サハ共和国
ロシア連邦の共和国
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サハ共和国(サハきょうわこく、ロシア語: Республика Саха[2], ラテン文字転写: Respublika Sakha ロシア語発音: [rʲɪsˈpublʲɪkə sɐˈxa jɪˈkutʲɪjə]、サハ語: Саха Өрөспүүбүлүкэтэ, ラテン文字転写: Saxa Öröspüübülükete Template:IPA-sah、英語: Sakha Republic)は、ロシア連邦を構成する共和国で、連邦構成主体の一つ。首都はヤクーツク。別名ヤクーティア(ロシア語: Яку́тия, ラテン文字転写: Yakutiya ロシア語発音: [jɪˈkutʲɪjə])。旧称ヤクート自治ソビエト社会主義共和国(1922年から1990年)、ヤクート・サハ共和国(1990年から1992年)。面積は3,103,200 km2で、アジアロシアの約4分の1を占め、地方行政単位としては世界最大である。連邦管区では極東連邦管区の範囲になる。主要な民族はサハ人(チュルク系)、ロシア人。他エヴェンキ人、ユカギール人、チュクチ人などシベリア先住民族も居住する多民族地域である。
| サハ共和国 | |
|---|---|
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Республика Саха Саха Өрөспүүбүлүкэтэ | |
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| 国歌 |
サハ共和国国歌 |
| 公用語 | ロシア語、サハ語 |
| 首府 | ヤクーツク |
| 首長 | アイセン・ニコラエフ[1] |
| 首相兼議長 | アレクセイ・エレメエフ |
| 構成体種別 | 共和国 |
| 連邦管区 | 極東 |
| 経済地区 | 極東 |
| 面積 - 総計 |
国内第1位 3,103,200km2 |
| 人口(2010年国勢調査) - 総計 - 人口密度 - 都市/地方比率 |
国内第58位 958,528人 0.3人/km2 64.3% : 35.7% |
| 時間帯 | UTC +9,+10,+11(DST: なし)YAKT, VLAT, MAGT |
| ISO 3166-2:RU | |
| 番号 | |
| ウェブサイト | www.sakha.gov.ru |

地理
サハ共和国は南北に2,500 キロメートル (km)、東西に2,000 kmの国土を持つ。総面積約310万 平方キロメートル (km2) は独立国7位のインド(約329万 km2)よりやや狭く、8位のアルゼンチン(約278万 km2)より広く、日本(約38万 km2)のおよそ8倍の広さに相当する。その最北端は北極海に浮かぶノヴォシビルスク諸島のヘンリエッタ島で、ノヴォシビルスク諸島をはさんで西はラプテフ海、東は東シベリア海が大陸に面する。これらの海は北半球で最も冷たく凍った海で、大河から淡水が流入するため流氷形成が活発であり、年間9か月から10か月間は凍結する。サハ共和国の北極海沿岸、タイミル半島東側のアナバル川河口より東にフィヨルドは見られず、レナ川などの大きな川は河口で三角州を形成している。これは最終氷期の東シベリアが非常に乾燥していたため氷河や氷床が形成されず、氷河地形も作られなかったためである。
サハ共和国の土壌は全て永久凍土で、面積の40パーセント (%) は北極圏に含まれる。北部の北極海沿岸はツンドラで緑のコケ類が覆い、トナカイが暮らす。ツンドラ帯の南部では小さくねじれたシベリアマツやカラマツが川に沿って育つ。ツンドラより南は針葉樹林帯(タイガ)が広がる。北はカラマツが主で、南に向かうにつれてモミやマツが現れる。タイガはサハ共和国の47%を覆い、その90%はカラマツ類である。
気候
ユーラシア大陸北東部のシベリアにあり、大陸性気候である。山がちな国土なため冬の寒さは極限に達する。夏は緯度に比べると高温で、特に内陸盆地はしばしば猛暑となる。
冬の寒気は猛烈に厳しく、南極大陸を除くと世界最低気温となる氷点下71.2度を1926年1月に記録したオイミャコンや、やはり冬の酷寒で知られるベルホヤンスクもあり、北半球の寒極と考えられる。雪は少ない。
1月の平均気温は北極海沿岸でマイナス28度、その他の内陸部ではマイナス50度に達する。7月の平均気温は北極海沿岸ではわずか2度、一方内陸部では19度にまで上がる。年平均降水量は内陸部で200 ミリメートル (mm)、東部の山岳部で700 mmである。
山地
サハ共和国の大きな山脈には、レナ川に並行して走るベルホヤンスク山脈があり、オホーツク海からラプテフ海まで弧状に大きく延びている。ベルホヤンスク山脈の東に並行してチェルスキー山脈が同じく弧状に延びるが、その山脈にあるポベダ山 (Pobeda) が標高3,003mで最高峰とされている。近年の人工衛星による調査では、スンタルハヤタ山脈の最高峰であるムスハヤ山(ロシア語: Мус-Хая, ラテン文字転写: Mus-Khaya)[3]が標高3,011 mで本当の最高峰だとされる。
南部は、スタノヴォイ山脈やアルダン高地など南シベリアからモンゴルにかけて広がる山地の一部が延びる。アルダン高地は炭鉱地帯がある。
水系
サハ共和国の水は全て北極海へ流れる。国土の中央には非常に幅の広いレナ川が流れ首都のヤクーツクを通り、国土を南から北に縦貫して北極海へ注ぐ。10月から6月にかけて凍結するが重要な交通路である。
レナ川は無数の巨大な支流があり、インディギルカ川、ヤナ川、コリマ川など独立した水系も北極海に流れる。

- レナ川 (4,310 km)
- オレニョーク川 (2,292 km)
- コリマ川 (2,129 km)
- インディギルカ川 (1,726 km)
- ヤナ川 (872 km)
- アラゼヤ川 (1,590 km)
- アナバル川 (939 km)
- ムナ川 (Muna, 715 km)
- セデンニャハ川 (Sedennyakh)
北極海沿岸のツンドラ地帯や大河沿いの氾濫原は無数の湖沼があり、大きな湖だけで700を超える。ヴィリュイ川中流の大貯水湖などダム湖も数多く建設されている。冬季は川が凍結するため、道路として利用できる川沿いは標識がある。
標準時

サハ共和国は3つの標準時が使われている。
歴史


?サハの旗(1918年から1923年まで)サハ人は13世紀に中央アジアからこの地に進出した。彼らはテュルク系民族でモンゴル系とも混血しており、元来この地にいた狩猟採集民族を征服して同化した。テュルク系語とモンゴル系語および先住民の言語の痕跡はサハ語に残る。「サハ」の自称の語源は明らかではない。
先住のエヴェンキ人はサハのことを「ヤコ」(Yako) と呼び、これが17世紀初めに毛皮を求めてこの地に来たロシア人に伝わり「ヤクート」となった。サハ人の一派であるティギン (Tygyn) の王は、ロシア人に対して軍事同盟の代わりにこの地への植民を認めたが、この同盟を逆手に取られたティギンの人々は、チュクチやカムチャツカなどの極東の諸民族に対するロシアの征服に追従した。1632年9月25日にコサックのピョートル・ベケトフは、現在のヤクーツクの場所にレンスキー・オストログ(レンスキー砦)を築き、1638年8月にモスクワのロシア・ツァーリ国政府は、レンスキー砦を中心地とした新行政区を作った。
ロシア人(民族)はレナ川水系をオホーツク海など極東への交通路として使い、サハやその他の民族から毛皮を税として取り立て、これを元に貨幣経済を確立した。ロシア人(民族)はレナ川低地で農業を始めた。特に19世紀後半にレナ川地方へ追放された宗派の人々が、大麦や小麦、芋などを栽培して生活した。ロシア帝国時代の19世紀末からソビエト連邦初期に軽工業および蒸気船などの交通が発達を始め、金などの地下資源が発見されて鉱業も始まった。
1922年4月27日にソビエトは、旧来の「ヤコルスカヤ地方」に替えて「ヤクート自治ソビエト社会主義共和国」を作ったが、ロシア内戦期間中は首都ヤクーツクをはじめ東部は白軍が実質的に支配し、1921年から1923年に「ヤクート反乱」が発生した。ヨシフ・スターリン体制下では、強制労働所のグラグへ送られた人々がヤクートで道路建設、鉱山労働、森林伐採などに従事し、多数が命を落とした。特にオホーツク海の北にありサハとチュクチの間に位置するコリマ丘陵の金鉱は悪名高い。
1992年にソビエト崩壊後のヤクートは、ロシア連邦内の「サハ(ヤクーチア)共和国」として承認された。サハ共和国はロシア語とサハ語を国家語とし、エヴェン語、エヴェンキ語、ユカギール語、ドルガン語、チュクチ語を公用語に指定した。
政治
サハ共和国の政府の最高職は首長(露: Глава)である。ソ連時代の「ソビエト最高会議議長」は、ソビエト連邦の崩壊後に「大統領」(露: Президент)を名乗る。2011年1月にドミートリー・メドヴェージェフ連邦大統領は、ロシア連邦内各共和国の代表が大統領を名乗ることを禁止する法律に署名した。大統領の称号は「首長」と呼びかえられ、サハ共和国は2014年4月24日に称号が変更された[4]。初代大統領はミハイル・ニコラエフであった。2018年5月28日から第4代首長アイセン・ニコラエフが務める。
立法府は一院制議会「イル・トゥメン (Il Tumen)」である。
教育
最も重要な高等教育機関は北東連邦大学(旧ヤクート国立大学)とヤクート国立農業アカデミーである。
宗教
文化
行政区画
産業
主要産業は鉱業、木材産業、木材加工業で、2018年の経済成長率(共和国内総生産伸び率)は5.0%[1]である。
地下資源は石油、天然ガス、石炭、金、銀、ダイヤモンドなど非常に多様かつ豊富である。特にダイヤモンドは、ロシア産出分の99%をサハ共和国が占め、ミールヌイのミール鉱山やウダーチヌイの鉱山は特に大きい。ウラニウムは近年に採掘を開始した。
工業はヤクーツクに集中するが、その他金鉱の町アルダン、ダイヤモンドの町ミールヌイとウダーチヌイ、炭鉱の町ネリュングリなども鉱工業が発達している。
ロシア内外から観光客の受け入れに積極的である。
サハ人らは政治、金融、経済、畜産などに携わり、その他の先住民は猟師、漁師、トナカイ放牧などで生計を営む。
近年は象牙の需要が多いアジアへ向けたマンモス牙の輸出に注力している[7]。
日本との経済関係
2014年の対日貿易総額は約14,675万ドル[8]で、ネリュングリなど南ヤクート炭田からの石炭を中心に、ゴムタイヤ、ブルドーザー、機械部品を取引している。
日本からの投資誘致や技術や設備の導入を重視している。2019年の東方経済フォーラム(ウラジオストク)に参加したニコラエフ首長によると、北海道札幌市の北海道総合商事が国際協力銀行の支援を得て温室野菜栽培事業を進め、野村総合研究所の助言を受けてロシアで30か所整備されるスマートシティー事業の対象にヤクーツクが含まれ、ティクシの風力発電で日本製発電機が設置されている[1]。
交通
貨物輸送は河川を利用した水運が主流である。レナ川とその支流沿いの河川港をはじめティクシなど北極海の港で、船舶4社が操業している。
旅客輸送は航空機が最も重要で、ロシア各地とサハ共和国内の各市町村は空路で結ばれる。ヤクーツクは国際線ターミナルがあり、日本など外国資本を導入して改修を計画している[1]。
連邦国道は、アムール州から延びるヤクーツク=ボルショイ・ネバ、東へ伸びるヤクーツク=コリマ、の2本がある。永久凍土があるためアスファルト舗装は現実的でなく、道路は粘土で舗装されているが、雨になると泥沼と化してバスなどが立ち往生する。バム鉄道から北へ延びる鉄道支線のアムール・ヤクーツク鉄道がサハ南部のベルカキト、ネリュングリ、チュリマンなどの鉱工業都市を連絡し、石炭を日本など東アジアへ運んでいる。鉄道はアルダンやトンモトまで延伸され、ヤクーツクへ延伸計画があるが未完成である。
人口動静
2002年全ロシア国勢調査の人口統計を下記
基礎データ
- 人口: 949,280人
- 都市人口: 609,999人 (64.3%)
- 地方人口: 339,281人 (35.7%)
- 男性: 464,217人 (48.9%)
- 女性: 485,063人 (51.1%)
- 世帯数: 305,017世帯
- 人口増減(2005年)
- 出生数: 13,591人
- 死亡数: 9,696人
- 平均年齢: 30.0歳
- 都市: 31.0歳
- 地方: 27.4歳
- 男性: 30.0歳
- 女性: 26.6歳
- 民族構成
歴史的な民族比率は以下のとおり。ソ連時代を通じロシア人(民族)やその他ソ連各地出身民族の割合が高まり、1970年にはロシア人(民族)が多数派となったが、ソ連崩壊後の2002年にはロシア人(民族)やウクライナ人(民族)の転出が続きサハ人の方が多数派に戻った。
| 1939年国勢調査 | 1959年国勢調査 | 1970年国勢調査 | 1979年国勢調査 | 1989年国勢調査 | 2002年国勢調査 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| サハ | 233,273 (56.5%) | 226,053 (46.4%) | 285,749 (43.0%) | 313,917 (36.9%) | 365,236 (33.4%) | 432,290 (45.5%) |
| ドルガン | 10 (0.0%) | 64 (0.0%) | 408 (0.0%) | 1,272 (0.1%) | ||
| エヴェンキ | 10,432 (2.5%) | 9,505 (2.0%) | 9,097 (1.4%) | 11,584 (1.4%) | 14,428 (1.3%) | 18,232 (1.9%) |
| エヴェン | 3,133 (0.8%) | 3,537 (0.7%) | 6,471 (1.0%) | 5,763 (0.7%) | 8,668 (0.8%) | 11,657 (1.2%) |
| ユカギール | 267 (0.1%) | 285 (0.1%) | 400 (0.1%) | 526 (0.1%) | 697 (0.1%) | 1,097 (0.1%) |
| チュクチ | 400 (0.1%) | 325 (0.1%) | 387 (0.1%) | 377 (0.0%) | 473 (0.0%) | 602 (0.1%) |
| ロシア | 146,741 (35.5%) | 215,328 (44.2%) | 314,308 (47.3%) | 429,588 (50.4%) | 550,263 (50.3%) | 390,671 (41.2%) |
| ウクライナ | 4,229 (1.0%) | 12,182 (2.5%) | 20,253 (3.0%) | 46,326 (5.4%) | 77,114 (7.0%) | 34,633 (3.6%) |
| その他 | 14,723 (3.6%) | 20,128 (4.1%) | 27,448 (4.1%) | 43,695 (5.1%) | 76,778 (7.0%) | 58,826 (6.2%) |