、"マンダロリアン"にグローグーを見守り保護するよう命じ[52][53][54]、"マンダロリアン"がかつてそうであったように、グローグーを「孤児」としてマンダロリアンに正式に迎え入れる[53][55]。"マンダロリアン"にグローグーの仲間を探し出して送り届けるよう指示し、そしてそれまでの間、"マンダロリアン"とグローグーは「クラン・オブ・ツー(A clan of two、二人の一族)」となり、"マンダロリアン"はグローグーの父親のような存在になる[55][56]。アーマラーは、「チャプター2: ザ・チャイルド」で"マンダロリアン"とグローグーが共に倒した生物・マッドホーンが2人の紋章であると宣言する[57]。一行は出発し、IG-11はグローグーを守るためにストームトルーパーの部隊全体を巻き込んで自爆し、自ら犠牲となる[47]。モフ・ギデオンからの最後の攻撃を退いた後、"マンダロリアン"はグローグーと共に再びネヴァロを出発する[51]

シーズン2

グローグーは、グローグーの仲間・ジェダイを探すため、手助けしてくれる他のマンダロリアンを捜索中の"マンダロリアン"に同行する。「チャプター9: 保安官英語版」で2人はタトゥイーンへ戻り、本当のマンダロリアンではないもののマンダロリアン・アーマーを身につけた人物、モス・ペルゴ保安官のコブ・ヴァンス英語版ティモシー・オリファント)に出会う。"マンダロリアン"はヴァンスのアーマーと引き換えに、モス・ペルゴの町を襲っているクレイト・ドラゴン英語版の討伐を手伝う。その過程で2人は町民とタスケン・レイダーの一族との間でぎこちない協定を取り付ける。"マンダロリアン"は最終的にヴァンスへの深い敬意を育み、ドラゴン討伐の間、自身が死んだ場合に備えてグローグーの世話を委ねるほどに至った。「チャプター10: 乗客英語版」では、"マンダロリアン"とグローグーはカエルの女性(ミスティ・ローザス、声:ディー・ブラッドリー・ベイカー)と接触し、他のマンダロリアンの居場所と引き換えに女性の夫の待つ星・トラスクへと向かい、受精前の卵を送り届けることになる。旅の途中グローグーは卵を気に入り、"マンダロリアン"からはっきり止められたにもかかわらずいくつか食べてしまう。グローグーの食欲はマルド・クレイスで足止めされた際も一行をトラブルに巻き込み、クモのような生き物の卵を食べた途端に残りの卵が孵化し、一行は群れに襲われる。彼らは最終的に2人の新共和国Xウィングパイロット(デイヴ・フィローニ演ずるトラッパー・ウルフとポール・サン=ヒョンジュ・リー英語版演ずるカーソン・テヴァ)によって救出される。「チャプター11: 後継者英語版」にて、トラスクに到着して女性と期限の迫った卵を夫の元へ連れて行った後、"マンダロリアン"とグローグーはボ=カターン・クライズ英語版ケイティー・サッコフ)と他2名のマンダロリアンに遭遇し、クオレン英語版の船員から"マンダロリアン"のアーマーを奪うためにグローグーを殺されそうになったところを救われる。"マンダロリアン"がジェダイの居場所と交換条件にボ=カターンらの任務へ同行している間、グローグーはカエルの女性とその夫の元に残って卵の孵化を見届け、生まれたばかりのオタマジャクシと絆を結ぶ。

チャプター12: 包囲英語版」では、"マンダロリアン"とグローグーはマンダロリアンの宇宙船「レイザー・クレスト」の修理のためにネヴァロへ戻り、星の治安を好転させたグリーフ・カルガとキャラ・デューンと再開する。"マンダロリアン"がグリーフ、キャラとミスロル英語版の仲間(ホレイショ・サンズ英語版)と共に、船の修理と引き換えにネヴァロにある最後の帝国軍基地を壊滅させに向かっている間、グローグーは町にある学校へ残り、フォースを使って他の子供からクッキーを盗む。このエピソードでは、帝国がグローグーに対してどのような計画を企んでいるのかも示されており、帝国軍基地を探索中、"マンダロリアン"達は帝国の科学者達が行っているグローグーの血液が関係したクローン実験に遭遇し、その一部は既にクローンへ輸血されており、フォース感応力を与える目的で使用している可能性が判明する。

チャプター13: ジェダイ英語版」では、"マンダロリアン"は惑星・コルヴァスにいる元ジェダイのアソーカ・タノロザリオ・ドーソン)の元へグローグーを連れて行き、アソーカがフォースを通してグローグーと会話したことで、グローグーという名とグローグーがかつてジェダイの大粛清下のコルサントのジェダイ寺院から救出された新米ジェダイであり、安全のために身を隠し、そのためにフォースの力を抑制していることが判明する[58]。グローグーが"マンダロリアン"に強い愛着を感じているため、アソーカはグローグーの訓練に消極的であったが、グローグーをタイソンのジェダイ寺院に連れていけば、そこでフォースを通して他のジェダイと繋がり、自らの運命を選択できるかもしれないと助言する。

チャプター14: 悲劇英語版」にて、"マンダロリアン"は教わった寺院にグローグーを連れて行き、そこでグローグーは瞑想を始め、周りにフォースの防御フィールドが出現する。モフ・ギデオンの帝国軍残党が"マンダロリアン"を追跡しており、間も無くグローグーを捕らえようと攻撃を試みる。グローグーは"マンダロリアン"に守られながら瞑想を続け、到着したばかりのボバ・フェットテムエラ・モリソン)とフェネック・シャンド英語版ミンナ・ウェン)がフェットのアーマー("マンダロリアン"がコブ・ヴァンスから入手したもの)と引き換えにグローグーを守る取引をする。一行の奮闘むなしく、グローグーはギデオンのダークトルーパーに捕われて帝国の船に連行され、拘留房に閉じ込められてしまう。後に、ギデオンはグローグーが2名のストームトルーパーをフォースを使って放り投げ、その後に消耗して倒れ込む様を目にする。ギデオンはトルーパーにグローグーを気絶させて手錠をかけ、ドクター・パーシングのところへ連れて行き、輸血を完了させるよう命じた。

チャプター16: 救出英語版」では、"マンダロリアン"はグローグーを救うため、 キャラ、フェット、フェネック、ボ=カターン、コスカ・リーヴス(メルセデス・バーナード)と共にギデオンの船に乗り込む。フェットがスレーヴ1英語版から援護し、他の者達が船のブリッジを制圧している間、"マンダロリアン"はギデオンと対峙して打ち負かす。ギデオンを捕らえ、グローグーを救出した"マンダロリアン"と仲間達は、ダークトルーパー・ドロイドの小隊によって脱出経路を絶たれるが、ルーク・スカイウォーカーマーク・ハミル)がR2-D2と共に到着し、ダークトルーパーを壊滅させる。ルークがグローグーを育て訓練すると申し出ると、"マンダロリアン"は子がジェダイになる運命なのだと悟り、やむ無くグローグーをルークの元へ行かせることにする。感動的な別れの最中、"マンダロリアン"はグローグーに初めて顔を見せるため、ヘルメットを外し、再会することを約束する。

ボバ・フェット/The Book of Boba Fett

グローグーはスピンオフシリーズ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』の6話「チャプター6: 砂漠から来た流れ者英語版」に登場する。ルークはグローグーを訓練しながら、コルサントのジェダイ寺院の故郷や、ジェダイの大粛清の出来事など、いくつかの過去を思い出すのを手伝う。"マンダロリアン"はグローグーの元を訪れるが、アソーカ・タノと会話した後、訓練を妨げたくないために再会を断念する。しかしグローグーへの贈り物として、アーマラー英語版によって鋳造されたベスカー製の鎖帷子をアソーカに託す。アソーカはルークに鎖帷子を渡し、ルークはグローグーがジェダイの道に完全に専念しているかどうか確信が持てず、この問題をどう対処すれば良いのかも分からないと告白する。その後、ルークはアソーカの助言に倣って自分の直感に従い、グローグーに鎖帷子と師匠・ヨーダのライトセーバーのどちらかを選ばせることで、グローグー自ら運命を選ばせることにした[59]

7話「チャプター7: 名誉のために英語版」にて、グローグーはR2-D2と共にルークのXウィングに乗ってタトゥイーンにあるモットーの格納庫へ着陸し、そこでヨーダのライトセーバーではなくベスカーの鎖帷子を選んだことが明らかになる。モットーはモス・エスパにグローグーを連れて行き、グローグーは"マンダロリアン"と再会する。グローグーとモットーは"マンダロリアン"、ボバ・フェット、フェットの部隊を援助し、パイク・シンジケートを倒す。しかし、キャド・ベイン英語版コーリー・バートン)がフェットのランコアを怯えさせ、モス・エスパは騒乱に陥る。グローグーはフォースを使ってランコアを眠らせ、更なる被害を防ぐ。その後、グローグーと"マンダロリアン"は"マンダロリアン"が新たに得たN-1スターファイター英語版に乗り、共にタトゥイーンを飛び立つ[60]

シーズン3

グローグーは、"マンダロリアン"がヘルメットを脱いで教義に反した罪を償うための旅を共にする。「チャプター17: 背教者英語版」にて、マンダロリアンはIG-11を仲間に加えようと一部修理するが、IG-11は元のプログラムに戻っており、グローグーを殺そうとしたためもう一度破壊される。「チャプター18: マンダロアの鉱山英語版」では、ペリ・モットーが"マンダロリアン"にR5-D4を売り、3人はマンダロア英語版へと向かう。"マンダロリアン"が鉱山のサイボーグに捕らえられると、グローグーは"マンダロリアン"救出に協力してもらうため、R5と共にN-1に乗ってカレヴァラにいるボ=カターンを連れてくる。救出後、ボ=カターンはグローグーと"マンダロリアン"を鉱山の中にある泉へ案内し、グローグーは"マンダロリアン"の沐浴に立ち会う。「チャプター19: 改心英語版」にてカレヴァラで帝国軍のスターファイターに襲撃された3人は、"マンダロリアン"と同じ部族の仲間達の元へ逃げるを余儀なくされ、そこでグローグーは"マンダロリアン"の救済とボ=カターンの加入を目にする。

チャプター20: 孤児英語版」では、グローグーは仲間の孤児のラグナー・ヴィズラ(ウェスレイ・キンメル)と共に訓練し、後にラグナーは巨大な翼を持つラプターに拐われる。"マンダロリアン"、ボー=カターン、ラグナーの父であるパズ英語版(声:ジョン・ファヴロー)がラグナーの救助をしに行く間、グローグーはアーマラーの鍛冶場に入り、アーマラーはグローグーにマンダロリアンの文化について教え、ベスカーのロンデルを鍛造する。鍛造がグローグーのジェダイ大粛清の記憶をさらに取り戻すトリガーとなり、ジェダイ・マスターのカレラン・ベク英語版ナブー軍の協力者達の助けを借りてコルサントから脱出したことが明らかになる。

チャプター21: 海賊英語版」と「チャプター22: 傭兵英語版」にて、グローグーはそれぞれの部族を団結させるボー=カタンと"マンダロリアン"に同行する。「チャプター23: スパイ英語版」では、IG-11の残骸から制作した人間大のメカ・IG-12がグローグーに与えられ、「はい」と「いいえ」の二語しか使えないものの、グローグーは歩いて会話をする。荒廃したマンダロアの地表を横断中に異なる2つの部族のマンダロリアン間で口論が勃発した際は、グローグーが介入して緊張を緩和し、和平を取り戻す。

チャプター24: 帰還英語版」では、グローグーは捕らえられた"マンダロリアン"を救出し、マンダロアにあるモフ・ギデオンの基地突破を手助けする。グローグーは3人のプレトリアン・ガードと対決し、IG-12は破壊されてしまうが、フォースを使ってガードとモフ・ギデオンを倒した後、燃え盛る爆発から"マンダロリアン"とボ=カターンを守る。マンダロアの奪還後、"マンダロリアン"はグローグーを正式に養子および弟子として迎え、グローグーはアーマラーからディン・グローグーの名を与えられる。"マンダロリアン"の弟子・ディン・グローグーとして修行の旅に出るため、2人はマンダロアを去る[61]

将来の作品

ディズニーの2024年第1四半期決算説明会にて、CEOのボブ・アイガーはスター・ウォーズの新作映画として「"マンダロリアン"とグローグーを初めて大画面に登場させる」企画を発表した[62]。この映画は後に『マンダロリアン・アンド・グローグー』として明らかにされ[63]、2026年5月22日に公開された。

キャラクター描写

グローグーは身体的にはヨーダとほぼ類似しており、共に特徴的な緑色の肌と長く尖った耳を有している[64]。グローグーは小柄で、目が大きく、髪は短く、肌は皺がある[65][66]。座ったり、這ったり、歩いたり、食べたりすることができる。周りのある程度の言語を理解できると思われるが、赤ん坊のような喃語を除いて話すことはできない[67]Vanity Fairのアンソニー・ブレズニカンは、「ここで感情の転移が起きている。観客は、名前も顔も明かされない"マンダロリアン"がベビーヨーダをとても気にかけているからこそ関心があるのだ。」と述べている[68]The Hollywood Reporterのレベッカー・キーガンは、グローグーが幼いながらもある種の知恵を示していると考えており、「幼児の姿をしたダライ・ラマ」だと述べている[5]。元NASA天体物理学者であり、『スター・ウォーズ最新科学読本英語版』の著者であるジーン・カヴェロス英語版もまた、グローグーが年齢以上の聡明さを示していると考えており、顔あるいは体が完璧に覆われた相手さえ意識・共感し、他者の怪我を認識して治療しようとする力があると指摘している[67]

その若さにもかかわらず、グローグーはフォースを使い操るかなりの力を見せており、例えば「チャプター2: ザ・チャイルド」では巨大な生き物であるマッドホーンを空中に持ち上げたり[22][69]、「チャプター8: 贖罪」ではストームトルーパーの火炎放射器の攻撃を跳ね返したりしている[51]Comic Book Resourcesのケヴィン・メルローズは、スター・ウォーズ オリジナル三部作英語版の映画『帝国の逆襲』(1980年)で、ルーク・スカイウォーカーXウイングをその大きさ故に持ち上げるのに苦労していた一方、グローグーが小柄で若年であるにもかかわらず重量のあるものを持ち上げられるということは、そのフォースの力がいかに莫大かを表していると指摘した[69]。また、グローグーは周囲の人々を助けるためにフォースを使いたい欲求を繰り返し示しており、「チャプター2: ザ・チャイルド」ではマンダロリアンの傷を治そうと試みたり[22]、「チャプター7: 罰」ではグリーフ・カルガのほぼ瀕死の傷を治したりしている[39][42]。しかし、このようにフォースを使用した後のグローグーはしばしば疲れ果てて意識不明になるため[70][71][72]、まだ自分の能力を身につけている最中であり、それを完全に制御するスキルがまだないことを示している。フォースに対する天性の才能にもかかわらず、グローグーは訓練を受けておらず、依然として防御面で"マンダロリアン"やその他の味方に強く依存している[70]。グローグーは穏やかな性格で[5]、出会うほとんどの人には純粋で心優しい印象を与えるが[70]、「チャプター7: 罰」では"マンダロリアン"とアームレスリングしているキャラ・デューンを(敵対していると勘違いして)フォースで窒息させようとしたり、「チャプター14: 悲劇」ではモフ・ギデオンに拘留されながらも2人のストームトルーパーを同時に投げつけるなど、時折暴力的な能力の使い方をすることもある[73][74][75]

構想・制作

着想

グローグーは『マンダロリアン』の原案・ショーランナーであるジョン・ファヴロー(左)によって生み出され、ファヴローとエグゼクティブ・プロデューサーであるデイヴ・フィローニ(右)の初期の話し合いの中で作り込まれていった。

グローグーは、『マンダロリアン』の原案およびショーランナーであるジョン・ファヴローが考案した[10]。2012年にルーカスフィルムウォルト・ディズニー・カンパニーに買収されたことを知ったファヴローは、『スター・ウォーズ』プロジェクトでの仕事を考え始め、とりわけ『スター・ウォーズ』のオリジナル三部作の後の出来事の探究に興味をもった[5]。ファヴローはヨーダとその種族を取り巻く謎を探求したいという願望と、[10]、『ジェダイの帰還』(1983年)でヨーダが自身の旅を終えるのとは対照的にヨーダと同じ種族で旅を始めることでキャラクターを提示したいという関心を基にして、グローグーを考案した[5]。ヨーダの魅力の一部はジョージ・ルーカスが意図的にそのオリジンや種族の詳細を謎めいたままにしているからだと考えており、その神秘性はグローグーにも及ぶだろうと確信した。「だからこそ、人々が(ヨーダと)同じ種族のこの小さな存在に興味津々なんだと思います。」と述べている[10][76]

2017年半ば、ファヴローがルーカスフィルム代表のキャスリーン・ケネディに『マンダロリアン』のアイデアを持ち込んだ直後、ケネディはファヴローに複数の『スター・ウォーズ』のアニメシリーズを共同制作してきたデイヴ・フィローニに会うよう勧めた。フィローニは、ファヴローとの話し合いについてこう語っている。

彼が一番最初にこの子供を出して、ヨーダと同じ種族にしようと言い出した時は、「おっと、そりゃあ厄介だな」と思いました。ヨーダ、それと前日譚のジェダイ評議会にいたヤドル以外に、これまでこれをやってこなかったから。ある意味神聖なものだし…語ると決めた物語を語る時は、責任を持たなきゃいけないし。ファン達は、それが計算されて慎重に決められたものだって知りたいんです。それでもし良い物語を語れば、たいてい彼らもそれに乗ってくれます。[77]

グローグーというキャラクターは、ファヴローとフィローニの初期の話し合いで具体的になっていき、フィローニは話し合いの最中カクテルナプキンにグローグーのラフスケッチを描いた[5]。フィローニが生み出したグローグーのイメージを洗練させるために複数のアーティストが関わったが、決定的なイメージはアーティストのクリスチャン・アルズマンが描いたコンセプト画から生まれ[5]、そこにはその場しのぎの服を着たキャラクターが描かれていた。ファヴローはこのレンダリングについて、「可愛いけど、ちょっと変な感じもしました。それがヨーダの一部。ただ可愛いだけではダメ。ディズニーの赤ちゃんそのままではダメで、ちょっとひとひねり加えなきゃいけないんです。」と語っている[5]。チームは、視聴者が親近感を覚えられる、ペットを連想させるような仕草や表情を確立しようとした。これらの特徴には、グローグーの耳や姿勢、首を傾げる仕草などが含まれる[5]

ディズニーCEOボブ・アイガーはグローグーについて、「そのキャラクターを初めて見た瞬間、観客に響くだろうという強い気持ちが湧きました。とても可愛く、とても面白く、とても魅力的。とても馴染みがあり、それでいてとても新鮮。」と述べた[5]。ファヴローはグローグーがヨーダ自身の若いバージョンではないことを明確にしているが[10][11][76]、ヨーダとの血縁関係や、何かそれ以外の繋がりがあるかどうかについては明言を避けている[11]

パペットの制作

グローグーはComputer-generated imagery(CGI)によって調整しながらも、主にパペットアニマトロニクス技術と人形劇によって構成されている[10]特殊メイク効果の創始者スタン・ウィンストンの弟子たちによって設立された特殊効果スタジオであるレガシー・エフェクツがグローグーのパペットを制作し、撮影中に命を吹き込むパペッティア達を提供した[78][79]。パペットの制作にはおよそ500万ドルかかっており[1]、内部に大量の配線とアニマトロニック技術が仕込まれているため、比較的重さがある[80]。パペットは2人の技師が操作しており、1人が目と口を担当し、もう1人がその他の表情を担当している[16][81]。撮影で使用されるグローグーのパペットは、メインのものに加え、代役となるものが複数用意されている[82]。『マンダロリアン』の制作陣は、グローグーの撮影にはできるだけアニマトロニクスを使いたいと考えていた[83]。その一方で、パペットを使ったシーンと使わないシーンの両方を撮影し、パペットで満足のいく出来栄えにならなかった場合に、ポストプロダクションでCGI効果に置き換える選択肢も用意した。[83][84]。ファヴローは、CGIを使用する場合にはパペットだった場合と同じ物理法則に従うよう努めており、「CGは大抵、そのキャラクターが同じ個性や魅力を維持できるような創造的な制限を生まないくらい露骨になりすぎると思います。」と述べている[10]

グローグーの音声は、サウンドエディターのマシュー・ウッド(左)とデヴィッド・アコード(右)が制作した。

グローグーの音声は、過去に複数の『スター・ウォーズ』プロジェクトを手掛けたスカイウォーカー・サウンドのサウンドエディターであるデヴィッド・アコード英語版マシュー・ウッド英語版が制作した。アコードはサンディエゴ近郊の野生動物保護施設で動物の声を録音し[85]オオミミギツネキンカジューの録音が最初にグローグーの声として使用された[2][85][86]。しかし、ファヴローがより人間のように聞こえ、観客が共感できる声にする必要があると提案したため、動物の鳴き声は控えめになり、小さな唸り声や鳴き声にのみ使用された。実際の幼児の声が新たにグローグーの声を制作するために使用され、アコードは自身の声のピッチを高くしたものを、よりはっきりとした発声のためにいくつか使用した[85]。アコードは以前にも、アニメーション映画『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008年)でジャバ・ザ・ハットの息子の幼いハット属英語版であるロッタ・ザ・ハットの声を担当していた[86]。「チャプター23: スパイ英語版」では、アンゼラン達がIG-11の残骸から組み立てた装着型ロボット・IG-12の声をタイカ・ワイティティが務めており、グローグーはこれに乗り込んで操縦し、「はい」か「いいえ」を発するボタンを操作することで会話している[87]

撮影

『マンダロリアン』の脚本上グローグーは「ザ・チャイルド」として言及されていたが、一方で「チャプター4: 楽園」を監督した ブライス・ダラス・ハワードは、セットではいつも単に「ベイビー」と呼んでおり[78]、その他のキャストからは「生き物(The Being)」と呼ばれていたと語っている[15]。撮影中、各エピソードの監督はそのシーンで何が起こっているのか、グローグーが表現するべき感情、とるべき行動を議論するため、グローグーのパペッティアと意見を交わしていた[16][68]。監督のデボラ・チョウはこの方法について、生身の俳優への演出と似ていたと語っている[68][88]。ファヴローは、監督たちに撮影中にグローグーのパペットの限界を試し、押し広げるよう強く求め、キャラクターからできる限りリアルな動きや仕草を引き出すために実験するよう促していた[78]。"マンダロリアン"のボディダブルであるブレンダン・ウェインは、パペットが実際の子役相手に演技しているように感じさせるほど非常にリアルだったと述べている[79]。グローグーの描写を拡張していく「チャプター2: ザ・チャイルド」を監督したリック・ファミュイワは、『マンダロリアン』の初回エピソードがグローグーの紹介で終えることを知って衝撃を受けたと語っている[83]

セットでは、グローグーのパペットは番組のキャスト、クルーの人気者だった[68][89]。チョウは、「赤子がセットに来るたびにクルー全員が反応します。グリップ部門とかあらゆる制作アシスタントがモニターのところにやってきて、それを見ようとしていました。」と述べた[89]。ハワードは初めて目にした時に興奮で叫び[78]、ジーナ・カラーノはグローグーについて「それは私たちにとってかけがえのない存在でした。かけがえのない存在というのは、最終的に私たち全員が何らかの形で世話をすることになるこの存在のこと。」と述べた[68]。エミリー・スワローは、「ほかのみんなのように恋に落ちました」[90][91]、「その小さなバッグに入って共演シーンのために運ばれてきたときは、本当にわくわくしましたね。ただただ抱きしめたくなりました。」と語っている[92][93]。エイミー・セダリスは、グローグーのアニマトロニックパペットはセットの全員を幸せにし、「ベビーヨーダの目を見つめた瞬間、すぐに夢中になります。」と述べた[94]。同様に、ジャンカルロ・エスポジートは撮影中にグローグーのパペットとの交流を楽しみ、「心がとろけそうになりますね。だって、そのリアルさは本当に、この赤ちゃんは想像もつかないようなことをやるのに、その目と体を見て恋に落ちずにいられます?」と語っている[95]。カール・ウェザースはグローグーについて、「彼はとても面白いし、知識も豊富だし、とてもかわいいですね。普段はそんな言葉使いしないですけど、本当にかわいい奴です。」と述べた[96][97]

薄毛の男性が緑色のシャツを着てカメラから視線を外している。
『マンダロリアン』で依頼人を演じたヴェルナー・ヘルツォークは、グローグーの表現にアニマトロニクスと人形劇を使い続けるよう強く主張し、CGIの使用を検討した者を「腰抜け」と呼んでいる。

ヴェルナー・ヘルツォークはとりわけグローグーのアニマトロニックパペットとの撮影を楽しみ、それを「胸が張り裂けるくらい美しい」と述べた[81][98][99]。「チャプター3: 罪」でヘルツォークとグローグーの場面を監督したチョウは、自身のキャリアで「最も変な瞬間の一つ」で[68][89][100]、ヘルツォークがパペットにとても愛情を抱き、まるで生きているかのように接していたと述べ[89][100][101]。「彼が、それが本物の生き物ではないことを忘れて恋に落ちていたろうとまさしく思います。」と語った[100]。ヘルツォークは、グローグーにCGIではなくパペットを使うよう『マンダロリアン』の製作陣へ力説した。あるシーンの撮影中、デイヴ・フィローニがCGIに置き換える場合に備え、別のテイクを撮影するためにパペットをどかし始めると、ヘルツォークがそうせずにアニマトロニクスとパペットにこだわるように熱心に力説し、「腰抜けだな。置いてけ。置いてけ。」と述べている[83][84]。エスポジートもまた、演技相手に実際のグローグーのパペットがいることは、「その空間のおかげで、私たち全員がその存在感に圧倒される」ため、キャストにとって役立ったと語っている[82]

クイールの動きをセットで担当したミスティ・ローザスは、「チャプター7: 罰」の自身のシーンでしばしばグローグーのパペットを抱えていた。これはローザスにとって、自身の衣装とマスクのアニマトロニクスの重さに加え、グローグーの小道具の重さもかかっていたため、しばしば挑戦だったと明かしている[80]。このエピソードの撮影のうち、丸一日はクイールがブラーグ英語版(劇中に登場する生き物)に乗るシーンに費やされ、このシーンについて、偽物の生き物に乗って過ごした時間と、その生き物が走るスピードのために「強烈」だったと述べた。シーン全体を通してグローグーの重いアニマトロニックパペットを抱えているため、その過程がより一層困難にさせ、テイク間には休憩を取らなければならなかった。ローザスは「私の手足はそれほど長くないので、必死に赤ちゃんを抱きしめていました。」と語っている[102]。その一方で、ローザスは「とにかく彼は私の心を溶かすし、超可愛いです。」と、グローグーとの撮影を楽しんだ旨を語っている[80]

「チャプター8: 贖罪」のオープニングシーンでは、コメディアンのアダム・パリー英語版演ずるスカウト・トルーパーがグローグーをパンチする。そのシーンの撮影の最初のテイクで、パリーはグローグーのアニマトロニックパペットを強く殴ってしまったため、ファヴローはパペットの制作に約500万ドルかかっていることを知らせた。このことでパリーは非常に緊張し、その後の3テイクでもグローグーをパンチしようとしたものの、全く命中しなかった[103][104]。パリーはグローグーとの仕事について、「言わなきゃいけないんですけど、本当のベビーヨーダはちょっとディーヴァですよ。ずっと電子タバコ吸ってるし。」と冗談を述べた[105][106][107]。『マンダロリアン』撮影中のある時にはジョージ・ルーカスがセットを訪れ、グローグーのパペットを抱きかかえた。ルーカスがグローグーを抱いている写真をファヴローが2020年1月16日にInstagramで投稿すると、インターネット上ではかなりの注目を浴びた[108][109][110]

配信前

ジョン・ファヴローは、グローグーの存在を秘密にしたままにするという決定は、俳優のドナルド・グローヴァー(写真)の影響を受けたものだと述べている。

グローグーは、キャラクターの詳細が『マンダロリアン』配信前にリークされる恐れから、秘密裏にされ、番組配信前のマーケティングとマーチャンダイズ計画から意図的に隠されていた[10][5][111][112]。ファヴローはこの計画について、「人々が本当に大切にしていることの一つは驚きや喜びを感じることだと思いますが、それが今ではあまりにも稀になってきているように思います。」と述べた[10]。ファヴローはその戦略の源として、ドナルド・グローバーの名を挙げている。『マンダロリアン』の企画と同時期に、ファヴローは『ライオンキング』(1994年)の2019年のフォトリアル・リメイクを監督しており、グローバーが出演者の一人だった。グローバーは音楽とポップカルチャーについて語りながら、インターネットの時代において真のサプライズははるかに一般的ではなくなったため、人々はサプライズを楽しむとファヴローに語った。グローバーは例として、歌手のビヨンセがサプライズアルバムを突然リリースしたことにより巻き起こった興奮をあげている[5][113]。ファヴローは、グローグーが(作中で)明らかになるまで秘密にしておくことで、ファンがキャラクターに感情移入し、「物語が展開していく様子を発見する」ことができると考えた。ウォルト・ディズニー・カンパニーの経営陣とマーケティングチームはこの戦略を支持した[10]。グローグーに関するリークを防ぐため、パイロットエピソードの試写版は批評家には配布されず[114]、ルーカスフィルムと『スター・ウォーズ』の公式SNSアカウントは可能な限りネタバレを避けるため、作品が公開されてから1週間経つまでグローグーについて投稿しなかった[114][115][116]

テーマ

子育てと父性

『マンダロリアン』の主要なテーマの1つが、とりわけ"マンダロリアン"とグローグー間の父子関係の力学を通じて語られる子育て父性である[117][118][119]Fatherlyのライアン・ブリットは、「『スター・ウォーズ』フランチャイズは長年、親子の力学の描写を避けてきた。マンドーとベビーヨーダで、それがついに変わる。」と記した[117]Vultureライターのキャスリン・ヴァン・アーレンドンクは、子育てはこれまでも『スター・ウォーズ』の物語の主題になってきたが、そのほとんどがグローグーのような発育途中の幼児というよりも、子育ての後期の段階だったと述べた。例として、若きアナキン・スカイウォーカーのメンターを務めるオビ=ワン・ケノービ、息子のカイロ・レンの成長を嘆くレイア姫、あるいはレイの両親の不在を挙げた[120]。複数の評論家は、グローグーと"マンダロリアン"の間の力学を、とその息子を描いた漫画子連れ狼』と比較している[121][122][123][124]。グローグーは、"マンダロリアン"をより穏やかで、より親しみを感じるキャラクターにしており[12][125]、グローグーを育てることで良い方へと変わり、利己的で自己中心的ではなくなっている[126]。作中では、"マンダロリアン"の宇宙船のコックピットにあるボタンをランダムに押しているグローグーを"マンダロリアン"が止め、最終的に自身の膝上で抱える時や[117]、"マンダロリアン"がグローグーのために船内のコックピットにチャイルドシートを用意してグローグーが旅路で安全かつ快適に座ることができるようにしたことなど、いくつかの子育て事例が登場している[34]

"マンダロリアン"とグローグーの関係性は、予期せぬ父性の一例である[120][126]。"マンダロリアン"は親を亡くして「孤児」としてマンダロリアンの文化に迎え入れられた自身の子供時代が影響し、グローグーに親近感や親子の絆を感じている[120]。にもかかわらず、当初"マンダロリアン"が求めていた役割は父親になることではなく、この責任を放棄しようと何度も試みる。まず初めに「チャプター3: 罪」では依頼人の元へグローグーを置いていき[126]、次に「チャプター4: 楽園」ではソーガン星でグローグーを自身の家族に迎え入れる意思を示した保護的な母親・オメラの元へ残そうと考える。"マンダロリアン"はシーズン1の最終回「チャプター8: 贖罪」まで父親の役割に完全に専念しておらず、グローグー自身を同様に「孤児」としてマンダロリアンの文化へ迎え入れたことで、"マンダロリアン"は正式にグローグーの父親像になる決心をする[120]

Vanity Fairのアンソニー・ブレズニカンは、このシリーズでは、子育ての日常的な困難が全く描かれておらず、「ベビーヨーダの甲高い叫び声も、癇癪も、吐き戻しも、親の心を歯医者のドリルが柔らかいピンク色の神経を削り取るように深く傷つけるような、抑えきれない叫び声もない。」と指摘している[68]。同様に、Vultureのライターであるキャスリン・ヴァン・アーレンドンクは、番組がグローグーが何を食べ、いつ眠り、おむつを着るかどうかといった、多くの子育てに見られる父親であることを難しくする詳細を無視しているか取り組んでいないと述べ、「『マンダロリアン』はおむつに興味がなく、そのためマンドーは父親業の非常に特殊なイメージ、つまり細かなことを気にする必要のない男を体現している。」と記している。ヴァン・アーレンドンクは、これを親や親になる予定の人のための願望成就英語版ファンタジーであり、「徹底的にあらゆる詳細や具体性を剥ぎ取った育児のビジョンが残すものは原型、つまり親と子だけ。」と述べている[120]

グローグーは、最初のシーズン全体でオメラや、IG-11、ペリ・ モットーなどの他の数人の保護者と出会う[120]。一部の評論家は、"マンダロリアン"がグローグーを繰り返し一人きりにしたり、見知らぬ人物に預けたり、危険にさらすような決定を下したりする観点から作品を批判している[118]。その一例としては、「チャプター6: 囚人」にてグローグーが乗船している最中に危険な傭兵団に船を使わせてしまい、グローグーが死にかけることが挙げられる[118][127]。「チャプター5: ガンファイター」での"マンダロリアン"とペリ・モットーの交流は、グローグーの世話をする上での課題について最も率直に議論されているものの一つである。マンダロリアンがペリの腕の中で寝ていたグローグーをうっかり起こしてしまった時は、「起きたじゃないか、やっと寝かしつけたのに」とたしなめる[120]。"マンダロリアン"がグローグーを船に1人で残した際も、「子育てを一から学ぶんだね」と非難している[35]ScreenCrushライターのマット・シンガーは、"マンダロリアン"の子育てにおける失敗は、失敗することが親であることの大部分であり、番組をより魅力的で共感できるものにしていると主張した[118]

善悪・生まれか育ちか

「チャプター7: 罰」で描かれた"マンダロリアン"の宇宙船内のあるシーンは、多くのファンがグローグーを再評価し、邪悪な一面があるのではないかと疑問を抱かせた。そこでは、グローグーが"マンダロリアン"とキャラ・デューンが賭け事でアームレスリングをしている様子を観察している。試合中、グローグーはフォースを使ってキャラを絞め殺そうとするが、"マンダロリアン"が食い止める[73][74][75]。『スター・ウォーズ』フランチャイズ全体を通して、その能力はフォースのダークサイド、とりわけ、敵役のダース・ベイダーと最も一般的に関連付けられてきた[128][129]Screen Rantのサラ・ビー・ミルナーは、「その瞬間は本当に衝撃的で、かなり不穏」と記した[128]。しかし評論家の一部は、グローグーは"マンダロリアン"が危険にさらされていると誤解し、助けようと介入した可能性が高いと指摘した[129][130]。また、同じエピソードでグローグーはフォースを使い、グリーフ・カルガの傷を癒して救うが、これは通常ライトサイドに関連付けられる力である[128][73][130]。Comic Book Resourcesのピーター・フォイは、「ディズニーがこのかわいこちゃんのストーリーラインをダミアン英語版(『オーメン』)のようにして商品化の可能性を台無しにするのは、あまり現実的に思えない。」と記している[73]

その一方で、一部のライターは視聴者はその可愛い故に、グローグーの邪悪な能力を過小評価していたと指摘している[75][129][131]。ファンは、グローグーが偽りの人格を演じているか、フォースを使って人々を操り自分の生存を確実にするために世話をさせているのではないかと推測した[74]Esquireライターのマット・ミラーは、ヨーダが『帝国の逆襲』で初登場した際、ジェダイ・マスターであることを明かす前に正体を偽り、ルーク・スカイウォーカーに対して無邪気な人物を装っていたと指摘した。ミラーは、グログも同様の演技をしている可能性があると示唆した[129]。あるファン理論では、グローグーは過去の『スター・ウォーズ』作品に登場する、銀河を滅ぼす可能性のある邪悪な存在を予測した予言と関連している可能性があると考えられている。この予言は小説『Star Wars: Master and Apprentice』(2019年)に登場するもので、「過去の危険は過去のものではなく、卵の中に眠っている。その卵が割れた時、銀河全体を脅かすことになるだろう。」とされている。ファンたちは、これは『マンダロリアン』で卵型のゆりかごで眠るグローグーのことではないかと推測した[131]。その他にも、帝国残党がグローグーを欲しがる理由は、彼をフォースのダークサイドへ引き渡すか[128]、兵器として使うためだと推測する者もいる[73]。シーズン1最終回にて、モフ・ギデオンは「お前は自分が何を持っているのか、ある程度分かっていると思っているかもしれないが、そうではない。」と述べており、Comic Book Resourcesのピーター・フォイは、これをグローグーが大量破壊を引き起こす可能性を示唆している可能性があるのではないかと指摘した[73]

Bustleのケイトリン・ギャラガーは、この番組はグローグーが邪悪になる方へ物語を進めるのではなく、マンダロリアンがグローグーをより暴力の少ない環境で育てる方法を見つける必要があることを示唆しているのかもしれないと指摘した[74]。全シーズンを通して、グローグーは周囲の人々が暴力行為を行うのを目撃してきた[128][74]。例えば、Vultureライターのキース・フィップスは、IG-11が目の前で複数のストームトルーパーを殺害したとき、グローグーの目には「驚きの表情」が浮かんでおり、フィップスはこれを「滑稽だが、少しゾッとする」と評した[48]。一部のライターは、これに対して生まれか育ちかという議論を適用し、グローグーが暴力的になっているのは周囲の行動に基づいて学んでいるからだと主張した[74]。これは、グローグーは本質的に善でも悪でもないが[128][73]、むしろそのかわりに、全ての子供と同じように影響を受けやすく、周囲で起こっている出来事を完全に理解していないことを示している。人生について学んでおり、能力を伸ばしていく上で指導を必要としている[127][128]。これが、ライトサイドとダークサイドの両方に関連付けられるフォースの力を使う理由である[73]。キャラを窒息させるようとするグローグーを"マンダロリアン"が止めた時など[128]、この指導をするのは主に"マンダロリアン"の役目になっている[127]

文化的な影響

批評家の反応

スペースX Crew-1ミッション中のクルードラゴン「レジリエンス」機内にいるグローグーのぬいぐるみ

グローグーはファンや評論家から好評を得ており[4][68]、番組の大人気キャラクターとして広く評価されている[2][3][132][133]。ファンはグローグーの登場間も無くして「ベビーヨーダ」というあだ名を付けており[11][134][135]、ファヴローは「キャラクターを特定する最も簡単で、短くて、ハッシュタグしやすい方法 」であるとこのあだ名を受け入れている[11]。しかし、このあだ名は『マンダロリアン』制作陣の間では使われておらず、ディズニーCEOのボブ・アイガーはメールの文章でキャラクターをベビーヨーダと呼んだことで、ファヴローから「手首を叩かれた(「注意された」の意)」と述べている[136][137]。アイガーは後にグローグーへの好意的な反響の規模は「期待を大きく上回る」ものだったと述べた[138][139]

複数のライターはグローグーをポップカルチャーにおける逸材として表現しており、とりわけSNS上でファンから注がれる熱烈な愛情について指摘している[4][16][68]The Guardianはベビーヨーダを「2019年最大の新キャラクター」と呼び[4]USA Todayのブライアン・アレクサンダーは「この宇宙にベビーヨーダ以上にホットなものはない」と記した[11]。一部の批評家はグローグーのファンダムが年代や経験を超えており、グローグーがそうしたようにファンベース全体を団結させるキャラクターは極小数であると指摘し[68][140]、Vanity Fairのアンソニー・ブレズニカンは、「ほぼすべての事柄でひどく分裂した時代において、この小さな異星人の生き物への愛慕は満場一致なように見える。 」と記した[68][140]

Voxライターのアレグラ・フランクは、グローグーは『マンダロリアン』を「瞬時により記憶に残り、感情を喚起させる」ものにし、番組の主人公を取り巻くはずの孤独と緊張を和らげたと述べている[12]。 The Hollywood Reporterのキャロリン・ジャルディーナは、グローグーは『マンダロリアン』の批評的および商業的な成功を達成しただけでなく、文化的な時代精神にも影響を与えていると述べた[10]。番組外の面においては、その他のライターがディズニーのDisney+運用成功の鍵になったキャラクターだと表現している[4][7][9]The Vergeのジュリア・アレクサンダーは、「ベビーヨーダがDisney+への興味を引いていることに疑いの余地は無い。」と記した[7]。批評家の中にはグローグーを近年で最も素晴らしく最も賞賛された『スター・ウォーズ』の新キャラクターの一つと呼ぶ者もいる一方[116][138]、『スター・ウォーズ』フランチャイズをより幅広い層の観客にとって身近なものにさせたと述べる者もいる[4][76]

Vultureライターのマディソン・マローン・キルヒャーは、グローグーは自身のフランチャイズの名声をほぼ凌駕するほどの人気を持つキャラクターの一例だと表現し、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの ベビー・グルートと比較している[65]。The Guardianライターのザック・ヴァスケスは、過去の『スター・ウォーズ』作品に登場した若いキャラクターはグローグーほど強く響いてはいなかったと指摘し、グローグーの成功はキャラクターの考案者達と特殊効果による功績だと述べた[4]。同様に、The Hollywood Reporterのロビン・バハルは、グローグーへの肯定的な反応が観客はCGIのみよりも依然として人形劇やアニマトロニクス、特殊効果を求めていることを示していると『ダーククリスタル: エイジ・オブ・レジスタンス』と合わせて言及した。バハルは「もしベビーヨーダが全て3Dアニメーションだったら、一目見た瞬間にアイコンになることはなかっただろう。」と記している[66]

グローグーはThe Hollywood Reporterで2019年12月号の表紙を飾り、「ベビーヨーダがハリウッドの未来を代表する」との見出しがつけられた。記事ではライターのレベッカ・キーガンが、グローグーは『マンダロリアン』発表以前10年間におけるエンターテインメント業界での数々の変化とトレンドの最高到達点だと主張した。これらには従来の映画スターの衰退、ストリーミングメディアサービスの高盛、インターネットカルチャーの台頭、CGIの技術的進歩などが挙げられる[5]Varietyライターのキャロライン・フラムケ英語版は、グローグーが「最も強力なメディア・コングロマリットの本質的に巧妙な産物」だと知っているにも関わらず恋に落ちたと述べた[141]

全てのレビューがグローグーに好意的なわけではない。どのアメリカの州がグローグーに最も好意的に反応したかを分析したオンラインレポートによると、ユタ州での関心が最高で、ミシシッピ州での関心が最低なことが判明している[142]Rolling Stoneのライターであるアラン・セピンウォル英語版は、グローグーの登場はスター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』でのロッタ・ザ・ハットの焼き直しだと述べた[143]。Voxのエミリー・ヴァンダーワーフ英語版は、「また別のマーチャンダイジングの機会」であり、ディズニーが登場を秘密にするほどの価値を感じさせなかったと表現した[144]BBCライターのキャリン・ジェームズ英語版は、『スター・ウォーズ』に感情的な愛着を持たない人がグローグーを気に掛けるとは思えないと述べた[145]The Outline英語版のジェレミー・ゴードンは、グローグーをディズニーのマーチャンダイジング収益を生成することを主な目的とした「冷酷な資本主義マシンの商品」と呼び、「本当に嫌いなのはベビーヨーダのことではない、当然だ。彼は可愛い。付け込まれ、全てが既定路線であるかのような感覚のことだ。」と記した[146]。エマ・グレイ・エリスはその絶大なインターネット人気に対して、SNS上にてグローグーへいくつかのバックラッシュがあったと記し、「『みんな』が好きなものを貶しに飛んでやってきて、いちいち不機嫌な態度をとるのは必死なものであり、少なからず皆が好きだからという理由であろう。」と述べている[132]

グローグーはScreen Rantにて、『マンダロリアン』のシーズン1で最も面白いキャラクターや[30]、同番組のベストキャラクター[147]、シーズン1のベストコスチュームなど[148]、複数のリストで1位にランクインしている。

インターネット・ミーム

グローグーは瞬く間に人気のインターネット・ミームになった[134][149][150]。『マンダロリアン』の配信開始翌週、SNS上でのグローグーに関するニュース記事へのやり取りは民主党のどの大統領候補者に関するものよりもほぼ2倍だった[10][151][152]Google Trendsでは、『マンダロリアン』配信開始後数週間にわたって「Baby Yoda」での検索が継続的に向上した[65]。SNS上でのグローグーに関するニュース記事へのやりとりは『マンダロリアン』の配信開始後最初の2週間で228万件にも上り[152]、2019年11月12日から12月5日までの間、Twitterでは「Baby Yoda」が200万ツイートされた[65]。ファヴローが11月19日にクリスチャン・アルズマンによるコンセプトアートをツイートすると、1週間で3万4千件以上のリツイートと21万7千件以上のいいねを獲得した[68]。また、アリアナ・グランデ[65]ドウェイン・ジョンソンラッセル・ウィルソンアレックス・ロドリゲスなど[149]、様々な有名人がグローグーについてツイートしている。The Guardianのザック・ヴァスケスは、「今やどのソーシャル・メディア・プラットフォームをスクロールしても、大きな目と大きな耳の幼児の写真やビデオ、ミーム、GIFを目にしないことは不可能だ。」と記した[4]Los Angeles Timesはグローグーを「2019年のインターネットが夢中なもの」リストに含め、ライターのクリスティー・ジュリラが「ベビーヨーダは2019年のインターネットで勝利した。」と記している[153]

最も人気なミームの一つは、「チャプター4: 楽園」でグローグーが何気なくスープをすする場面のスクリーンショットに関するもので[65][154]カーミット無気力に攻撃的に紅茶をすする類似したミームと比較されている[155][156][157]。別の人気のミームでは、同エピソードでグローグーがマンダロリアンの宇宙船内のコックピットでボタンをでたらめに押す場面を使用しており[65][158]、ほとんどの場合は音を変更し、グローグーがラジオで様々な曲を流そうとしているかのように表現している[158][159]。 2019年11月後半、オンラインGIFデータベースのGiphy英語版が画像の法的地位に関する「混乱」のため一時的にグローグーのGIFを削除し、ファンから反感を買っている。しかしすぐに復元され[160][161][162]、Giphyはそれらを削除したことについてディズニーに謝罪した[160][161]ロサンゼルス・クリッパーズニューヨーク・アイランダースフェニックス・サンズピッツバーグ・スティーラーズサンフランシスコ・ジャイアンツサクラメント・キングスシアトル・マリナーズテネシー・ボランティアーズ・フットボール英語版などの複数のスポーツチームは、グローグーで独自のミームを作成した[149]

文化上の参照

2019年12月、ディズニーCEOのボブ・アイガーとグローグーのアートワークがTime誌に掲載され、記事ではアイガーをその年のビジネスパーソン(Businessperson of the Year)に挙げている[163]The New Yorkerは、女性がベビーカーを押し、その中の赤ん坊に「悪気はないよ、でもベビーヨーダは、その、あなたよりすごいよ。」と言っている風刺漫画を掲載した[68]。ウェブサイト・The Ringer英語版の関連ミュージシャン・Ice2Iceは、2019年12月3日にミュージカルハミルトン』の「Dear Theodosia英語版」を基にした楽曲「Dear Baby Yoda: A Love Song」を発表した[164][165][166]。グローグーは2019年12月の『サウスパーク』のエピソード 「Basic Cable英語版」でも言及された。このエピソードでは、スコット・マルキンソン英語版というキャラクターが、好きな女性がグローグーのファンなためDisney+に加入しようとしており、Disney+に加入すれば自身のことも好きになってくれるだろうと考えている[167]。グローグーは『サタデー・ナイト・ライブ』でもコメディアンのカイル・ムーニー英語版によるコーナー「Weekend Update英語版」にて複数回パロディ化されており、2019年12月14日のエピソードでは、『マンダロリアン』のキャストについて噂し、未来のベンチャー企業について語り、ベビー・グルートを脅迫している[168][169]第77回ゴールデングローブ賞では、司会のリッキー・ジャーヴェイスジョー・ペシを冗談で「ベビーヨーダ」と言い間違えた[170]。一部の批評家は、他のメディア企業がグローグーの登場に次ぐ自社キャラクターの幼いバージョンを取り入れていると指摘しており、グローグーの成功を利用しようと試みているのではないかと述べた。例としては、The Vergeのアシュリー・カーマンがビデオゲームのキャラクターであるソニック・ザ・ヘッジホッグ2020年の映画に登場する幼少期の姿「ベビーソニック」を引き合いにし、「ディズニーのプレーブックから引きちぎったかのよう」と表現している[171]

マーチャンダイズ

人々が本当に価値を感じているのはサプライズや喜びだと思いますし、それはあまりにも稀になってきていると思います。取り組んでいるプロジェクトに関する秘密を保つのは本当に難しいです。その商品発売を控えることによって、配信と同時におもちゃが入手可能にならないという不利な点があったかもしれないことは承知していましたが、その代わりにこのキャラクターをとりまく熱狂が生まれましたし、それは皆が一緒に彼を発見したという感覚を味わえたからでしょう。
ジョン・ファヴロー[10]

グローグーをとりまく機密性により、『マンダロリアン』配信前数ヶ月間このキャラクターの存在は製品メーカーには伏せられていた。結果として、グローグーの玩具やマーチャンダイズは高い需要があったにもかかわらず、2019年のクリスマスシーズンの発売には間に合わなかった[11][172]。ウォルト・ディズニー・カンパニーは、この計画が同社のマーチャンダイジング収益に短期的な損失をもたらすと承知していながらもこの計画を承認し、ファヴローは「彼らはその価値を理解していた。」と述べた[10]。アイガーは、番組配信前にグローグーのデザインが共有されていれば「何百人もの人々に、おそらく世界中に届いていただろうが、私たちはそうしたくなかった。」と述べた。また、ディズニーはストーリー・ファーストの企業であり、「それが何らかの玩具やゲームや消費財になるからといって物語を語ることはしない」と繰り返し[172]、グローグーの解禁を待つことは「価値があった」と語った[138][139]Amazonの商品リサーチツールJungle Scout英語版は、グローグーのマーチャンダイズ発売延期により、ディズニーが270万ドルの利益を損失した可能性があると推測した[173]。グローグーの玩具に対する需要は非常に高く、Amazonカスタマーは当時1ヶ月で9万回以上ベビーヨーダの商品を検索している[174]。Los Angeles Timesの消費者コラムニストであるデヴィッド・ラザロは、ディズニーの戦略は理解したが、同社は重要な商業的機会を逃したと感じ、「これが商業的金鉱になるだろうと彼らが見越していなかったという事実は正気ではなく、彼らがこの機会を逃したことは完全なる狂気の沙汰に思える。」と述べた[111]

グローグーのライセンスグッズ不足により多くの非ライセンス商品が制作され、Etsyをはじめとするウェブサイトなどのインターネット上で流通した[68][111][175]。これらにはフェルトかぎ針編みのドール、シャツ、アクセサリークリスマス・オーナメント英語版、アートプリント、バンパーステッカーマグカップなどがある[68][175]。ファン自身でグローグーグッズを自作する方法を紹介したDIY動画も生み出された[111]。Amazonマーケットプレイス出品者による非公式グローグーグッズ上位47品目は、番組配信の翌月で平均1842個、1個あたり23ドル売り上げた[174]。 2020年の1月半ば、ディズニーは著作権侵害を理由に「スター・ウォーズ」「マンダロリアン」「ヨーダ」の語句を使用した複数のEtsy出品者に対し、出品を取り下げるよう通知した[108][176][177]。公式グッズとしては、最も容易に生産可能なTシャツなどの布製品から市場に出回った[11][68]。最初に発売されたグローグーの人形はFunko英語版の10インチフィギュアとMattelの11インチぬいぐるみで[178]、2月に配送を開始した[111]。フィギュアの予約は注文開始と同時にAmazonでトップの玩具になった[137]。その他の公式マーチャンダイズは2020年初頭の発売が予定された[65][174][179]

グローグーのいくつかの玩具は、2020年2月にニューヨーク市アメリカ国際玩具フェア英語版で発表され[180][181]、特に人気があったものは、Hasbroのほぼライフサイズのアニマトロニクス玩具で、動いたり、瞬きしたり、実際のグローグーのように声を出したりする[133][180]。 この玩具は発表後数日で完売し、再出荷は2020年12月まで見込まれていなかった[182]。グローグーのワッフルメーカー[183]、グローグーのチアペット英語版[184]、ハズブロの「ミッション・フリート」シリーズであるスピーダー・バイク英語版に乗っているマンダロリアンと揺かごにいるグローグーの乗り物セットなど、その他の玩具も同フェアで発表された[181]ビルド・ア・ベア・ワークショップもまた、2020年初頭のグローグーのぬいぐるみの発売を発表した[185]。2020年8月には、レゴからレゴ ブリックヘッズ英語版のグローグーとマンダロリアン両方のフィギュアを発売した。同年9月にはグローグーのミニフィギュアが同梱されたマンダロリアンの宇宙船「レイザー・クレスト」のレゴセットも発売され、このミニフィギュアは2021年のセットである「タトゥイーンの戦い」にも再登場している[186][187]。組み立てられるグローグーのフィギュアのセットや、ミニフィギュアを基にしたぬいぐるみも発売された[188][189]

ビデオゲーム業界にて

2019年12月、エレクトロニック・アーツのビデオゲーム『ザ・シムズ4』が「The Child Statue」をゲーム内で購入可能な飾りとして追加した[190]。2020年3月には、ビデオゲーム『スター・ウォーズ バトルフロントII』で非公式ユーザーが作成したModによりBB-8をプレイアブルキャラクターとしてグローグーに置き換えることが可能になった[191][192][193]。また、『フォートナイト バトルロイヤル』にはゲーム中にプレイヤーの背後でホバリング・プラムに乗って浮遊するペットとして登場している[194]。2022年のビデオゲーム『レゴ スター・ウォーズ/スカイウォーカー・サーガ英語版』では、ディン・ジャリンなどが追加される有料追加コンテンツ「マンダロリアン シーズン1 キャラクター・パック」に浮遊ポッドに乗った非プレイアブルキャラクターとして含まれており、攻撃を受けるとグローグーを守るためにポッドが閉じるようになっている[195]

科学分野にて

2021年、グローグーの肖像が科学文献の「ベビーヨーダ:仙骨MRIおよびCTスキャンにおけるパレイドリアとパターン性」と題された医学専門記事に掲載された[196]。筆頭著者は、ラトガース大学リハビリテーション医学英語版教授であるパトリック・フォイエ医師が務めた。この記事では、MRICTスキャンを見る際に仙骨を視覚化する新しい方法を紹介しており、特定の画像断面において、人間の仙骨の構造が「ベビーヨーダ」の顔に似ていると指摘した。神経が通る仙骨の開口部(仙骨孔)はベビーヨーダの目に似ており、仙骨管はベビーヨーダの口に似ているという。これらやその他の比較は、内科医が「ベビーヨーダサイン」を使用して画像検査における正常および異常な解剖学的所見を評価するのに役立つとしている[197]

2022年には、ドイツ中新世時代の地層から発見された有尾目ホライモリ科の化石種の新種が、ユーロネクトゥルス・グローグー(Euronecturus grogu)と称された。研究著者らは、「ここで述べた新種と同様、グローグーは我々が全く知らない、あるいはほぼ何も知らない古代の系統に属しており、それらは予期せぬ時期に予期せぬ場所で出現する。」と述べている[198]

脚注

関連書籍

外部リンク

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