酸化水銀(II)

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酸化水銀(II)
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.040.580 ウィキデータを編集
KEGG
RTECS number
  • OW8750000
UNII
国連/北米番号 1641
性質
HgO
モル質量 216.591 g·mol−1
外観 赤色または黄色結晶
匂い 無臭
密度 11.14 g/cm3
融点 500 °C (932 °F; 773 K) (分解)
0.0053 g/100 mL (25 °C)
0.0395 g/100 mL (100 °C)
溶解度 エタノール、ジエチルエーテル、アセトン、アンモニアに溶けない。
バンドギャップ 2.2 eV[1]
磁化率 −44.0·10−6 cm3/mol
屈折率 (nD) 2.5 (550 nm)[1]
熱化学
標準モルエントロピー S 70 J·mol−1·K−1[2]
標準生成熱 fH298)
−90 kJ·mol−1[2]
危険性
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性
極めて毒性が高い、環境汚染物質
GHS表示:[3]
急性毒性(高毒性) 経口・吸飲による有害性 水生環境への有害性
Danger
H300+H310+H330, H372, H410
P260, P262, P264, P270, P271, P273, P280, P284, P301+P316, P302+P352, P304+P340, P316, P320, P321, P330, P361+P364, P391, P403+P233, P405, P501
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
引火点 不燃性
致死量または濃度 (LD, LC)
18 mg/kg (経口, ラット)[5]
安全データシート (SDS) ICSC 0981
関連する物質
その他の
陰イオン
硫化水銀(II)
セレン化水銀(II)
テルル化水銀(II)
その他の
陽イオン
酸化亜鉛
酸化カドミウム
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。

酸化水銀(II)(さんかすいぎん(II)、Mercury(II) oxide)は、化学式が HgO と表される水銀酸化物である。赤色の赤降汞(せきこうこう)と黄色の黄降汞(おうこうこう)とが存在するが、粒子の大きさの違いによるものでX線回折により同一の結晶構造(斜方晶系)であることが判明している。いずれも O-Hg-O が直線で O で屈曲したジグザク状の平面構造に配列している。またやや不安定な六方晶系多形も存在する。

酸素中で水銀を 350 ℃ に加熱すると生成するが、さらに加熱すると、400 ℃ で黒変し 500 ℃ で水銀と酸素とに分解する[6]。あるいは光照射によっても分解する。

酸化水銀(II)を得るには硝酸水銀(II)熱分解、水銀の陽極酸化、水銀(II)塩水溶液に塩基または炭酸塩を加えても製造できる。すなわち、硝酸水銀(II)の熱分解や水銀の直接酸化では、赤色酸化水銀(II)が生成するのに対して Hg2+ の水溶液に OH- を加えると黄色酸化水銀(II)が沈殿する。

酸化水銀(II)はハロゲン化アルカリ金属、例えばヨウ化カリウム溶液に溶けテトラヨード水銀(II)酸カリウムなどに複分解し塩基性を示す。

このテトラヨード水銀(II)酸カリウムの薄い溶液に過剰の塩基を加えて平衡を戻すと六方晶系の橙色の酸化水銀(II)の相変態が得られる[7]

酸化水銀(II)は水に難溶 (5.2×10-3 g/100g; 25 ℃) であるが弱い塩基の為に酸性では溶解する。その溶解度積は以下の通りである。

 

また、酸化剤でもあり、SO2SO3 に酸化したり、リンを水溶液中でリン酸に酸化する。

古くは、殺菌剤,防腐剤,結膜炎の治療に用いられたが、今日では多くの国で法律により使用規制を受けている。

脚注

参考文献

関連項目

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