猫の事務所
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軽便鉄道の停車場のちかくにある猫の第六事務所は猫のための歴史と地理の案内所。そこには大きな黒猫の事務長、一番書記の白猫、二番書記の虎猫、三番書記の三毛猫、そして、四番書記の竈猫[1](猫の品種ではなく、寒がりでかまどで寝るので煤で汚れた猫を指す[2])がいた。かま猫は三人の書記にいじめられながらも、黒猫の支えやかま猫仲間の応援もあり、仕事に励み続ける。しかし、かま猫が風邪をひいて事務所を休んだ日、三匹の書記の讒言により、黒猫までもがかま猫を憎むようになり、かま猫は仕事を取上げられてしまった。その様子を見た獅子は事務所の解散を命じる。語り手の「ぼくは半分獅子に同感です。」という言葉で物語は閉じられる。
解説
責任者である局長が、学問や仕事を、かま猫への嫌がらせに使った瞬間に、事務所から仕事が奪われるという構成となっている。賢治は獅子の決定に半分同感であると結んでいる。
草稿の段階では完成版と大きく異なり、獅子が解散を命じた後の語りで獅子を含むすべての登場人物をひとりひとり哀れむ弁が言い回しを変えて[3]繰り返された後、「みんなみんなあはれです。かあいさうです。かあいさう、かあいさう。」と締めくくられて終わる。