人間豹

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人間豹』(にんげんひょう)は、江戸川乱歩が発表したスリラー探偵小説1934年(昭和9年)1月から1935年(昭和10年)5月まで、『講談倶楽部』に掲載された。

名探偵明智小五郎が活躍する、いわゆる「明智もの」の一つ。今作の明智はいつものヒーロー然とした活躍はなく、日頃の冷静を失うほど追いつめられる。尾行をまかれるのをはじめ、自宅に侵入を許す、監禁される、挙句には新婚の文代を誘拐されるなど、人間豹の人間離れした身体能力と奸智に翻弄される。

少年探偵団」シリーズで多用される黒い糸(小穴を空けたブリキ缶にコールタールを入れたもの)と、麻酔薬入り煙草は今作が初登場。

あらすじ

神谷芳雄の恋人、カフェの女給・弘子が豹のような顔をした異様な男に連れ去られる。この男は驚異的な身体能力と獣のような容貌を持つ「人間豹」と呼ばれる怪人物・恩田。恩田は弘子を拉致し、神谷の目の前で弘子を残虐な方法で殺害する。

1年後、新たに神谷の恋人となったレビューガールの江川蘭子も狙われる。1度目は舞台上からの誘拐を阻止したが、2度目は恩田の計略にはまり、拉致されてしまう。神谷は明智小五郎に捜査を依頼するが、神谷のもとに死体となった蘭子が送られてきた。

事件の解決に乗り出す明智。しかし、恩田の罠にかかって監禁され、妻の文代まで拉致されてしまう。恩田父子はサーカスの見世物として、文代に熊の着ぐるみを着せて虎と戦わせる。監禁から脱出した明智は、間一髪で虎を銃殺し文代を助け出す。恩田父は逃れられないと悟り自殺、人間豹・恩田はサーカスのアドバルーンで空へ逃亡し行方不明となり、事件は未解決のまま終わる。

主要登場人物

神谷 芳雄(かみや よしお)
主人公の青年。
弘子(ひろこ)
カフェ・アフロディテの女給。神谷の恋人。
江川 蘭子(えがわ らんこ)
レビュー団の人気女優。神谷の第二の恋人。
人間豹・恩田(にんげんひょう・おんだ)
のような容貌と身体能力を持つ。およそ人間とかけ離れた半人半獣のような男。
恩田老人(おんだ)
恩田の父。豹マニアで、息子を守るために豹を射殺したときは涙を流したり、動物園から豹を盗みだしたりする。
明智 小五郎(あけち こごろう)
数々の難事件を解決した名探偵
明智 文代(あけち ふみよ)
明智の妻。吸血鬼の事件後に明智と結婚した。
小林少年(こばやししょうねん)
明智の助手。
恒川警部(つねかわ)
警視庁捜査一課の警部。

収録作品

映像化リスト

脚注

外部リンク

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