鉄人28号の登場ロボット

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鉄人28号 > 鉄人28号の登場ロボット

鉄人28号の登場ロボット(てつじん28ごうのとうじょうロボット)では、横山光輝の漫画作品『鉄人28号』に登場する架空のロボットと、その派生作品での扱われ方について列挙する。なお厳密にはロボットでないサイボーグなどについても扱う。アニメ版などの派生作品オリジナルのロボットについては各作品の項目を参照。

※ 五十音順で記載。

派生作品での宇宙人間(超人間)ケリー

  • 声優(テレビアニメ第4作):原康義

ドラグネット博士が機械を電子頭脳ではなく、人間の脳でコントロールしようと考えた末に造り出したサイボーグ(宇宙人間[1][2][3]/超人間[4][5][注釈 1]

かつてドラグネット博士の助手だった青年・ケリーが、大事な実験をミスで失敗させてしまったことで精神を病んでいた博士の逆鱗に触れ、無理矢理改造されてしまった姿。改造後は起動に失敗して目覚めなかったため、死んだと思われて弟ジョンソンの手で墓地に葬られていたが、雷が墓に落ちたショックで蘇った。蘇生後、自らの変わり果てた姿を悲しみ、ドラグネット博士に復讐を誓ってジョンソンと共に来日。博士を殺害し[6]、国外逃亡を謀る。

無用な殺生は嫌う温和な人物だが、大きな雷が発生したり電波が乱れている環境下では機能障害を起こし、凶暴になって暴れ苦しむ[7]。その姿を人に見られることを極端に嫌い、ふだんから全身を包帯で固め黒服にコートを羽織って帽子を目深に被っている。人間サイズながらトラックを軽々持ち上げる怪力と飛行能力を持ち、弾丸では傷もつかない。また、かつてはドラグネット博士の助手であっただけに、科学知識や機械技術にも長け、ギルバード(ギルバート)を自由自在に操った。警察に追い詰められてジョンソンと人質(板井医師)を抱えて逃亡しようとしたが、正太郎から「人質を殺せば、ただちに鉄人でジョンソン諸共攻撃する(ケリーは無事でも生身のジョンソンはひとたまりもあるまい)」と脅迫されたため人質を解放、一連の罪は自らにのみあると訴えたうえで[注釈 2]、弟を残して鉄人に特攻して果てる。

テレビアニメ第1作
ロビー事件が解決した第27話以降がオリジナル展開となったため、登場しておらず、したがってドラグネット博士も殺害されていない。併せて後述の「派生作品でのギルバート」を参照のこと。
テレビアニメ第4作
もとは先の大戦で両親を失い、弟のジョンソンと2人だけになった戦災孤児(第11話)。戦争のない宇宙への憧れを兄弟で語り合い[注釈 3]、後に兄弟2人してドラグネット博士のもとで宇宙開発のための研究に従事していた(第11話)。
原作と異なり、自ら志願してドラグネット博士に改造されたサイボーグ(超人間[注釈 1])である。しかし、超人間として生まれ変わってまもなく機能停止して死んだと思われたために、ジョンソンの手によって埋葬されていた。それからどれほどの時間が経ったか劇中の描写からは定かでないが、落雷を受けて突如墓場から蘇ったものの、すでに宇宙開発は超人間ではなくロボット(ギルバート)に委ねられていたことに激しいショックを受け、宇宙への想いを遂げようと画策。ドラグネット博士の下で助手を続けていた弟のジョンソンを監禁・変装して入れ替わり、月ロケットでギルバートを打ち上げるプロジェクトのために来日した博士に同行した。原作のような非道な扱いを博士から受けていないため復讐心は抱いておらず、争いのない宇宙へと旅立つ夢を実現させるために、寿命が短いという超人間の欠陥を解決してもらうおうと密かに交渉するも断られたことと、雷によって生じる機能障害の影響で凶暴化してしまったことで、意思に反してドラグネット博士と牧村博士[注釈 4]を殺害してしまう。その後、正体が暴かれると敷島博士を誘拐・変装して入れ替わり、月ロケットの発射を強行させた。邪魔をする鉄人をギルバートに抑えさせ、ロケットの外壁にしがみ付いて宇宙を目指したが、大気圏突破を目前に寿命による限界を迎えて体の各部から火を噴き分解し脱落、失意の絶叫と共に地上へ落下する途中で爆発して消えた(以上、第11話)。
原作と異なり飛行能力はないが、常人をはるかに上回る身体能力を持ち、鉄人の腕を掴んで振り回すほどの怪力を見せている(第10話)。
鉄人28号 皇帝の紋章
本作では、ヒロインのアリスと共にドラグネット博士の養子となっている[注釈 5]。ナチスに故郷ポーランドの村を焼き尽くされたことで凄まじい憎悪を抱き[11]、復讐を実現するための力を欲して自ら望んで改造を受けた。全身に数百個のセンサーを埋め込まれており、その動きに合わせてギルバートを操る。また、全身が装甲で覆われているため多少の銃撃にはビクともしない。改造された際、養父の「お前が死ねば、次はアリスを実験台にする」という発言に激怒し、起動すると同時に義父を殺害している。その行動原理の根底には妹であるアリスへの愛情があったのだが、憎しみに歪められたために正しく実を結ぶことはなかった。ドイツと同盟国だった日本をも憎んで東京を焼き払おうとするが、最後はナチスの残党であるネルケに装甲の隙間を銃撃され、彼女と刺し違えた後、アリスの保護を優先したブラックオックスが彼女を遠ざけたため看取られることなく死んでいった。
なお、原作と異なり「宇宙人間」や「超人間」といった名称の存在としては紹介されていないが、ケリー自身が「鋼鉄の超人間として蘇った」と口にしている[11]

S国製ロボットA

正式名称は不明。多関節のジャバラ状の2本の腕と3本の脚を持つロボット。腕の先端には鋏を、胸部には2門の機銃を装備している。作動中はしばしば「ヒュルルル、ヒュルルル」という怪音を発する。村雨竜作の命を賭した特攻で海中に没していた鉄人28号を、警察が回収しようとしていたところに現れて作業を妨害したために、大塚署長が操る28号と戦闘となり、形勢不利となるや尖った筒状の口から煙幕を吐いて撤退した。その後、PX団のアジトを急襲した警察の突入現場にも出現して鉄人と戦闘になり、広大な下水道の中での格闘の末に倒される。精密機械研究所でその残骸を分析した敷島博士からは「部分的には鉄人より優れた面がある」と評されている[12](その後、研究所は機密保持のためS国スパイ団とX33部隊に襲撃され、ロボットの機体は建物もろとも爆破されて灰燼に帰している[13])。

他にもS国スパイ団が、奪った鉄人の実験に使っていた島の秘密基地や、瀬戸内海のナイナイ島にある秘密基地の格納庫にも、大量の同型機の姿が確認されている[注釈 6]。なお、後者に警察や正太郎たちが突入した際には、鉄人に群れをなして立ち向かったものの相手にならず、敗走している。

派生作品でのS国製ロボットA

実写版テレビドラマ
サルバチア人による陰謀組織・仮面団が操る「怪ロボットX」として第7話から登場する[15]。性能は鉄人より劣るものの、一部のメカにおいてはこれを上まわっており、水陸両用[16][15]。原作漫画とはディテールが異なっているうえに、3本脚ではなく2本脚ではあるが、筒状の尖った口のある頭部やジャバラ状の手(ハサミ状の両手)足、腹部から突き出た2門の銃身(ただし機銃ではなく火炎放射器であり[15]、その他にも胸元に1機の銃口を備えている)などといった特徴は踏襲されている。崖下で機能停止していた鉄人の回収作業中の警察の前に海中から現れて襲いかかったが、操縦器を手にした敷島博士が駆けつけたことで鉄人と交戦、胸から発する“強力光線[17]”を受けて損傷し海へと撤退する。また、その後の鉄人との再戦で捕獲され(第9話)、敷島博士のもとで解析・研究されていた(第10話では、その一環として行われた模擬戦で鉄人に敗れている)が、ほどなく仮面団が科学研究所を襲撃して奪回に成功している。なお、ドラマ自体が13回で打ち切りとなっているためにその顛末は描かれておらず、手に入れた鉄人とともに仮面団のアジトで科学実験に使われて火を吹いたのが最後の描写になる(第13話)。
『テレビアニメ第1作』
原作漫画と同様に、S国スパイ団の第2秘密基地を守備していたロボット隊の、3本脚ロボットとして登場する(第4話)。大きさは鉄人の4分の1ほどしかなく、集団で襲いかかったものの次々と撃破された。なお、鉄人27号が(原作漫画と異なり)このS国製ロボットによく似たデザインに変更されており(ただし、3本脚ではなく2本脚)、物語上の役割を一部代行している。詳細は後述の鉄人27号を参照。
ワンダースワン用ゲーム版[18]
特急ペガサス号を暴走させ、乗客の身代金を要求してきた犯罪者(その正体はロビー)が、管制室を占拠することに使ったロボット達の中に、外見が全く同じ3本脚ロボットが複数機存在する。正太郎が鉄人28号を託されて最初に取り組む事件であり、初の実戦相手となる。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
ネルケ率いるナチス残党が操るDX-7[19]という3本脚ロボットに姿が酷似している。外見上の違いは目にあたる部分にある穴の数(7つ)、胴体から伸びたワイヤーアンテナ、足先が歯車状になっていることなど。横笛(フルート)型操縦器を吹いて、音楽を奏でることでコントロールされる。大きさは2 - 3mほどと鉄人よりはるかに小さく、長い両腕を円形の胴体に巻き付けて横向きに転がることで高速移動する。アリスを捕まえるために集団で鉄人に襲いかかったものの、正太郎の高度な操作技術も相まって一蹴される。戦闘のみならず、アジトではバッカスの整備にも複数の機体が従事していた。

S国製ロボットB

正式名称は不明。ナイナイ島にある秘密基地に突入してきた鉄人を倒すために、急遽動かした開発中のロボット。ずんぐりとした人型体型であり、耳や鼻らしき突起があることに加え、頭頂部には短い棘が頭髪のように生えているのが特徴。開発途中だったにもかかわらず鉄人を殴り倒したり振り回したりするほどの怪力を誇るが、飛行能力を持っておらず、鉄人によって空中へと運ばれ高所から落とされて破壊された。テレビアニメ第1作でもほぼ同様である。

派生作品でのS国製ロボットB

『テレビアニメ第4作』
OPおよびED映像に登場し、鉄人の手刀を頭から受けて真っ二つにされている。本編への登場は無い。
劇場版アニメ『鉄人28号 白昼の残月
B-89という名称が設定されている[20][21]。ベラネード財団によって操られており、不発弾(廃墟弾)奪取のために3体が送り込まれる。これを阻止しようとした正太郎の操る鉄人を苦戦させるが、ショウタロウ[注釈 7]が操縦を替わったとたん1体目は首を引きちぎられたうえに投げ飛ばされ、2体目は右ストレートパンチで胴体を突き破られた後、続けて左アッパーを胴体に食らって頭上高くまで突き上げられ、3体目は2体目の後方に位置していたことから、2体目を突き破った鉄人の拳でそのまま殴り倒され、瞬く間に3体とも爆散した。設定では各機体が口の中にそれぞれ独自の武器(ドリルや火炎放射器など[注釈 8])を搭載しているとされているが、それらの武装が劇中で使用されることはなかった[20][21]

S国製恐竜ロボット

日本における活動のための人員や戦力をほぼ失ったニコポンスキーが、本国への救援要請で得た、竜脚類のような形状を持つロボット。2体登場した。 鉄人よりはるかに巨大で、様々な機能や能力を持っている反面、何人かの乗組員が搭乗し分業で動かさなければならない。機体内部はいくつかの部屋(ブロック)に区切られており、拉致した敷島博士を監禁していた部屋や脱出用のジェット機の格納庫、弾薬庫などが見受けられた。武器として口から火を噴くほか[23]、胸元に引き込み式の機銃を2門装備している[24](テレビアニメ第1作第8、10、11話)。また、外皮の剥がれた1体目の背中には2門の機銃が認められ、後方に向けて射撃する様子が描かれている[24](テレビアニメ第1作第8話)。それ以外にも、どこにあるかは不明ながら、2門の機銃からの発砲も確認できる[25]

最初は恐竜に偽装していたが、1体目は電線に接触して皮膚のような外装が焼け落ち、ロボットであることが露呈している。鉄人との初戦ではその巨体とパワーで圧倒し、さらに現れた2体目と共同で右腕と左脚を欠損させる損傷を負わせ、撤退を余儀なくさせた。その後、鉄人の修理工場に潜入していたニコポンスキーとその一味を救出するために、街を破壊しながら進撃するが、体内に拉致・監禁していた敷島博士によって弾薬庫を爆破されてしまい粉々となっている。

2体目はまだ修理中の鉄人を奪うために再び工場を襲うことに用いられるが、すんでのところで修理が完了した鉄人の、機動力を活かした空中からの攻撃に翻弄されて撤退。最後は灯台岬にあるアジトに乗り込んできた正太郎と自衛隊から逃がれるために起動されたものの、鉄人に首をもぎ取られて大破、ニコポンスキーら乗員が脱出したことで放棄された。

派生作品でのS国製恐竜ロボット

『テレビアニメ第1作』
第8 - 11話に登場。描写や扱いは概ね原作漫画どおりだが、ニコポンスキーが2体目を「恐竜第2号」と呼んでいるシーンがある(第10話)。
『ワンダースワン用ゲーム版』
南極の観測部隊が、謎の洞窟で遭遇した恐竜型ロボットとして登場[26]。実はロボット帝国建設を企むロビーが、密かに対鉄人用に用意していたS国製ロボットである。

カニロボット

沈没した貨物船「スター号」の調査を妨害するために現れたロボット。形状は巨大なカニそのもので、水中での活動能力を持つ。ハサミに仕込まれた溶切断機で鉄人を攻撃したものの、逆に鉄柱で殴打されて大破した。

戦闘に巻き込まれて破壊されたスター号の船倉からは、積み込まれていたはずの貿易用トランジスタラジオではなく大量の石が漏出。これを見た大塚署長は「廃船寸前のスター号にトランジスタラジオと偽って石ころを積み、高額の保険をかけて沈めることで保険金を詐取しようとする詐欺事件だった」という真相に辿り着き、黒幕である山田商会関係者を逮捕するに至っている。なお、作中ではロボットの名称は明かされていないが、カッパ・コミクス収録の際に「カニロボットの巻」とのサブタイトルが付けられている[27](これはもともと「沈没船のなぞ」だったもの[28][29][30][31]が改題されたものだが、「カニロボットの巻」というサブタイトルはサンデーコミックス版[32]や、同作品を元に描かれた絵本にも[33][注釈 9]継承されている)。

派生作品でのカニロボット

『テレビアニメ第4作』
第17話に登場。沈没船「㐧三黒龍丸」の積載物を狙った何者かが送り込んだロボット。正太郎が操るブラックオックスが海底の「黒龍丸」を調査中のところを襲撃し、ハサミの溶接機[34][注釈 10]で左腕を切り落としたものの返り討ちにされる。しかし、完全に機能停止していなかったために、あらためて沈没船の調査にあたっていたオックスに再度襲いかかり、組み付いて自爆。オックスを大破・機能停止にして、海底にそのまま放棄せざるを得ない状況に追い込んだ。
公式サイトの「ビックファイア博士のロボット博覧会その2」[注釈 11]でも紹介されているが「鉄人を苦しめた」という誤った解説文が記載されている[35](上述のとおり、実際にカニロボット[36]と対戦したのはブラックオックスであって、鉄人ではない)。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
鉄人と正太郎を確保したアメリカ軍の空母を、洋上で襲撃したソビエト連邦製のロボット・試作型クラープ[37](フランケン博士は大戦中に試作されていたクラープ三型ではないかと推測していた[38])として登場。作戦に投入された17機は鉄人とブラックオックスによって全滅するが、実はその目的は両機体の戦闘データ収集であった。

ギド(ギドロボット)

砂漠の国[注釈 12]の革命軍が使用する量産型ロボット兵器。革命軍のリーダーであるギドの名を与えられている(区別のためか、ギドロボットと呼ばれることもある[40])。非常に頑丈な甲羅を背負っており、前方に向かって生えた2本の突起からは熱線を放射するほか、頭部に備えた口で人間を捕獲することが可能。砂漠での戦闘に特化していて、砂嵐でも行動可能なうえに砂中をも移動できる。リーダー・ギドの命令で集団行動していたが、有人機なのか、無線操縦機なのか、あるいは自律的に行動できるロボットなのかは、判断できる描写や説明が無く不明。カブトガニのように腹部からの攻撃に弱く、それを鉄人やサターンに看破されて次々に破壊されてしまった。

派生作品でのギド

『テレビアニメ第4作』
PX団が運用する量産型ロボットとして登場。PX団員が搭乗して操縦を行う。水中航行も可能でテロ活動に使用されたが(第21、24話)、鉄人やブラックオックスには敵わず次々に撃破されていった。

ギャロン

世界征服を策謀する秘密結社ブラック団が運用する恐竜型ロボット。竜脚類のような形状をしており、体色は黒。鉄人よりも数倍は大きい巨体は、いかなる打撃も通用しない頑丈さを誇る。口内に2基の光線銃(熱線銃)を仕込んでおり、距離を取れば光線で、近づけば巨体を駆使した戦法で鉄人に苦戦を強いた。原作漫画では有人である描写が無く無線操縦と見られるが、テレビアニメ第4作などでは内部操縦型として描かれている。

巨体のためにそのままの姿では飛ぶことが難しいため、体を数十から数百の小型パーツ群に分離してそれぞれを飛行させ、目的地で再合体させることで高速長距離移動を可能とする。しかし、分解したパーツは内部構造が剥き出しとなっているため壊れやすく、また「精密なロボットほどパーツを失った影響が出るはずだろう」という敷島博士の指摘により[41]、分離した時を狙った鉄人にパーツの一部を破壊されてしまう。その結果、ブラック団の海底基地近くの海中で待機していたところ、欠損してしまった装甲からの浸水のためか異常をきたして突如大爆発を起こし、巻き添えとなった基地に大きな被害を与えることとなった。

派生作品でのギャロン

『テレビアニメ第4作』
PX団が運用するロボットとして登場。頭部にコックピットがあり、首領のベラネードら複数人が乗り込んでいる。武器は口内の火炎放射器。分裂時はロケットで飛行するが、頭部のみヘリコプターのごとくローターを出して飛行することも可能(第26話)。
初登場時は東京へ来日したベラネードを襲撃(第17話)。ベラネードこそ無事だったものの、襲撃を阻止できなかった大塚署長は退任へ追いやられた(この襲撃は後にPX団団長=ベラネードによる自作自演だったことが発覚する)。第20話ではまだら岩(第三海堡)の海底に眠るバギュームを採掘するために使われていたが、それを阻止すべく現れた鉄人&オックスのタッグと交戦。取り押さえられた隙に海堡内に設置されていた高射砲から小量のバギュームを仕込まれた砲弾を撃ち込まれて大爆発を起こし、胴体を破壊されてしまう。かろうじて脱出した頭部は、後にそのヘリコプターの機能を活かして、オックス軍団に襲われていた黒部ダムから避難する手段としても用いられたが、ダムに急向する鉄人と衝突して墜落、放棄された(第26話)。
OVAジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日
「ギャロップ」という名称で頭部パーツのみが登場。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
ソビエト連邦製のロボットとして登場。原作とは異なり脚部が首長竜のようなヒレ状になっていて水中航行が可能なほか、口から冷気を吐き出す能力があり、長崎港を一瞬で凍結させてしまった。また、戦闘時は背中にあるコックピット(「コントロールブロック」)を切り離して外部から遠隔操作を行う。ブラックオックスとの決闘で消耗した鉄人を襲撃し、加熱した鉄人のロケットを冷却・自壊させるなどして圧倒したが、アリスに託されたブラックオックスが乱入したことで形勢逆転。首をもがれて噴き出した冷却液を自らに浴びてしまい、長期戦で加熱していた装甲が自壊したうえ、分離していたコントロールブロックも吹き飛んだ破片の直撃を受けて損壊してしまう。最後は鉄人とオックス同時の鉄拳攻撃で完全に破壊された。なお、本作においては分離飛行機能は示威用に過ぎず、東京への進撃のために飛来したことですでに飛行のための燃料を使い果たしており、再分離しての脱出は叶わなかった[42]

ギルバード / ギルバート

ドラグネット博士が造り出した、鉄人よりも高性能なロボット。「ギルバート」と表記されることが多いが、初出時の名称は「ギルバード」である[注釈 13]

初出である漫画連載時では、ドラグネット博士がロビーとの交渉の結果「ロビー自身が造るものよりももっと強く、空も飛べるロボットを造って提供する代わりに、その電子頭脳を見せる」という取引のもと製作された[47][注釈 14]。完成直後に鉄人と激しい戦いを繰り広げるが、パトカーによる陽動に引っかかった隙にロビーが鉄人に破壊されてしまい、目的を失ったドラグネット博士は戦意を喪失、ギルバードとともに帰国を装って姿を消した。その後、まだ日本のどこかに潜んでいると睨んだ正太郎に、自爆したアジトの跡を捜索されて隠し部屋から発見されたときには、博士はすでにケリーに殺害されたうえに[6]ギルバートは持ち去られており、以降はケリーとジョンソンの兄弟が警察と正太郎の追跡から逃れるために利用するようになる。

後の光文社カッパ・コミクス版、および同版をベースにした秋田書店のサンデーコミックス版では「ロビーのロボット王国計画」がカットされたため、ドラグネット博士が宇宙開発目的のサイボーグ研究の失敗(=超人間ケリーの誕生)からロボット研究に切り替えて開発したのがギルバードということになっており、事件の発端も「国立科学館に展示されていたところを、ケリーによって盗み出された」という展開になっている[48][49]

鉄人やオックスを凌駕することを目的として作られており[注釈 15]、頑丈さとパワーは鉄人と同等かそれ以上。さらに鉄人以上に高速で小回りの利く飛行能力、操縦者がある程度離れていてもコントロールできる優れた遠隔操作技術、相対者と会話までできる機能を持ち、ブラックオックスに匹敵する威力の熱線砲を胸部に備えている。実際に鉄人と相対した時は実力伯仲し、正太郎の熟達した操縦技術を計算に入れてなお互角、ケリーによる至近距離での操縦という優位性も手伝って、鉄人の敗北は時間の問題と思われた。しかし、敷島博士がその場にブラックオックスを運んできたことで形勢が逆転。オックスの発する磁気によって操縦電波を乱され[51]、機能不全に陥った隙に鉄人に鎖で縛られて墜落し、オックスと至近距離で熱線を撃ち合った結果、融解して戦闘不能に陥っている。

派生作品でのギルバート

いずれの作品においても(2026年4月現在)「ギルバート」名義である。

『テレビアニメ第1作』
第26話に登場。おおむね原作漫画での初出の通りの設定・描写であったが、第27話からアニメが原作を離れたオリジナル展開となったことから、ケリーに奪われ利用されるといったエピソードはない。そのためブラックオックスと戦って倒される、という最期も描かれておらず、ロビー事件の後はドラグネット博士とともに日本を去ったきりで退場となっている[注釈 16]。なお、アニメ放映時、原作漫画ではまだ「ギルバード」のままであったが[4][52]、すでに「ギルバート」と呼ばれている。原作漫画でも「ギルバート」の名に改訂されるのは、上述のとおりずっと後になって(30年以上経って)からである[注釈 13]
『テレビアニメ第4作』
ドラグネット博士が月面開発用に造り上げた(第9話)高性能ロボット。月面開発用でありながら、高速飛行能力やパワーなどあらゆる面で鉄人を超えることを目標に開発された機体であるという[53]。背中に内蔵されたロケットエンジンで空を飛び、胸に備えた4門の発射口から放つ(岩盤を溶かすための)特殊溶解液は鉄人の装甲さえも溶かすことができる(第9話)。初対戦時の鉄人との格闘では後れを取る面も見せたが(第9話)、再戦時にはスピードとパワーで鉄人を圧倒し、左腕をもぎ取るなど一方的な戦いぶりを示した。しかし、突進してきたギルバートの勢いを利用した鉄人の首投げで、月ロケット打ち上げの噴射炎の中へ投げこまれて撃破された(第11話)。
PS2ゲーム版
ドラグネット博士の開発後、X団に奪取されたロボットとして登場。ゲーム内の台詞では鉄人よりも性能が高いことが強調されており、実際に耐久力、歩行時及び飛行時の小回りの良さなど鉄人より優れた特徴を有する。胸部からの「怪光線」や、空中回転しながら体当たりを繰り出す「きりもみ飛行」のほか、ベガのダブルニープレスに酷似した「空中キック」という必殺技を持つ[54][55][56]
劇場版アニメ『鉄人28号 白昼の残月』
廃墟弾処理用という名目でVL-2号、サターン、バッカスと共にベラネード財団によって日本へ持ち込まれたロボット。胸部から発射する溶解光線を武器とする[57]。上記の3体とともにクロロホルムの指令で正太郎を襲撃するが、その場に突如現れた鉄人と交戦。同等の機動力で空中戦を繰り広げるも、鉄人を追って急降下した際に身をかわされて建設中のビルに突っ込み、そそり立っていた鉄骨で胴体を串刺しにされて機能停止した。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
義父であるドラグネット博士の改造手術によって、サイボーグとなったケリーの動作に連動して動くロボット。ケリー自身がコントローラーであり、ケリーのもうひとつの体とも言われる[58]。その性質上、ロボット本体にコントロールシステムや電子頭脳が存在せず、当初は未完成品と思われていた。かつての枢軸国を憎悪するケリーに操られ、アリスが操縦するブラックオックスと共に東京を襲撃。ギルバートが受けたダメージはケリーにもフィードバックされるため、彼の死を望まない正太郎は攻撃を封じられて苦戦を強いられると村雨健次らに危惧された(実際には正太郎はケリーに対処するため、密かに操縦器を敷島博士に預けており、鉄人が苦戦していたのは2対1であったことに加え、操縦技術の劣る博士が操っていたためであった)。結果的に、ナチス残党・ネルケの手でケリーが射殺されたことで機能停止したが、彼が死の間際に感じた苦痛を数千回分のコマンドとして認識し、熱線を放ちながら暴走を始めてしまう。正太郎はネルケやケリーの死を目の当たりにして悲嘆に暮れていたものの、意を決した彼の操る鉄人によって撃破された。

小型〇八一五号

ペンシルロケットのような外観をした、手のひらサイズの超小型ロボット。胴体には「〇八一五」との文字が書かれている[59]。高速で自在に宙を飛び、ぶつかった対象物を高い貫通力で破壊することができる。世の中が連続ロボット強盗事件(鉄人事件)で騒然としていた頃、敷島博士の息子・鉄雄によって物置小屋に残されていた手提げ金庫の中から、弁当箱大の操縦器の窪みにセットされた状態で[60]敷島博士の日記帳とともに発見された(日記の記述によれば、ロボット研究の記念として遺したものだという)[61]。その後、これを預かった正太郎は、自宅を襲ってきたロボット・21 - 25号(ただし24号の姿だけ確認できない)を撃退するためや、その後に村雨一家に連れ去られた先での大立ち回りで使用している。しかし、その際に正太郎が負傷して意識を失っている間に村雨一家に拾われてしまい、後に27号に正太郎や大塚署長の乗ったヘリコプターが襲われているのを助けるために使われた[62]

なお、原作漫画『鉄人28号』の初の単行本である光文社のハードカバー版(ならびに大都社によるその復刻版)では、日記は鉄雄が敷島博士の書棚から見つける形に変更されており、一緒に発見されたのも〇八一五号ではなく、26号と同じ姿のロボットが描かれた図面(設計図)であった[63][64]。このため、〇八一五号は存在自体が無かったことにされている。カッパ・コミクスに至っては鉄人事件のエピソード自体が収録されていない。

派生作品での〇八一五

『テレビアニメ第4作』
劇中では正太郎が「ゼロハチイチゴ」と呼んでいた。金田博士が初めて作ったロボットであり、忘れ形見[65]。正太郎宅の地下研究所の隠し金庫の中に、バギュームに関して語られた録音機とともにしまわれていた(第18話)。ペンシルサイズの超小型ロボットであり、原作漫画同様に使用しないときは操縦器の窪みに本体を嵌めこむ形でセッティングされている[66]。鉄人と同じ操作でコントロール可能で、両手を横に広げて高速で宙を飛ぶ(原作漫画では手足らしきパーツこそ付いていたものの直立不動で、腕が稼働する描写は見られなかった)。正太郎に操縦されて、襲撃してきたニコポンスキー操るブラックオックスの左目を直撃して潰したものの、ニコポンスキーに狙撃され爆発四散してしまう(第19話)。その機体の中には「まだら岩」の位置を示す地図が隠されていた(第19話)。

サターン

内戦に陥った砂漠の国[注釈 12]の司令官・ゴムラスが、某国に発注し製作させた[要出典]戦闘用ロボット。革命軍が使うロボット「ギド」に対抗する目的で購入されたが、納入まで国王軍との戦線維持が難しかったため、正太郎と大塚署長を拉致同然に連行し[注釈 19]、鉄人にその間の代役をさせた。操縦器は大きなトランク程度の大きさで、地中探査やホーミング攻撃、[要出典]自律破壊行動[注釈 20]を行える高性能な兵器だが、製作者や製作会社などは不明[注釈 21]。鉄人よりも一回り大きいゴリラ型の体型が特徴で、口から火炎、指先から熱線を発射するほか、胸部に縦に3つ並んだ発射口から光線を放ち、さらに肩や上腕・下腕から計10本の鋭い突起を伸ばして熱線を放射する。飛行能力こそないが、砂を巻き上げて潜行する能力を持ち、地中から攻撃を仕掛けることができる。

革命軍や市民を無差別に殺戮し、これを目の当たりにして見過ごせなくなった正太郎操る鉄人と交戦。棘状の熱線砲の斉射で鉄人を撃墜したものの破壊できたのはロケット部分のみで、鉄人本体にダメージを与えることはできなかった。なおも引き続き地上で展開された鉄人との格闘戦では終始圧倒された挙句、投げ飛ばされた際に熱線砲の棘が折れ曲がったことで、発射した熱線を自らが浴びてしまい自滅した。この顛末を見た正太郎は「馬鹿だなぁ」と感想を漏らしている。

派生作品でのサターン

超電動ロボ 鉄人28号FX(テレビアニメ第3作)』
第1話の回想シーンに登場[注釈 22]。街なかで戦車部隊を相手に暴れまわるが、空中を突進してきた初代鉄人の右ストレート・パンチを受け、腹部を突き破られて爆発する。両手の5本の指先には機銃が仕込まれていた。
『テレビアニメ第4作』
第17話に登場。来日したベラネード財団一行を襲撃した謎の怪ロボット[36][注釈 23]。体から飛び出す棘の数は映像から確認できる限り8本[注釈 24]と、原作漫画よりも少ない。羽田空港にベラネードが到着した際、大塚署長をはじめとする警備陣に襲い掛かったが鉄人に阻止された。放電能力を持ち[36]、鉄人にしがみついて自爆したものの、背中のロケットしか破壊できずに終わる。
『PS2ゲーム版』
破壊と殺戮のみをプログラムされた悪魔の如きロボット[81]。X団によって都市部に送り込まれ無差別攻撃を行うが、鉄人に破壊される。必殺技として、全身から棘を生やして体当たりする「ニードルアタック」、指先からの「怪光線」、胸部からエネルギー弾を発射する「破壊エネルギー砲」、そして全方向へ光線を放射する「必殺破壊光線」を装備する[81]
劇場版アニメ『鉄人28号 白昼の残月』
全身から棘を伸ばし、丸まって高速回転による体当たりを仕掛ける能力を持つロボット。ベラネード財団のクロロホルムによる指令でVL-2号、バッカス、ギルバートと共に正太郎を襲ったが、突如現れた鉄人に妨害される。上半身から飛び出す棘の数は22本と、原作よりも増量されており、棘だらけのボールと化して鉄人に体当たり攻撃を仕掛けたものの、受け流されてバッカスに衝突させられてしまったうえ、最後は右ストレートパンチで胴体を貫通され、続く左アッパーで頭上高く突き上げられて爆散。この一連の戦闘を見た正太郎は、鉄人がショウタロウ[注釈 7]の手で操られていることに気付く。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
“土星”号と書いて「サターン」号と読む[82](ただし、作中ではもっぱら「サターン」と表記・呼称されている)。陸戦に特化したイギリスのロボット。パイプオルガン型操縦器で覆面の男らが操縦する。頭部を回転させることで地中を移動し、武器は肩からのミサイル。バッカスと対決中に乱入してきた鉄人に妨害され、頭部回転攻撃で鉄人に迫るも角を掴まれ逆に頸部を損傷。さらにバッカスを投げつけられ、双方がダメージを受けたところに鉄人の両拳を叩きつけられて大破した。

シャネル・ファイブ(ジャネル・ファイブ)のコレクション

シャネル・ファイブ(ジャネル・ファイブ)[注釈 25]が各国から盗み出したロボット群。奇巖城に「招待」された正太郎にコレクションとして披露された。人型のものや昆虫の姿を模したもの、砲弾やロケットのような形のものなど、その形状や特徴は多種多様であり、小型(等身大)のもののだけでなく人間より大型のものも大量にコレクションされていた(鉄人もシャネル・ファイブに操縦器を奪われ、一度はその1つに加えられている)。 これらのロボット達はXY3号(シャープXY3号)から遠隔操縦され、奇巖城に上陸してきた正太郎たちや沖合の警備艦を迎撃するために使われたが、鉄人に対抗することはできなかった。

劇中でシャネル・ファイブが正太郎に披露して、名称が明らかなロボットは以下の通り[85]

アンカ三号
アメリカのダイアナ博士が制作した等身大の人型ロボット。すぐに体を震わせるのが特徴。
ドラキュラ号
イギリス製の等身大ロボットで、コウモリのように羽根を閉じて逆さにぶら下がっていた。腕があるかどうかなど、人間の姿をしているかどうかはさだかでない。
くもロボット[注釈 26]
西ドイツのデルクス博士が制作した蜘蛛型ロボット。警備艦を襲って鉄人に倒されたクモの姿のロボットと似ているが、眉毛と瞳があるなど外見がやや異なるため同一機体かどうかは不明。
デスネンコ九号[注釈 27]
ソ連製の小型ロボット。球体に棘と足がついたような姿をしている。
デラックス号
ソ連製の大型ロボット戦車。戦車の旋回砲塔の代わりに球型のロボットの上半身をつけたような形状をしている。武器は両腕のはさみと、胴体の前部に備えられた[注釈 28]、2千度の熱線を放つ10ないし12連装[注釈 29]の熱線砲。
奪っていた鉄人が、正太郎の遠隔操作によって暴れ出したのを食い止めるべくシャネル・ファイブが使用するが、2千度の熱線でも鉄人を溶かすことはできず翻弄され、逆に自らの熱線で自分の腕や奇巖城内部を溶かしてしまう。最終的には鉄人に放り投げられて倒された。
ロボットくん[注釈 30]
日本の前谷惟光博士が制作した等身大の人型ロボット。『ロボット三等兵』と共通したキャラクターであり、作者によるパロディー(お遊び)として登場。当時、該当回が掲載された月刊『少年』1958年(昭和33年)12月号には、前谷惟光による『ロボットくん』が連載中であった。

派生作品でのシャネル・ファイブのコレクション

『テレビアニメ第1作』
第12、13話に登場。なお、正太郎や大塚署長が奇巖城に上陸して留守となった警備艦を襲ったロボットたちは、原作と同じくシャネル・ファイブ[注釈 25]のコレクションたちと思われるが、劇中では特に言及されていない。また、デスネンコ九号の名称が「デスネコ九号」となっていたほか、前谷惟光博士のロボット(ロボットくん)が登場しておらず、紹介されない。
第12話で「XY3号の隣にある」と紹介された「デラックス号」は原作漫画と外見が異なるが、奇巖城内で暴れまわる鉄人と対戦したロボット戦車は、ほぼ原作に準じたデザインであった(これらのことからテレビアニメ第1作においては、デラックス号とロボット戦車は異なる機体と考えることもできる)。原作での熱線砲の砲塔の数は10ないし12門に描かれているが[注釈 29]、アニメでは3門に簡略化されている。やはり2千度の熱線を放つも鉄人には通用せず、右拳の一撃で吹っ飛んで早々に撃破されている。
第13話でクモロボット[注釈 26]らしき機体が警備艦を襲い、駆け付けた鉄人に投げ飛ばされてバラバラになっているが、第12話で紹介されたシャネル・ファイブのコレクションにあったものとは若干外見が異なるため[注釈 31]、同一機体かどうかはさだかでない。

人造人間モンスター

不乱拳博士が長年の研究の末に生み出した[注釈 32]、死人の体と機械で構成されたサイボーグ[注釈 33]。正確な名称は不明だが、不乱拳博士は「モンスター」と呼んでいた。「フランケンシュタインの怪物」がモチーフである鉄人の敵として、フランケンシュタインの怪物そのものを持ち込んだ形になっている。

特殊な超軽量の金属でできた人工心臓[90]を、死人の体に埋め込むことで蘇った人造人間で[91]、怪力と異常なタフネスが武器だが、殺人犯の脳を使用したために粗悪で凶暴になってしまったらしい。言葉も「アウアウ」としか発せないが、事態への順応力は高く、意外な知恵を発揮したり愛嬌のある仕草を見せたりもした。また、不乱拳博士はモンスターの片言を理解できていた[92]

知能の低さを問題視した不乱拳博士は脳を科学者のものに入れ替えようと考え、敷島博士を狙ったため、正太郎及び鉄人と敵対する。当初は博士にも反抗的であったが、じきに命令に忠実になり、時に献身的ともいえる働きで博士に付き従った。そのためかいつしか博士もモンスターを頼りにし、愛着らしきものを抱くようになっていたらしく、サスペンス一味に射殺されたときはその死を嘆き、傷の癒えぬ体で戦わせてしまったことを悔い、復讐を誓う様子すら見せていた[注釈 34](テレビアニメ第1作第17話)。

とはいえ、埋め込まれた人工心臓さえ修理できれば何度でも蘇るため[94]、不乱拳博士の手によってほどなく復活を果たしている。そのあまりにも優れていると同時に恐ろしい発明に、博士の死後、この技術を解析した敷島博士は感嘆したが、研究資料などの細かい記録がなく、完全に理解するには至らなかった[91](テレビアニメ第1作第20話)。やがて研究記録は黒覆面の某国スパイ団[注釈 35]の手に渡り、不乱拳博士自身の蘇生に用いられることになる。

復活後も不乱拳博士に従い、最期は博士とともに警官隊に追い詰められた挙句、銃弾を無数に浴びて人工心臓を壊され死亡し、物語から退場している[98]

なお、カッパ・コミクス(サンデーコミックス)のヴァージョンではバッカス編がまるまるカットされていることから、スリル・サスペンスと子分たちに射殺された後は復活することなく、不乱拳博士が仕掛けたバッカスの自爆による海底研究所の大爆発後、警察による“まだら岩”海域の捜索で死体が発見されてそのまま退場となっている[99][100]

派生作品での人造人間モンスター

『テレビアニメ第1作』
おおむね連載時の原作漫画と同様に描かれており、その最期も(カッパ・コミクス版ではなく[注釈 36])警官隊による一斉射撃によって人工心臓を壊される形になっている(第20話)。
『テレビアニメ第4作』
第3 - 5話に登場。原作と異なり、死人に機械を組み込んだサイボーグというよりは、生体工学で生み出された人造生命体のように描かれている。戦時中「鉄人第弐計画」として、不乱拳博士が自身の息子・義久の死体から造り出した人造人間。見た目は一般的なイメージの「フランケンシュタインの怪物」のような巨躯をしており、捕えようとした鉄人の握り手を押し広げて脱出してしまうほどの怪力の持ち主である(第4、5話)。なお、理由は語られていないが、言葉を喋ることはできないらしく、うめき声や唸り声、叫び声などを上げるのみであった。
鉄人の暴走によって破壊された東京の瓦礫を片付ける作業中、突然の爆発とともに露出した地下の研究施設から発見された「緑色の水槽」の中に眠っていた。水槽は警視庁に保管されていたが、ブラックオックスと鉄人の戦闘に巻き込まれて[注釈 37]水槽が破損して復活を遂げることとなる。たまたま留置場に捕まっていてその場に居合わせた村雨健次が連れて逃げ去り、成り行きから面倒を見ることになって行動を共にした。その後、村雨の尽力もあって父・不乱拳博士との再会を果たしたものの、人間が死人から生命を創るという神をも恐れぬ所業を悔いていた博士は[注釈 38]、モンスターに自分を殺すよう命令を植え付け、同時にモンスターにしてしまった息子を自らの手で葬ろうと考えていた。結果、モンスターは自らの意に反して博士に致命傷を与えてしまい、同時に博士が隠し持っていた拳銃で頭部を撃ち抜かれて死亡。遺された肉体は崩壊し、緑色の液体となって消えた。

鉄人26号

原作漫画では「ロボット26号」と名乗りこそすれ[101]、「鉄人26号」と呼ばれたことは無い(これは1-25号や27号も同様である)。そのため派生作を含め、名称に鉄人を付けず単に「26号」とする資料も見られる[65][102]

第二次世界大戦末期に軍の命令によって、敷島博士ら科学者が乗鞍岳の秘密研究所で開発していた、等身大ロボット兵器の26番目の機体[注釈 39]

研究所で開発されたロボットのうち1号から26号までは、バケツをひっくり返したような円筒形の胴体に蛇腹状の手足が付いているという共通のデザインをしており[注釈 40]、頭部が弱く、小銃弾を目に撃ち込まれれば動作が停止してしまうという同じ欠陥も持っていた。このため27号からはデザインや設計が一新され、26号が実用化されることは無かった。

終戦から10年後[注釈 44]、“覆面の科学者”による28号製作資金の調達のためにロボット強盗として運用され、鉄人の設計者である敷島博士の邸宅にも押し入って[注釈 45]、金品を強奪する際にその父親を殺害している。操縦は音声入力で行われている模様で、両眼から電撃のような怪光線を発射する能力もあり[116]、当時の通常兵器に比べればはるかに高性能なロボットである。さらに連載時には「お前は何だ」と問われて、自らを「ロボット26号ダ」と名乗るなど会話能力まで披露していたが[117]、単行本化の際にはフキダシの写植が「キリキリキリキリ」という作動音に差し替えられている[118][105]

なお、劇中では敷島邸を襲撃したロボット26号のほかに21、22、23、25号の稼働する姿が確認できる。正太郎宅にもこの4体が襲撃に現れているが[注釈 40]、正太郎の操る〇八一五号によって、弱点である頭部を撃ち抜かれて返り討ちに遭っている[注釈 46](26号は正太郎宅の襲撃に姿が確認できないこともあり、作中で破壊される描写の無いまま出番を終えている)。26号までのロボットは戦時中に開発されたものの実用には至っていないため、これらは“覆面の科学者”が戦後に改修、もしくはあらためて乗鞍岳で27号や28号とともに再製作された可能性が考えられる[注釈 47][注釈 49]

派生作品での鉄人26号

『実写版テレビドラマ』
三角錐の頭に細長い円筒形の胴体という鉛筆のようなフォルムに、蛇腹状の腕がついた姿をしている。旧日本軍のロボット軍隊建造計画の一環として、1-25号までの失敗を教訓に、“法師が岳”の秘密研究所で敷島博士を初めとする科学陣が設計開発するも、完成直後の耐弾試験で大破した。
劇中での呼称は「26号」であって、「鉄人26号」とは呼ばれていない[注釈 50]
『超電動ロボ 鉄人28号FX(テレビアニメ第3作)』
本来の鉄人26号ではなく、新鉄人シリーズの1機として「鉄人26号ジャンボ」が登場。詳細は超電動ロボ 鉄人28号FX#新・鉄人シリーズ一覧を参照。
『テレビアニメ第4作』
旧日本軍最後の反攻策として、敵国の本土に直接巨大砲弾で複数送り込まれて暴れる、無線操縦のロボット(大きさは鉄人サイズ)が構想された。しかし、実際には製作に至らなかったため、イメージ画像として語られるだけの存在である(第2話)。
なお、敷島博士が製作した鉄人の試作機が敷島重工の地下に隠されており[注釈 51]、大群でファイアIII世の外装を引き剥がすために取り付き、自爆して装甲を破壊することに成功している(第24話)。連載時の原作漫画では「1号から26号までは同じデザイン」とされているが[注釈 40]、それぞれ異なった姿をしたこれらの鉄人のプロトタイプ[123]が、鉄人3号、6号、12号にあたるのかは明言されておらず(劇中では敷島博士に「27号を造る前に設計した"鉄人"たち」と言われているものの)、詳細は不明。
鉄人奪還作戦
PX団が秘密裏に完成させた対人ロボットとして登場。原作と異なり脚部がなく、胴体下のローラーによって移動する。ワイヤー状の腕部から電撃を放つ。そのデザインから原作者曰く「ソース瓶」。

鉄人27号

原作漫画では「27号」[110]もしくは「大型27号[122]と呼ばれこそすれ、「鉄人27号」の名称が出てきたことは無い(これは1-26号も同様である)。そのため名称に鉄人を付けず、単に「27号」とする資料や派生作も多い[65][102][124][125][126]

旧日本軍が開発していた軍事用ロボットの27番目の機体[注釈 39]。人間の模倣という人型ロボットならではの設計で、顔の造型も人間を模している。

戦時中に試作された27号は、26号までとはデザインや設計を一新した結果、一定の水準にまでは達したものの、敷島博士を始めとする開発陣は満足できず、それまでの集大成として新たに28号が開発されることになったのだが、戦後に“覆面の科学者”に操られて暴れまわった27号は[注釈 47]、戦車砲の効かない装甲、数10トンもある鉄人28号を軽々投げ飛ばす怪力、目くらましの発光機能など、通常兵器に比べて凄まじい性能を発揮し、自衛隊では歯が立たないほどであった(覆面の科学者によって、戦後に改良が施されていたのかどうかは定かでない[注釈 49])。しかしその後、乗鞍岳の秘密研究所にて、起動直後に暴走を始めた28号を取り押さえるために挑むも敵わず、格闘の末に投げ飛ばされて破損し、機能停止に至っている。

連載当初(第4回目まで)は、このロボットが鉄人28号と目されていた。 もともと昭和31年6月号に掲載された予告編の扉絵および、連載第1回(7月号の別冊ふろく)の表紙も、この27号の姿をしたロボットが飾っている[119]。さらに第1回で敷島博士が戦時中、製作していた28号もこの姿であった[127][注釈 52]。作者の横山光輝は「予告編までは、この27号が28号を演じる予定だったが、あまりにも人間的な顔付きなので変更することにした」という[要出典]。なお、第1回の表紙に描かれたこのロボットの胸には27の数字が付けられており[119][120][121]、“このロボットは27号であって、28号ではない”ことを示唆している。

派生作品での鉄人27号

『実写版テレビドラマ』
26号までの失敗を教訓に、敷島博士を初めとする科学陣が設計開発。原作の27号の面影がかろうじて感じられる人間然とした顔に、逆三角形のずんぐりした胴体を持つ。蛇腹状の両腕・両足は異様に細長い。こちらも完成直後の耐久テストで大破し、以後建造されなかった。
劇中での呼称は「27号」であって、「鉄人27号」とは呼ばれていない[注釈 50]
『テレビアニメ第1作』
原作漫画とは全く異なる外見をしたロボットで、首の無いずんぐりした体に多関節のジャバラ状の腕と2本の脚を持ち、腕の先端には鋏を備えている。その姿は原作漫画に登場する3本脚のS国怪ロボット[129]によく似ており、実際にまったく同じ役回りで描かれているシーンもある[注釈 53]。三角岳の秘密研究所に保管されていたが、鉄人28号を狙って現れたPX団を排除するために、“白覆面の男[注釈 54]”によって操られた。しかし、これに対抗してPX団により起動された28号の敵ではなく、格闘戦で圧倒されたうえに、壁に投げつけられて倒された(第1話)。その後、海中に沈んでいた28号を奪取するために、PX団と組んだ白覆面に操られて再度登場。落雷を受けて復活した28号と戦いとなるが、やはり敵わず[注釈 55]煙幕を吐いて海へと撤退している(第2話)[注釈 53]。以後、第2話でのPX団の退場とともに白覆面も27号も登場しなくなるが、2年後になって突如再登場する[注釈 56](第94話)。PX団と関係のあったゴールドウルフに、一人娘を盾に脅された黒沼博士[注釈 57]が操ったと見られる27号が、三たび28号に襲いかかるがやはり投げ飛ばされて湖に沈んでしまう。明確に破壊された描写こそ無いものの、これ以降は登場しない。
当初は「27号」としか呼ばれていなかったが(第1、2話)、物語終盤で再登場した際には「鉄人27号」と呼ばれている(第94、95話)。
『超電動ロボ 鉄人28号FX(テレビアニメ第3作)』
本来の鉄人27号ではなく、新鉄人シリーズの1機として「鉄人27号サキガケ」が登場。詳細は超電動ロボ 鉄人28号FX#新・鉄人シリーズ一覧を参照。
『テレビアニメ第4作』
第1、2話に登場。敷島博士が日本に帰国してから造り上げ、起動実験を行っていた27番目の鉄人[注釈 58]。操縦は敷島重工に設置された大型操縦装置から行う。しかし、なかなか起動に成功しなかったことから、28号と同じリモート回路(リモートコントロール回路28)の使用に踏み切ったせいで操縦電波が遥か南方にまで届き、放置されていた28号を東京に呼び寄せ暴走させてしまう。28号の出現後はこれを止めるべく、初起動から間もないうちに実戦投入される。強力なダブルチョップでダウンを奪う、纏っていた布で28号の目を覆い隠した隙に鉄骨を使って殴打するなど、懸命に攻撃を試みたがその性能差は大きく、パンチで頭部を破壊された後、空中へ連れ去られたうえに抱え上げられ、腰に28号の頭を押し当てられて胴体をへし折られ爆発四散してしまった。だが、この顛末を見た敷島博士が27号の敗北を悲しむことはなく、むしろ28号の性能を称えて恍惚とする姿を見せている。
『PS2ゲーム版』
28号ともども敷島重工で保管されていたが、X団に奪取されて正太郎の操る28号と交戦する。飛行能力はなく、耐久力・攻撃力・必殺技のバリエーションなどあらゆる点で鉄人よりも劣る。1機目が鉄人に撃破されたのち、X団によって「鉄人軍団」として量産されたが、28号と敷島博士が操るブラックオックスの活躍で全滅した。必殺技はテレビアニメ第4作と同様のダブルチョップを放つ「必殺チョップ」[124][130]
なお、本ゲームでは「27号」とされ、「鉄人27号」という呼称は使われていない[124][130]が、量産された27号たちは「鉄人軍団」と呼ばれている[131]
『鉄人奪還作戦』
PX団が戦前の鉄人計画を元に構想した「21世紀の鉄人計画」を担いうる技術者を拉致し完成させたレプリカとして登場。オリジナルの27号は未完成のまま旧陸軍の地下施設と共に打ち捨てられている。暴れ回るレプリカの27号を正太郎は「鋼鉄の悪魔」と評した。レプリカは最終的に28号との激闘の末破壊される。

鉄人28号

電気アカエイ

全長15メートル近くもある[132]空飛ぶアカエイ[注釈 59]。不乱拳博士が人造人間研究の過程で生み出した一種のサイボーグだが[90]、博士にとっては失敗作だったらしい[135](テレビアニメ第1作第15話)。

奇巖城周辺に出没するが時間帯によってはいなくなっており[注釈 60]、本来はまだら岩の近海に生息している。不乱拳博士の持つ笛によってある程度操ることができる[135][注釈 61]。体から強力な磁気を発して精密機械や電波を撹乱してしまうため、アカエイが現れると機械の計器が狂ったり、鉄人が暴走したりする。どのような原理かは不明だが空を飛ぶことができ[133]、群れを成して行動することや、地上の人間を襲う時もあった[138]。熱に弱いという弱点があり、火炎放射攻撃で撃退できる[138][注釈 62][注釈 63]

物語では突如、正太郎宅に出現したものの何の目的で生息地を遠く離れて現れたのか、操られているとしたら誰の手によってなのかなど、いっさいが不明(この騒ぎに乗じてシャネル・ファイブがメッセージを残しているが、アカエイが彼のコントロール下にあったのかどうかも判然としない[注釈 61])。その後、奇巖城を偵察に訪れたジェット機に対し「すこし驚かしてやるか」とアカエイをけしかけたかのようなセリフを発していたり[142]、奇巖城の海底に大量のアカエイを棲まわせているかのような描写がある[注釈 64]など、シャネル・ファイブが操っていたことを窺わせるが、一方でアカエイの生態や行動について関知していないと思わせる描写もある[145][137]。もしアカエイの製作者である不乱拳博士が奇巖城に差し向けていたのだとすれば、両者に何らかの繋がりがあったのかどうか[注釈 66]、結局は最後まで明確にはならなかった。

奇巖城が攻略された後は、脱獄したモンスターとスリル・サスペンスを警官隊から救うため、不乱拳博士によって街なかに大群が送り込まれている[135][138](テレビアニメ第1作第15話)。さらに不乱拳博士とモンスター、スリル・サスペンスの乗ったボートを追ってきた戦闘機隊に集団で襲いかかるが、ナパーム弾を使ったN作戦によって海中に戻れなくなったところを、機銃掃射やミサイル攻撃を受けて全滅している[147](テレビアニメ第1作第15話)。

単行本によっては[要文献特定詳細情報]不乱拳博士に操られるシーンもなく、空に飛び去って登場しなくなる場合があり、存在が曖昧になっていた。

なお、ロボットである“アカエイ号[148]も存在する。電気アカエイよりもはるかに大きいとのことであったが[149]、こちらは空も飛べず、磁気障害なども起こさない[150]。不乱拳博士が黒い球体の潜水艦[注釈 67]から完全コントロールで動かしていた。まだら岩に取り残されていた正太郎と大塚署長の救助をさんざん妨害していたが、黒い潜水艦を守ろうとしたところ、鉄人に尻尾を掴まれて地上に引きずり上げられてしまい、岩に投げつけられて破壊された。

ドラグネットが製作したロボット

作中に名称は登場しないが、ワークショップキャストからフィギュア商品化する際に、光プロダクションの了承を得て“ドラグネットロボット”と名付けられている[152]

上半身を白くしたブラックオックスのような姿をしたロボットで、ドラグネット博士が鉄人からロビーを守るため急遽、本国の研究所から呼び寄せた[153]。遠隔操作型で、ギルバードと同じく飛行装置を内部に組み込んでいる。胸部からは催眠ガスを発し、正太郎たちを昏倒させた。特に対鉄人用に造られていた訳ではないと考えられるが、すでに鉄人と互角に戦える能力を備えており、ロビーに対するドラグネット博士の技術のデモンストレーションとして一役買ったが、博士にとってはその場しのぎで手配した安物に過ぎず[153]、その後は登場しない。

なお、テレビアニメ第1作における同様のシチュエーションを描いたシーンでは、アニメオリジナルのこうもり型ロボット[注釈 68]に差し替えられている。

偽鉄人28号

ニコポンスキーが失敗した後に日本に来たS国スパイ団の第2陣が、鉄人28号を手に入れるために製作した、外見を似せただけのロボット。操縦器ごと本物の28号とすり替えられ、正太郎でも動かしてみて操縦の正確性に違和感を覚えるまで判らなかったほど、精巧に似せて造られている。敷島博士提案の「ぶつければ判る」というかなり乱暴な判別法により、本物の28号と空中で正面から全力で激突して粉々に爆散した[154]

なお、本物と偽物の背中のロケットは同じS国製であるものの性能差があるらしく[注釈 70]、正太郎によると偽物は飛行中の旋回半径が大きすぎるという[160]

派生作品での偽鉄人28号

『テレビアニメ第1作』
第70話でギャング連合のボス・ワルガンが鉄人の内部構造をウルトラレントゲンで撮影して解析し、ズール博士に依頼して造り上げた複製。ただし、特殊塗料が再現できなかったため、外装が白く塗装されていることが特徴。本物の鉄人と真っ向から対決し善戦したものの、空中戦で左腕・右脚を失った挙句にロケット部も叩き落とされ、最後は胴体を突き破られて爆発四散した。続く第71話ではワルガンが内部構造写真を軍事独裁国家・カロリアに持ち込み、偽鉄人を量産して鉄人部隊を結成する[注釈 71]。先の偽鉄人と同じく外見は白い機体であるが、胴体中央に大きく“K”のマークが付けられている。大挙して迫る鉄人部隊に対して正太郎は端から1機ずつ叩き落としていく戦法で立ち向かうが、やがて無数の偽鉄人に組み付かれた鉄人は地上へ落下し、戦闘不能に陥ってしまう。しかし、捕虜になっていた村雨健次が隙を見て脱出し、偽鉄人の操縦機を奪取して同士討ちに追いやると同時に、内部構造写真を焼却。鉄人軍団は全滅し、製造工場もオリジナルの鉄人によって破壊されたことでワルガンとカロリア国の野望は断たれる。
第81話ではS国副総理ネルロンが、母国の政権転覆のための資金集めに日本で連続爆弾脅迫事件を起こし、その際に白部ダムを爆破して鉄人を埋めて行動不能にしたが、実はそれは「偽物事件」の時に撃破した偽鉄人を修理して、敷島博士の工場で保管していたものを使った替え玉であった[注釈 72]と明かされている。
『テレビアニメ第2作(太陽の使者 鉄人28号)』
盗撮して手に入れた鉄人28号の設計図をもとに造られた偽物“サム”(第12、13話)と、スペースロボが鉄人を倒す特訓のために造られた、外見がそっくりの偽物(第48話)が登場する。詳細は太陽の使者 鉄人28号#敵対勢力を参照。
『超電動ロボ 鉄人28号FX(テレビアニメ第3作)』
厳密には“鉄人28号FX”の偽物(第12話)。詳細は超電動ロボ 鉄人28号FX#各話リスト該当話数の注釈を参照。
『ワンダースワン用ゲーム版』
敷島博士が正太郎(プレイヤー)の操縦練習のために造った複製版鉄人28号[26]。とはいえ、オリジナルよりも性能はかなり劣るらしい[26]。カロリア国とは何ら関係ないにもかかわらず、「カロリア鉄人」と名付けられており、胴体中央にも“K”のマークのエンブレムが付いているが、機体色は白くない[26]
『PS2ゲーム版』
X団がカロリア国で量産した4体のニセ鉄人28号と交戦するステージ、「最強! 最後の鉄人軍団」が隠しモードに存在する。このニセ鉄人は見た目こそ本物と同じだが(テレビアニメ第1作に登場したものと異なり胴体にKマークが無く、機体もオリジナルとまったく同じカラーリングで白くない)、プレイヤーが操作する鉄人とは異なり、パワーゲージの蓄積を必要とせず無制限に必殺技を使用できるため、凄まじい戦闘能力を誇る。

バッカス

不乱拳博士が造り出した高性能ロボット。鉄人と正太郎に煮え湯を飲まされた博士が鉄人を倒す目的で製作を決意したが[148]、成り行きで不乱拳と同行していたスリル・サスペンスが自分の子分を隠れ家の海底研究所に引き入れて以後、サスペンス一味が博士に突貫での製作を強要し自らの手中に収めた。

これらスリル・サスペンスがバッカスを手に入れるくだりは、カッパ・コミクス収録の際に“不乱拳博士が仕掛けたトラップのため、起動直後に自爆してしまう”という形に改訂され[161][162]、バッカス事件のエピソードはまるまるカットされた。この展開は秋田書店サンデーコミックスにも継承され[163][164]、長らく動いて戦うバッカスの物語を容易に読むことができない状態が続いたが、大都社から1979年に出版された復刻版を経て[165][166]、1996年から1997年にかけて刊行された光文社文庫版[167][168]、2005年から2007年にかけて刊行された潮出版社の原作完全版[169][170][171]などにおいて、月刊『少年』に連載された当時の構成の物語に復刻あるいは復元されている。

バッカスは、鉄人の物語において初めて登場した「鉄人を倒すために作られた強力なロボット」であり、装備こそ鉄人に準拠するものの各個の能力が上回っていたため、[要出典]鉄人は苦戦を強いられることになった。口から火炎放射(熱線[172])を放つなど、対人兵器も内蔵しているが、基本的な能力は鉄人と同等かそれ以上で、鉄人に匹敵する強力な飛行装置を背部に内蔵したスマートな設計がなされている。また、腕時計型の小型操縦器を目の当たりにした正太郎(テレビアニメ第1作第19話)や大塚署長が、その造りに感心する[173]など、先進的な技術が窺える。サスペンス一味の手に落ちたバッカスはその能力を遺憾なく発揮し、鉄人との初対戦では左腕と背部のロケットエンジンをもぎとって墜落させ完勝[注釈 73]、その後は数々の犯罪に利用される。しかし、不乱拳博士は自らの生み出したロボットがサスペンスに好き勝手に使われることが許せず[注釈 34]、より強力で優れた据置型の操縦装置[注釈 74]を造ってバッカスをサスペンス一味から奪い返す[175]。その後、博士が正太郎達に追いつめられた時の戦闘では、転んだ拍子に腕時計型操縦器が壊れてバッカスが暴走してしまい、生みの親である不乱拳博士をその手に掛けた挙句、鉄人に空中で正面から激突されて爆発四散した。鉄人には熱線攻撃が通用しなかったこととも合わせて[176][177]、ボディ(装甲)の頑強さにおいては一歩劣っていたようである。

派生作品でのバッカス

『テレビアニメ第4作』
第6 - 8話に登場する、アメリカが製作したロボット第1号[178]。日本のロボット技術を見学するという名目で来日した、米ロボット視察団の団長・スペンサー[179]大佐が率いる技術班によって、密かに日本で実用テストが行われ、その一環として貨物列車を脱線させたりしていた(元ネタは松川事件)。アメリカは日本に比べるとロボット開発技術で遅れており、技術力の差はバッカスにも顕著に現れている。少なくとも馬力や装甲に関しては鉄人やオックスと同等であるが[要出典]、操縦電波の有効範囲が数百メートル程度しかなく、少しでも操縦器から離れると暴走するか機能停止してしまう。また操縦器も鉄人のものよりはるかに大きく、操縦施設に近い大きさで、5 - 6人がかりで制御する。主な武装は口に内蔵された火炎放射器で、暴走した際には東京沿岸部を火の海にした上、自らの母艦や[要出典]スペンサー大佐らまで操縦施設ごと焼き払った。最後は鉄人に遥か高空から宙に放たれて落下中に、急降下体当たりで胴体に風穴を開けられ爆散する。
なお、原作最大の特徴であった飛行能力はない。
『PS2ゲーム版』
不乱拳博士によってブラックオックス以前に開発されていたロボット。博士を殺害して海底基地を奪取したX団に悪用された。鉄人に比べ耐久力はやや低めだが、その分機動力はやや優る。必殺技は口からの「熱線[注釈 75]」、竜巻旋風脚に酷似した「スピンキック[注釈 76]」、「急降下」しての体当たり[注釈 77]の3種[54][180]。その他にストレートパンチである「アイアンストレート」や、飛び上がって回転しながらの「ロケットアッパー」などの技を使う。後にX団の手で量産もなされたが、飛行能力がオミットされている[180]
劇場版アニメ『鉄人28号 白昼の残月』
廃墟弾処理用という名目でサターン、ギルバート、VL-2号と共にベラネード財団によって日本へ持ち込まれたロボット。クロロホルムの指令で上記の3体とともに正太郎を襲うが、何者かに操られて突如現れた鉄人に妨害され戦闘となる。口からの火炎放射を鉄人の背後から浴びせたが、連携して攻撃をかけたサターンの回転体当たりを躱した鉄人に、お互いをぶつけられてしまう。さらに、ただ1機残された後も鉄人と空中戦を繰り広げたものの、四肢をもぎ取られた挙句、頭部を引き千切られて大破した。また、DVD版のパッケージにも鉄人に殴られ上半身が破損したバッカスが描かれている。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
“酒の神”号と書いて「バッカス」号と読む[181](ただし、作中ではもっぱら「バッカス」と呼ばれている)。少女楽団を装い日本に入国したナチス残党が操るドイツ製ロボット。フランケン博士[注釈 78]がアメリカに亡命する以前にドイツで設計していたもので[182]コントラバス型操縦器によって操縦される。日本に運び込む際には、分解された部品を演奏に必要な機材と偽り、楽団の舞台裏で組み立てられた。ジェット推進機により空中を自在に飛行し、スピードを活かした戦法を仕掛ける。武器は口から放つミサイルと機銃。イギリスのサターンと対決するが、鉄人によりサターンに投げつけられ、諸共破壊された。
『鉄人奪還作戦』
PX団のロボットとして登場。

ビッグ・ファイア二世 / ファイア二世

初登場時などで「ビッグ・ファイア二世」と呼ばれているため[183][184]、これを正式名としている資料もある[185]

ビッグ・ファイア[注釈 79]博士が、ベラネード財団がダム建設にロボットを使用することを知り、売り込み目的で用意したロボット。そのため土木作業に長じ、コンクリート精製や工作の機能などを有する[186]一方で、極めて高い戦闘力を秘め、両手の5本の指先から熱線を放ち[187]、格闘でも鉄人に引けを取らない。全身から高熱を発する機能も持っており、雪に埋もれて閉じ込められた際の脱出に使用している[188]。また、煙幕に覆われた際には口から強い息を吐いて、これを吹き飛ばしている[189]

音声による指示に従って動くものの、博士の自慢である「知能回路」による自己学習能力を持つため、独自の判断で自律的に活動することができるばかりか[190]、高い自尊心や感情を持っているような描写すらある[注釈 80]

また、ファイア二世自体の能力ではないが、索敵及び偵察・攻撃[注釈 81]を担う複数の鳥型メカ[注釈 82]を肩(もしくは背中)に留まらせて従えており、必要に応じて支援をさせている[注釈 83]

これまでのロボット達と一線を画すのは、商業目的で量産化を前提とした商品であるという点にある。売り込み目的でパガオニア国で開かれていた国際ロボット見本市[注釈 17]に赴き、視察に訪れていたベラネード財団にその優秀性をアピールするため、ホワイト・バッファロー山への登山レースを強引に行って、最も早く帰還したロボットとして大量の発注を取りつけようと企てた。そのために、人目及ばぬ山中でライバルである参加ロボットを次々と破壊するが、機体の帰還が遅いことからレースの安全を危ぶんだ参加者たちが正太郎に協力を求めたことから、調査目的で現場に飛来した鉄人と戦うことになる。遠隔地のために自動で動く鉄人に対し、自己判断で活動するファイア二世は終始優位に立っていたが、激しい戦闘で脆くなった氷雪から谷底へ落下し自滅。事態を鳥メカから聞いて密かに現場に駆けつけた博士により、機密保持のために爆破処理された。

博士自身の名前に「二世」をつけた名が示す通り、ビッグ・ファイア博士は自らが製作したファイア二世に強いプライドを抱いており、二世を自らの手で爆破することになったのは鉄人のせいだと逆恨みをし、復讐を誓っている。

派生作品でのファイア二世

『テレビアニメ第4作』
ブラックオックスの設計図を元にビッグファイア[注釈 79]博士が、改造・製作したロボット[注釈 84]。初登場の第21話では日本国内で機械製作工場を破壊して回っていたPX団のロボットとして、外装を外した状態で街の工場を襲い、鉄人と戦っている(この時は正太郎の冷静さを欠いた操縦もあって鉄人は惨敗・撤退するハメになっており、工場地帯も爆弾で焼け野原にされている)。その正体を隠したまま外装を取り付け“ファイアII世[注釈 85]としてロボット見本市に現れた後は、黒部ダム建設に採用するロボットの選考レース(「黒部峡谷登山レース」)に参加する。土木作業用ロボットとの触れ込みだったが実は戦闘用であり[80]、レースにおいては人目のない山中で密かに他の参加ロボットを全て破壊してしまうが、その場にニコポンスキーの操縦するブラックオックスが乱入(第22話)。オックスを熟知したニコポンスキーにとって、その改造機であるファイアII世の弱点を突くことは容易く、一方的に叩きのめされた挙句に装甲を全て剥ぎ取られてしまった。皮肉にも、遅れて駆け付けた鉄人(正太郎)にもそのためにファイアII世とはバレず、工場を襲ったPX団のロボットとして捕獲されて敷島重工まで運ばれてしまうが、からくも鉄人の手から逃れて姿をくらましていたわずかな間に、装甲を新たに付け直されて別機体の“ファイアIII世[注釈 86]として現れる[注釈 87]。(以上、第22話)
原作漫画同様に鳥型の支援メカ[注釈 82]を従え、必要に応じて使役する。
『PS2ゲーム版』
鉄人を倒して名声を得ようとするビッグファイア博士が、X団の資金援助を得て開発したロボット。表記は「ファイアII世」である[注釈 85]。飛行能力はないものの、登場ロボット中トップクラスのジャンプ力を誇る。必殺技は指先から放つ「熱光線」、肩に止まっている鳥型ロボット[注釈 82]が光弾を発射する「バードアタック」、両者を同時に使用する「一斉攻撃」の三つ。鳥型ロボットの光弾には敵ロボットを硬直させると同時にパワーゲージを低下させる効果があり、使い方次第では相手を一方的に攻撃し続けることが可能。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
フランスのグラン・フランム(ビッグ・ファイアの仏語読み)教授が開発したロボット。正しくは「“炎”II世フランム・ドゥジェーム(ファイアII世の仏語読み)」という名で、教授は英語で呼ばれることを嫌い、さらに「息子」と呼んで愛情を注いでいる。操縦器は食卓型。人型ロボットであるが格闘能力は無く、鳥型ロボットによって相手の位置を把握し、両手指に内蔵した大砲による長距離砲撃で敵ロボットを破壊、もしくは操縦者を殺傷することを前提に設計されている。また、不意打ちに備えて全身が軟質素材で覆われており、鉄人のパンチを受けても殆どダメージを受けなかった。
鉄人との戦闘では正太郎を砲撃して重傷を負わせたが、「鉄人のロケットを取り外して囮にし、その隙に雪中を潜行して奇襲させる」という奇策に騙されて取り逃してしまう。その直後に現れたフランケン博士から“炎”II世の砲撃では鉄人の装甲を抜けない」と指摘された上、電子頭脳による自律判断力と操縦電波を妨害する「電磁波発生装置[201]」を持つブラックオックスには砲撃を当てることもできず、首や左腕を引きちぎられて行動不能に陥ったところに熱線を撃ち込まれて破壊された。

ファイア三世

ファイア二世と同様に、正式名を“ビッグ・ファイア三世”と解釈をしている資料もあるが[185]、こちらは作中でそのように呼ばれたことは無い。

ホワイト・バッファロー山での登山レースの後、ビッグ・ファイア博士が作ったファイア二世の後継ロボット。二世同様、ベラネード財団への売り込み目的で作られた。パワーと装甲を重視している面は鉄人と似通っており、起動した際の動作も鉄人と同じ。角からはロボットの機能を狂わす妨害電波、ヘソからは煙幕や催眠ガスを発射する機能のほか、二世と同じく両手の5本の指先から熱線を放つ武装が施されている[202]。なお、鳥型ロボットとの連携は描かれておらず、その連動機能が無いのかどうかは不明。

ファイア二世と同じく、知能回路による高度な学習能力を有した自律ロボットではあるが[203]、きちんと教え込まないと誤った判断で行動する危険も孕んでいる。当初はフレームや内部の機械が露出した未完成状態でライバル会社の工場を襲撃、爆弾を仕掛けて破壊するというテロ活動に使用されていたが、知能回路をリセットしなかったために「工場は破壊するもの」と学習していた三世が自社工場を破壊しかけるという事態を引き起こし、ベラネード財団に売り込む際には知能回路がリセットされ外装が増設された。この外装は二世以上の高い防御力をもたらしているが[204]、それ以上に捜査陣へのカモフラージュとして機能したため、正太郎達は自己顕示欲が強いビッグ・ファイアの性格を利用し、鉄人とファイア三世の決闘を提案することで装甲を引き剥がす機会を作ろうとした。

鉄人の能力を研究したビッグ・ファイア博士が二世の機能をさらにパワーアップしたロボットであるため、戦闘においてはあらゆる面で鉄人を圧倒した。靴底に隠せる超小型操縦器に[205]、鉄人以上のパワーとスピード、煙幕や催眠ガス、熱線などの武器、さらには戦えば戦うほど強くなるという高性能な知能回路の学習機能[206]と、ほぼ全ての面で鉄人以上であったが、正太郎に空中戦に持ち込まれると翻弄されて致命打を与えることができず、最後は装甲を剥がされた頭部に鉄骨を突き刺されて爆発し敗れる。ファイア三世に足りなかったのは飛行能力と正しい操縦者であり、その結果を見たビッグ・ファイア博士は「鉄人か……や、やつは怪物だ」と述懐している。

なおカッパ・コミクスでは、ホワイト・バッファロー山の登山レースで不正を働いた容疑でファイア博士が逮捕されて事件が決着しているため[注釈 88]、それ以降のエピソードは収録されておらず、ファイア三世は存在自体が抹消されている。

その後、この「ファイア三世の巻」は秋田書店サンデーコミックス版で復活。その際には元々の連載時の原作漫画ではなく、カッパ・コミクスで改訂されたエピソードの続きとして描かれており、ファイア二世を高く評価した謎の人物によって保釈されたファイア博士が、さらに工場施設まで提供されてファイア三世を造ることになる、という導入部が新たに描きおろされている[208]

派生作品でのファイア三世

『テレビアニメ第2作(太陽の使者 鉄人28号)』
オープニングでビルを殴り倒しているロボットを、一部の書籍では「ファイア三世」[209]、もしくは「ファイヤー3世型ロボット」[210]と紹介している。本編には登場しない。
『テレビアニメ第4作』
外装を剥がされたファイアII世に急遽、新しい外装を取り付けたロボット[注釈 87]。表記は「ファイアIII世」である[注釈 86]。ビッグファイア博士に乗っ取られた敷島重工から現れ、量産されていたブラックオックス軍団が拘束した鉄人の上半身の装甲を引き剥がして、その体内に太陽爆弾が内蔵されていることを暴き出した(第22話)。その後、警察の取り調べで外装を取ることを要求されてファイア博士が渋っていると、敷島が出撃させた試作型鉄人軍団[注釈 51]の自爆で外装を破壊されてしまうが、すでに中身の形状を変更していたため追及を免れる(第24話)。
第25、26話ではPX団に操られて金田探偵事務所(=村雨健次の自宅アパート)を襲撃。エネルギーが切れかかって実力を発揮できない元祖ブラックオックスを圧倒し、その頭部をもぎ取って勝利した。さらに動けない状態の鉄人(=太陽爆弾)を強奪しようとしたものの、すんでのところで操縦器を携えた村雨健次が到着し、その村雨操る鉄人の右拳の一撃で頭を殴り潰されて、上半身が粉々となる大爆発を起こして倒されている。
『PS2ゲーム版』
鉄人との最終決戦のためにビッグファイア博士が用意した最後のロボット。表記は「ファイアIII世」である[注釈 86]。パワーと耐久力に優れ、接近戦用必殺技の「メガトンパンチ」のほか、腕からは「破壊光弾」、頭頂部からは「熱光線」、さらに鉄人すらも空中へと吹き飛ばすほどの大爆発を発生させる「究極破壊光弾」で武装している。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
グラン・フランム教授がリベンジのために開発したロボット、“炎”フランムIII世。鉄人とブラックオックスのコンビによって一蹴された。

VL2号

スノー国[注釈 89]から送り込まれたロボット兵器。頭に角を生やした鬼のようなデザインで、簡易な分解組み立てが可能な設計になっており、パーツ群をロケット砲弾で輸送、現地で組み立てて運用できるのが大きな特徴となっている。質実剛健で、鉄人以上の頑丈さ・スピード・操縦性・飛行能力・自律性を誇り、初戦では圧倒した戦いぶりを展開する[注釈 90]。飛行の際は両手を左右に水平に広げて、脇の下(上腕部)からロケットを噴射する。空中戦では鉄人の腕を掴んで振り回し、その右腕をもぎとる技も見せた。また、指先から電撃を放射することができるため、この能力を使って触れた物体を破壊することもできる。

潜入先での活動を前提とした設計であり、隠密行動を目的とする秘密兵器の類に分類される。[独自研究?]ただし、操縦電波の有効範囲は操縦器から半径10キロと制限があり、それが仇となってスノー国の諜報員達の行動範囲を把握され、追い詰められる要因となってしまう。また、その組み立て現場に潜入した大塚署長によって一部の部品を抜き取られており、空自[注釈 91]の戦闘機との空戦中に飛行が不安定になったり、奪取する予定だった金庫と誤認して、もぎ取った鉄人の右腕を運んでくるといった不具合を起こしていた。

鉄人との再戦ではまたしても空中戦で右腕を掴んで振り回す戦法をとるが、敷島博士のアドバイスを受けた正太郎によって受け流され、互角の戦いに持ち込まれている(地上での格闘戦でも圧倒されてしまう)。[要出典]最後は前述の不具合のためか、突如操縦を受け付けなくなって諜報員達を襲った挙句、これを避けるために空中へ飛び上がらせたところ、煙を噴いて自爆してしまった。この結末は、もし大塚署長によってパーツが抜き取られてなかったなら、鉄人でも勝てなかったかもしれないと正太郎に言わしめた。

派生作品でのVL2号

『テレビアニメ第2作(太陽の使者 鉄人28号)』
オープニングで鉄人28号と格闘して投げ飛ばされる、2本の角を持った黄色いロボットを、一部の書籍では「VL2号」[209]、もしくは「VL2号型ロボット」[214]と紹介している。本編には登場しない。
『テレビアニメ第4作』
本作の関連書籍では“VL-2号”と、ハイフンが付けられた表記がされている[66][215]
第16話に登場。某国が梅小路綾子に供与した、人工知能ロビーによって京都全域の送電網を通して遠隔操作される高性能ロボット[注釈 92]。高台寺[219]の大仏像に偽装していた。鉄人と互角のパワーに加え、人工知能により自ら考えて行動できるがゆえのスピードが脅威で、人が操縦器を操作するプロセスを経ないと動けない鉄人では勝負にならず、敷島博士も「鉄人に勝ち目は無い」と語っている。ただ、ロビー(人工知能)本体さえ破壊すれば行動を封じることが可能だったため、敷島博士は鉄人の操縦器を改造し電波によって送電網にサージ電流を逆流させることで[要出典]ロビー本体を破壊。その結果、VL-2号 = ロビーは「お母さん」とつぶやきながら、「母」である綾子の「胸へ飛び込む」かのように倒れ込んで、彼女を圧死させると同時に機能を停止した。
劇場版アニメ『鉄人28号 白昼の残月』
テレビアニメ第4作のテレビシリーズと同様に“VL-2号”と、ハイフンが付けられた表記がされている場合と[216][218]、ハイフンのない、“VL2号”と表記されている場合とがある[217][220]
廃墟弾処理を名目として、その実、廃墟弾確保及び日本占領のため、バッカス、サターン、ギルバートと共にベラネード財団によって送り込まれた。高見沢が箱ごと投げつけた大量のダイナマイトの爆発にも、傷一つつかない強固な装甲を誇る。クロロホルムの指令を受けて、操縦器を失った正太郎を狙って海から奇襲をかけたが、突如現れた(ショウタロウが操る)鉄人28号に頭部を握り潰されて機能停止している。

ブラックオックス

モンスター

某国[注釈 93]のゴロギル博士が製作したロボット。樽型の形状でとんがり頭にニヤリとした歯を見せる、大変インパクトのあるデザインが特徴。何の目的で製作されたかは不明ながら、温和なゴロギル博士からは想像できないほど凶悪な能力を秘めたロボットで、胴体前面に3門内蔵された光線砲、口からの火炎放射、飛行能力、水中潜行能力、地中潜行能力など多彩な機能を持ち、体格は鉄人より2倍以上も大きく、パワーも鉄人がロケットを最大出力にしてようやく地中から引っ張り出せるほど強い。また、腹部に大量に搭載された、本体と同型の“小型モンスター[221][注釈 94]”は高速で飛行して敵を追尾し、高い貫通力で砲弾の如く体当たりを仕掛ける[注釈 95]など、その戦闘力はゴロギル博士自身も軍隊では手に負えないと語るほどであった[注釈 96]

序盤における格闘戦では鉄人に押され気味だったが、小型モンスターで正太郎を直接攻撃したり[224]、水中や地中から奇襲を仕掛けたり、地割れを起こして鉄人を地中に封じ込めるなど、トリッキーな戦術で善戦する。しかし、飛行能力が鉄人より劣ることを正太郎に看破され、空中戦の末に胸部の装甲を損傷。そこに鉄人の体当たりを受けて爆散した。なお、これらの戦闘はカッパ・コミクスでは大幅にカットされているため[注釈 97]描かれていない[226]

派生作品でのモンスター

『テレビアニメ第4作』
本編のストーリーとは無関係に、第1話の冒頭で鉄人と正太郎の活躍を描くためだけに登場したロボット。小型モンスターの出番は無く、鉄人に殴り倒されて頭から海に突っ込み、一撃で行動不能に陥った。OPおよびED映像にも登場しており、口から発する光線を鉄人の左掌で受け止められたうえ、右ストレートを胴体に食らって爆発する姿が描かれている。
『PS2ゲーム版』
原作同様に、ゴロギル博士によって造られたロボットで、十字結社に強奪され悪用された[注釈 98][227][228][229]。飛行能力を持つが、その速度は鉄人よりも遅い。必殺技は口からの「火炎放射」と「小型モンスター出動」、空中から急降下する「ヘッドダイブ」[197][230]。量産されており、複数体が登場する。小型モンスターは、飛行せず歩いて敵操縦者に近づいたのち自爆攻撃を仕掛ける。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
十字結社の操るイタリア製ロボット。トラックの幌に設置された操縦器で操作される。兵器の一種と割り切って量産性と火力を重視した機体で、体内に満載した大量の砲弾を頭部外周より斉射する能力を有するほか、頭部も巨大ミサイルと化している。3体が登場し、3号機は鉄人、残りはブラックオックスに倒された。
劇場版アニメ『鉄人28号 白昼の残月』
廃墟弾の処理のため、ベラネード財団の先遣隊(クロロホルム)が連れてきたロボットとして登場。体内に大量に搭載していたミニ・モンスター[注釈 94]で鉄人の動きを封じ、廃墟弾を強引に奪い取って飛び去るが、飛行中に時限信管の作動した廃墟弾が爆発したことによって墜落、大破している。このとき皮肉なことに、ミニ・モンスターに身体を覆い尽くされていた鉄人は廃墟弾によるダメージを受けずに済んでいる。原作と異なり、口からは火炎ではなく熱線を放射していた。
『鉄人奪還作戦』
開発者は原作に準拠しているが、PX団が強奪し戦力としているという設定。オリジナルは「M-21」と呼ばれている。また、鉱山作業用仕様として「M-01」が登場、こちらは飛行能力がないが、頭部が岩盤粉砕用の超振動カッターとなっており、鉄人の装甲を難なく破壊できる攻撃力を有している。

ロビー

脚注

参考文献

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