佃祭

From Wikipedia, the free encyclopedia

佃祭』(つくだまつり)、または『佃祭り[1]』は、古典落語江戸落語)の演目。住吉神社の夏の祭で賑わう佃島を舞台に、「情けは人の為ならず」ということわざをテーマとしている[1]

原話は、中国明代説話集輟耕録』所収の「飛雲渡」である。占い師より寿命を30年と宣告された青年が身投げの女を救ったおかげで船の転覆事故で死ぬ運命を免れる話で、落語『ちきり伊勢屋』との類似点もある。その後、南町奉行根岸鎮衛が著書『耳嚢』第6巻に「陰徳危難を遁れし事」の題名で、飛雲渡を翻案したものを掲載した。こちらは「ある武士が身投げの女を助け、後日渡し場でその女に再会して引き留められたおかげで転覆事故から逃れる」という内容で、より現在の形に近くなっている。[要出典]

口演には、5代目古今亭志ん生が演じた滑稽噺重視の演出と、3代目三遊亭金馬が演じた人情噺重視の演出の2通りがある[要出典]

神田お玉ヶ池で小間物問屋を営む次郎兵衛は、夏の佃島で開かれる祭りを楽しみにしていた。祭りの当日、次郎兵衛は「暮六つ(現在の18時頃)の終い船(渡し船の最終便)に乗って帰ると妻に伝えてでかける[注釈 1]

佃島に着いた次郎兵衛は祭りを存分に楽しんだ後、乗客でいっぱいの終い船に乗ろうとすると突然見知らぬ女に引き留められ、揉めているうちに船は出発してしまう。がっかりしている次郎兵衛に対して女は、三年前に奉公先の金を失くし、途方に暮れた末に吾妻橋から身を投げようとしていたところ、見知らぬ旦那から五両のお金を恵まれて命が助かった、その旦那にやっと再会することができてうれしいと告げ、夫は漁師でいつでも船が出せるからぜひ家に寄っていってくれと頼む。

次郎兵衛が女の家で酒や佃煮など魚料理をご馳走になっていると、にわかに外が騒がしくなる。聞けば、先ほどの終い船が客の乗せすぎで沈没し、乗客が全員溺れ死んでしまったとのこと。次郎兵衛はこれに仰天しつつ、自分を引き留めてくれた女に感謝する。

一方、次郎兵衛の自宅では沈没事故の話が伝わって大騒ぎになる。妻と近所の長の連中は次郎兵衛が死んだと思い込んで葬式の準備を進め、仮通夜を営んでいるところに次郎兵衛が戻ってくる。事情を聞いて一同は喜び、呼ばれていた坊さんも、次郎兵衛は女の命を救ったからそれが自らの命を救う形で戻ってきたのだと長屋の連中に説いて回る。

ところがそれを聞いた与太郎は、身投げをしようとしている女に五両あげれば幸運がやってくると思い込み、家財道具を売り払って金を工面しすると、橋の上や川沿いで身投げをする人がいないか毎日見張るようになる。或る日、重そうなものを袂に詰めた女が涙をためながら川へ向かって手を合わせているのを見た与太郎が女を捕まえて身投げをやめろと告げると、自分は歯が痛くて戸隠様にお願いしていただけだと答える。「だって袂にたくさんの石が…」「これは、お供え物の梨だよ!」

落ちについて

脚注

参考文献

Related Articles

Wikiwand AI