日本言語学オリンピック

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別名 JOL, 言オリ, IOLing Japan
選抜段階 国内予選(1次予選)
参加者数 1,100人 (2026)
日本言語学オリンピック
日本言語学オリンピック(JOL)のロゴ(2020-)
別名 JOL, 言オリ, IOLing Japan
競技種別 科学オリンピック
選抜段階 国内予選(1次予選)
参加者数 1,100人 (2026)
開催国 日本の旗 日本 (居住地による制限なし)
開催形式 オンライン
開催時期 毎年12月末頃
競技時間 2時間
作業言語 日本語
今年の大会 JOL2027 (8か月後)
選抜枠
初開催 2016年4月 (10年前)
対象 20歳未満かつ大学教育を受けていない
参加者数 884人 (2026)
オープン枠
旧名 競技参加枠 (2021)
初開催 2020年12月28日 (5年前)
対象 制限なし
参加者数 216人 (2026)
組織
主催・運営 特定非営利活動法人 国際言語学オリンピック日本委員会
後援 日本言語学会
公式サイト
https://iolingjapan.org/
関連大会
国際言語学オリンピック(IOL)
アジア太平洋言語学オリンピック(APLO)

日本言語学オリンピック(にほんげんごがくオリンピック、通称JOL)は、未知の言語を分析する能力を競う日本国内の大会である[1]アジア太平洋言語学オリンピック(APLO)および国際言語学オリンピック(IOL)に出場する日本代表選手を決定する予選大会の役割も兼ねている。毎年12月末頃にオンライン上で開催されている。

競技内容

与えられた未知の言語のデータとそれに対応する日本語訳から法則を導出した上で[2][3]、その法則をもとに未知の言語における新たな語形を推測することを目的とした問題が出題される[4]言語学の諸分野のうち、音韻論形態論統語論命数法文字比較言語学などから出題される[5]。APLOやIOLとは異なり、導出した法則を文章や表で説明する必要はなく、日本語から未知の言語への訳、または未知の言語から日本語への訳のみが採点の対象となる[2]。制限時間は2時間で、JOL公式サイト上のシステムで3問から5問程度が出題される。

出題内容[6]
大会 設問 言語 語族(使用地域) 分野
JOL2026 第1問 モクシャ語 ウラル語族(ロシア) 音韻
第2問 ヤノマム語ヤノママ方言英語版 ヤノマミ語族英語版(ブラジル) 意味
第3問 ケット語 エニセイ語族(シベリア) 統語
第4問 ヒリモツ語 ピジン言語(パプアニューギニア) 統語, 親族名称
第5問 チョル語 マヤ語族(メキシコ) 形態, 動詞形態
JOL2025 第1問 アカン語 ニジェール・コンゴ語族(ガーナ) 形態, 音韻
第2問 アチェ語 オーストロネシア語族(インドネシア) 統語
第3問 カラジャ語英語版 マクロ・ジェー語族英語版(ブラジル) 統語
JOL2024 第1問 トアバイタ語英語版 オーストロネシア語族(ソロモン諸島) 意味
第2問 ジンポー語 シナ・チベット語族(ミャンマー) 統語
第3問 ヤウェルマニ語英語版 ヨクツ語族(アメリカ合衆国) 音韻
第4問 パウナカ語英語版 アラワク語族(ボリビア) 形態, 動詞形態
第5問 エウェ語 ニジェール・コンゴ語族(西アフリカ) 統語
JOL2023 第1問 ハウサ語 アフロ・アジア語族(西アフリカ) 統語
第2問 クヴェン語 ウラル語族(ノルウェー) 音韻
第3問 カマン語英語版 トランス・ニューギニア語族(インドネシア) 意味, 対応
第4問 プユマ語 オーストロネシア語族(台湾) 統語
第5問 モンゴ語 ニジェール・コンゴ語族(コンゴ民主共和国) 形態, 動詞形態
JOL2022 第1問 タグバヌワ語英語版 オーストロネシア語族(フィリピン) 文字
第2問 タワラ語英語版 オーストロネシア語族(パプアニューギニア) 韻律
第3問 ムンダ語 オーストロアジア語族(インド) 統語
第4問 ヤオ語 ニジェール・コンゴ語族(マラウイモザンビークタンザニア) 親族名称
第5問 ティンリン語 オーストロネシア語族(ニューカレドニア) 統語
JOL2021 第1問 カビル語 アフロ・アジア語族(北アフリカ) 統語
第2問 ツツバ語 オーストロネシア語族(バヌアツ) 命数
第3問 シャレイア語 人工言語 統語
第4問 マプチェ語 アラウカニア語族(チリアルゼンチン) 形態, 韻律
JOL2020 第1問 アラビア語 アフロ・アジア語族(アラブ北アフリカ) 文字, 対応
第2問 エウェンキー語 ツングース語族(シベリア) 音韻, 比較
オロチ語
ナーナイ語
第3問 バスク語 系統不明の言語(スペインフランス) 音韻
第4問 リヴォニア語 ウラル語族(ラトビア) 意味, 対応
第5問 ウルドゥー語 印欧語族(パキスタンインド) 統語
JOL2019 第1問 朝鮮語 朝鮮語族(朝鮮半島) 文字
第2問 日本語 日琉語族(日本) 音韻
第3問 フィンランド語 ウラル語族(フィンランド) 音韻
第4問 イヌクティトゥット語 エスキモー・アレウト語族(カナダ) 統語
第5問 コリマ・ユカギール語 ユカギール語族(シベリア) 統語
JOL2018 第1問 英語 印欧語族 文字
チェコ語 印欧語族(チェコ)
ポーランド語 印欧語族(ポーランド)
スウェーデン語 印欧語族(スウェーデン)
第2問 ベジャ語 アフロ・アジア語族(北東アフリカ) 統語, 対応
第3問 ナーナイ語 ツングース語族(シベリア) 形態, 動詞形態
第4問 古テュルク語
オルホン文字
テュルク諸語(中央アジア) 文字, 音韻
第5問 モンゴル語 モンゴル諸語(モンゴル中国) 文字, 対応
チベット語 シナ・チベット語族(中国西部)
JOL2017 第1問 ロシア語 印欧語族(ロシア) 形態
第2問 フリウリ語 印欧語族(イタリア) 形態
第3問 モンゴル語 モンゴル諸語(モンゴル中国) 文章
JOL2016 第1問 ソマリ語 アフロ・アジア語族(ソマリア)
第2問 スロベニア語 印欧語族(スロベニア)

歴史

2003年に第1回のIOLブルガリアボロヴェツで開催されて以降、日本代表がIOLに参加したのは2012年スロベニアリュブリャナ大会が最初である。IOL日本代表となる8人を選抜する国内予選が開始したのは2016年4月であり、当初の国内予選の名称は「国際言語学オリンピック日本代表選抜筆記試験」であった。2019年5月に第1回のAPLOが開催されてからは、JOLがAPLO日本代表を選抜する国内予選としての役割も兼ねることとなった[2]。JOL2020以降は大会の正式名称が「日本言語学オリンピック」となったほか、開催時期が大会名の冠する西暦年の前年にあたる12月末に移動している。JOL2020は東京外国語大学府中キャンパスで開催されている[7]新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、JOL2021からはオンラインでの開催に切り替えている。加えて、この年から参加資格制限のない「競技参加枠」が追加された。競技参加枠はJOL2022から「オープン枠」に改称している[8]

組織

  • 主催・運営: 特定非営利活動法人 国際言語学オリンピック日本委員会[9][10]
  • 後援: 日本言語学会[11]

その他

国際科学オリンピックに含まれる他の競技大会の多くは、その日本予選大会(日本数学オリンピック日本情報オリンピックなど)が国立研究開発法人科学技術振興機構の支援する日本科学オリンピック委員会に含まれているが、日本言語学オリンピックはこれに含まれていない[12]国際哲学オリンピックの日本予選である日本倫理・哲学グランプリも同様に含まれていない。

参加資格

参加枠には「選抜枠」と「オープン枠」の2種類がある。

選抜枠の参加資格は、次のIOL個人戦の時点で20歳未満かつ大学教育を受けていないことである。選抜枠の成績上位者は、翌年春頃に開催されるAPLOにおける日本代表としての出場資格を得る。APLO日本代表の成績上位8名は、夏頃に開催されるIOLにおける日本代表としての出場資格を得る。

オープン枠への参加資格の制限はなく、大学生や20歳以上の参加も可能である。

受験料は選抜枠・オープン枠ともに3000円であり、収益は国際言語学オリンピック日本代表生徒の登録費等の補助に使用される[8]

大会成績

JOL

JOL2019以降、競技者の成績に応じて金賞(上位の人数)・銀賞(上位の人数)・銅賞(上位の人数)・努力賞(平均点以上)が授与されている[8]。成績上位者はAPLOに招待される。

大会成績(JOL)
大会 開催日 応募者 参加者 金賞 銀賞 銅賞 努力賞 APLO進出者
JOL2026 2025年12月29日(月) 884(選抜枠) 47 96 152 117 47
216(オープン枠) 11 24 34 18 0
JOL2025 2024年12月29日(日) 800(選抜枠) 49 84 134 122 44
154(オープン枠) 8 16 25 24 0
JOL2024 2023年12月29日(金) 785(選抜枠) 42 84 126 145 54
151(オープン枠) 8 16 23 24 0
JOL2023 2022年12月29日(木) 490(選抜枠) 24 54 75 88 58
115(オープン枠) 6 11 17 23 0
JOL2022 2021年12月29日(水) 354(選抜枠) 21 52 55 47 67
80(オープン枠) 4 8 13 12 0
JOL2021 2020年12月28日(月) 178(選抜枠) 10 22 31 22 31
67(競技参加枠) 2 13 10 8 0
JOL2020 2019年12月28日(土) 199 155 11 17 27 25 21
JOL2019 2019年3月24日(日) 135 115 6 14 18 25 8
JOL2018 2018年3月25日(日) 56 APLO未実施
JOL2017 2017年3月26日(日)
JOL2016 2016年4月

APLO

アジア太平洋言語学オリンピック(APLO)は、アジア太平洋地域の国々の生徒が参加する競技大会であり、会場は参加各国に設置される[13]2021年現在、日本の旗 日本中華人民共和国の旗 中国香港の旗 香港中華民国の旗 台湾大韓民国の旗 韓国マレーシアの旗 マレーシアが正規参加国であるほか、カナダの旗 カナダ(英語話者)・ コロンビアインドの旗 インド ルーマニアシンガポールの旗 シンガポール ウクライナがゲスト参加している。過去にはバングラデシュの旗 バングラデシュネパールの旗 ネパール ウクライナが正規参加国であったほか、 ラトビアロシアの旗 ロシアがゲスト参加していた[14]。日本においては国際言語学オリンピックに進出する代表選手8人を選ぶための実質的な2次予選として機能している。賞は、各参加国の上位8名に授与される。

大会 開催日 日本からの参加者 金賞 銀賞 銅賞 努力賞
APLO2025 2025年4月20日(日) 44 1 3 4 0
APLO2024 2024年4月7日(日) 54 1 3 4 0
APLO2023 2023年4月9日(日) 58 1 3 4 0
APLO2022 2022年4月10日(日) 67 1 3 4 0
APLO2021 2021年3月28日(日) 31 1 3 4 0
APLO2020 2020年9月27日(日) 21 1 3 4 0
APLO2019 2019年5月5日(日) 8 1 3 3 1
239 7 21 27 1

IOL

APLOで選抜された日本代表8名は、JOL組織委員会による合同練習会を経て[8][15]国際言語学オリンピック(IOL)に出場する。個人戦のメダルは全参加者のから程度の人数に授与され、その内訳は概ね 金:銀:銅=1:2:3 となるように分配される[16]。団体戦のメダルは上位3チームに授与される。2025年現在、日本からは92人・24チームの代表が出場しており、最優秀解答賞5個・メダル30個(金メダル7個・銀メダル9個・銅メダル14個)・努力賞20個を獲得しているほか、1人が連続メダリストとして殿堂入りを果たしている[17]

日本代表の大会成績(IOL)[17]
大会 開催国・地域 全参加者 日本からの参加者 個人戦 団体戦
最優秀解答賞 金賞 銀賞 銅賞 努力賞 金賞 銀賞 銅賞 努力賞
IOL2025 台湾 228 8 0 0 4 2 1 0 0 0 1
IOL2024 ブラジルの旗 ブラジル 206 8 0 1 1 3 1 0 0 1 0
IOL2023  ブルガリア 205 8 1 1 1 2 3 0 0 0 0
IOL2022 マン島の旗 マン島 184 7 1 2 0 1 3 0 1 1 0
IOL2021  ラトビア 216 8 2 2 1 0 2 0 0 0 0
IOL2019 大韓民国の旗 韓国 209 8 0 1 0 2 1 0 0 0 0
IOL2018  チェコ 192 8 0 0 0 1 1 0 0 0 0
IOL2017 アイルランドの旗 アイルランド 172 8 0 0 1 1 2 0 0 0 0
IOL2016 インドの旗 インド 167 8 1 0 0 1 2 0 0 0 0
IOL2015  ブルガリア 166 8 0 0 0 1 2 0 0 0 0
IOL2014 中華人民共和国の旗 中華人民共和国 152 8 0 0 1 0 1 0 0 0 0
IOL2013 イギリスの旗 イギリス 138 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0
IOL2012 スロベニアの旗 スロベニア 131 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0
2366 92 5 7 9 14 20 0 1 2 1

関連項目

関連文献

脚注

外部リンク

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