警報 (気象庁)
日本の気象庁が発表する予報
From Wikipedia, the free encyclopedia
警報(けいほう)とは、暴風、大雨、大雪や地震(地震動)、津波、噴火などの重大な災害が起こるおそれがある場合に、気象庁(各気象台)が警戒を呼び掛けるために発表[注釈 1]する予報。
一般に発表される警報のうち、気象に関するものは氾濫、大雨、土砂災害、高潮、大雪、暴風、暴風雪、波浪の8種。いずれも下位に注意報がある。氾濫、大雨、土砂災害、高潮の4種は上位に危険警報があり、8種すべての上位に特別警報がある。氾濫、大雨、土砂災害、高潮の4種は2026年5月に再編されたものである。
氾濫、大雨、土砂災害、高潮の4種は、「レベル3大雨警報」「レベル4大雨危険警報」のように標題に相当する警戒レベルが付く。この4種の警報は警戒レベル3に相当し、市町村が高齢者等避難を発令する目安、4種の危険警報は警戒レベル4(速やかに全員避難)に相当し、市町村が避難指示を発令する目安である[1]。
本項目では、一般利用のための警報および危険警報のほか、気象業務法が規定する警報全般、特定業務・用途のための警報を解説する。地震の警報(緊急地震速報)、火山の警報(噴火警報)、津波警報の詳細はそれぞれの項目を参照。
定義と区分
全般・一般利用のための警報の規程
日本における気象業務は気象業務法に定められており、「警報」は「重大な災害の起こるおそれのある旨を警告して行う予報」と定義されている。気象庁には、業務として気象、地象、海象の予報や警報を行う責務があり、同法と関連する規定はその種類および、伝達や周知について、気象庁以外による警報の制限などを定めている[2][3]。
警戒レベルと合わせるために設けられた「危険警報」は、「重大な災害の起こるおそれが大きい危険な状況である旨を警告して行う警報」と定義されている[4][5]。
警報には、一般利用のための警報[注釈 2]と特定業務・用途(航空機、船舶、水防活動)のための警報がある[2]。
警報の区分は気象業務法施行令と気象庁予報警報規定にまたがって定められ、またいくつかの警報は実務上独立して発表せず他の警報に含められている。一般向けの警報は施行令に9つ定められているが、予報警報規定にはそれを組み替えた数種類の警報が定められている。そのうち3つは地震・火山・津波に対するもので、実際に発表される一般利用のための気象に関する警報は氾濫、大雨、土砂災害、高潮、大雪、暴風、暴風雪、波浪の8種類である(2026年5月時点)[5][6][7][5]。
気象業務法と水防法は、一級河川をはじめとした比較的大規模な河川を河川管理者(国土交通省または都道府県)が指定し、河川ごとに洪水の予報・警報を行うことを定めており[注釈 3][2][8]、指定河川洪水予報という。2026年5月に新設された氾濫警報は、指定河川洪水予報を兼ねて、河川予報区ごとに発表される形をとる[9]。
従来、洪水警報と洪水予報[注釈 4]は別に発表される形であり、洪水予報が発表されると氾濫水が及ぶ想定の市町村に連動して洪水警報が発表されていた。指定外の中小河川では、河川ごとに洪水予報を個別に発表することが難しいため大雨警報(従来は洪水警報だった)をもって代用されている[9]。
氾濫のレベル5は「レベル5氾濫特別警報」とアナウンスされるが、位置づけとしては、水防法に基づき共同で発表される指定河川洪水予報の「レベル5氾濫発生情報」と、気象業務法に基づき気象庁が(単独で)発表する「レベル5氾濫特別警報」の両方の役割をもち、2つが一体的に運用されている[9]。
レベル4土砂災害危険警報(旧・土砂災害警戒情報を引き継ぐ)は、土砂災害防止法に基づく避難に資する情報[注釈 5]の役割も持つ[10]。
| 一般の利用に適合する警報(施行令第4条)(実際に発表される警報とは異なる)[5][6] | |
| 種類 | 説明 |
|---|---|
| 気象警報 | 大雨、大雪、暴風雨、暴風雪等による重大な災害の警告。実際には現象名を冠した、大雨、大雪、暴風、暴風雪の4種類に区分(予報警報規定第11条)[7]。 |
| 地震動警報 | 地震動による重大な災害の警告。発生した断層運動による地震動に限る。緊急地震速報として発表されている。 |
| 火山現象警報 | 噴火、降灰などによる重大な災害の警告。現在は噴火警報のみが運用されている。火山ガス予報、降灰予報は予報として発表されており、警報レベルがない。 |
| 土砂崩れ警報 | 大雨、大雪等に伴う山崩れ、地滑り等による重大な災害の警告。実際には土砂災害警報の標題で発表される。(2023年11月の法改正で地面現象警報から名称変更) |
| 津波警報 | 津波による重大な災害の警告。 |
| 高潮警報 | 台風などによる海面の異常な上昇(高潮)による重大な災害の警告。 |
| 波浪警報 | 風浪やうねりによる重大な災害の警告。 |
| 浸水警報 | 浸水による重大な災害の警告。実際には大雨警報に含められる。 |
| 洪水警報 | 洪水による重大な災害の警告。実際には、指定河川の警告事項は氾濫警報の標題で発表され、指定河川以外の警告事項は大雨警報に含められる。 |
警戒レベルにおける位置付け
5段階の警戒レベル(氾濫、大雨、土砂災害、高潮が対象)の体系では、警報、危険警報、特別警報は「警戒レベル相当情報」に位置付けられる。具体的には、レベル3の高齢者等避難に対して警報は「レベル3相当情報」に、レベル4の避難指示に対して危険警報は「レベル4相当情報」に、それぞれ位置付けられる[13]。
「警戒レベル相当情報」は、住民らにとっては、自らの判断で生命・身体を守るために、主体的に避難などの行動をとるときの参考として、国(場合により都道府県も)が災害発生のおそれ(リスク、危険性)が高まっていることを示す情報である[13]。
そして、気象台が警報を発表することは、対象の市町村が高齢者等避難を発令する目安、同じく危険警報は避難指示を発令する目安となっている[13][1]。市町村にとって「警戒レベル相当情報」は、住民らに伝えるべき避難情報を発令するうえで、的確かつ躊躇することなく発令を判断するための情報である[13]。
警報・危険警報が自治体の高齢者等避難・避難指示などに完全に連動しているわけではなく、避難情報の発令時刻や対象区域は警報等と不一致となることは少なくない。これは、避難情報は、堤防・ダム等関係機関などからの通報、直近の大雨による地盤の緩みなどの状況、日没時刻[注釈 6]や風が暴風レベルとなる時刻などを考慮した余裕をもった発令などが考慮されることが原因である。また、避難情報はできるだけ対象区域を絞るべきとされており、市町村内の土砂災害警戒区域や河川氾濫が想定される地区などに限って発令されることがある[13]。
特定業務・用途のための警報の規程
特定業務・用途のための警報として気象庁の責務に規定されているのは、航空機向け、船舶向け[注釈 7]、および水防活動向けの3種。前2つは国際航行に関わることから世界気象機関(WMO)、国際民間航空機関(ICAO)や国際海事機関(IMO)の国際規格に適合する形で行われている。なお鉄道、電気などその他の特定事業向けの予報・警報の規定もあるが責務ではなく、予報は提供しているものの警報はない[2][6][14]。
水防活動向けの警報は気象業務法施行令に4種類定められているが、予報警報規定により一般向けの各警報を以って代用されている[2][6][8][7]。
一般に発表される警報
気象災害では、警報については、4種の警戒レベル相当情報は「レベル3○○警報」、それ以外は「○○警報」の標題で発表される。4種の危険警報については、「レベル4○○危険警報」の標題で発表される[16][17]。
| 現象の種類 | 早期注意情報 の有無 |
注意報等の有無と標題 | 警戒レベル 対応の有無 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 注意報 | 警報 | 危険警報 | 特別警報 | |||
| 大雨 | あり※1 | レベル2大雨注意報 | レベル3大雨警報 | レベル4大雨危険警報 | レベル5大雨特別警報 | ○ |
| 土砂災害 | あり※1 | レベル2土砂災害注意報 | レベル3土砂災害警報 | レベル4土砂災害危険警報 | レベル5土砂災害特別警報 | |
| 河川氾濫 | (なし)※1 | レベル2氾濫注意報 | レベル3氾濫警報 | レベル4氾濫危険警報 | レベル5氾濫特別警報 | |
| 高潮 | あり※1 | レベル2高潮注意報 | レベル3高潮警報 | レベル4高潮危険警報 | レベル5高潮特別警報 | |
| 風 | あり | 強風注意報 | 暴風警報 | — | 暴風特別警報 | ✕ |
| 風雪 | (なし)※2 | 風雪注意報 | 暴風雪警報 | — | 暴風雪特別警報 | |
| 大雪 | あり | 大雪注意報 | 大雪警報 | — | 大雪特別警報 | |
| 波浪 | あり | 波浪注意報 | 波浪警報 | — | 波浪特別警報 | |
| 雷 | — | 雷注意報 | — | — | — | |
| 融雪 | — | 融雪注意報 | — | — | — | |
| 濃霧 | — | 濃霧注意報 | — | — | — | |
| 乾燥 | — | 乾燥注意報 | — | — | — | |
| なだれ | — | なだれ注意報 | — | — | — | |
| 低温 | — | 低温注意報 | — | — | — | |
| 霜 | — | 霜注意報 | — | — | — | |
| 着氷 | — | 着氷注意報 | — | — | — | |
| 着雪 | — | 着雪注意報 | — | — | — | |
| 市町村ごと[注釈 8]に発表される。氾濫の警報等だけは、河川ごとに発表される。 ※1 大雨・土砂災害・高潮のいずれかの標題の早期注意情報が発表されているときに警戒レベル1。氾濫の標題の早期注意情報はない。 ※2 風について暴風の早期注意情報に含められる。 | ||||||
| 種類 | 説明 |
|---|---|
| 気象災害 | |
| レベル3大雨警報 | 大雨による、低い土地の浸水・冠水、下水道の溢水などの重大な災害の警告。河川の増水・氾濫による重大な洪水災害の警告のうち、市町村[注釈 8]内にある洪水予報指定外の中小河川を包括的に対象とした警報事項(従来の洪水警報の一部)を含む。 |
| レベル3土砂災害警報 | 大雨による、がけ崩れ、土石流、地滑りなどの重大な土砂災害の警告。直近の雨が地中に残り土砂災害の危険性が続いているときなどは雨がやんでもしばらく解除されない[19]。 |
| レベル3氾濫警報 | 大雨や長期間の雨、融雪による、河川の増水、堤防やダムが破堤損壊・溢水(氾濫)し低い土地にあふれ出す重大な洪水災害の警告。洪水予報指定がなされている比較的大きな河川に対して、河川ごとに発表される。従前は予報区内にある河川を包括的に対象として市町村ごとに発表されていたが、その役割は大雨警報に移された。 |
| レベル3高潮警報 | 台風や低気圧などによる海面水位の異常な上昇(高潮や異常潮位)が引き起こす、海岸付近の低い土地の重大な浸水災害の警告。 |
| 暴風警報 | 暴風による重大な災害の警告。風速が陸上で20m/s前後、海上で25m/s前後を基準としている地域が多い[20]。 |
| 暴風雪警報 | 雪を伴った暴風による重大な災害の警告。雪を伴うことによる視程障害(吹雪)への注意喚起も内容に含まれる。風速が陸上で20m/s前後、海上で25m/s前後を基準としている地域が多い[20]。 ※1 |
| 大雪警報 | 大雪による建物被害や交通障害などの重大な災害の警告。 |
| 波浪警報 | 高い波による遭難や沿岸施設の被害などの重大な災害の警告。 |
| ※1 暴風雪警報には暴風警報の警戒事項が含まれる。[注釈 9] | |
| 種類 | 説明 |
|---|---|
| 気象災害 | |
| レベル4大雨危険警報 | 大雨による、低い土地の浸水・冠水、下水道の溢水などの重大な災害のおそれが大きい旨の警告。河川の増水・氾濫による重大な洪水災害の警告のうち、市町村[注釈 8]内にある洪水予報指定外の中小河川を包括的に対象とした警報事項(従来の洪水警報の一部)を含む。 |
| レベル4土砂災害危険警報 | 大雨による、がけ崩れ、土石流、地滑りなどの重大な土砂災害のおそれが大きい旨の警告。直近の雨が地中に残り土砂災害の危険性が続いているときなどは雨がやんでもしばらく解除されない。 ※1 |
| レベル4氾濫危険警報 | 大雨や長期間の雨、融雪による、河川の増水、堤防やダムが破堤損壊・溢水(氾濫)し低い土地にあふれ出す重大な洪水災害のおそれが大きい旨の警告。洪水予報指定がなされている比較的大きな河川に対して、河川ごとに発表される。従前は予報区内にある河川を包括的に対象として市町村ごとに発表されていたが、その役割は大雨危険警報に移された。 |
| レベル4高潮危険警報 | 台風や低気圧などによる海面水位の異常な上昇(高潮や異常潮位)が引き起こす、海岸付近の低い土地の重大な浸水災害のおそれが大きい旨の警告。 |
| ※1 従来の土砂災害警戒情報はレベル4土砂災害危険警報に移行した。 | |
注意報のうち、濃霧・雷・乾燥・なだれ・着氷・着雪・霜・低温・融雪の9種については、対応する警報が存在しない[17]。これらの現象については、被害が局所的なものにとどまったり、あまり大きな災害をもたらすものでなかったりするためと考えられる。
| 種類 | 説明 | 特別警報・注意報 |
|---|---|---|
| 地震災害 | ||
| 緊急地震速報 | 地震動による重大な災害の警告。発生した断層運動による地震動に限る。最大予想震度が5弱以上となるときに予想震度4以上の地域を対象に発表される緊急地震速報(「一般向け」および、この基準に達した「高度利用者向け」)がこれに該当する。 | 特別警報級も同名 注意報なし |
| 火山災害 | ||
| 噴火警報 | 噴火による重大な災害の警告。日本国内108の活火山すべてを対象とするが、特に地元自治体との調整がなされた火山については入山規制や避難の必要性が噴火警戒レベルで表示される[注釈 10]。 | 特別警報級も同名 注意報なし |
| 津波災害 | ||
| 津波警報 | 津波による重大な災害の警告。津波予報も参照。 | 特別警報:大津波警報 津波注意報 |
対象区域と発表機関
警報・注意報は、氾濫の警報等を除き、原則として市町村単位で発表されている。ただし、東京23区は特別区ごとであるほか、一部の地域では1つの市町村を分割して区域が設定されている[16][21]。
例えば、北海道北見市は「北見市常呂」(北見市のうち常呂町)と「北見市北見」(左記以外)の2つ、宮城県仙台市は「仙台市西部」(仙台市のうち泉区、青葉区宮城総合支所及び太白区秋保総合支所管内)と「仙台市東部」(左記以外)の3つ、長野県松本市は「乗鞍上高地」(松本市のうち安曇及び奈川)と「松本」(左記以外)の2つ、兵庫県神戸市は9つの行政区ごと、広島県広島市は8つの行政区ごと、鹿児島県薩摩川内市は「薩摩川内市甑島」(薩摩川内市のうち鹿島町、上甑町、里町及び下甑町)と「薩摩川内市」(左記以外)の2つである(2026年5月末時点)[21]。
原則として市町村単位となったのは2010年5月からである[22][23]。予報区としては、府県予報区やそれを分割した一次・二次細分区域が定められていて、放送などで伝えるときは状況に応じて予報区の地域名(例えば「23区西部」「多摩北部」など)も使われる[注釈 11][注釈 12]。
なお、東京都小笠原村は長らく対象ではなかったが、人が居住している父島・母島とその周辺海域に限り、2008年3月26日から警報・注意報の発表が開始されている[24][25]。
警報・注意報は、担当気象官署である地方気象台(一部は測候所が分担)・管区気象台が発表する[注釈 13][7]。
ただし氾濫の警報等は、河川予報区単位で発表される。河川予報区は、大河川の流域を一括、または上流・下流などいくつかに分割して設定されている[16][26]。氾濫の警報等は共同発表であり、気象台等と、河川管理を担当する国土交通省または都道府県が連名で発表する[16][9]。
また土砂災害の警報等のうち、旧・土砂災害警戒情報を引き継いだレベル4土砂災害危険警報だけは、気象台と都道府県の共同発表である[10]。
基準
具体的には、直近の降水量を元に算出される指数、単位時間当たりの降水量、風速、河川の水位などの数値の基準が定められている[注釈 14]。地理的な特性、過去の災害事例における観測値などが考慮され、地域により値には差がある[注釈 15][20][23]。
警報や危険警報では、概ね予想で基準を超過する見込みのとき発表され、土砂災害や高潮では超過する数時間前を目途に発表される。氾濫、大雨、土砂災害、高潮は、市町村等[注釈 8]ごとに異なる値の指数・雨量や潮位が細かく設定されている[20][9][10][27]。
標題ごとに基準は過去に何度か全面的に改正されている。2010年5月からは大雨警報の土砂災害基準で24時間雨量に代えて土壌雨量指数、洪水警報で流域雨量指数、2017年からは大雨警報の浸水害基準で1時間・3時間雨量に代えて表面雨量指数という複合指標をそれぞれを導入。警報の効果低下を招くいわゆる「空振り」を低減する精緻化を図り、また同時期に危険度分布(キキクル)の提供を開始した[23][28]。
氾濫、大雨、土砂災害、高潮の4種は、2026年5月の再編後、以下のようになっている。
- 大雨 : 3つの氾濫型ごとに指数の基準を定める。氾濫型の内水氾濫は表面-、湛水型の内水氾濫は表面-と流域-の複合基準、指定外河川の外水氾濫は流域-であり、3つのいずれかを満たした場合にその市町村に警報等が発表される。再編後、警報等で流域雨量指数の併用を開始した[9]。
- 氾濫 : 実況・予想の河川水位を基準とする。指定河川洪水予報の指標を引き続き使用する[9]。
- 土砂災害 : レベル2注意報・レベル4危険警報・レベル5特別警報の3段階で、土壌雨量指数と60分雨量の基準を定める。レベル5特別警報は実況で基準を超えたときに発表する一方、その他のレベルでは避難行動等のリードタイムを確保するため、レベル4危険警報は予想で基準に到達する時刻の2時間前、レベル3警報は予想でレベル4の基準に到達する時刻の3時間前、レベル2注意報は予想で基準に到達する時刻の6時間前に発表することを目標としている。なお、レベル3警報は4 - 6時間先の予想が可能であればその段階で早期に発表する。再編後、旧・土砂災害警戒情報で用いていた土壌雨量指数と60分雨量の併用に統一された。レベル3警報の発表頻度は大幅に減少する見込みで、「空振り」を減少させて効果の向上を図る。レベル4危険警報の基準は、今後検証を継続して適宜改善を行うことがアナウンスされている[10]。
- 高潮 : レベル4危険警報・レベル5特別警報の2段階で、潮位の基準を定める。高潮予報海岸では、レベル5特別警報で波の打上げの効果も加味した水位の基準も定め、レベル4危険警報(レベル5と同じ数値)・レベル5特別警報で併用する。レベル5特別警報は実況で基準を超えた、あるいは破堤・浸水が確認されたときに発表する一方、その他のレベルでは、レベル4危険警報の基準に達すると予想される場合のみ、一定時間前を目標として発表される。避難行動等のリードタイムを確保するためであり、レベル4危険警報は予想で基準に到達する時刻の6時間前、レベル3警報は予想で基準に到達する時刻の12時間前、レベル2注意報は予想で基準に到達する時刻の18時間前までに発表する。再編後、注意報・警報の潮位基準は廃止され、レベル4危険警報の前段階として一定時間前に発表されるものに位置付けが変わった。レベル5特別警報の基準だった台風等を要因とする指標は廃止された。また、従来の高潮注意報レベルの潮位の軽微な浸水被害への注意喚起の機能は、高い潮位、大潮等に関する気象解説情報に移された[27]。
なお、直前に地震(おおむね震度5強以上)・火山噴火が発生したり、豪雨に起因する大規模な災害[注釈 16]があったなどの状況に応じて、基準が引き下げられる場合がある。
伝達
警報が発表された場合、国・地方自治体の機関、さらには個々の住民などは災害の発生に備えて要員の出動、高齢者等避難や避難指示、通行制限、危険箇所からの退避などの防災対応を行う必要がある。このため、気象庁の発表した警報についてはその解除も含めて以下のように通知・周知の徹底を図るための伝達系統が制度化されており防災対応の迅速かつ確実な実施を支援するようになっている(気象業務法第15条、同法施行令第7条)[2][6]。
- 警察庁の機関・都道府県警察(火山現象・津波の各警報)
- →関係市町村長→公衆・所在の官公署
- 国土交通省の航空交通管制機関(飛行場警報・空域警報)
- →航行中の航空機
- 国土交通省の河川管理機関(水防活動用各種警報)
- 決まった周知先はないが、各種の水防活動のトリガーとなる。気象警報が発表された場合、防災の観点から河川に限らず地方整備局に所属する該当地域の各河川や国道事務所が特別体制に入るケースが多い。
- 海上保安庁(気象・高潮・波浪・火山現象・津波・海上の各警報)
- →航海中および入港中の船舶
- 都道府県知事(気象・高潮・波浪・火山現象・津波・土砂崩れ・洪水の各警報、水防活動用各種警報、共同洪水警報)
- →関係市町村長→公衆・所在の官公署
- NTT東日本・西日本(同上)
- →関係市町村長→公衆・所在の官公署
- NHK(気象・高潮・波浪・地震動・火山現象・津波・土砂崩れ・洪水の各警報)
主な伝達手段としてテレビ放送やデータ放送、ラジオ放送、インターネットが挙げられる[14]。気象庁のホームページで警報を含む気象情報の提供が本格的に始まったのは、2002年(平成14年)8月である[29]。そのほか、スマートフォンアプリ、登録型メールなども挙げられる。
市民への伝達手段が乏しかった時代には、日常の天気予報を含めて旗や吹き流し、色灯、鐘、サイレンによる周知が行われていて、その様式を示す信号標識が定められていた[30]。現在でも、津波のように突発的な災害ではサイレンは有効な周知手段のひとつである[31]。
技術的には、気象庁から各専門機関や自治体へ、ADESS(アデス)と呼ばれるシステムを起点にして、直接あるいは気象業務支援センターを通じて、電文データとして配信される。データは統一した気象庁XML形式で、その他の防災気象情報も同様。古く電報の流れを汲んでテキスト(文章、平文)形式である2バイト文字のかな漢字形式の時代が続いていたが、2011年にXML形式が開始し、2018年にはかな漢字形式が廃止された[32][33][34]。
戦後の防災機関や自治体への情報提供は、次のような変遷をたどってきた。1960年度(昭和35年度)から専用電話線を用いた「予警報一斉伝達装置」が整備された。その後、1992年度(平成4年度)までに同装置は完全にFAX化された。1998年度(平成10年度)からはオンライン化・緊急時に衛星通信による代替が図られた「緊急防災情報ネットワーク」が整備された。2007年(平成19年)3月からは、専用ネットワークである「防災情報提供システム」の運用が始まった。このころから気象台から市町村への直接の情報提供ややり取りが強化された。その後、専用システムはADESSに集約され、市町村向けの情報提供は主に、ADESS経由の配信と気象庁ホームページの市町村向けページとなった[35]。
また、気象業務法以外にも災害対策基本法やこれに基づく地域防災計画などにおいて官民の各機関が災害の発生の危険を周知する活動のひとつとして、気象庁の警報を伝達する手続が定められている(後述)。
船舶向け海上警報は、GMDSS規格の海上保安庁の無線システムや気象庁の船舶気象無線・気象無線模写通報(JMH)・インターネットを通じ伝達される[14]。
警報の独占
気象業務法第23条により、気象庁以外の者が警報を行うことは禁じられていて[注釈 19]、予報の許可事業者(後述)にも認められていない。これは、切迫した気象状況下や災害発生時、情報が錯綜することで起こる社会的混乱を防ぐためである[2][36]。これと同様の規制はアメリカにおけるSingle "Official" Voice原則など、世界的にみられる。
アメリカでは過去に、民間気象事業者が国立気象局の防災気象情報と異なる内容の予報を発表し、混乱を招く事態が発生した[36]。これに対応するために1991年に発出されたのがSingle "Official" Voice原則である。シビア気象(severe weather)、ハリケーン、洪水、津波など人命を脅かすような状況で発令(発表)される警報は気象局が出すものを「唯一の公式見解」とした。そして、「公式」な警報との区別を市民に明確に理解できるようにしたうえで、警報に対して民間事業者が「意見」を述べることを制限するものではないとした。また、民業圧迫は避け官民の効果的な連携を行う方針も示した[37]。世界気象機関(WMO)もこの原則を採用している[38]。
なお、通信が途絶するなどして気象庁の津波警報が利用できない場合に市町村長が行う津波警報は、気象業務法施行令第10条で“気象庁以外の者の行うことができる警報”とされ許容されている[6]。また現地で確認した異変などに基づいて土地の管理者などが行う地象(がけ崩れなど)の警報は、緊急避難的なものとして許容されている。
洪水、土砂崩れ、高潮、津波、噴火、火山ガスについては、2023年の法改正後、各分野につき審査を受け許可された予報業務許可事業者による独自予想に基づいた予報が可能となっている(警報は引き続き不可)が、防災上の混乱を防ぐため、予報の利用者を「気象庁の警報・予報との違いを事前に説明した者」に限定している[39][40]。
警報の補足
気象防災速報・気象解説情報
警報の発表後、さらに厳重な警戒が必要なときに気象防災速報が発表されることがある。線状降水帯により非常に激しい雨が同じ場所で降り続けているときに気象防災速報(線状降水帯発生)、直前でそれが予想されるときに気象防災速報(線状降水帯直前予測)、数年に一度しか起こらないような記録的な雨が短時間に降ったときに気象防災速報(記録的短時間大雨)が発表される[17][41]。また、深刻な交通障害が発生するような大雪が短時間に降りその後も続くと予想されるときには気象防災速報(短時間大雪)が発表される[42]。
警報を補足する気象解説情報が発表されることがある。台風や低気圧などの接近や、大気の不安定な状態が予想されることなどを前もって知らせたり、注意報等の発表中に現象の経過と予想、防災上の留意点などを解説したりする[17][41]。
早期注意情報・時系列情報
警報を発表するような気象があらかじめ予想される場合には 早期注意情報(警報級の可能性)が発表される。主に当日夜や翌日、最大で5日後まで。[高]、[中]の2段階。気象庁ホームページでは、時系列のバーチャート形式で示される[17]。タイムラインも参照。
翌日までの雨・雪・風・波などの強さの推移の見通しは、「時系列情報(明日までの警報等の見通し)」として発表される。毎日4回定時に、また変化があったときは臨時に更新される。大雨、土砂災害、風、波、高潮、雷、乾燥、大雪、融雪、濃霧、着氷、着雪、なだれ、低温、霜が対象。雨量・風速・波高など現象の強さを示すもの(警報類の発表タイミングと必ずしも一致しない)である。ただし、土砂災害・高潮に限り、警報等はリードタイムをもって発表されるため、警報等の発表の可能性がある時間帯が示される。気象庁ホームページでは、 注意・ 警戒・ 危険・ 災害切迫という色分け(それぞれ警報等の基準に対応する)を交えて、時系列のバーチャート形式で示される[17][5][43]。また予測の確かさが低い雷雨などでは、ある時間以降は灰色で不確定であることが示される場合もある。
時系列情報は2026年5月に創設されたが[17]、警報等の発表中に限り見通しを示す運用は2017年出水期から行われている。
危険度分布
氾濫、大雨、土砂災害については、ホームページ等で地図上に危険度を5段階で示す危険度分布(キキクル)が提供されており、1km単位の細かい分布を確認できる。略称は、氾濫(洪水災害)が「洪水キキクル」、大雨(浸水害)が「浸水キキクル」、土砂災害が「土砂キキクル」[17]。5段階のうち下から3段階目の赤色が 「警戒」(警戒レベル3相当)、4段階目の紫色が 「危険」(警戒レベル4相当)[44][45]。
特定業務・用途のための警報
飛行場警報
2022年時点。原則として、発表時点から6時間後までの予報に基づいて発表する[15]。
| 種類 | 説明 | 注意報の有無 | |
|---|---|---|---|
| 気象災害 | |||
| 飛行場強風警報 | 強風による重大な災害の警告。10分間平均風速34ノット以上48ノット未満の場合。 | なし | |
| 飛行場暴風警報 | 暴風による重大な災害の警告。10分間平均風速48ノット以上の場合(台風警報除く)。 | ||
| 飛行場台風警報 | 熱帯低気圧の暴風による重大な災害の警告。熱帯低気圧により10分間平均風速64ノット以上の場合。 | ||
| 飛行場大雨警報 | 大雨による重大な災害の警告。基準は空港ごとに異なる。 | ||
| 飛行場大雪警報 | 大雪による重大な災害の警告。基準は空港ごとに異なる。 | ||
| 飛行場高潮警報 | 高潮による重大な災害の警告。基準は空港ごとに異なる。 | ||
航空交通管制も参照。
海上警報
2022年時点。原則として、発表時点から24時間後までの予報に基づいて発表する。警報電文では海域ごとの予報のほか、荒天の原因である温帯低気圧や熱帯低気圧(台風)の位置や進路、強風の範囲などを伝える[46][47]。
| 種類 | 説明 | 注意報の有無 | |
|---|---|---|---|
| 気象災害 | |||
| 一般警報 | 海上風警報 | 風による重大な災害の警告。風速28ノット以上34ノット未満(風力7)の場合。 | なし |
| 海上濃霧警報 | 霧による重大な災害の警告。海上視程がおおむね500m(瀬戸内海では1km)以下の場合。 | ||
| 海上着氷警報 | 着氷による重大な災害の警告。低温と風により波しぶき、雨、霧が船体に付着し凍結する状態の場合。 | ||
| 海上強風警報 | 強風による重大な災害の警告。風速34ノット以上48ノット未満(風力8 - 9)の場合。台風では旧階級で「弱い」に相当する。 | ||
| 海上暴風警報 | 暴風による重大な災害の警告。風速48ノット以上(風力10以上)の場合(台風警報除く)。台風では旧階級で「並みの強さ」に相当する。 | ||
| 海上台風警報 | 台風の暴風による重大な災害の警告。「強い」以上の台風により風速64ノット以上(風力12)の場合。 | ||
| 海上うねり警報 | 離れた海域からのうねりによる重大な災害の警告。 | ||
| 火山災害 | |||
| 火山現象に関する海上警報 | 火山噴火による重大な災害の警告。噴火の影響が海上や沿岸に及ぶ恐れがある場合に海域を指定して発表する[48]。 | なし | |
| 津波災害 | |||
| 津波に関する海上警報 | 津波による重大な災害の警告。予報区や予想高さによる区分などは一般向けの津波警報と同じ[49]。 | あり(津波注意報相当) | |
歴史
1883年(明治16年)3月1日に東京気象台(現在の気象庁)が日本の気象機関として暴風警報の業務を開始。なお、毎日の天気予報の開始はこの1年ほど後の1884年(明治17年)6月1日である。これ以降、大きな警報体系の変更としては1935年(昭和10年)の気象特報(現在の注意報)の新設、2013年(平成25年)の特別警報の新設が挙げられる[50][51]。警報の種類は社会の要請、監視・予測技術の向上などにより数度に亘って変わってきた。当初は暴風のみ、1950年に暴風雨・暴風雪・大雨・大雪の4種、1953年に高潮、波浪、洪水が追加され7種、1988年に暴風雨が廃止・暴風に変更された。その後、2026年には土砂災害が追加、洪水が氾濫に変更され、大雨など4種がレベルを付けた標題になって、現在に至る。
明治から昭和前期
- 1883年3月1日 - 東京気象台(現在の気象庁)が毎日の天気図作成と暴風警報の業務を開始。5月26日には初めて全国暴風警報が発表。新聞記事によると関西では暴風に先だって連絡があり船の出航を見合わせることができたという[50][52][51][53]。
- 1883年7月1日 - 内務省地理局が暴風警報信号標式を制定。高い柱に赤球を掲げて警戒の旨を周知することとした[50]。
- 1908年(明治41年)4月1日 「天気予報暴風警報規定」、「地方天気予報、地方暴風警報信号標識」を制定。暴風警報は「風強かるべし」、「風雨強かるべし」、「暴風雨のおそれあり」の3種類に分けられる。
- 1935年(昭和10年)7月15日 - 暴風警報の下位に気象特報(現在の注意報)を設ける。前年9月の室戸台風の教訓を受け、地域によっては頻繁になりすぎて鈍感になる傾向があった警報をより警戒度の高い情報に位置付ける。暴風警報 は「暴風雨、暴風雪襲来し災害の大ならんとする見込みなるとき」。気象特報 は「風雨、風雪、大雨、大雪、その他特に注意を要する気象上の異常現象の起こらんとするとき」。電報や信号標についても改正。また全国10気象区をさらに小気象区に分ける[50][53][注釈 20]。
- 1950年(昭和25年) - 運輸省告示の気象予報規程およびその実施要領により、気象警報の種類として暴風雨、暴風雪、大雨、大雪を規定。なおこの頃のみ、中央気象台(現在の気象庁)が全国単位で発表する台風注意報、台風警戒報も存在した[53][54]。
気象管制
日中戦争から太平洋戦争の期間は、気象警報・天気予報や報道が規制された。日中戦争が始まり、陸軍・海軍による気象台への要求・指示など戦時体制が強まる中で現れた[55]。日中戦争開始翌月の1937年(昭和12年)8月には、「天気予報気象特報暴風警報は時宜により其の全部又は一部を発せざることあるべし」とする中央気象台告示が発せられ[55]、日中戦争期にも、警報・気象特報や天気図の配布、天気のラジオ放送がしばらく中止されることがあった[56]。
1941年(昭和16年)11月には天気図の新聞掲載と公衆への掲示が中止され、太平洋戦争開戦の日である12月8日18時からは気象報道管制(気象管制)が実施された。日本全国で警報・気象特報を含む天気予報の市民への公表は一切中止され、1945年(昭和20年)8月21日に解かれるまで継続した[55][56]。
ただし、特に甚大な被害が予想される場合は「特例暴風警報」を発表することが、周知されてはいないが取り決められていた。しかしこの警報も、警戒の区域・時期・程度という限定的な内容のみで、台風等の位置・進行方向・速度などは示されず、暴風の観測結果なども公表されない不十分なもので、被害を拡大させた事例が複数あるとされている。1942年(昭和17年)周防灘台風では、直前に地域を限定して、台風が原因だと言及せず、暴風警報が発表されたことだけがラジオで放送されたことが分かっているが、避難にはほとんど繋がらず、高潮などで1,100人を超える死者を出すに至った[56][57][58]。
気象業務法制定以降
- 1952年(昭和27年)12月27日 - 気象業務法施行。同法の体系下で翌1953年に運輸省告示の気象庁予報警報規程を制定。警報は「重大な災害が起こる恐れのある旨を警告して行う予報」と規定され、気象警報に高潮、波浪、洪水が追加。気象特報は気象注意報となる[50][54][53]。
- 1954年(昭和29年)8月15日 - 警報・注意報の基準に具体的な数値基準が導入される(気象官署予報業務細則の制定)[59][60][53]。
- 1955年(昭和30年) - 気象業務法・水防法改正により指定河川洪水予報を導入。当初の対象は一部の大河川のみ[61][62]。
- 1960年(昭和35年)7月 - 前年9月伊勢湾台風の教訓を受け、気象庁予報警報規程を改正。警報文の発表を警報ごと個別から一括・標題に警報名列挙へ、また予報区を府県から細分区域(現在の1次細分)へと細かくして変更した(発表は府県ごと)[50]。
- 1972年(昭和47年)6月 - 大雨警報の基準に1時間・3時間雨量が導入。短時間強雨による被害が目立った昭和42年7月豪雨(1967年)や飛騨川バス転落事故(1968年)の教訓から検討が進められていた[50][59][63]。
- 1979年(昭和54年)7月 - 大雨警報について警報名の後ろに1次細分区域名を括弧付きで明記するよう運用変更[50]。
- 1983年(昭和58年) - 警報文の冒頭に防災上重要な事項を付記する「見出し的警告文」が開始[50][53]。10月には、大雨警報を補完する記録的短時間大雨情報が創設された[64]。
- 1987年(昭和62年)6月 - 二次細分区域単位での発表を開始。この区分は各府県で順次細かく改善されていき、2000年には214、この後分割が進み、2004年には364となった[50][59][53]。
- 1988年(昭和63年)4月1日 - 暴風雨警報を廃止し、新設の暴風警報と既存の大雨警報に移行。雨を伴う可能性のある暴風雨に対して暴風警報が発表されていたが、結果的に雨を伴わない場合があること、雨量予報の精度が向上したことから、雨と風を分離して発表することとした[50][53][65]。
- 2000年(平成12年) - 前年の広島県の土砂災害を受けて、警報文の冒頭に「過去数年で最も土砂災害の起こる可能性が高くなっている」との見出し的警告文を付記して土砂災害への警戒を重ねて呼びかける、大雨警報の切り替え運用を開始(切り替えの基準として土壌雨量指数を活用)。2004年には鹿児島県水俣市の土石流災害を受けて、注意警戒文の冒頭に「重要変更!」と付記する運用を開始[59][53]。
- 2005年(平成17年)9月から2008年(平成20年)3月 - 大雨警報の重要変更に代えて土砂災害警戒情報を各府県で順次開始[59][53][66]。
- 2007年(平成19年)12月 - 気象業務法改正により、地震動と火山現象の警報を気象庁の業務に位置付け。同年10月開始の緊急地震速報を警報等に位置付け。噴火警報・噴火予報・噴火警戒レベルの運用開始[67]。
- 2008年 - 大雨警報・洪水警報の基準に、24時間雨量に代えて土壌雨量指数や流域雨量指数を導入[59][68]。
- 2010年(平成22年)5月 - 警報・注意報の発表単位が原則として市町村ごとになり、375地域から1,777地域に細分化される[53]。大雨警報の標題に「土砂災害」「浸水害」を付記する運用変更[69]。大雨警報の土砂災害基準を土壌雨量指数に一本化。洪水警報の基準を流域雨量指数に変更[68][23]。
- 2013年(平成25年)8月30日 - 警報の上位に特別警報を新設[70]。
- 2017年(平成29年)5月 - 「警報級の可能性」の発表を開始(2019年に「早期注意情報」に改称)[71]。
- 2017年7月 - 大雨警報の浸水害基準を表面雨量指数に変更。洪水警報の雨量基準を廃止し流域雨量指数と表面雨量指数の複合基準に変更[28][68]。さらに、危険度分布の提供が開始。2013年に土砂災害で提供が始まっていたが、対象を拡げて改称した[68]。
2026年の再編
2026年5月29日には、大雨等の警報類の再編と基準の一部変更が行われ、同時にいくつかの情報も改編された[72][注釈 21]。
大雨(標題に浸水害・土砂災害のいずれかまたは両方を付記していた)、洪水の警報は大雨、土砂災害、氾濫の3種類に再編された。これに高潮を加えた4種の警報は、標題に警戒レベルを冠する形になり、早期注意情報・注意報・警報・危険警報・特別警報の5段階に揃えられた。警戒レベル4の標題として危険警報が新設された[9][10][27][16]。
指定河川・指定外河川の氾濫への注意喚起を兼ねて市町村ごとに発表されていた洪水警報は廃止され、指定河川ごとに発表される氾濫の警報・危険警報に移行し、指定河川洪水予報を兼ねる形になった。指定外の中小河川の氾濫への警戒喚起は大雨の警報・危険警報に移行した[9]。例えば沖縄県には指定河川がないため、洪水警報・注意報は発表されなくなり、その役割を大雨の警報等が担う[74]。
土砂災害警戒情報は廃止されて土砂災害危険警報に移行し、土砂災害の警報等の基準は、避難に繋げる効果を高める目的で引き上げられた[10]。また、高潮だけ相当するレベルが異なっていた状態は解消された[27]。
警戒レベル相当情報にあたる4種以外の警報は、従来と変わらない標題で継続されている[16]。