光が死んだ夏
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| 光が死んだ夏 | |
|---|---|
テレビアニメのロゴ | |
| ジャンル | ホラー、サスペンス、ブロマンスなど[1] |
| 漫画 | |
| 作者 | モクモクれん |
| 出版社 | KADOKAWA |
| 掲載サイト | ヤングエースUP |
| レーベル | 角川コミックス・エース |
| 発表期間 | 2021年8月31日[2] - |
| 巻数 | 既刊8巻(2025年12月27日現在) |
| 小説 | |
| 原作・原案など | モクモクれん |
| 著者 | 額賀澪 |
| イラスト | モクモクれん |
| 出版社 | KADOKAWA |
| レーベル | 角川コミックス・エース |
| 刊行期間 | 2023年12月4日 - |
| 巻数 | 既刊2巻(2025年7月4日現在) |
| アニメ | |
| 原作 | モクモクれん |
| 監督 | 竹下良平 |
| シリーズ構成 | 竹下良平 |
| キャラクターデザイン | 高橋裕一 |
| 音楽 | 梅林太郎 |
| アニメーション制作 | CygamesPictures |
| 製作 | 「光が死んだ夏」製作委員会 |
| 放送局 | 日本テレビ系列 |
| 放送期間 | 第一期:2025年7月6日 - 9月28日 |
| 話数 | 第一期:全12話 |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | 漫画・アニメ |
| ポータル | 漫画・アニメ・文学 |
『光が死んだ夏』(ひかるがしんだなつ)は、モクモクれんによる日本の漫画作品。『ヤングエースUP』(KADOKAWA)にて、2021年8月31日より連載中[3][2]。作者のモクモクれんは本作が初の連載作品となる[2]。三重県の山間部の集落で生活する少年と、行方不明になり戻ってきた後の様子に違和感がある親友を描いた青春ホラー物語[4][5][6]。
2025年12月時点でシリーズ累計部数は450万部を突破している[7]。
日常編(第1巻 - 第3巻)
よしき(辻中佳紀)とヒカル(忌堂光)は閉塞感漂う田舎町で育った幼馴染の親友。高校生になった光は山で1週間失踪して戻ってくるという事件を起こす。事件後の夏のある日、よしきはヒカルに「お前やっぱ光ちゃうやろ」と問う。ヒカルは人ならざる正体を見せ、死んだ光に成り代わっていたことを明かし、よしきが好きだから誰にも言わないでくれと泣きつく。よしきは困惑しながらも偽のヒカルを受け入れる。しかし、二人の周囲で奇妙な事件が次々と起こり始める[1][11]。
ヒカルを見て「ノウヌキ様が下りてきとる」と叫んだ老婆・松浦が翌日変死する。よしきはスーパーで出会った主婦の暮林理恵からクビタチの山から嫌な感じが消えて、よしきと一緒にいる「ナニカ」のせいで町や村が狂い出している、一緒にいない方がいいと助言される。
変死事件を受け、村の武田・三笠・松島はひそかに霊能対策者である田中を「会社」から派遣させ調査させる。田中は山でヒカルの父親・晃平のバッグと人の頭をかたどった呪具を発見し、神社に張った結界が傷ついていたことから「山から降りてきている」と報告する。
ヒカルの家によしき、朝子、結希が集まりお泊まり会をする。その夜、朝子はヒカルに「あなたは一体誰ですか」と問う。正体がばれたと焦ったヒカルは朝子を手に掛けようとするが、偶然よしきに見つかり手を止める。よしきはヒカルが松浦を殺したと知ってショックを受ける。後日よしきはヒカルを包丁で刺すが、死なないとわかると絶望し、自分を殺してくれと懇願する。よしきの覚悟に衝撃を受けたヒカルは「自分の半分」を分けてよしきに渡し、自らを人が殺せないまでに弱体化させる。よしきはヒカルが何者なのかを調べようと決意する。
謎解き編(第4巻 - 第5巻)
よしきとヒカルは図書館で地元のことを調べ始める。松浦の娘である司書からは「ノウヌキ様」は元々村の守り神だったが、大飢饉を境に祟り神に変じたとの情報を得る。一方、田中は民俗学者を名乗ってよしきに接触し、「持っている」「混ざっている」と確信する。
学校で不審者が刃物で自分の首を切る事件が発生。朝子は悪いものに入られた人と脅える。よしきとヒカルがファミレスで対策を話していると、突然「ケガレ」に襲われるが、「穴を閉じる」能力を持つ理恵に救出される。理恵はヒカルによしきを「混じり物」にしてはいけないと忠告する。
よしきとヒカルは事情を知ると思われる武田のじいさんに会いに行く。武田のじいさんは忌堂のせいだと逆上し、日本刀を振り回す。そこへ田中が現れ、日本刀を取り上げると、ヒカルの首を斬り落とす。よしきはヒカルの首をくっつけたあと失神。事件は武田のじいさんが暴れて二人が巻き添えになっただけということになった。田中は依頼者の武田に会社と自分の目的を語り村を離れる。意識不明で入院中のヒカルを見舞った理恵は、昔達磨塚トンネルで大量の人骨が見つかったが頭の骨だけなかったという伝説をよしきに語る。ヒカルは二日で目を覚ます。
よしきとヒカルは忌堂家の庭のお堂を開ける。そこには大量の木彫りの首があった。ヒカルはウヌキ様に首を捧げたあと木彫りの首を作って堂で供養していたと子供のころ父親に教えられたことを思い出す。
よしきは無口な父親から忌堂家の秘密を聞き出す。忌堂家の先祖は若くして亡くなった妻「ヒチ」の首を捧げる際、村人の首と引き換えに妻の蘇生を願ってしまったために村に不幸が起きてしまった。以来、忌堂家は5年に一度山に謝りに行く儀式を続けている。ヒカルの父親・晃平は儀式を終わりにしたいと揉めたあと事故死していた。
ヒカルは問題解決のため、自ら山に戻り全てのケガレを引き受けることを考える。夏休み、よしきとヒカルは海に行く。ヒカルは山に戻るとよしきに打ち明けるが、田中が現れ「山に戻っても無駄。君はノウヌキ様じゃないから」という。
穴閉じ編(第6巻 - )
田中によれば、ノウヌキ様は存在しない架空の神で、ヒカルはあの世から出現した「落とし子」であり、人の願いを現実を改変し叶えるこの世では異常な存在であると言う。過去に忌堂の願いに応えて存在しないノウヌキ様に成り代わった。弱体化したヒカルは山に戻ってもいずれ自滅すると説明。村人たちが首を捧げていたのはあの世からケガレを送る穴で、災厄を起こすため二人に閉じるのを手伝ってほしいと言い、呪具になったヒチの首を返す。迷う二人に理恵から「穴」が帯状になっていると連絡が入る。帯は穴からはケガレが移動した様子で、穴はクビタチ以外に希望ヶ山、ウデカリ、アシドリの合計4つあるという。ヒカルはケガレ避けになるとよしきにヒチの首を預ける。
左腕を骨折している巻が、部屋に足の幽霊が出るとよしきとヒカルに訴える。二人は理恵の車でアシドリの巻の家を訪問。ヒカルは巻の庭にあるカモシカを祀る祠を掃除するようアドバイスし、残っていたケガレを吸収して解決する。
ヒカルの正体とよしきの苦悩を知った朝子は悩んだあげく、オバケの声が聞こえる近所の空き家を調べようとするが、そこで田中と鉢合わせする。
アシドリでは「ほうこ祭り」が行われていた。よしきたちは、巻の兄から電話で祭りは昔「穴つづり」と呼ばれていた儀式と聞き、祭り会場で聞き込みをして、「穴」は向こう側からしか閉じられないと知る。理恵は人形「這子」が捧げられる「足塚洞」を偵察すると、急ぎ巻の家に戻る。よしきとヒカルも足塚洞で大量の足に囲まれた穴を発見。ヒカルは自分が向こう側に行って穴を閉じると言い出す。
クビタチで自殺が相次ぎ、武田は大量死の前触れと脅える。朝子は田中と空き家の穴閉じに協力する。巻はカモシカの力で眠らされていた。巻家に戻ったよしきとヒカルに、理恵は巻は先祖代々から穴のケガレと足が「つながり」引っ張られそうになっていると説明する。それを聞いたヒカルは自分が穴に入って穴を閉じたあと、よしきに「つながり」で引き上げてもらうことを提案する。
ウデカリとアシドリで同時に穴閉じ作戦が始まる。ウデカリの田中は朝子を通訳にしてケガレと穴を閉じる交渉を行う。ケガレは田中の体の一部を要求するが、「穴を閉じれば家主が帰ってくるかもしれない」と説得され穴閉じを了承する。ヒカルはホチキスを持って足塚洞の穴に入り真の穴を探す。
ヒカルがホチキスで穴を閉じ始めると穴の外の大量の足のケガレが暴れてよしきを襲う。巻も足の幽霊に囲まれ、理恵が守る。朝子たちも穴の腕のケガレに襲われ、田中は左腕を取り込まれる。穴と戦うよしきの前に「カモシカ様」が現れ、よしきを守る。ヒカルが穴を閉じ終わるとケガレは消滅する。
朝子は田中を力ずくで穴から引き剥がし、空き家から脱出。田中は空き家を爆破してウデカリの穴閉じは終了する。一方よしきはヒカルを「つながり」で引き上げたが、戻ったのはヒカルの身体だけだった。
クビタチの武田の元に、田中に代わって会社から派遣された佐藤という女性が「ノウヌキ様を確保に来た」と挨拶し、田中からノウヌキ様は存在しないと聞かされていた武田は困惑する。佐藤はノウヌキ様が死亡した光に成り代わっていると言うが、三笠はヒカルが化け物だという証拠を見せるよう迫る。
ヒカルの魂はよしきとの「つながり」と偶然足塚洞の前にいた女児の体を経由して戻ってくるが、女児は重傷を負い、病院に搬送される。女児は一命を取り留めたが、ショックを受けるよしきに、駆けつけた理恵が、これ以上「混じりもの」にならないよう警告し、あとは自分たちで解決するといってヒカルを連れ帰る。朝子も病院に駆けつけ、問題を一人で抱え込むよしきを責める。よしきは、生前の光が好きだったことと、今のヒカルへの複雑な心境を初めて打ち明ける。
よしきと朝子は田中の車で帰宅する。車中で田中は、穴が崩壊して廃村になった村は地形も変わり人々の記憶も消えると話す。明け方帰宅したよしきに、母親の沙都子は不審な行動を問い詰める。やるべきことがあると答えるよしきに沙都子は「何がなんでも生きるほうを選ぶの」と約束させる。
ヒカルは理恵と「穴」があるという達磨塚トンネルに行くが、そこで佐藤が張った罠にかかり体をバラバラにされ回収される。理恵は佐藤に説得され、ヒカルを会社に引き渡す約束をしていた。一方田中は、朝子から聞いた話から「穴」は目を集めていたと気づき、希望ヶ山の「穴」があると推測した集合住宅に到着。そこは田中が目を奪われた暮林家で、田中は久しぶりに母親の理恵と再会する。
登場人物
声の項はテレビアニメ版の声優。
- よしき / 辻中 佳紀(つじなか よしき)
- 声 - 小林千晃[8][12]
- 本作の主人公。田舎の集落「クビタチ」で暮らす高校二年生の男子。親友の忌堂光が人外の「ヒカル」に入れ替わったことに気づく最初の人物。
- 黒髪で前髪を長く伸ばしている。前髪で顔を隠さないと落ち着かない。父親からの遺伝で顔にホクロがいくつもある。身長は175cm[13]。真面目で落ち着いた性格。成績は良いが口下手で胃痛持ち。動物や昆虫が好き。在学する希望ヶ山高校まではヒカルと自転車通学している。自分の住む田舎を嫌っており、とある理由から「自分の居場所ではない」という疎外感を持っている。両親は家庭内別居状態で、父親とはほとんど話さない。
- 親友の光の存在に依存しており、「そばにいないよりは」と偽物のヒカルを受け入れる。ヒカルが殺傷事件を起こしたことに悩み、死をも覚悟するが、ヒカルの半分を受け取ってから、ヒカルの正体の謎に向かっていく。ヒカルに腕をつかまれてできたアザが徐々に濃くなっており、理恵は「混ざる」と警戒している。村やヒカルのためと調査を進めるが、身を引こうとするヒカルを手放したくないという自分のエゴを自覚し、改めて大切な村や人々のため「穴閉じ」に協力する。
- ヒカル
- 声 - 梅田修一朗[8][12]
- 本作のもう一人の主人公。山で行方不明になったよしきの親友・忌堂光になりかわった人ならざる存在。
- 白髪で色白、灰青色と朱色の瞳を持つ。身長165cm[13]。本体はペイズリー柄のような模様の流体で、光の遺体に入り込んで細胞までコントロール下においている[14]。胸の皮膚に裂け目を開けてよしきに体内を探らせても平気で、包丁で刺されてもダメージを受けない。「ケガレ」を吸収し消滅させる能力を持つ。また、他者からの「お願いに応えたい」という本能を持つ。
- 忌堂光の記憶を引き継いでいるが、言動は年齢相応より幼く、嗜好も変化している。人間とは異なる生死観を持ち、「コオロギ」と「人間」の命の価値の違いを理解できない[15]。
- 以前は「居場所がない」「寂しい」という感覚を抱えながら山の中を孤独に彷徨っていたため、必要とされたいという気持ちが強い。瀕死の忌堂光と出会い「誰も悲しまなければいい」「よしきを一人にしないでほしい」という願いを受け入れ、彼になり代わって山を降りた。暮林によればこの地域にはもともとケガレが多く、ヒカルの存在が避雷針のようにケガレを引き付けていたが、山を降りたことで町にケガレが増えたという。
- 「代替品」扱いだとしても居場所を与えてくれたよしきに強い愛着を抱く。正体に気づいた松浦のばあさんを殺害。朝子も手にかけようとしたが、よしきの訴えに応じ、自身の半分を骨にして彼に託し、弱体化した。この影響で「魂を取り込みたい」という本能[16]を抑えられず、何度かよしきを襲いかけている。
- 当初はよしきと自分の世界しか見えていなかったが、よしきや周囲と交流するうち、徐々に人間の感情を理解するようになる。すべてのケガレを引き受けるため山へ戻ろうとするが、田中からノウヌキ様ではないと告げられたのを機に、よしきや暮林と共に「穴閉じ」に挑む。
- 忌堂 光(いんどう ひかる)
- よしきの幼馴染の親友の少年。よしきとは正反対の快活でひょうきんな性格。父親を事故で亡くし、母親・祖父と暮らしている。父親に代わって忌堂の儀式を行うため、山に登る途中、女体に似た木に気を取られて滑落し死亡した。遺体は「ヒカル」に乗っ取られて帰還したため、死んだことを知っているのはよしきと少数の人間のみである。
- 山岸 朝子(やまぎし あさこ)
- 声 - 花守ゆみり[17][12]
- よしきとヒカルのクラスメイト。ウデカリ在住[18]。身長170cm[13]と大柄で、男子のヒカルから体操着を借りたことがある。腕相撲が得意でバレー部所属。子供のころから霊感があり、ヒカルの異様さに気づいたが正体まではわかっていない。幽霊の音や声が聞こえる能力があるが、ヒカルに襲われてから右耳が聞こえにくくなった。
- 田所 結希(たどころ ゆうき)
- 声 - 若山詩音[19][20]
- よしきとヒカルのクラスメイト。希望ヶ山在住[18]。お下げ髪の女子。朝子の幼馴染みで母親同士が親友。小柄でクールな性格。
- ゆうたから好意を寄せられており、クレーンゲームで取ったぬいぐるみをプレゼントされる(なお、これは佳紀が取ったものである)。
- 巻 ゆうた(まき ゆうた)
- 声 - 中島ヨシキ[19][20]
- よしきとヒカルのクラスメイト。坊主頭の男子で野球部所属。アシドリ在住。結希のことが好き。兄はオカルトマニアで、東京の大学で民俗学を学んでいる。自宅の庭には猟師だった曾祖父がニホンカモシカを祀った祠がある。ヒカルの見立てによれば、「動物のケガレ」だったカモシカが祀られて格が上がり、守り神になっているという。
- 暮林 理恵(くればやし りえ)
- 声 - 小若和郁那[17][20]
- スーパーでよしきに声をかけた中年女性。霊感があり、「『ナニカ』のせいで町や村が狂いだしている」と警告する。
- 現在は娘と夫の母と同居しており、息子はすでに独立している。亡夫が帰ってきた経験を持つが、息子が怪我を負わされ、「ダメだった」と語る。
- あの世とこの世の境の膜の小さな穴から出てきた「ケガレ」を戻し、穴を閉じる能力を持っている。
- 田中(たなか)
- 声 - 小林親弘[17][20]
- 金髪・サングラス・無精髭、首筋に大きなアザがある怪しい風貌の男。相棒のハムスターを飼育ケースに入れて連れている。車の中ではアイドル歌謡[21]を聴いている。
- 老婆変死事件のあと、クビタチ集落の代表者たちから依頼を受け、調査のため「会社」から赴く。霊感や霊能力はないが、神社に結界を張った際には「臓器を1つ持ってかれている」と代償を使っており、自分の血液を使った鈴の呪具を作るなどの方法を用いている。会社が探すあるものについて、会社に利用させたくないという密かな目的を持って動く。
- 佐藤(さとう)
- 声 - Lynn
- 「会社」の構成員の一人で田中の上司。「ノウヌキ様」確保のため、クビタチに派遣された。
用語
- ノウヌキ様
- 山に祀られていたという神様。忌堂家では「ウヌキ様」と呼ばれる。現在、山は禁足地となっている。昔は人の首を捧げると願いを叶えると信じられていた。だが寛延2年(1749年)、忌堂家の先祖が死んだ妻・忌堂ヒチの首を捧げる際に村人の命と引き換えにヒチの蘇生を願ったため、村人の三分の一が怪死する事件が発生。ヒチも生首のまま生き返って1日で死んでしまう。以来、忌堂家の男は定期的に山でウヌキ様に謝る儀式を続けていた。
- 昔、クビタチの丹砂山で採掘される水銀を使用した堕胎薬「うろぬき薬」で間引きすることを「うぬきさんにお返しする」という隠語があり、これが名前の由来とよしきは推測している。
- 田中の調査により、そもそもノウヌキ様という神様は存在せず、村人が首を捧げていたのは「穴」。村に災厄をもたらしたのは偶然あの世から出現した「落とし子」が忌堂の願いを叶えたため。落とし子がノウヌキ様に成り代わり、さらに山で亡くなった忌堂光の遺体に入ってヒカルに成り代わったという。
- ケガレ
- 幽霊や気のようなもの。あの世から穴を通じてこの世に来て害をなす。全てのケガレが悪いわけでなく、祀られて人間の守り神になったケガレもいる。追い払うには穴に戻す方法があるが、包丁で刺す、爆破する、孫の手で叩くなど物理攻撃も有効である。
- 穴
- あの世とこの世を隔てる膜のようなものに開いた穴のこと。小さい穴はあちこちにあり、理恵が見つけては閉じて回っている。大きい穴は人の手に負えない。閉じるには誰かが内側から縫い閉じる必要があり、アシドリでは子供に閉じさせあの世に捨てた儀式が「ほうこ祭り」になったらしい。
- ヒチさん
- 忌堂家に伝わる呪具。掌に乗るほどの小さな木彫りの首に見えるが、実は死んだヒチの首が子孫を案じて呪物化したもの。強力な魔除けの力を持つ。普段は忌堂家のお堂に保管され、山での儀式の際に使用されていた。忌堂光失踪事件のあと所在不明になっていたが、田中が発見しヒカルに返却。ヒカルはよしきにケガレ除けにと預けた。
- 希望ヶ山町
- 本作の舞台となる町。周囲を山に囲まれた田舎町。旧名は「首立村」。1700年代に分村して「達磨捨(だるますて)」となる。近年に合併して希望ヶ山町と改名したらしい。
- ノウヌキ様信仰があり、多くの人が犠牲になったが、大量死事件をきっかけに祟り神として怖れられるようになり、宣教師による布教で多くの村人が改宗し、あちこちに教会も建設された[22]。
- ほうこ祭り
- アシドリで行われる祭り。針と糸を持たせた人形「這子(ほうこ)」を作り、子供の厄除けを願って村外れにある足塚洞に捧げる。足塚洞は達磨塚トンネルと同じく大量の足の人骨が発掘されたことがある。元は「穴つづり」と呼ばれる儀式だったが、外から入った宗教の影響で祭り形式になった。悪いものが入ってくる穴を「ほうこさん」に針と糸で縫い閉じてもらうという伝承があり、よしきとヒカルは子供を生贄にして穴に入れたのではと推測した。
- 会社
- 田中と佐藤が所属する組織。天文学的な確率で出現する「落とし子」を何百年も探しており、各地に調査員を派遣している。田中もその一人だが、会社に落とし子を利用させたくない。暮林も会社の存在を認知しており、その業界では有名な組織らしい。
制作背景
連載の経緯
作者のモクモクれんは制作の動機について、いわゆる“成り代わり系”の物語では、多くの場合、人外が敵として描かれてしまうが、誰かに成り代わった人外自身の心情はどうなるのか、という疑問から着想を得たと述べている。また、成り代わられた人を取り巻く人々の感情を描くと同時に、成り代わった人外の心情に重点を置いているとしている[23]。
子供の頃から、作者はいつも物語の中の人外に共感していたが、ヒカルのような人間の形をした人外は、常に敵になる。作者は、自分の作品には人外の存在を好む傾向が反映されていると語っている。この傾向は今後の作品にも共通するテーマになるだろうと感じている[24]。
作者は、もともと漫画家になりたいと考えていたわけではないため、絵を描くことや話を考えることが好きでも漫画を執筆したことはなかった[25]。コロナ禍で時間ができたため、昔から構想していた話と登場人物を漫画という形で制作し、2021年1月にTwitter上で公開したところ、大きく反響を得たことをきっかけとして複数の編集部から声がかかった[2][25][26]。モクモクれんによると、TikTokで流行した際には女性読者が多い印象であった[25]。『ヤングエースUP』を選んだ理由は、モクモクれん自身の知名度がなく、「それだったら無料で読めた方がいいだろう」と考えたからである[25]。同年4月から連載の描きためを開始したため、連載の準備期間はなかった[26]。本作は作品のために新しく構想が練られたのではなく、モクモクれんによると「いままで自分のなかに蓄積されてきた好きなものをミックスしてできあがった作品」である[26]。タイトルは連載開始直前まで案が浮かばず、担当編集者からの複数の案をもらうも、悩んでいた[27][28]。『光が死んだ』などボツを経て、最終的に内容がわかる感じでまとまりのよい『光が死んだ夏』に決定[28]。前述の作品をもとに、同年8月31日より『ヤングエースUP』にて本作の連載を開始[2]。作者のモクモクれんは本作で商業連載デビューを果たす[29]。
舞台
三重県の山間部の田舎を舞台としており[5]、作中には三重弁が登場している[26]。「登場人物に特徴的な方言を使わせたかった」と考えていたモクモクれんは、「関西弁とは違う絶妙なライン」を探し、「東海地方の山間の地域」を選んだのである[26]。また、モクモクれんは澤村伊智の『比嘉姉妹シリーズ』を好んでおり、第1作の『ぼぎわんが、来る』が三重県を舞台としていることも理由に挙げている[26]。モクモクれんは三重県に取材に行きたいと考えていたが、コロナ禍では困難であった[26]。
モデルは「山と海との境目のような立地の狭い集落で、家がみっちりと密集していた」場所に唯一存在した商店という、モクモクれんの祖母の家である[5]。古い磨りガラスや黒電話や勝手に出入りする近所の人など、両親と帰省した際に見た風景が本作の元になっている[5]。
ホラー
物心がついたころから映像作品をたくさん観ていたモクモクれんは、「気づいた時には、もう好きでした(笑)」と語るほど、ホラーが好きである[26][30]。テレビの心霊特集も欠かさずに鑑賞していたといい[27]、よく参考にしている作品として、『ほんとにあった怖い話』シリーズや『怪談新耳袋』シリーズを挙げている[30]。モクモクれんはJホラーや日本以外のホラー映画が好きであるが、POV(Point of View)ホラーも好んでおり、白石晃士が監督を務めるホラー映画作品はすべて鑑賞し、本作は「一人称視点の構図を効果的に行う」ようなPOV(Point of View)方式で描かれている[30]。
モクモクれんはホラー映画を「あまり怖いとは感じない」といい、「どちらかと言えば、楽しい気持ちのほうが勝っている」ため、ジェットコースターやお化け屋敷などのアトラクション感覚で映画を鑑賞する[5]。裏付けのないような「わけがわからないものが怖い」と話し、本作では「く」の化物を例に挙げている[5][27]。「ショッキングなシーンをドーンと見せる」より、「怖い感じが来る寸前」を好むため、本作では「ゾワゾワするような感覚を大事にしたくて、ショッキングさは、むしろ抑えめにしようと心がけて」制作されている[27]。
擬音
本作では擬音が描き文字ではなく、活字のフォントで印字されている[27]。「映像と違いマンガには音声がない」ため、「文字を歪ませたり動きを出したりして、変化」をつける際に、「読んでもらいたい」というモクモクれんの意図によりフォントを使用している[27]。モクモクれんは「手描き文字だと絵になじんでしまい、目が滑って、なかなか読んでもらえないような気がする」と考え、読者の目に入れたいところではフォント、意識しなくてもよいところを手描き、と使い分けを行っている[27]。ふきだしのセリフの写植は担当編集者が作業を行っているが、擬音はモクモクれんが自ら打っている[27]。
制作
本作は「ミスマッチさ」を大事にして描かれている[28]。季節が夏であるのは、モクモクれんが半そでが描きたかったからという理由もあるが、内容が暗いため、「季節のなかではいちばん元気な感じがする夏がいいだろう」と考え、いちばんミスマッチな気がするという夏が選ばれている[28]。単行本のカバーの色や、PVのBGMや、ビジュアルはミスマッチを狙うために意図的に明るくしている[28]。
モクモクれんが執筆していて楽しいのは、「ここは盛り上がるだろうな」という場面を描いている時と、考察をする読者の予想を裏切るような展開を描けた時である[28][31]。行動や表情やセリフなどは登場キャラクターに「なるべく自然な反応をするように演技をさせている」といい、ネームの時点で「うつむく角度や相手から目を逸らす度合い」など、細かく動きを考えて制作している[32]。登場人物の心情を読者に自由に受けとってもらうため、「ここは泣くところです」のようなわかりやすい描写をしないよう、意識して描かれている[32][33]。
キャラクター設定
モクモクれんは、主人公のよしきは心の弱さや矛盾に葛藤するありふれた男子高校生だが[34]、田舎社会でものびのびと生きられる、順応性の高さがある生前の光と正反対の人物として設定した[35]。高いプライドの裏返しとして自己否定に傾きやすく、達観を装って自分を守ろうとする面があり、どんなコミュニティでもネガティブな面が消えないと評している[36]。 ヒカルについては、「もともと人間側の気持ちよりは、入れ替わってしまった後の人外の気持ちを描きたい」と考えたことが先で、モクモクれんの考える人外とはこうだという要素が詰めこまれている[27]。親友が人外にという設定はよくあるような漫画では「親友の本来の姿を取り戻そうとするバトルもの」になりそうだが、本作は「よしきの心情を通してリアルに共感できる物語」にしたいと考えて描かれている[32]。
PV
2022年3月に単行本第1巻が発売された際には、PVを公開[4]。ヒカル役は根岸耀太朗、よしき役は大野智敬が担当している[37]。
同年10月には単行本第2巻の発売を記念して、4週連続でPVを公開[37][38]。4本は異なる声優が担当しており、10月3日公開の第1弾は第1巻発売時のPVと同じ根岸と大野が[37]、10月10日公開の第2弾はヒカル役を下野紘、よしき役を松岡禎丞が、10月17日公開の第3弾はヒカル役をKENN、よしき役を前野智昭が[39]、10月24日公開の第4弾はヒカル役を榎木淳弥、よしき役を内山昂輝が務めている[38]。第4弾はテレビコマーシャルとしても放送された[38]。
同年10月3日から10月9日まで東京都の池袋にて大型交通広告を掲示し、西武鉄道池袋線池袋駅の地上改札内1番ホーム壁面にて描きおろしのイラストを、地下改札前ではデジタルサイネージを表示した[4]。10月17日から10月23日までは大阪府の阪急⼤阪梅⽥駅でも展開され[39]、10月24日から10月30日まで東京都の渋谷駅でも本作の大型広告が提示された[38]。
評価
受賞
2022年8月、「次にくるマンガ大賞2022」のWebマンガ部門で11位と、「海外ファンの熱量が高かった作品に贈られる」特別賞であるGlobal特別賞の繁体字版を受賞[40][41]。同年12月には「このマンガがすごい!2023」オトコ編で1位に選出[42][43]。2023年2月に全国書店員が選んだおすすめコミック2023の5位[44][45]、同年3月に「マンガ大賞2023」の11位[46][47]、同年9月に「第7回みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」で7位に選ばれている[48]。
書誌情報
漫画
- モクモクれん 『光が死んだ夏』 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉、既刊8巻(2025年12月27日現在)
- 2022年3月4日初版発行(同日発売[49])、ISBN 978-4-04-112273-0
- 2022年10月4日初版発行(同日発売[50])、ISBN 978-4-04-112960-9
- 2023年6月2日初版発行(同日発売[51])、ISBN 978-4-04-113700-0
- 2023年12月4日初版発行(同日発売[52])、ISBN 978-4-04-114339-1
- 2024年6月4日初版発行(同日発売[53])、ISBN 978-4-04-114997-3
- 2024年12月4日初版発行(同日発売[54])、ISBN 978-4-04-115608-7
- 2025年7月4日初版発行(同日発売[55][56])、ISBN 978-4-04-115682-7 / ISBN 978-4-04-115683-4(限定版)
- 2025年12月27日初版発行(同日発売[57])、ISBN 978-4-04-116903-2
小説
- モクモクれん(原作・イラスト)、額賀澪(著) 『光が死んだ夏』 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉、既刊2巻(2025年7月4日現在)
- 2023年12月4日発売[58][59]、ISBN 978-4-04-075085-9 / ISBN 978-4-04-075092-7(特装版)
- 2025年7月4日発売[60][61]、ISBN 978-4-04-075086-6 / ISBN 978-4-04-075991-3(特装版)
テレビアニメ
2024年5月24日にテレビアニメ化が発表された[6][62]。第一期が2025年7月から9月まで日本テレビ系列にて放送された[8][17]。第二期の制作が決定している[9][10]。
スタッフ
- 原作 - モクモクれん[8][63]
- 監督・シリーズ構成 - 竹下良平[8][63]
- キャラクターデザイン - 高橋裕一[8][63]
- サブキャラクターデザイン - 渡辺舞、西願宏子、長澤翔子
- ドロドロアニメーター - 平岡政展[8][63]
- プロップデザイン - 應地隆之介[17][64]
- 美術設定 - 多田周平、高橋武之、曽野由大[17][64]
- 美術監督 - 本田こうへい[17][64]
- 色彩設計 - 中野尚美[17][64]
- 3D監督 - 中野祥典[17][64]
- 撮影監督 - 前田智大[17][64]
- 2Dデザイン - 永良雄亮、津江優里[17][64]
- 編集 - 木村佳史子[17][64]
- 音響演出 - 笠松広司[17][64]
- 音響制作 - dugout[17][64]
- 音楽 - 梅林太郎[17][64]
- 音楽プロデューサー - 水鳥智栄子
- 音楽制作 - KADOKAWA
- プロデューサー - 藤原利紀、倉兼千晶、椛嶋麻菜美、宮城雄大、宮原慶太
- アニメーションプロデューサー - 上内健太
- アニメーション制作 - CygamesPictures[8][65]
- 共同製作幹事 - KADOKAWA、サイバーエージェント
- 製作 - 「光が死んだ夏」製作委員会(KADOKAWA、サイバーエージェント、日本テレビ、CygamesPictures)
主題歌
- 「再会」[66][67]
- Vaundyによる第一期オープニングテーマ。作詞・作曲・編曲はVaundy。
- 「あなたはかいぶつ」[67]
- TOOBOEによる第一期エンディングテーマ。作詞・作曲・編曲はTOOBOE。
- 「日々の影」
- 神奈川県立湘南高等学校合唱部による劇中歌。作詞はLeo Imai、作曲は梅林太郎、編曲は森田花央里。第7話エンディングでは辻中佳紀とヒカルによる歌唱が使用された。
- 「Rêve de ballon」
- 東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部の演奏による第1話の劇中歌。作曲は梅林太郎、編曲は田村修平。
- 「ぼくはたい焼き」
- 朝倉さやによる第1話の劇中歌。作詞は森田花央里、作曲は梅林太郎、編曲はハヤシベトモノリ。
制作
竹下良平は「ホラージャンル」に携わることに興味を持っていた[68]。そこでモクモクれんの「新鮮で独特な」作品を読み惹きつけられた竹下は『光が死んだ夏』のアニメ化を切望した[68]。自身が原作で感じたことをアニメにも表せるよう努力したという[68]。一方、アニメ独自の表現も試みた[69]。
竹下はじっくりとロケハンをしたかったが予定が立て込んでいたためかなわなかった[69]。実際は制作にあたってロケハンは3回実施された[70]。1回目では「よしきの」暮らしを味わった[70]。「鉄柱にペットボトルが刺さっていたり、ボロボロになった車がぽつんと置いてあったりするのは、東京ではなかなか見られない景色[69]」と感じたそうだ[69]。2回目はスタッフを引き連れてだった[69][70]。そこで作画をどうしていくか確認した[70]。3回目では「エンディング」の「撮影」が行われた[70]。このようなロケハンは作品の「実写」的側面を増幅させた[69]。例として、竹下は通常は汗が「記号的」に描かれることを指摘したうえで、本作では「夏の湿度みたいなもの」の描写に成功したと自負している[69]。またロケハンに忠実な色彩にするよう心掛けた[70]。ただし、「青春ホラー感」を表現するため[70]、黒くした箇所もあった[69][70]。
竹下は本作を「映像表現にこだわった作品にしたい」と考えていたのだ[71]。竹下は「ドロドロ」の表現は注目される箇所であるとした[70]。よって非「商業」的で芸術的な方法が求められると竹下は考えた[72]。そこで竹下は平岡政展を思い出し、依頼した[71]。簡略化した方法を検討していたが、平岡の提案により「手書き」が使われている[71]。平岡は「ドロドロ」にまとわりつく嫌悪感に気を付け、記憶に残るようにしたという[73]。また、「ドロドロ」は「モノクロ」になる予定だったが、中野尚美の提案により色でヒカルの感情が表現されている[71]。その「音」も「無機質な」感じがするよう工夫され[68]、「人間の声」が混ぜられている[74]。
原作者
モクモクれんは本作の制作に「原作」を尊重しつつ関わった[75]。一方、必要に応じて改変も許可した[76]。「脚本」へコメントし、「アフレコも毎回参加してい」るという[77]。
また「オープニング」に携わったモクモクれんはその色彩表現に自信をもっている[78]。特に「包丁のシーンの色味」を誇った[78]。「エンディング」には「実写」がみられるが、そこから「ロケハンに対する熱意」をモクモクれんは感じたという[78]。
声優
ヒカルとよしきの声優を選ぶにあたって竹下は「海のシーン」を上手に演じられるかどうかを重視した[79]。結果として、声優選びはうまくいったと竹下は考えている[79]。大きくなりつつある「高校生」がもつディテールをうまく表現できると考えられた小林千晃[80]による気持ちの表現は「みんなの心をつかん」だという[79]。モクモクれんもよしきがもつ暗さを小林がうまく表現できていると考えている[34]。またモクモクれんは梅田修一朗のキャラクターがヒカルのそれに合っていると捉えた[34]。
小林はよしきを「普通の高校生」と捉え、それを意識した演技をした[80]。怖い一方、「あたたかさ」を本作から感じたという[81]。アンビバレントな気持ちに揺さぶられはしたが[82][83][84]、本作にたずさわったことは小林にとって充実した体験であった[85][86][87]。また小林は自身が神奈川県出身であると述べ、方言への理解の浅さを告白した[88]。よって方言の使用のためにサポートを受けたという[88]。
梅田修一朗も方言の使用のために努力した[89]。梅田は方言の表現がうまくできるか懸念しており、サポートを受ける際は「生徒のよう」だったという[90]。梅田はヒカルの曖昧さを指摘しつつ[82][83][84]、
「よしきと居たい」という気持ちだけは確かなものだから、その気持ちをしっかり感じとりながら彼を演じよう—梅田修一朗、『光が死んだ夏』2025年夏放送|小林千晃、梅田修一朗ら出演、[82]
と考えた。
花守ゆみりは本作の重苦しい雰囲気が伝わるよう心掛けた[73][91]。また若山詩音は「学校」における「普通」の描写およびそれと対照的なものが本作にはみられると指摘し、その表現を試みた[92][93]。
音楽
Vaundyは「アニメサイド」より駆け抜けていくような楽曲を要望された[94]。一方、モクモクれんより「毒々しい曲」を要望された[94]。この要望を実現するために「シンセサイザー」を用いればよいとVaundyは考えた[94]。Vaundyは「ページを捲る度に何が起こるかわからない不安感を」表現し[92][95]、作品に入り込みやすくなるよう心掛けたという[94]。TOOBOEは「原作を」熟読し思いをはせた[73][96]。そして「登場人物への赦しを与える様な」楽曲に仕上げたという[73][96]。
評価
批評家からの反応
Anime News Network
ローゼン・オーシニは本作の放送開始にあたって期待感を示したが、「トレイラー」を高く評価しなかった[97]。「静かで気味が悪い」からだ[97]。
ジェームズ・ベケットは第一話、第二話のいずれにも星5をつけた[98]。彼は「ホラー」を表現するのは簡単ではないが本作ではうまくいっているとし、本作の「雰囲気」を歓迎した[98]。リチャード・エイゼンベンスは第一話に星4.5、第二話に星5をつけた[98]。彼はヒカルが「安全」に配慮していたにもかかわらず事故にあってしまったという「矛盾」を指摘し、それが魅力を醸し出しているとした[98]。一方、見るのが嫌にもなるという[98]。レベッカ・シルバーマンは第一話に星4.5、第二話に星5をつけた[98]。本作の「音楽」を称賛し、「虫の叫び」を『ひぐらしのなく頃に』のそれと比較した[98]。
シルビア・ジョーンズは『ひぐらしのなく頃に』と本作にはロケーション[99]、「主人公」の年代[99]、「神」[99][100]といった類似点があると述べた。またよしきが殺害を試みるところを『少女革命ウテナ』に照らしわせた[101]。シルビア・ジョーンズは本作の作画はそこまで完成度の高いものではないとし[102]、「恐怖」の描写も至らないところがあるとしたが[103]、本作を高く評価した[103]。ジョーンズはヒカルが人間ではないとして疎外されていることにも触れ、それが同性愛の「適切なメタファー」になっているとした[104]。
クリストファー・ファリスとスティーブ・ジョーンズは様々なアニメに「クィア」の描写がみられることを指摘したうえで、『光が死んだ夏』も同様であるとした[105]。クリストファー・ファリスはそのような描写は攻めたものだとした[105]。一方、スティーブ・ジョーンズは本作におけるそのような描写の重要性を低く見た[105]。
そしてケネディは第二話に使用された現実の[106]「タレにつけた鶏肉[107]」が性的な描写のプレリュードになっていると指摘した[108]。ケネディはこの食材を印象深いものだと感じた[108]。「地獄へのポータブルドア」の見事な表現であり、「おおげさな感じ」がするという[108]。
このような評価を受けた本作はAnime News Networkの「2025年夏最高のアニメ」第1位に選ばれた[109]。選出に際してケイトリン・ムーアは「『光が死んだ夏』はあなたの血を冷たくする」[109]と述べた。また本作は「2025年のアニメTop 10」において第3位に選ばれた[110]。選出に際してレベッカ・シルヴァーマンは「希望」がもてる作品だと述べた[110]。
リアルサウンド
キットゥン希美は「2025年 年間ベストアニメTOP10」第3位に本作を選んだ[111]。キットゥン希美は現代的ではない文化が訪問者を危険にさらす「因習村」を想起させる場所で展開される本作は「因習村×青春という新機軸のホラー」だとした[112]。キットゥンは「ホラー」以外にも美点があると指摘し[113]、歌唱シーンが本作をより一層魅力的なものにしていると称賛した[111]。
アナイス(ANAIS)は「2025年 年間ベストアニメTOP10」第2位に本作を選んだ[114]。本作のようにしっかり「クィアネス」を描写した「青春作品」が少ないことを指摘したアナイス(ANAIS)[114]は
本作の恐怖描写に対する“本気度”に毎度興奮し、感銘を受けた。—アナイス(ANAIS)、アナイス(ANAIS)の「2025年 年間ベストアニメTOP10」 “熱”ほとばしるTVシリーズが充実、[114]
という。
すなくじらは本作はヒカルとよしきに焦点を当てたものであるため、その声優の演技が重要であるとした[115]。実際「PV」では4組の声優が2人を担当しているが、誰が演じるかによって雰囲気が大きく変わっている[115]。またすなくじらによると目で見たものと音が重なり合い視聴者の心に残るといった効果も施されているという[74]。このような要素が複合して、「観る者の背後にそっと忍び寄る」ようになっているとすなくじらは述べている[74]。
糸野旬はサルトルの「実存は本質に先立つ」という見解に触れ、ヒカルがいるということ自体が重要であると述べた[116]。だが、その他者を望む気持ちはよしきの「理性の刃を鈍らせ」てしまう[116]。糸野旬はよしきが向き合っているのが元のヒカルの模倣なのか新しいよしきを大切に考えているヒカルなのか問いかける[116]。糸野旬によると後者だという[116]。ヒカルの「愛情」は不完全なものである[116]。しかしながら、糸野旬によるとヒカルは一生懸命であった[116]。
Anime Feminist
7人の批評家は連名で本作を勧めた[117]。そのなかのVraiは勧め方に頭を悩ませつつ、視聴者が不快になる可能性があるが「自然主義的な」要素がある作品だとした[117]。またトニー・サン・ピケットは原作と比較のうえで、「順序の変更」が行われていると指摘した[118]。ピケットは
ホラー、クィアの話、実験的アニメーション、そしてまさに良いアニメ全般に興味があるすべての人にこれを強く勧める。—Tony Sun Prickett、The Summer Hikaru Died – Episode 1、[118]
と述べた。
Anime Trending
タン・メルビンは「ストーリー」を称賛した[119]。タン・メルビンによると本作はできるだけコンパクトにまとめようとしているという[119]。メルビンは竹下良平による『夜のクラゲは泳げない』に言及しつつ、期待感を示した[119]。
グレイシー・クーは本作に85.5点をつけた[120]。本作は2部構成であると指摘し、「『光が死んだ夏』の最高の強みは」「深い人間のストーリー」だとした[120]。
THE FANDOM POST
クリス・ビバレッジは本作を「私の2025年のTop 10アニメ」に選んだ[121]。クリス・ビバレッジは「色彩設計」を称賛する一方[122]、「時間」配分に注文を付けた[123]。またよしきの抱える困難はうまく視覚的に昇華されているとした[124]。最終話のレビューでは本作がきちんと完結していないと指摘し、第二期があることに触れた[125]。
受賞・ノミネート
- FILMARKS AWARDS 2025 アニメ部門 優秀賞受賞[126]
- クランチロール・アニメアワード 2026 アニメ・オブ・ザ・イヤー、最優秀新シリーズ賞、最優秀ドラマ作品賞、最優秀背景美術賞、最優秀監督賞(竹下良平)、最優秀声優賞(日本語)(小林千晃)、最優秀声優賞(英語)(ポール・カストロ ジュニア)、最優秀声優賞(フランス語)(ジョナタン・ザムボール)ノミネート[127][128]
各話リスト
| 話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | 初放送日 | |||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 第一期 | ||||||||||||||||||||||||
| 第一話 | 代替品 | 竹下良平 | 高橋裕一 | - | 2025年 7月6日 | |||||||||||||||||||
| 第二話 | 疑惑 | 村山沖 | 大迫光紘 |
| 高橋裕一 | 7月13日 | ||||||||||||||||||
| 第三話 | 拒絶 | 竹下良平 | 横山麻華 |
|
| 7月20日 | ||||||||||||||||||
| 第四話 | 夏祭り | 村山沖 | 白幡良志之 |
| 7月27日 | |||||||||||||||||||
| 第五話 | カツラのオバケ | 竹下良平 |
|
|
| 8月3日 | ||||||||||||||||||
| 第六話 | 朝子 | 村山沖 | 片岡史旭 |
|
| 高橋裕一 | 8月10日 | |||||||||||||||||
| 第七話 | 決意 | 竹下良平 | 橋本有加 |
| 8月17日 | |||||||||||||||||||
| 第八話 | 接触 | 村山沖 | 安藤良 |
|
| 8月24日 | ||||||||||||||||||
| 第九話 | 武田の爺さん |
|
|
| 高橋裕一 | 9月7日 | ||||||||||||||||||
| 第十話 | 真相 |
|
|
| 9月14日 | |||||||||||||||||||
| 第十一話 | 忌堂の扉 | 山内愛弥 |
|
| 9月21日 | |||||||||||||||||||
| 第十二話 | 居場所 | 竹下良平 |
| 高橋裕一 | 9月28日 | |||||||||||||||||||
放送局
| 放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [130] | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年7月6日 - 9月28日 | 日曜 0:55 - 1:25(土曜深夜) | 日本テレビ | 関東広域圏 | 製作参加 / 字幕放送[131] |
| 青森放送 | 青森県 | 字幕放送[132] | ||
| テレビ岩手 | 岩手県 | 字幕放送[133] | ||
| 山形放送 | 山形県 | 字幕放送[134] | ||
| 山梨放送 | 山梨県 | 字幕放送[135] | ||
| 南海放送 | 愛媛県 | 字幕放送[136] | ||
| 日曜 1:25 - 1:55(土曜深夜) | 広島テレビ | 広島県 | ||
| 日曜 1:50 - 2:20(土曜深夜) | 静岡第一テレビ | 静岡県 | ||
| テレビ宮崎 | 宮崎県 | 字幕放送[137] | ||
| 日曜 1:55 - 2:25(土曜深夜) | 中京テレビ | 中京広域圏 | ||
| 四国放送 | 徳島県 | 字幕放送[138] | ||
| 2025年7月7日 - 9月29日 | 月曜 1:25 - 1:55(日曜深夜) | 西日本放送 | 香川県・岡山県 | |
| 2025年7月8日 - 9月30日 | 火曜 1:59 - 2:29(月曜深夜) | 福岡放送 | 福岡県 | |
| 2025年7月9日 - 10月1日 | 水曜 1:29 - 1:59(火曜深夜) | 長崎国際テレビ | 長崎県 | 字幕放送[139] |
| 水曜 2:04 - 2:34(火曜深夜) | 読売テレビ | 近畿広域圏 | ||
| 2025年7月10日 - 10月2日 | 木曜 1:24 - 1:54(水曜深夜) | 高知放送 | 高知県 | |
| 木曜 1:34 - 2:04(水曜深夜) | 鹿児島読売テレビ | 鹿児島県 | 字幕放送[140] | |
| 木曜 1:59 - 2:29(水曜深夜) | 札幌テレビ | 北海道 | ||
| 北日本放送 | 富山県 | 字幕放送[141] | ||
| 2025年7月11日 - 10月3日 | 金曜 0:59 - 1:29(木曜深夜) | テレビ大分 | 大分県 | 字幕放送[142] |
| 金曜 1:24 - 1:54(木曜深夜) | 秋田放送 | 秋田県 | 字幕放送[143] | |
| 金曜 1:29 - 1:59(木曜深夜) | テレビ新潟 | 新潟県 | 字幕放送[144] | |
| 熊本県民テレビ | 熊本県 | 字幕放送[145] | ||
| 金曜 1:35 - 2:07(木曜深夜) | テレビ金沢 | 石川県 | 字幕放送[146] | |
| 金曜 1:44 - 2:14(木曜深夜) | テレビ信州 | 長野県 | 字幕放送[147] | |
| 金曜 1:54 - 2:24(木曜深夜) | 山口放送 | 山口県 | 字幕放送[148] | |
| 金曜 2:00 - 2:30(木曜深夜) | 日本海テレビ | 鳥取県・島根県 | 字幕放送[149] | |
| 2025年7月12日 - 10月4日 | 土曜 0:30 - 0:59(金曜深夜) | 福井放送 | 福井県 | 字幕放送[150] |
| 土曜 1:56 - 2:26(金曜深夜) | 福島中央テレビ | 福島県 | 字幕放送[151] | |
| 土曜 1:59 - 2:29(金曜深夜) | ミヤギテレビ | 宮城県 |
| 配信開始日 | 配信時間 | 配信サイト | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2025年7月6日 | 日曜 1:55(土曜深夜) 更新 | Netflix | 世界独占配信 |
| ABEMA | 無料独占配信 | ||
| 日曜 1:55 - 2:25(土曜深夜) | ABEMA アニメチャンネル |
BD / DVD
| 巻 | 発売日[152] | 収録話 | 規格品番 | |
|---|---|---|---|---|
| BD | DVD | |||
| 1 | 2025年11月26日 | 第1話 - 第4話 | KAXA-9091 | KABA-11701 |
| 2 | 2025年12月24日 | 第5話 - 第8話 | KAXA-9092 | KABA-11702 |
| 3 | 2026年1月28日 | 第9話 - 第12話 | KAXA-9093 | KABA-11703 |
舞台作品
2026年1月9日から18日にかけて紀伊國屋ホールで上演[153]。
キャスト(舞台)
- 辻中佳紀:本島純政[153]
- ヒカル:今牧輝琉[153]
- 山岸朝子:橘めい[153]
- 巻ゆうた:松尾樹[153]
- 田所結希:澤田理央[154]
- 暮林理恵:山野海[154]
- 武田 一:赤星昇一郎[154]
- 田中:村田充[154]
スタッフ(舞台)
- 原作:モクモクれん『光が死んだ夏』(KADOKAWA「ヤングエースUP」連載)[153]
- 脚本・演出:藤井颯太郎[155]
- 音楽:さのみきひと[156]
- 協賛:株式会社セブン‐イレブン・ジャパン[157]、ぴあ株式会社[157]
- 提携:紀伊國屋書店[157]
- 主催:舞台『光が死んだ夏』製作委員会[157]
制作
藤井颯太郎は本作が「なり代わ」りの話であることを指摘し、舞台にふさわしいのではないかと考えた[153]。本島純政は辻中佳紀を「恐怖と想いの間で葛藤し続ける繊細な人物」と捉え、その表現を試みた[156][155]。
| 日本テレビ 日曜 0:55 - 1:25(土曜深夜) | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
Aランクパーティを離脱した俺は、
元教え子たちと迷宮深部を目指す。(第1期) (2025年1月12日 - 6月29日) |
光が死んだ夏(第一期)
(2025年7月6日 - 9月28日) |
らんま1/2(2024年版・第2期)
(2025年10月5日 - 12月21日) |