最低賃金 (アメリカ)

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アメリカのおよびワシントンD.C.別の連邦最低賃金額(2026年1月1日時点)。
最低賃金が低い又は最低賃金のない州では、公正労働基準法の対象となる労働者には連邦最低賃金が適用される[1]
アメリカ領サモアの一部労働者には特別最低賃金が適用される[2][3]

アメリカ合衆国最低賃金(さいていちんぎん)は、公正労働基準法en:Fair Labor Standards Act, 1938年)によって連邦最低賃金が定められている。

アメリカ合衆国が連邦政府として定めている最低賃金は7.25ドルであるが、この他に各州が独自に最低賃金を定めている場合が多い。州の最低賃金が連邦最低賃金よりも高い場合には、州の最低賃金が適用されており、2026年1月1日時点で、連邦最低賃金の7.25ドルを上回る最低賃金を定めている州は条件付きも含めて30州とワシントン特別区で、連邦最低賃金と同額が条件付きのオクラホマ州含めて13州、連邦最低賃金を下回る州が2州、最低賃金を定めていない州が5州ある[4]

そして、2026年1月時点で17の州とコロンビア特別区において定めた最低賃金が時給15ドル以上であり、これらの州とコロンビア特別区の労働者数は6,640万6,100人である。なお、州で定められた最低賃金額が15ドル未満で、その州の郡や市などで独自に定めた最低賃金額が15ドル以上の地域に住む労働者は含まれていない(例えば、ミネソタ州の最低賃金は時給11.41ドルであるが、州内都市のミネアポリスは時給16.37ドルと15ドル以上である。)[5]

なお、Fight for $15(最低時給15ドルへ引き上げる為に闘う)運動の影響により、2026年1月1日時点で、17州(アリゾナ州カリフォルニア州コロラド州コネチカット州デラウェア州ハワイ州イリノイ州メイン州メリーランド州マサチューセッツ州ミズーリ州ネブラスカ州ニュージャージー州(農業雇用者除く。)、ニューヨーク州オレゴン州(農村部除く。)、ロードアイランド州ワシントン州)とワシントン特別区で15ドル以上あり、ワシントン特別区とワシントン州においては17ドル以上となっている。

そして、アラスカ州フロリダ州において最低時給15ドルへ、ハワイ州は18ドルへの引き上げを2020年代内に目指している[6][7][8][9][10][11]

州内の市や群において、ワシントン州全域の自治体の他に47の市や郡において一般労働者の最低賃金が17ドルを超えており、その内の40自治体がカリフォルニア州内の自治体である[12][13][4]

更に、ワシントン州にある前述の9自治体の内、7自治体[14][15][16][17][18][19][20]が2026年1月1日時点で最低時給20ドルを超えている。その他に、カルフォニア州においては、全米に60店舗以上を持つファストフードチェーンで働く従業員[21][22]と州内の医療施設で働く労働者(ただし、セーフティネット病院<メディケアなどの政府支出割合が高い病院>、小さな郡が運営する医療施設で働く場合は除く。)[23]ウェスト・ハリウッド市ロングビーチ市内のホテルで働く従業員[24][25]ロサンゼルス市内のロサンゼルス国際空港ホスピタリティ強化ゾーン(AHEZ)内にある客室数50室以上のホテルとAHEZ外の客室60室以上のホテルで働く従業員[26][27]も20ドルを超えている。更に、2028年ロサンゼルスオリンピックが開催される2028年までにロサンゼルス国際空港とロサンゼルス市内の客室60室以上のホテルで働く従業員の最低時給を時給30ドルへ引き上げる予定である[28]

また、連邦最低賃金とは別に連邦政府契約事業者に対する最低賃金が、2014年2月にオバマ前大統領により署名された大統領令13658号により、設けられている。

チップ労働者の最低賃金

2009年7月24日に施行されて以降、現在までアメリカ合衆国の一般労働者の連邦最低賃金は7ドル25セントであるが、アメリカ合衆国にはチップという習慣があり、一般労働者と違いチップ労働者の最低賃金は2ドル13セントとなっている[29]。法律ではチップが連邦最低賃金に届かない場合、雇用主がその差を埋めなければならないが、現実には必ずしもそうなっていない。チップ労働者とは、月に30ドル以上チップを受け取る仕事で働く人々のことである。

連邦最低賃金と州別最低賃金

歴史的経緯

OECD各国の実質最低賃金(時給,PPPUSD)

[30][31]

1910年代、1920年代

アメリカの最低賃金は、最初に導入されたのは、連邦ではなく、州であった。最初に導入された州は、マサチューセッツ州であり、1912年に導入された。また、導入した背景には、若年者や女性の労働者の貧困がある。

そして、1923年までにマサチューセッツ州を始めとした13の州で、最低賃金制度が導入されたが、対象は若年者や女性であった。しかし、この制度に対して、雇用における契約の自由に反すると憲法違反を訴える訴訟があり、僅差で合憲状態が続いたものの、1923年に、連邦最高裁は、ワシントンDCの最低賃金法を憲法違反であるとの判決を5対3で下された。そして、判決後の数年のうちに7州で、違憲判決が下された。幾つかの州では最低賃金法の表現が修正されて存続したものの、最低賃金法違反をした使用者に対して事件化することはなかった。また、一般の賃金が上昇したにもかかわらず、多くの州では、賃金額改定を控えてしまったため、制度としての存在意義が年々低下してしまった。

世界恐慌から1937年の合憲判決まで

しかし、1929年世界恐慌をきっかけに、風向きが変わる。このアメリカ発の世界不況の影響により、賃金が60%も低下していき、貧困が拡大していった。

そのため、州の方では、1933年ニューヨーク州で最低賃金法が成立し、それに続いて他の5州が制定された。また、制定の際、ワシントンDC控訴裁判所の判決を考慮して、生計費を基準として最低賃金を設定することに加え、労働公正価値も基準に加えた。

そして、連邦の方では、ルーズベルト大統領により1933年に制定された全国産業復興法であった。しかし、この法に対して、連邦最高裁が、1935年全国産業復興法は違憲との判決を下した。違憲理由は、「雇用主は大統領により規定された最低賃金率を守らなければならない」とする内容が盛り込まれたためであり、このため、違憲判決後、この条文は削除された。

しかしながら、世界恐慌をきっかけに新しいタイプの最低賃金法も、恐慌前と同じく訴訟に直面する。ニューヨーク州の最低賃金法も、1936年に違憲判決が出された。また、ワシントン州に対しても、連邦最高裁に上告されてしまった。

世界恐慌に対応した全国産業復興法や最低賃金法を違憲と判断する連邦最高裁に対して、ルーズベルト大統領は業を煮やし、最高裁判事を6名増員すると通告をした。その通告の効果があったかどうかは不明であるが、1937年にワシントン州の最低賃金法に対して、1936年の違憲判決を下したオーウェン・ロバート判事が、合憲判断に変化したこともあり、連邦最高裁はそれまでの判断とは異なる合憲判決を下した。その後、ルーズベルト大統領は、連邦最高裁判事の増員通告を撤回した。

1937年の合憲判決後

連邦最高裁の合憲判決を受けて、カンザス州、ミネソタ州などでは州司法長官は、州最低賃金法は合憲であると決定し、ニューヨーク州、ウィスコンシン州などでは最低賃金法を制定した。

そして、連邦の方でも、1938年に公正労働基準法の制定した。その後、同法に対する違憲訴訟が提起されたが、1941年に合憲判断が下されて、連邦最低賃金制度が確立した。

また、連邦最低賃金制度には、それまでの州最低賃金法とは異なる特色がみられた。

  1. 最低賃金の適用を女性、若年者に加えて男性も適用対象としたこと
  2. 時給による最低賃金を法律で規定したこと。それまでの、あるいは当時の州最低賃金法では、我が国のように公労使からなる賃金委員会が最低賃金の決定を行い、それを命令として発出するという仕組みが主流であった。また、時給ではなく日給あるいは週給とするところも少なくなかった。
  3. 年齢や性による賃金差を設定せずに一律としたことである。また、当初の法律には、法定最低賃金よりも高い産業別最低賃金を設定する委員会に関する規定も置かれた。しかしその部分は1949年改正で削除された。

その後、連邦最低賃金制度を受けて、その制度に沿った最低賃金法を制定する州が増えていった。それまで最低賃金法がなかった州で制定されたり、若年者と女性から男性を加えて適用範囲を拡大したり(コネチカット州ロードアイランド州、ニューヨーク州など)、最低時給額の設定を定める州も出始めていた。

1990年代、2000年代

最低賃金は別の面で、1990年代以降アメリカ各地で生活賃金(Living Wage)運動が起こった。生活賃金運動は、行政の委託を受けた企業が生活賃金以上の賃金支払いを義務付ける条例制定を求めた運動である。

この運動の影響により、1994年にはボルティモア市 (メリーランド州) で条例が制定された。翌年にはサンタクララ郡 (カリフォルニア州) で制定されるなど、市や郡などの自治体での生活賃金条例制定の動きは瞬く間に全米に広がった。全米で約140の市や郡で条例が制定されたが、監督監視体制の不備のため、その多くにおいては実質上の強制力がないと言われている。

また、連邦最低賃金の引上げに関しては、オバマ前大統領や民主党議員が連邦最低賃金の引上げを提案していたものの、共和党の反対があったため、2009年以降行われていない[32]1968年の最低賃金額(時給1.6ドル)を基準にインフレを考慮した場合、2018年の貨幣価値では11.79ドルに相当し、現在の水準よりも60%高くなる。つまり、実質の最低賃金は過去50年間で下がる続けたのである[33]

2010年代以降 Fight for $15(最低時給15ドルへ引き上げる為に闘う)運動

2015年4月15日、ニューヨーク市で行われたFight for $15(最低時給15ドルへ引き上げる為に闘う)運動の様子

2012年11月ニューヨークで行われたマクドナルドの店員による一日ストをきっかけ[34] に、Fight for $15最低時給15ドルへ引き上げる為に闘う)運動がファストファッションウォルマートに代表される小売店舗をターゲットにした賃上げ要求運動が開始され、アメリカ国内各地で逮捕者(主に交通の妨害)が出るほどのデモ活動[35][36] が展開された。

この運動の目的は、人間らしい生活ができる最低水準となる貧困ラインを上回る賃金15ドルへと引き上げること、そして、ファーストフードの本体企業に使用者責任を負わせ、労働組合を組織しやすくすることである。

この運動の中心団体は、サービス従業員労働組合( SEIU)である。その中心団体を中核として地域住民の組織、学生、中小企業事業主、宗教団体、NPOやホテルやレストランの従業員を組織する労働組合UNITE-HERE英語版も参加している。

この運動に対して、アメリカ商業会議所や国際フランチャイズ・チェーン協会は、SEIUの支援による運動の影響が大きいことを批判的に指摘している。そして、経営者団体も現役従業員がほとんど参加がなく、労働組合が主導的な立場にあることを理由に批判した[37]

更に、マクドナルド元CEOエド・レンシ英語版は、フォックス・ビジネスチャンネルの朝の番組で、最低時給が連邦最低賃金(7.25ドル)の2倍以上に引き上げれば、より安価なロボットを導入するなどして、ファーストフード企業の使用者側が引上げに対する人件費の上昇を抑えるために、安価なロボットに代替し、ファーストフード店員を解雇するなどの雇用の悪影響を指摘している[38][39]。更には、オックスフォード大学のマイケル・オズボーン博士が2013年に発表した論文によれば、2030年代までにファストフード店で料理をする従業員が、ロボットやAIに取って代わられる可能性が81%と高いことを指摘している[40][40][41][41] が、この論文に対して、実験室レベルで自動化が出来る仕事も含まれているため、過大に推計されているとの批判もある[注 1]
そして、職業を構成するタスク(業務)単位でみた場合に70%超えのタスクが自動化される職業は9%程度(アメリカの場合も9%程度)にとどまるとの研究結果もある。またAIや機械化によって雇用が奪われるという主張もあるが、それらの技術によってタスク量が減少するが、AIや機械化を導入したり、維持したりする仕事やそれらの技術により新たな仕事が生まれることにより、雇用が生み出される可能性もある。しかし同時に、中程度の技能を有するルーティン業務が減少し、専門的な技能が求められない低スキルの仕事と高度な技能が求められる仕事へと2極化していき、経済格差が拡大していくとの予測もある[42][43][44]

一方で、中小企業事業主団体が最低賃金引き上げを求めるロビー活動を展開するようになるなど、運動を支持する動きは広がりをみせている[37]

2010年代以降の最低賃金の動向 州政府と企業の場合

この運動は全米レベルに拡大し各地域で進んでいる州別最低賃金引き上げの原動力となっている[37]。そのため、州で最低賃金の引上げが特に2013年以降活発に行われており、多くの場合で複数年にわたり段階的な引上げが行われている。

2018年においてはデラウェア州とマサチューセッツ州で最低賃金を段階的に引き上げる法案が成立したほか、アーカンソー州及びミズーリ州では住民投票により最低賃金を段階的に引き上げることが決定された。更には、最低時給15ドルへ引き上げる自治体が出てきており、2020年1月1日時点で、17の市や郡において最低賃金が15ドルを超えた[45][46][47][48][49]。そして、2021年1月時点で労働者の約4割を占める9州(カリフォルニア州コネチカット州フロリダ州イリノイ州メリーランド州マサチューセッツ州ニュージャージー州ニューヨーク州バージニア州)及びワシントンD.C.では、最低時給15ドルへの引き上げを目指すことを表明していた(ワシントンD.C.は2020年7月、カリフォルニア州は企業規模に関係ない状態で2023年1月、マサチューセッツ州は2023年1月、コネチカット州は2023年6月、ニューヨーク州は2024年1月、ニュージャージー州は2024年1月に従業員数6人以上の企業の場合で、メリーランド州の従業員数15人以上の企業で働く従業員とイリノイ州は2025年1月に15ドルへ引き上げ済み。)[50]

  • アラスカ州:最低賃金を2027年7月までに時給15ドルへと引き上げる予定である[10]
  • カルフォルニア州:カリフォルニア州議会により、低失業率による逼迫した労働市場もあり、2022年までに15ドルへ引き上げる(従業員が25人以下の企業は2023年と1年の猶予)ことが合意された。その後、2022年1月に従業員が26人以上の企業が15ドルとなり[51]、2023年1月に25人以下の企業も含め最低時給15.5ドルへ引き上げる形で達成された[52]
また市レベルで、カルフォルニア州内のサンフランシスコ市、エマリービル市は2018年7月1日(エマリービル市の場合は、従業員が56人以上の場合は時給15ドル60セント、55人以下は15ドルに引き上げられる。)に引き上げられ、バークリー市は同年10月1日に引き上げられた。
2019年7月には、パロアルト市サンノゼ市なども、15ドルへ引き上げた[53]。更に、ロサンゼルス郡ロサンゼルス市では、従業員数26人以上の企業については2020年7月1日までに15ドルへ、25人以下は2021年7月1日に引き上げられた[54]
そして、全米に60店舗以上を持つファストフードチェーンで働く従業員を対象に2024年4月に時給20ドルへ引き上げている[55][56]
  • コネチカット州2019年5月2023年6月までに15ドルへ引き上げた[57][58][59]
  • イリノイ州:2019年2月2025年1月までに時給15ドルへ引き上げることが決まり、予定通りに引き上げた。対象は、18歳以上または年間労働時間650時間超の17歳未満の労働者[60][61]
  • シカゴ市:従業員21人以上の企業で働く授従業員の時給が2021年に[62]、20人以下は2023年7月に時給15ドルとなった[63]
  • メリーランド州:従業員数15人以上の企業は2025年1月までに、従業員数15人未満の企業は2026年7月までには、最低時給15.00ドルへ引き上げられる予定である[64]
州内のモンゴメリー郡は、従業員数50人超の企業は2021年7月まで引き上げている。また、従業員数50人以下10人越の企業は2023年7月までに、従業員数10人以下の企業は2024年7月までに、最低時給15.00ドルへ引き上げられる予定である[65]
  • マサチューセッツ州:2023年1月には、15ドルへと引き上げた[66]
  • ミズーリ州:最低賃金を2025年1月から時給13.75ドル、2026年1月から時給15ドルへと段階的に引き上げる[10]
  • ニュージャージー州:2019年2月に最低時給15ドルへ引き上げる方針を発表した。従業員数6人以上の企業は2024年1月に引き上げた。従業員6人未満の企業及び季節雇用者は2026年1月までであり、農業雇用者は2027年1月まで引き上げる予定である[67][68]
  • ワシントン州シアトル市:2021年1月より、市内の全ての企業で働く労働者の最低時給は15ドル以上ある。また、15ドル以上になった年は企業規模と医療給付制度拠出有無で分けられており、以下の通りである。
1.従業員500人超の企業 (医療給付制度に拠出が無い):2017年初頭
2.従業員500人超の企業 (医療給付制度に拠出が有る):2018年初頭
3.従業員500人以下の企業 (医療給付制度に拠出が無い):2019年初頭
4.従業員500人以下の企業 (医療給付制度に拠出が有る):2021年初頭
また、2019年7月には、従業員500人超の企業は、医療給付制度に拠出の有無に関係なく最低時給が同じとなり、2021年1月から医療給付制度に拠出が有る従業員500人以下の企業以外は最低時給額が同じとなり、2025年1月より従業員数規模や医療給付制度に拠出の有無に関係なく同じ最低時給額に統一された(2025年1月時点で、20.76ドル)[18]
  • ニューヨーク市:従業員数11人以上の企業は2018年末に、従業員10人以下の企業は2019年末に、15ドル引き上げられた。
ニューヨーク州は、2024年1月1日に15.0ドルへ引き上げていった[69]
ニューヨーク市でフードデリバリーサービス会社と契約してサービスを提供する配達員の最低時給が2023年11月30日~2025年3月の間は17.96ドル(待機時間を含まずアプリで注文を受けてから配達が完了するまでを支払対象とする場合、分給0.5ドル)、2025年4月より19.96ドル(分給0.55ドル)となり、以降は毎年インフレ率に合わせて改定する予定となっている[70]。なお、ニューヨーク市会計監査官による推計では、時給17.96ドルから配達員が自己負担する経費を差し引いた場合、時給12.69ドルの水準に留まる[71]
また、かつてニューヨーク市で働く配達員の平均時給は2021年1月3月の間で7.09ドルで、チップを含めた場合は平均14.18ドルであった[72]

企業の方でも、時給を引き上げる動きがあった。その背景には、低失業率と2017年末に成立した税制改革法によって減税による収益増の背景もある[46]。また小売業界では、2019年コロナウイルス感染症の流行による影響による雇用への影響を抑えるため、最低賃金の引き上げを行う企業が出ている。

ただし、その代わり月次ボーナスと株式報酬を廃止した。また、賃上げの背景にはバーニー・サンダース上院議員を始め政治家などからの圧力と、12月の重要な年末商戦を控えており、低失業率の労働市場の中でも、臨時従業員採用で優位に立ちたいためである。
  • 小売業界:
ウォルマート・ストアーズ:2018年1月にアメリカ従業員の初任時給を11ドルに引き上げた[49]。理由は、連邦最低賃金(時給7.25ドル)に対して、同社最高経営責任者(CEO)が「安過ぎる」と感じたことから。その後2020年1月24日、試験的に一部の従業員の最低時給を11ドルから12ドルに引き上げると表明した[45]。また、前述の2019年コロナウイルス感染症の流行の影響によりオンラインでの買い物が急増したため、2020年3月23日5月25日の間、ネット通販向け倉庫で働く従業員の最低賃金を時給2ドル引き上げた。また、それとは別に正社員とパートタイムに対して計5億5,000万ドルのボーナスを現金で支給した[84][85]。しかしながら、時給に関しては、時給11ドルのまま据え置くことにしているが、「ラダー・システム(段階的に上がるシステム)」という昇給システムを導入したことで、2021年3月13日より、時給13~19ドルで働く労働者が現れている[86]
ターゲット:2018年9月に、初任時給を昨年時の11ドルから12ドルに引き上げ[49]。更に2019年6月には13ドルまで引き上げた[45]。そして2020年には、17ドルに引き上げた[84]
コストコ:2018年3月に15ドルに引き上げ[87]
JPモルガン・チェース:地域の物価水準によって15ドルまたは18ドル
ウェルファーゴ:2017年の税制改革を受け、15ドルに引き上げ
バンク・オブ・アメリカ:2021年までに20ドル引き上げ
米シティグループ:2019年6月に、政治家の圧力や他の大手銀行の決定を受けて最低賃金を時給15ドル引き上げ。更に、未定だが時給20ドルへ引き上げる予定
  • フェイスブック:2015年に時給15ドルへ引き上げた。2019年5月13日に、稼働する複数の場所での引き上げた最低時給が生活費に見合わないことがわかったため、食堂スタッフや管理人などアメリカの契約社員の最低賃金の引き上げを2020年の半ばまでに行うことを発表した[89][90]
発表は、フェイスブックが一部のコンテンツモデレーターによる精神的苦痛を伴う配信動画によって引き起こされた精神障害の責任についての批判に晒されている状況の中で行われた。
以下が、フェイスブックの最低時給額である。
  • サンフランシスコ・ベイエリア、ニューヨーク、ワシントンDCの契約社員:20ドル(コンテンツをチェックするモデレーターの場合、22ドル)
  • シアトルの契約社員:18ドル(コンテンツをチェックするモデレーターの場合、20ドル)
  • 上記の2つ以外の他の大都市圏の契約社員:18ドル
この引き上げに関して、アメリカだけでなく他の国でも同様の基準の策定に取り組むことも述べている。
2020年7月22日に、テキサス州トラビス郡オースティン市近郊に、工場を建設することを発表した。同時に、この工場で雇用される従業員に対して、最低時給15ドルを保証することも約束した。>[91]

2010年代以降の最低賃金の動向 連邦政府の場合

一方、連邦政府の方では、2014年オバマ政権の時、ホワイトハウスが連邦議会に対して最低賃金引上げを促す声明をうけた民主党議員による法案提出、2016年大統領選挙時の民主党予備選挙バーニー・サンダース候補による15ドル賃金の政策提言があったが、前述したように連邦政府の定める最低賃金が2009年以降引き上げが行われてない[92]

しかしながら、2014年2月にオバマ前大統領により署名された大統領令13658号に基づき連邦政府契約事業者の制度が開始された。

連邦政府各機関が、2015年1月以降、対象となる契約事業者と新たな契約(更新を含む)を締結する場合、契約金額支払いの条件として、

  1. 労働者に対して連邦政府契約事業者に課せられる最低賃金額を支払うこと
  2. 契約事業者は下請事業者との契約に同旨を盛り込むこと

とした契約条項が盛り込まれることとされた。しかし、デービス・ベーコン法(Davis-Bacon Act)の対象とならない2,000ドル未満の建設に関する契約や、サービス契約法(Service ContractAct)の対象とならない電気・ガス・水道等の供給等は対象外である。

また、2018年5月にトランプ大統領が署名した大統領令13838号により、国有地で提供される季節的娯楽サービス(seasonal recreation service)は対象外とされた。(ただし宿泊・飲食業は国有地で提供される季節的娯楽サービスであっても引き続き対象とされている。)なお、デービス・ベーコン法やサービス契約法など、一定の連邦政府契約事業者について、職種ごとに、労働長官が地域の相場賃金として定める額以上の賃金を支払うことを求める法律が存在する。また、毎年物価スライドにより最低賃金額の改定が行われている[32]

そして2019年1月19日、バージニア州選出下院議員であり、連邦下院議会、教育・賃金委員会委員長のボビー・スコットが賃金引上げ法案「the Raise Wage Act(H.R.582, S.150)」[93] を190人の民主党議員の署名をもって下院議会に提出した。法案は2024年までに段階的に最低賃金を現行の7.25ドルから15ドルに引き上げるとともに、7.25ドルよりも低く抑えられているチップを受け取るレストラン等の労働者の最低賃金を標準的な労働者の最低賃金とそろえることを提案している[92]。2019年7月18日、下院で保守派民主党議員に配慮して、連邦の最低賃金を1年遅らせて2025年まで段階的に時給15ドル(約1600円)に倍増させる法案を民主党などの賛成多数で可決した。しかしながら、上院は、共和党が多数派であり、共和党は最低賃金引き上げに対して反対しているため、法案通過は困難となる[94][95]

また、全米レストラン協会は、家族経営のビジネスを損ない、チップを受けとっている従業員の賃金を実質的に下げることになると反対した。

そして、議会予算局(CBO)が2019年7月に公表した引き上げの影響に関するレポートでは、1,700万人の労働者の賃金が上昇する一方、130万人が失業する可能性があると試算している[33]

なお、マクドナルドは2019年3月、全米レストラン協会に対し、最低賃金引き上げに反対するロビー活動に協力しないことを告げ、全産業の賃金引き上げを支持する姿勢を示した[33]

その後、2021年1月20日に大統領になったジョー・バイデン大統領が2019年コロナウイルスの流行に対処する為、就任直前に提案した「米国救済計画」に連邦最低賃金を15ドル引き上げることを含めた。しかしながら、法案成立反対の立場である共和党の阻止を防ぐために共和党の賛成ない状態でも可決できる「財政調整措置」の制度を利用した際、法案に最低賃金に関する条項を含むことに対して、上院の議事運営専門家が規則違反と判断したため、時給15ドル引き上げを削除した上で同年3月11日に成立することとなった[96][97]

また、この法案とは別に、2021年3月2日にホイヤー下院院内総務は近い将来、5年かけて時給15ドルに引き上げる法案の審議をする認識を示した[98]

2021年4月27日にバイデン大統領の大統領令により、連邦政府と契約した事業者で働く労働者(契約業務及びその業務関連に従事している場合)に課せられる最低賃金額は、バイデン大統領の大統領令により、2022年1月30日以降に連邦政府と事業者間で契約締結している場合のの労働者を対象に時給15ドルに引き上げ、障害を持つ労働者にも適用した。
更に、2023年1月1日以降は労働統計局の都市部賃金労働者用の消費者物価指数の上昇率を基に毎年改定されることとなった。それだけでなく、トランプ政権時に対象外であった連邦政府所有地で一般人向けに狩猟、釣り、スキー、サマーキャンプなどのサービスを提供する季節労働者も対象となっている。そして2024年1月1日にチップ労働者に別途設けている最低賃金も廃止した[99][32]

公正労働基準法による連邦最低賃金適用対象

1938年に制定された公正労働基準法の適用対象は、複数の州にまたがって通商する州際通商および州際通商のための商品生産に従事する被用者であった。ただし、当初の適用範囲は限定的であり、小売、サー ビス業、漁業、小規模地方電話交換、小規模週刊紙、地方のバス・市街電車、海員、鉄道、トラック、航空、農業、季節的産業が適用除外とされた。その後、適用対象者を拡大する改正が数次にわたり行われ、今日に至っている[30][31]

その経緯を記すと、

  • 1949年改正:航空産業の被用者を適用対象とした。
  • 1961年改正:年間100万ドルを超える売上高の小売企業の被用者を適用対象とした。ただし、当該小売企業の事業所であって年間売上高が25万ドル未満のところは適用除外とした。これにより 小売産業では対象者数が25万人から220万人に増加した。また地域輸送、建設、ガソリン・ステーションを含めた。
  • 1966年改正:適用対象とする小売企業の基準である年間売上高100万ドル以上を年間50万ドル以上に、さらに1969年には年間25万ドル以上に引き下げた。1966年の改正では、公立学校、老人ホーム、クリーニング、建設業の被用者も適用対象とした。また農場に関して、雇用規模が四半期ベースでみてピーク期に500人日以上となる農場を対象とした。またチップを受け取る労働者に対して、最低賃金が導入された[100]
  • 1974年改正:連邦政府、州政府、市町村等自治体の非管理監督職の公務員および多くの家事使用人を適用対象に含めた。その後、1976年に連邦最高裁が州政府、市町村等自治体の公務員を公正労働基準法の適用対象とすることは違憲であるとの判断を下したことにより、対象からは外された。
  • 1981年改正:売上高基準を25万ドルから36.25万ドルと引き上げた。これは物価上昇を反映するためである。
  • 1989年改正:小売事業および非小売事業の双方に、共通の売上高基準を適用することとし、基準額は50万ドルと定められた。
  • 1997年改正:20歳未満の新規雇用者に対して採用から90日間に適用される、準最低賃金(4.25ドル)が設定された。

決定方式

連邦の場合

[30][101]

連邦最低賃金は、公正労働基準法の改正により行われる。改正は、上下院での過半数の獲得と大統領の署名によって発効する。具体的な手続きは以下のようになっている。

  1. 法案提出と法案番号付与
  2. 下院議会委員会での議論、パブリック・ヒアリング、修正、委員による投票
  3. 下院議会での議論と修正、下員議員による投票
  4. 議会予算局 (CBO) による調整
  5. 上院議会委員会での議論、パブリック・ヒアリング、修正、委員による投票
  6. 上院議会での議論と修正、上員議員による投票
  7. 大統領による承認
  8. 公布、施行

しかしながら、他のイギリスややドイツのように毎年ないし数年ごとに改定することを定めておらず、実際に2009年以降改正は無い。また、水準に関しても、消費者物価指数に連動するなどといった明確な基準もない。

今日まで、共和党民主党の政治的な駆け引きによって決められており、他の国のように、労公使3者による審議会などで決められておらず、連邦労働省も関与していない[102]。特に、大統領が強い拒否権をもつことから、たとえ両院議会で最低賃金の改定が可決したとしても最終的な決定にはならない可能性すらある[103]

また、アメリカの最低賃金はG7の中で最低であり、その理由に前述した政治的駆け引きのみで行われているだけでなく、国民間で自由な市場経済を標榜する風潮があることも指摘されている[103]

最低賃金額改定には以下のエピソードがある。

  • 1938年の制度創設当初
1時間当たり25セントに設定されたが、この際には以下のような経緯があったとされる。
最初の原案では時間当たり 40 セントという水準が示されたが、議会での審議の過程で経過的に段階をつけて最低賃金が決められることとなった。創設当初の水準を25セントとし、次の6年間は30セント、満7年を経過した後に40セントとすることになった。
なお、40セントという水準は別にはっきりした根拠があって決められたものではないとする。当時の時間当たり平均賃金が 62.4 セントであったので、だいたい3分の2の水準であった。
民主党クリントン政権下 (1993年1月 - 2001年1月) において、それまでの4.25ドルから1996年4.75ドル、1997年に5.15ドルと引き上げた。しかし共和党のブッシュ政権下になってからは、改定の動きは停止した。民主党議員が度重なり最低賃金の改定法案を議会に提出したが改定は2007年まで実現することがなかった。
ブッシュ政権下の2007年に改定が実現したのは、2006年の秋の中間選挙で被用者や労働組合を支持基盤とする民主党が躍進し、上下両院とも過半数を制したことが大きく影響している。
そして、2007年の引き上げと2008年と2009年に予定されている引き上げは、「2007年米軍整備、退役軍人支援、カトリーナ復興支援、イラク責任予算法」の8102条において、1938年公正労働基準法の規定を改訂する形で行われた。
なお、企業寄りの議員には、最低賃金引き上げによる中小企業の負担緩和策も行うべきという見解が寄せられ、中小企業を対象とした減税策と一緒にした法案に修正された上で審議されることとなった経緯もある。

2009年以降は、オバマ政権では2014年にホワイトハウスが連邦議会に対して最低賃金引上げを促す声明をうけた民主党議員による法案提出、2016年大統領選挙時の民主党予備選挙バーニーサンダース候補による15ドル賃金の政策提言があったが、連邦最低賃金は現在まで変更されていない。

しかし、2019年1月19日、バージニア州選出下院議員であり、連邦下院議会、教育・賃金委員会委員長のボビー・スコットが賃金引上げ法案「the Raise Wage Act(H.R.582, S.150)」[93] を190人の民主党議員の署名をもって下院議会に提出した。法案は2024年までに段階的に最低賃金を現行の7.25ドルから15ドルに引き上げるとともに、7.25ドルよりも低く抑えられているチップを受け取るレストラン等の労働者の最低賃金を標準的な労働者の最低賃金とそろえることを提案している。同年3月6日に連邦下院議会、教育・賃金委員会(Education and Labor Committee)の決定により、下院本会議の審議に移ることになった。連邦下院議会、教育・賃金委員会は賛成多数で法案を下院議会に送ることを可決した[92]

2019年7月18日、下院で連邦の最低賃金を当初法案より1年遅らせた2025年まで段階的に時給15ドル(約1600円)に倍増させる法案が賛成多数で可決された。何故なら、2018年11月の中間選挙の結果を受けて、連邦下院議会および下院議会委員会は、賃金引上げ法を支持する民主党が多数派となったからである。現在は(3)の段階を通過したにすぎない。しかしながら、可決時点での上院では引き上げに反対の考えを持つ共和党が多数派であった為、法案成立の見通しは難しくなった。

しかしながら、民主党としては2020年の大統領選と同日に行われる上院議員選挙で主要経済政策の一つとしてアピールをして、有権者の支持拡大による、上院の多数派獲得と、大統領を民主党出身に変えようと目指した[95]。そして、その両方を実現したことで最低賃金引き上げの可能性が高くなっていた[104][105]

しかし、前述したように「米国救済計画」に連邦最低賃金を15ドル引き上げることを含めたが、最終的に削除されて可決されている[96]。なお、この法案とは別に個別に時給15ドルを引き上げる法案を提出することは可能であるが、議事妨害(フィリバスター)を阻止するためには60議席以上の上院議員を必要とし、共和党議員の一部の協力が無ければ、法案成立を諦めざるない状況となる可能性がある[75][97]

更に、前述したように、ホイヤー下院院内総務より、5年かけて15ドルへ引き上げる法案の審議を近い将来始める認識を示していた[98]。一方、民主党議員の中には引き上げに慎重な者もおり、慎重派の1人であるジョー・マンチンは、15ドルでなく11ドルへの引き上げを主張している[75]

他方、共和党上院議員の中には、引上げに賛成するものの、民主党の慎重派議員と同様、引き上げ目標額を引き下げるよう反対する者が一部おり、共和党上院議員であるミット・ロムニートム・コットンは時給15ドルではなく、時給10ドルへの引き上げに賛成しており、2021年2月23日には、「Higher Wages for American Workers Act(アメリカ労働者のための高賃金法案)」[106] を発表している。またこの法案の内容は、従業員20人未満の企業の10ドルまでの段階的に引き上げる年数を20人以上の企業より1年遅らせるほか、若年者時給を4.5ドルから6.0ドルへの引き上げ、不法移民労働者の取り締まりの明記等、前述の賃金引上げ法案「the Raise Wage Act(H.R.582, S.150)」との乖離が大きい法案となっている[75]

州及び市や郡の場合

[75][107]

州別最低賃金は州法の改正、市や郡の最低賃金は条例の改正もしくは設立による。 州の場合は、連邦と同じく州法は州下院、上院で過半数の獲得ののち州知事の署名、市や郡も議会で過半数を獲得したのちに首長の署名によって発効する。

ただし、連邦と違い、州の場合、州法による最低賃金の引き上げは、住民投票によって行われることもある。例として、カリフォルニア州では州議会の採決で決定しており、ワシントン州シータック市では住民投票で決定した。

また、引き上げ方は以下の違いにより、州及び市や郡によって変わってくる[108]

  • 引上げ目標水準
アラスカ州とフロリダ州のように時給15ドルに引き上げることを目標とする自治体がある。しかしその一方で、時給15ドル未満を引き上げ目標としている自治体もあり、かつてラスクルーセス市(ニューメキシコ州)では、最低時給10.10ドルを目標としていた(2026年1月1日時点の最低時給は13.01ドル[4])。
  • 目標達成後の最低賃金改定方法
コロラド州やカリフォルニア州のように、物価連動で引き上げが規定で明記されている自治体があるが、そのような規定のない自治体もある。物価に連動して引き上げる場合、2019年7月1日以降のエメリービル市のように、最低時給が15ドルを超えて上昇した事例もある。このほか、フロリダ州では,2026年9月30日の最低時給15ドル引き上げ[109][110]以降であるが、労働省が公表した都市被用者消費者物価指数に基づき9月までの1年間の上昇率を算出し、上昇率に応じて翌年1月から改定するとしている。また、州最低賃金を消費者物価などの動きに応じて改定する州は14州ある。更に目標の最低時給金額へ引き上げ後に消費者物価の動きに応じて改定する州がアラスカ州やハワイ州を含め5州ある[4]
なお、対象となる労働者の範囲(適用する業種の範囲)は、小規模企業への配慮、チップの取扱い等、細部の規定は州や郡、市により様々である。
  • 引上げペース
目標達成期間が数年と短期の場合と、10~20年単位の長期となっている自治体がある。前者の場合は、引上げペースが速いため、ニューヨーク市が2016年大晦日の引き上げ時は、前年比で22.2%の引き上げとなった。逆にミシガン州最高裁判所による労働力機会賃金改善法(IWOWA)に関し、時給12ドルへ段階的引き上げの最終年を2022年から2030年へ遅らせたことに対し違憲判決が下されるまで[11]ミシガン州のように、年率 2.2~2.3%程度の緩やかな引上げを長期にわたり予定している場合もある。
また、毎年一定の金額を引き上げる事例もあり、ミズーリ州は2020年から2023年まで1年あたり0.85ドルを引き上げていた[111]
そして、カリフォルニア州では、従業員25人以下の場合は2019年、従業員26人以上の場合は2018年から、2023年1月に企業規模に関わらず最低時給額が同額に統一されるまで毎年1ドルずつ引き上げていた。なお、雇用情勢と小売売上高が悪化したとき等には、州議会の決定により引上げを中止できるとしている。
  • 従業員規模別
メリーランド州モンゴメリー郡、ニュージャージー州等では企業の従業員数によって最低賃金の引上げ幅に差を設けている。
  • 業種別
特定の産業労働者に対して、通常の最低賃金とは別に設定されている。例えば、ニュージャージー州は農業従事者、カリフォルニア州は医療施設で働く労働者[23]とファーストフードで働く労働者[112][113]、ニューヨーク州ではファーストフード店の従業員を含めたホスピタリティ産業従事者である。
  • 地域別
オレゴン州とニューヨーク州では、州内の地域を都市部とそれ以外の地域に分けて設定している。
一方、アメリカでは、郡や市でも独自に最低賃金を設定することが可能であり、メリーランド州のモンゴメリー郡やワシントン州のシアトル市、カリフォルニア州のサンフランシスコ市、ロサンゼルス郡等は、州に先駆けて最低賃金の引上げを行っている。エメリービル市やシアトル市は、州より高い水準の引上げ目標を設定している。
但し、州によっては郡や市が独自に最低賃金を決定することを禁止している場合もあり、 例えばルイジアナ州では、州内の郡や市が独自に最低賃金を設定することを禁止している。

2026年1月1日時点で、30州とコロンビア特別区(首都ワシントン)は、連邦最低賃金を超える水準に最低賃金を設定している。一方で連邦最低賃金と同じ州も相当数あり、連邦レベルで引き上げが決まれば、こうした州が大きな影響を受ける[75][45][77]

減額・適用除外

アメリカでは、以下の場合においては公正労働基準法から除外され、最低賃金が適用されない[32][114][115][116]

共通する主たる要件
  1. ブルーカラー労働者でないこと。
  2. 「俸給基準」により週当たり1,128ドル以上(2025年1月1日2026年12月31日まで)[117]の賃金支払がなされていること(ただし、これは外商エグゼンプションの要件とはなっていない。なお。映画制作業界については、週当たり1,043ドル以上の賃金が保障されている場合に適用)。俸給基準とは、実際に労働した日数や時間にかかわらず、あらかじめ定められた金額を支払うことをいう。コンピュータ・技術者エグゼンプションで時給契約の場合は、時給34.10ドル以上(2025年1月1日~2026年12月31日まで時給45.57ドル以上)の賃金が支払われていることである。
  3. 俸給水準要件の10%までは、毎年または頻繁に(annual or more frequently)支払われる非裁量的賞与(nondiscretionary bonuses)、インセンティブ給、手数料(commissions)の支払いに充てることが可能(年間賃金総額 15万1,164ドル以上は適用されない。2025年1月1日~2026年12月31日まで[117]。)。
  4. 州で別に定めており連邦政府の基準より上回る場合は、州の基準が適用される。
管理職エグゼンプション
(Executive Exemption)
次の3つの要件を満たすこと。なお、年間賃金総額 15万1,164ドル以上(2025年1月1日~2026年12月31日まで)の者[117]は、1 - 3の要件のいずれかを満たせば足りる。
  1. 主たる職務が、当該被用者が雇用されている企業または慣習的に認識された部署またはその下位部門の管理であること
  2. 習慣的かつ定期的(customarily and regularly)に、2人以上のフルタイム被用者相当の労働を指揮管理していること
  3. 被用者を採用若しくは解雇する権限を有する、または他の被用者の採用若しくは解雇、及び昇級、昇進その他処遇上のあらゆる変更に関して、その者の提案及び勧告に対し特別な比重が与えられていること
運営職エグゼンプション
(Administrative Exemptions)
次の2つの要件を満たすこと。なお、年間賃金総額15万1,164ドル以上(2025年1月1日~2026年12月31日まで)の者[117]は、1または2の要件のいずれかを満たせば足りる。
  1. 主たる職務が、使用者や顧客の管理・事業運営 全般に直接関わる、オフィス業務または非肉体的労働であること
  2. 主たる職務が重要な事項に関する自由裁量及び独立した判断の行使を含むものであること
専門職エグゼンプション
(Professional Exemption)
コンピュータ・技術者エグゼンプション
(Computer Employee Exemption)
コンピュータ・システムアナリストプログラマー、ソフトウェア・エンジニア等のコンピュータ 関係の高度技能労働者。
外商エグゼンプション
(Outside Sales Exemption)
主な仕事が販売などの営業であり、習慣的(customarily)かつ定期的(regularly)に事業所の所在地とは離れた場所で従事している者。
※2024年6月28日テキサス州東部地区連邦地方裁判所により、2024年7月1日施行のホワイトカラー・エグゼンプション俸給要件引き上げについて、テキサス州政府職員に限り一時差し止め命令を出したため、2024年7月1日時点でテキサス州政府職員は引き上げ前の週給684ドル以上(管理職と運営職のエグゼンプションであれば、年間賃金総額 10万7,432ドル以上の場合は、要件の1つでも満たせば適用。コンピュータ・技術者エグゼンプションで時給契約の場合は、時給27.63ドル以上)となっている。なお、この命令による影響のあるテキサス州政府職員は100人未満である[118]
  • 小規模の新聞社や農業従事者など
    コストの問題で、最低賃金を導入するのが厳しいため
  • 新聞配達員
    主に子供が従事する仕事であり、最低賃金を適用してしまうと費用が高くなり子供が雇われなくなるため
  • 20歳未満の者
    雇用促進の観点から、就業後90日間は最低賃金が減額され時給4.25ドルとなる。ただし、他の労働者に置き換える形で20歳未満の労働者を採用した場合にはこの特例は適用されない。

また、障害者(障害により稼得能力が低下している場合に限る)を雇い入れる場合、フルタイムの学生を雇い入れる場合、職業訓練を行う高校生を受け入れる場合には、労働省賃金時間部(Wage and Hour Division)から認可を 得て通常と異なる最低賃金の適用を受けることができる。

履行保証

[101][119]

連邦の場合

連邦最低賃金については公正労働基準法(FLSA)に基づき、最低賃金制度履行のための調査官をおいている。また、州や市、郡の最低賃金制度はそれぞれの自治体で取り締まる為、連邦としては管轄してない。

公正労働基準法(FLSA)は、最低賃金制度の履行確保における連邦労働省の担当部局、及び監督業務を行う調査監督官の設置と役割について規定している。

連邦労働省は、最低賃金制度について履行を監督する部局として「賃金・労働時間局(Wage and Hour Division)」を設置し(FLSA 4 条(a))、賃金・時間局・局長(Administrator, Wage and Hour Division)に賃金、労働時間その他の労働条件に関するデータ収集及び事業所の調査、臨検の権限を与えている(FLSA 11条(a))。また、調査、臨検の担当者として調査官を設置することを規定している(FLSA11条)。

賃金・労働時間局は全米各地、200箇所に事務所があり、2015年現在で調査官の人数は995人となっている。なお、労働長官は、FLSAに関連した業務について、議会への年次報告書を提出する義務を負っている(FLSA 4 条(d))。

調査官は、以下の方法で、最低賃金法の取り締まりを行っている。

違反の把握

違反の把握方法として2つある。1つが苦情処理受付によるもの、もう1つが連邦労働省が主導しておこなう方法である。

前者は、電話、Eメール、手紙等による苦情受付である。外国人労働者の多いアメリカでは、苦情受付における多言語対応が必要になる。現在、16カ国語での対応が可能である。また、電話で受け付けた苦情は、対応から2分以内に多言語が対応できるシステムを確立している。

後者は、「戦略的執行(Strategic Enforcement)」により、最低賃金違反が多い産業、地域を調査により、特定する方法である。また、最低賃金違反が多い産業は以下の通りである。

  • 飲食 Eating and Drinking, Limited Service(Fast Food), Full Service
  • ホテル Hotel / Motel
  • 住宅建築 Residential construction
  • 清掃 Janitorial services
  • 引越し業 Moving companies, logistics providers
  • 農業製品 Agricultural products, multiple sectors
  • 造園業 Landscaping, horticultural services
  • ヘルスケア Health care services
  • 在宅介護 Home health care services
  • 食料品店 Grocery stores, retail trade
  • 小売 Retail trade, mass merchants, department stores, specialty stores

これらの産業の内、違反件数が多くを占める産業を優先的に取り締まっていく。現在は飲食産業がそれに当たる。こののちに、次の四つの段階を経て進んでいく。

  1. 産業構造を把握し、企業間の元請け下請け関係のマッピング、調査手順の考慮、雇用責任の範囲の確認、他産業との関係に拡大
  2. 産業特性、地域特性に基づく抑止力の行使
  3. 苦情処理に基づく調査から戦略的資源に基づく調査への転換
  4. 継続的な調査

このような手順を踏む背景には、重層的な請負構造が広がっていることが挙げられる。そうすることで、企業個人だけでなく、業界全体の問題を解決する目的もある。また、聞き取り調査により、元請け企業にも責任を追及している。

「戦略的執行」に当たっては、調査官の増員も行われており、2008年の731人から2015年の995人へとおよそ250人増えている。

調査

上述のように、最低賃金法違反の訴えがあった場合、調査監督官は、まず初めに、法の適用や適用除外を決定するための記録の調査(例えば、年間取引高、州際取引をしているかどうかなどが含まれる)、被用者の賃金や労働時間など、雇用条件に関する記録を調べるところからはじまる。

FLSAは、その記録の作成を使用者に義務付けている (FLSA11条(c))。この記録を故意につけていない、もしくは保存していない使用者には刑事罰が課される( FLSA15同条(a)(5)、16条(a) )。

また、使用者だけでなく、使用者と関係する全ての従業員に聞き取り調査もする。

違反した場合の賠償請求と刑罰

調査の結果、違法が認められた場合、未払い賃金の回収が行われる。

その方法は損害賠償請求として、被用者によるもの( FLSA16条(b))と労働長官が行うもの(FLSA16条(c))の2つ がある。被用者は単独以外にも、集団訴訟(Class Action)を行うことができる。未払い賃金には、同額の付加賠償金が課せられる。

違反を行った使用者に対する措置は、行政手続き、民事訴訟、刑事訴追の3つがある。

  • 行政手続き
民事訴訟の代替として行われる。違反を行った使用者に未払い賃金、損害賠償、民事制裁金の支払いの3つが課せられる。なお、民事制裁金は児童労働や故意の違反を繰り返した場合に課せられる。使用者が支払いに応じたところで決着となる。
  • 民事訴訟
被用者と連邦労働省の双方が訴えることができる。その内容は、被用者であれば、未払い賃金と損害賠償、及び裁判費用の支払い、連邦労働省の場合はそれに加えて民事制裁金が加わる。
被用者が訴える場合は、連邦労働省は民事制裁金の部分だけの訴訟となる。連邦労働省がすべての内容を訴える場合は被用者による訴訟は行われない。
  • 刑事訴追
使用者が明らかに故意に違反を行ったと判断された場合には刑事訴追となり、罰金と禁固刑の双方が課せられる

抑止力の行使においては、2014年以降、企業が州を跨いで移動して、賠償請求の追及を逃れるのを防ぐため、労働長官による損害賠償請求を多用している。

また、「戦略的執行」を実施したことにより、未払い賃金の回収をより多く回収できた。2009年以降で160億ドルの未払い賃金を回収しており、2015年度だけでも2億4,600万ドル、24万人分を回収した。その大半が低賃金労働者であり、労働者1人当たりの回収額も増えており、2009年の785ドルが、2015年の1,000ドルとなっている。

FLSAは、最低賃金制度の履行確保のために、違反者に対する措置を定めている。最低賃金、時間外割増賃金違反を禁ずる(FLSA15条(a)(2) )とともに、最低賃金違反を行った使用者には罰金、懲役刑、事業停止などの措置がとられ(FLSA第15条)。罰金の場合は1万ドル以下、禁固刑の場合は6カ月以下となる( FLSA16条(a))。

連邦労働省賃金・時間局以外で取り締まりを行う機関

連邦労働省だけでなく、内国歳入庁(IRS)も最低賃金違反に関する取締りを行う。何故なら、最低賃金より低い人件費で支払った場合、企業は、人件費を削減することが出来るだけでなく、社会保障税や失業保険税への支払いを行わなくて済んでしまうためであり、納税の観点から最低賃金違反の取締りを行っている。場合によっては、賃金・時間局と内国歳入庁は連携して取り締まることがある。

州や市、郡の場合

最低賃金がある州は州法が、市・郡の最低賃金がある場合は市・郡の条例がある。これらの法令に基づき、州政府、市・郡がそれぞれ最低賃金制度履行のための調査官をおいている。

州政府、市・郡は賃金・労働時間に関する担当部局をもち、調査官がその部局にいる場合 もあれば、外局(Agency)に調査官がいる場合もあり、まちまちである。

最低賃金以下及び時給15ドル以下の労働者と生活賃金額に関するデータ

最低賃金以下及び時給15ドル以下の労働者の割合

連邦最低賃金以下労働者の割合

[120] [121]

連邦最低賃金(時給7.25ドル)以下の賃金を支給されている労働者は、2024年で16歳以上の全時給労働者の約1.0%(約84.3万人)であり、その内の約90.2%(約76.0万人)が最低賃金未満である。

労働者に占める割合は減少傾向しているが、2009年7月以降の改定が行われておらず、前述の「概要」より、多くの自治体で連邦最低賃金を上回る最低賃金を独自で定めているため、連邦最低賃金の役割や影響力は低下しつつある。

労働者はフルタイム時給労働者(週労働35時間以上)は約0.6%(約36.7万人)、パートタイム時給労働者(週労働35時間未満)は約2.4%(約47.1万人)となっている。

但し、2019年コロナウイルス感染症流行による経済悪化によって、就業人数が回復しつつも、2019年に比べて就業人数が約194.1万人減少したため、2019年以前と比べる際、注意を要する。

男女別
男性は約0.8%(約32.3万人)、女性は約1.3%(約52.0万人)であり、女性の方が多い。
年齢別
一番高い年齢層が16-19歳で約2.6%(約13.4万人)であり、この年代層は連邦公正労働基準法(FLSA)により雇い始めから90日間は、時給4.25ドルにすることが認められている。
逆に低い層は60 - 64歳を除いた50 - 69歳の約0.5%(年代層別に50 - 54歳は約3.5万人、55 - 59歳は約3.0万人、65 - 69歳は約3.0万人)であり、30歳以上は1%未満となる。
人種別
白人は約1.1%(約65.9万人)、黒人は約0.9%(約11.2万人)、アジア系は約0.7%(約3.0万人)、ヒスパニックは約0.8%(約15.7万人)である。
学歴別
一番高いのが高校在籍年数が1年以上3年以下の未卒業者と高校在籍年数4年の未卒業者がそれぞれ約1.8%(約9.1万人と約2.4万人)であり、一番低いのがと修士卒と専門職学位卒がそれぞれ約0.4%(約0.1万人と約1.5万人)である。
婚姻の有無
未婚は約1.5%(約54.3万人)、既婚は約0.7%(約21.9万人)、死別と離婚及び別居は約0.7%(約8.1万人)であり、未婚の16 - 24歳の女性が約3.1%(約23.2万人)が一番高く、逆に低いのが16 - 24歳の既婚男性の約0%(人数は多くとも178人)である。
職業別
高い順に飲食物調理・給仕の職種の約7.1%(約48.9万人)が突出して高く、連邦最低賃金未満労働者の約58.0%がこの職業に従事していた。次いで福祉・介護の職種の約2.8%(約5.4万人)、農林漁業の職種が約1.4%(約0.9万人)である。逆に低いのは、建設および採掘の職業が約0.1%(人数は500人未満)で、次いで事務職と製造・修理・塗装・製図等の職種でそれぞれ約0.2%(約2.0万人と約0.6万人)である。
産業別
一番高いのがホテル及びレジャー産業の約5.6%(約55.1万人)と突出して高く、連邦最低賃金で働く労働者の約61.0%と連邦最低賃金未満で働く労働者の約65.9%が、この産業に従事していた。逆に一番低いのは鉱業、採石業、砂利採取業の約0%(人数は多くとも158人)である。
州別
高い順にルイジアナ州(約2.2%[約2.4万人])、サウスカロライナ州(約2.0%[約2.6万人])、バージニア州(約1.8%[約3.3万人])である。逆に低い順では、コロラド州(約0.1%[約0.1万人])、アリゾナ州(約0.3%[約0.6万人])である。
ただし、2025年8月時点で全米50州のうち30州が連邦最低賃金を上回る州が定めた最低賃金があることと前述の「概要」より最低時給が15ドル以上定めている自治体があることに留意する必要がある。また、高いの方にあるルイジアナ州とサウスカロライナ州は、州最低賃金を定めていない。更にルイジアナ州において、州内の郡や市が独自に最低賃金を設定することを禁止している。


なお、アメリカ国勢調査局は、世帯人数や家族構成ごとの年収に基づく「貧困ライン」を毎年算出しており、アラスカ州とハワイを除いた全米の貧困ラインは2025年で単身世帯が1万5,650ドル、2人世帯が2万1,250ドル、3人世帯が2万6,650ドル、4人世帯が3万2,150ドルである[122]

しかし、連邦最低賃金額(時給7.25ドル)で年間2,080時間働いた場合は、1万5,080ドルであり、フルタイムで働いても単身世帯の貧困ラインを下回っており、このことに対して経済政策研究所(EPI)は「適切な水準に設定された最低賃金は、低賃金労働者の経済的安定を向上させる最も有力な政策手段の一つであり、貧困削減にも効果的な手段だ」と主張して、連邦最低賃金の引き上げを貧困対策の観点も含めて訴えている。

時給15ドル以下の労働者の割合

2022年時点での時給15ドル以下労働者の割合は全労働者の約31.9%(5,192万4,658人)である。

連邦全体で見た場合
男女別
男性は約24.7%(約2,112万1,951人)、女性は約39.9%(約3,080万2,707人)である。
有色人種を自認する女性の場合は約50.3%(約1,470万9,045人)へと増加する。
年齢別
ティーンエイジャー(16~19歳)は約580万人、成人 (20歳以上) は約4,610万人
人種別
白人は約26%、黒人は約47.0%(962万4,277人)、ヒスパニック系は約46.2%(1,390万6,014人)である。
片親世帯
片親世帯労働者の約57.5% (約1,120万人) が15ドル未満の時給であった。


州・自治領別で見た場合
全体 
多い順に、プエルトリコの約76%(84万1,775人)、ミシシッピ州の約45%(57万1,567人)ニューメキシコ州:約44%(42万3,336人)
少ない順に、コロンビア特別区の約9%(3万5,247人)、 ワシントン州の約14%(56万1,034人)、カルフォニア州の約18%(340万5,104人)
女性労働者
多い順に、プエルトリコの約78%(41万325人)、ミシシッピ州の約55%(34万1,253人)ニューメキシコ州:約54%(24万1,193人)
少ない順に、コロンビア特別区の約12%(2万4,849人)、 ワシントン州の約20%(35万9,329 人)、カルフォニア州の約24%(211万6,373 人)
有色人種を自認する女性
多い順に、プエルトリコの約78%(40万6,623人)、ミシシッピ州の約70%(19万2,859人)アイダホ州:約68%(4万1,474人)
少ない順に、コロンビア特別区の約17%(2万747人)、 ワシントン州の約28%(14万3,003人)、カルフォニア州の約31%(163万8,984人)
黒人労働者
多い順に、プエルトリコの約92%(1,158人)、ミシシッピ州の約63%(29万3,369人)サウスカロライナ州:約62%(40万7,235人)
少ない順に、コロンビア特別区の約13%(2万940人)、カルフォニア州の約21%(24万677人)、 ワシントン州の約22%(4万3,728人)
ヒスパニック系労働者
多い順に、プエルトリコの約77%(83万0,221人)、アーカンソー州の約63%(6万6,373人)、ケンタッキー州の約62%(4万8,386人)
少ない順に、コロンビア特別区の約15%(6,753人)、カルフォニア州の約29%(211万224人)、 ワシントン州の約29%(14万1,895人)

傾向として、性別では女性が、人種では黒人やヒスパニック系が高い傾向にあり、特に有色人種を自認する女性の場合は約半分が時給が15ドル未満であった。なお、州・自治領別で見た場合、黒人とヒスパニック系でそれぞれ35州・自治領、有色人種を自認する女性でそれぞれ41州・自治領が、女性全体で10州・自治領で時給15ドル未満労働者の割合が全体の50%以上であった。そして、時給15ドル未満の割合が少ないコロンビア特別区・ ワシントン州・カルフォニア州において、2023年9月30日時点で最低時給が15ドルを超えて定められている[123]

生活賃金額

2022年の子供が2人いる4人家族のアメリカ全体平均での生活賃金は、25.02ドルである。年収に換算した場合、貧困線の約3.5倍に当たる104,077.70ドルであった。また、この金額は大人が年間2,080時間働いている場合の時給額である。そして子供は、1人目は4才、3人目は9才、3人目は15歳の場合を想定している[124][125]

また、大都市圏の中で全米一生活費が高いサンノゼ市の場合は、2024年で成人1人が生活するには時給32.87ドルを必要とし、子供2人を持つ成人2人(両方とも働いている)の家庭では時給40.21ドルを必要だとしている[126][127]

経済学者による最低賃金引き上げ論

脚注

関連項目

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