傷だらけの人生
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- 高田幸吉門下で歌唱力にも優れていた鶴田浩二が、自らの多く演じた任侠映画に出てくる暴力団員のように、理不尽な時世、軽佻浮薄な人情への怒りと、日陰育ちのやくざ者の哀しみを歌った作品で、鶴田のレコードでも代表的なヒット曲となった。曲は1番から3番まで、渡世人らしき男による自嘲混じりの語りを前置きに、その語りに結び付く内容の歌詞が歌われる構成となっており、曲の冒頭、鶴田が映画の侠客さながら情感豊かに語る口上は広く知られている。
- 「古い人間」が「今の世の中」を憂う詩は、藤田まさとが「鶴田浩二」をイメージして書き下ろしたもので、それに吉田正が曲をつけた。戦争体験を背負った「戦中派世代」の鶴田と、発表当時の高度経済成長時代における享楽的な社会風潮とをモチーフとして対比させた内容でもある。「傷だらけの人生」という表現は直接歌詞中には出てこないが、1番冒頭の語りと、己のやくざな身の上を嘆く3番の歌詞とが、題名を象徴する内容となっている。
- 本曲に限らず、鶴田はステージではマイクにハンカチを添え、耳に手を当てる独特のポーズで歌うことが多かったが、「手が脂性であったことと、従軍時に耳を傷めて演奏のリズムが取りにくかったことが理由である」と本人が明言している。
- 発売から3ヶ月ほどでオリコンチャートトップ10に初登場、累計で100万枚近い[1](または120万枚[2])売上げを記録。
- 1971年7月に発売になったアルバム『男/傷だらけの人生』は最高位2位を記録。
- 1971年には、この曲をテーマに『傷だらけの人生』と『傷だらけの人生 古い奴でござんす』の二本の映画が作られた。共に監督は小沢茂弘、脚本は村尾昭が務めた。
- NHKからは「公共放送で流すことは好ましくない曲」「任侠映画に出演している」という理由でNHK紅白歌合戦の出場を拒否され[3]、これに鶴田は激怒し、以後、NHKの番組出演を拒否するようになった。NHKの方針転換[4]により1977年に『ビッグショー』に出演してこの曲を歌唱するまで出演拒否が約5年間続いた。出演再開後、俳優としてはドラマ『男たちの旅路』が代表作となり、その後、彼の遺作でもあるドラマ『シャツの店』劇中でもこの歌を歌っている。
- 1973年(昭和48年)、藤圭子がカヴァー、アルバム『演歌の旅 緋牡丹博徒』収録
- 1998年(平成10年)、五木ひろしがシングル、アルバムでカヴァーした。
- ギャグ漫画『天才バカボン』では、バカボンのパパの愛唱歌という設定がされている[5]。
収録曲
- 全作詞:藤田まさと 作曲・編曲:吉田正
- 傷だらけの人生
- 嘘で男が泣くものか