花散里

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花散里(はなちるさと)は[1]

  1. 源氏物語』の巻名のひとつ。第11帖。作中最も短い巻である。巻名は光源氏の詠んだ歌「の香をなつかしみほととぎす花散る里をたづねてぞとふ」に因む。
  2. 『源氏物語』に登場する架空の人物。
  3. 花の散る里。花の散る宿。
  4. 岡場所の異称。「鼻落ちる里」に掛ける。
  5. 香木の名称。分類は伽羅。香味は苦酸。六十一種名香の一つ。
  6. 五歳の異称。
源氏物語五十四帖
各帖のあらすじ
                   
1桐壺 28野分
2帚木 29行幸
3空蝉 30藤袴
4夕顔 31真木柱
5若紫 32梅枝
6末摘花 33藤裏葉
7紅葉賀 34若菜
8花宴 35柏木
9 36横笛
10賢木 37鈴虫
11花散里 38夕霧
12須磨 39御法
13明石 40
14澪標 41雲隠
15蓬生 42匂宮
16関屋 43紅梅
17絵合 44竹河
18松風 45橋姫
19薄雲 46椎本
20朝顔 47総角
21少女 48早蕨
22玉鬘 49宿木
23初音 50東屋
24胡蝶 51浮舟
25 52蜻蛉
26常夏 53手習
27篝火 54夢浮橋

光源氏25歳夏の話。

五月雨の頃、源氏は故桐壺院の妃の一人麗景殿女御を訪ねる。妹の三の君(花散里)は源氏の恋人で、姉妹は院の没後源氏の庇護を頼りにひっそりと暮らしていた。訪問の途中、かつて会った中川の女の元に歌を詠みかけるが、既に心変わりしてしまったのかやんわりと拒絶される。女御の邸は橘の花が香り、昔を忍ばせるほととぎすの声に源氏は女御としみじみと昔話を語り合い、その後そっと三の君を訪れた。

人物

光源氏の妻の一人。「花散里」帖に初登場し、その呼称は巻名の由来ともなった上記の和歌による。源氏の父桐壺帝の麗景殿女御を姉に持ち、源氏とは若い頃から関係があったと見られる。容貌はそれほど美しくはないが姉の女御同様温和な慎ましい性格で出自も高く、また裁縫・染物などにも堪能な女性。源氏の妻の中では紫の上に次ぐ立場となる。

始めは源氏の通い所の一人であったが、後新造の二条東院の西の対に迎えられ(「松風」)、六条院造営後は夏の町の主となって「夏の御方」「東の御方」とも呼ばれる(「少女」)。二条東院に移った頃には、既に源氏との夫婦の営みは途絶えていたが(「薄雲」、「初音」、「」)、家庭的で信頼の置ける人柄を見込まれて夕霧玉鬘の母代わりとなり、後には夕霧の子の一人を孫として引き取り愛育した。「」帖を最後に物語から退場、源氏の死後は二条東院を遺産として譲り受け、再びそちらに移った(「匂宮」)。

本文中でも、「花散里」と呼ばれる箇所が2か所ある。「かの花散里にも、御座し通ふ事こそ稀なれ」(須磨)、「花散里と聞こえし、移ろはしたまふ」(松風) つまり、帖名と呼称は、紫式部によると考えて良い。

派生作品

脚注

外部リンク

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