ボウアオノリ

From Wikipedia, the free encyclopedia

ボウアオノリ
1. 群落(スウェーデン)
分類
: 植物界 Plantae (アーケプラスチダ Archaeplastida)
亜界 : 緑色植物亜界 Viridiplantae
: 緑藻植物門 Chlorophyta
: アオサ藻綱 Ulvophyceae
: アオサ目 Ulvales
: アオサ科 Ulvaceae
: アオサ属 Ulva
: ボウアオノリ Ulva intestinalis
学名
Ulva intestinalis Linnaeus, 1753[1][2]
シノニム
和名
ボウアオノリ
英名
grass kelp[3], gutweed[2][4], hallow-green nori[2], link confetti[2], stone hair[2]

ボウアオノリ(棒青海苔[5]、棒青苔[6]、学名: Ulva intestinalis)は、アオサ目アオサ科アオサ属に分類される緑藻の1種である。以前は、本種を含むアオノリ類はアオノリ属(Enteromorpha)に分類されていたが、21世紀初頭にアオサ属に移された。藻体は1層の細胞からなる管状体であり、長さは1–100センチメートルと変異が大きい。和名は藻体の形を棒に例えたもので、学名の種小名 intestinalisラテン語で「腸の形の」を意味する[2][5][6]。世界中の沿岸域に分布し、日本では食用にされることがある。

小さな円盤状の付着部から生じ、しばしば叢生(根元が集まって密に生じる)する[7][8](図2a)。藻体は緑色で管状、下部は細く、先端へ向かって太くなり、直径 1.8 cm になることもある[5][7][8][6](図2b)。藻体の大きさは 1 cm 程度から 100 cm に達するものまで多様であり、波の荒い場所ではごく短いが、富栄養な内湾では非常に大きくなる[5]。ほとんど分枝しないが、下部で少数の枝が生じることもある[5][7][8]。また、低塩分環境や浸透圧変化のある環境では分枝しやすいことが示されている[8]

2a. 叢生した藻体
2b. 藻体

1層の細胞層からなり、細胞は表面観で直径 9–15 µm、高さ 14–17 µm、葉緑体は杯状で1個、1(2–3)個のピレノイドを含む[7]。外側に比べて内側の細胞壁の方が厚く、全体で厚さ 20–40 µm[7]

藻体の数週間で成熟し短命であるが、世代を繰り返して一年中繁殖しており、高緯度地域では特に夏季に多い[8]。同型世代交代(単相の配偶体と複相の胞子体はほぼ同形同大)を行い、配偶体の形成する配偶子に大小がある異形配偶を行い、また配偶子が単為発生することも報告されている[7][8]。胞子体は、減数分裂によって4本鞭毛性の遊走子を形成する[8]。配偶子や遊走子の放出は、潮汐周期と関連いている[8]

分布・生態

ほぼ世界中に分布しており、北極海バレンツ海スヴァールバル諸島など)、北米から南米太平洋岸、大西洋岸)、大西洋諸島(アイスランドアゾレス諸島アセンション島など)、ヨーロッパ(大西洋岸、北海バルト海地中海黒海など)、アフリカ(地中海、大西洋岸、インド洋岸)、中東紅海ペルシャ湾など)、南アジア東南アジアインドシナ半島インドネシアフィリピンなど)、東アジアロシア中国韓国、日本など)、オセアニアミクロネシアメラネシアオーストラリアニュージーランドポリネシアなど)、南極海から報告されている[2]

潮間帯中部から下部またはタイドプールの岩や他の海藻上などに生育する[5][6](図3)。本種は汽水域でも見られ、浸透圧変化に対する耐性が高いことも示されている[8][9]。また耐寒性も高く、北海道小樽市で採取されたボウアオノリは、-20°Cで24時間の凍結でも耐えることができた[9]

3a. 潮間帯の群落(スコットランド
3b. タイドプールの群落(ニューファンドランド島

藻体には空気が溜まって浮かび、ときに基質から離れて浮遊する[7][8]。浮遊した状態でも成長し、緑潮(グリーンタイド)を形成することもある[8]

ソコミジンコ類やユスリカ幼生などの生育場所となることがある[8]

食用

ボウアオノリは、日本において食用にされる海藻の一つである[5][6]能登地方では、春に酢の物などとして消費される場合がある[10]。また、伊豆の松崎町では河口部の汽水域で「川ノリ[注 1]」が1月から2月にかけて採取されているが、この中にはボウアオノリも含まれている[11]。ここで採取された川ノリは、地元で味噌汁に入れるなどして食されている[12]

分類

脚注

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI