火星11

From Wikipedia, the free encyclopedia

火星11 (かせい11、朝鮮語表記:화성-11、Hwasong-11、ファソン11) は、朝鮮民主主義人民共和国の固体燃料短距離弾道ミサイル (SRBM) の派生シリーズである。 [1]

火星11は、原型機(KN-02)、原型改良型(KN-10)、これらの発展型の火星11A(KN-23)と火星11B(KN-24)、および、さらにこれらの派生型から成る、北朝鮮の固体燃料単段式短距離弾道ミサイルまたは準中距離弾道ミサイルシリーズに対する集合的呼称である。 [2] [3] [4]

これらのミサイルは、咸鏡南道咸興市に位置する、北朝鮮最大規模の重機械製造工場である龍城機械連合企業所(Ryongsong Machine Complex)の、通称「2月11日プラント」において製造されている。「2月11日プラント」は、これらを製造している、知られている範囲では唯一の工場である。2024年11月の光学衛星画像は、このプラントが拡張工事中であることを示している。 [5] [6]

ミサイル

火星11原型機

火星11原型機 (朝鮮語表記:화성-11、Hwasong-11、ファソン11)は、アメリカ軍によるコード名ではKN-02と呼称されており[注釈 1]、または Toksa (독사; lit. Viper) とも呼ばれている。旧・ソ連OTR-21 トーチカ固体燃料単段式短距離弾道ミサイルを、リバース・エンジニアリングにより国産化したものと考えられている。

火星11原型機の最大射程距離は120~170kmであり、250kg または 485kgの弾頭を搭載可能である。最初の発射試験は2006年に行われた。 [2]

火星11原型機の改良型は、アメリカ軍によるコード名ではKN-10と呼称されており、最大射程距離は220kmである。 [7]

火星11A

火星11A (朝鮮語表記:화성-11가、火星11カ、ファソン11カ) は、火星11原型機と同じ固体燃料単段式短距離弾道ミサイルであり、アメリカ軍によるコード名ではKN-23と呼称されている。外観は、ロシアイスカンデル-M、および韓国玄武-2短距離弾道ミサイルに酷似している。 [8]

このミサイルの最大射程距離は 900km であり、 [9] 500kg の弾頭を搭載した場合は、射程距離 690kmとされている。 [3]

火星11Aは、2018年2月8日の軍事パレードで最初にその姿が公開され、2019年5月に最初の発射試験を行った。 [3]

2023年7月までは、火星11Aは、アメリカ軍によるコード名である KN-23 という名称でのみ知られていたが、2023年7月に公式に北朝鮮によって名称が明らかにされた。 [10]

火星11Aには、さらに3つの派生型があり、それぞれ火星11C火星11Dおよび火星11Sと呼ばれている。 [11]

火星11B

火星11B (朝鮮語表記:화성-11가、火星11ナ、ファソン11ナ)は同じく固体燃料単段式短距離弾道ミサイルであり、アメリカ軍によるコード名ではKN-24と呼称されている。外観は、アメリカ合衆国ATACMSに酷似している。

このミサイルの最大射程距離は 410km である。2019年8月に最初の発射試験が行なわれた。 [4]

原型機は黒と白のリバリー(試験用塗装)であるが、ベージュのカラーバージョンもあり、こちらが「防衛開発-2021」軍事展で公開され、 [12] この時に公式名称が公開された。 [13]

火星11C

火星11C (朝鮮語表記:화성포-11다、火星11タ、ファソン11タ) は、火星11Aの大型バージョンであり、外観は酷似している。アメリカ軍によるコード名ではKN-30と呼称されている。 [14] [15] [16]

2021年3月25日に最初の発射試験が実施され、韓国軍の観測では水平飛行距離450km、最大高度60kmであった。翌日3月26日に朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、「新たに開発した新型の戦術誘導弾は、既に開発された戦術誘導弾の核心技術を利用しながら、弾頭重量を2.5tに改良した武器システムである。」、「試験発射した2基の新型戦術誘導弾は、朝鮮東海600km水域の設定された目標を正確に打撃した。」と報じた。ただし、この時はミサイルの公式名称は明らかにしなかった。 [17] [18]

2023年3月28日、北朝鮮・朝鮮中央通信は、「金正恩総書記が核の兵器化活動を指導」と報じ、掲載写真には、核弾頭の模型と核兵器の名称と思われる「ファサン-31(화산-31)」と表示された説明ボードが写っていたが、説明ボードには、搭載予定の8種類の短距離弾道ミサイルの頭部のスケマチックも描かれており、この中に、既に名称が明らかになっていた火星砲-11ナ(KN-24、火星11B)の下に、今まで知られていなかった火星砲11タ(화성포-11다)、火星砲11ラ(화성포-11라)、火星砲11ス(화성포-11ㅅ)と推定される名称表示があり、大きさの比率から、火星砲11タがこのミサイルの名称ではないかと推定された。 [19] [20]

2024年7月1日に、火星11Cの大型化したバージョンと推定されるミサイルの発射試験がに実施され、翌日7月2日に朝鮮中央通信は、4.5トンの超大型弾頭を搭載した「火星砲-11ダ-4.5」の試射を成功させたと報じた。このバージョンは、北朝鮮外では「火星11C-4.5」と呼ばれている(「火星」、「火星砲」と北朝鮮側の発表でも表記が揺れている)。 [21] [22]

火星11D

火星11D (朝鮮語表記:화성-11가、ファソン11ラ)は、火星11Aの小型バージョンである。 [11] アメリカ軍によるコード名ではKN-35と呼称されている。 [14]

このミサイルの射程距離は、火星11原型機より短いであろうと推測されている。 [23]

このミサイルの一般公開は2022年4月であったが、 [17] 公式名称が知られるようになったのは、火星11Cの場合と同じく、2023年3月28日、北朝鮮・朝鮮中央通信の報道写真に偶然(あるいは偶然を装った故意により)名称とスケマチックが写っていたためであり、大きさの比率から、火星砲11ラがこのミサイルの名称ではないかと推定された。 [19] [20]

火星11E

火星11E (朝鮮語表記:화성-11마、火星11マ、ファソン11マ)は、固体燃料単段式準中距離弾道ミサイルであり、火星11Cをベースとしたブースターに、滑空用の翼らしきものと、操縦用の可動翼らしきものがついた、極超音速滑空体 (HGV) らしき機体をペイロードとして搭載している。アメリカ軍によるコード名(KNナンバー)は、今のところ不明である。 [24]

このミサイルは、2025年10月4日から開催された、北朝鮮武力装備展示会「国防発展-2025」で公開された。 [25]

2025年10月22日に、このミサイルのものではないかと考えられる試験発射が行われた。 [26] [27] 2026年1月4日に行われた発射試験は、ほぼ間違いなくこのミサイルのものであろうと考えられている。 [28] [29]

火星11S

火星11S (朝鮮語表記:화성포-11ㅅ、火星砲11ス、ファソン11ス)は、火星11Aの水中発射型と考えられているバージョンである。 [11] アメリカ軍によるコード名ではKN-33と呼称されている。 [14]

2021年10月開催の、「防衛開発-2021」軍事展で最初に公開された。 [30]

最初の発射試験は、2021年10月に実施された。 [31]

このミサイルの公式名称が知られるようになったのは、火星11Cの場合と同じく、2023年3月28日、北朝鮮・朝鮮中央通信の報道写真に偶然(あるいは偶然を装った故意により)名称とスケマチックが写っていたためであり、大きさの比率から、火星砲11スがこのミサイルの名称ではないかと推定された。 [19] [20]

使用

補足

脚注

Related Articles

Wikiwand AI