INCJ

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株式会社INCJ
INCJ, Ltd.
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
105-0001
東京都港区虎ノ門一丁目3番1号
東京虎ノ門グローバルスクエア9階
法人番号 2010001195118
代表者 代表取締役会長CEO 志賀俊之
代表取締役社長COO 勝又幹英
資本金 5億円
発行済株式総数 10,000株[1]
売上高 2945億5100万円
(2023年3月期)[2]
営業利益 1684億8100万円
(2023年3月期)[2]
経常利益 1687億9500万円
(2023年3月期)[2]
純利益 1677億0500万円
(2023年3月期)[2]
純資産 7747億5300万円
(2023年3月期)[2]
総資産 8949億4000万円
(2023年3月期)[2]
従業員数  64名(2020年3月31日現在、出向者含む)[1]
決算期 3月末日
主要株主 株式会社産業革新投資機構 100%[1]
主要子会社 INCJ SJ Investment Limited 100%[1]
外部リンク https://www.incj.co.jp/
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株式会社INCJ(アイエヌシイジェイ[3])は、日本の官民ファンドである。2009年に設立された株式会社産業革新機構の事業を承継し、2018年に新設分割により設立された。2025年3月末をもって新規投資を終了し、解散に向けた整理業務を行っている。代表取締役会長は志賀俊之、代表取締役社長は勝又幹英(いずれも2025年6月末退任)。

本社は東京都千代田区に所在している。産業競争力強化法に基づく政府出資法人であり、産業革新投資機構(JIC)の100%子会社である[4]

株式会社産業革新投資機構の100%子会社。オープンイノベーションを通じて次世代の国富を担う産業を育成・創出することを基本理念としている[5]

事業は、前身の株式会社産業革新機構から事業継承し、産業革新機構が設置された根拠法である産業競争力強化法と同趣旨の枠組みのもとで運営されている。また、前身である産業革新機構が出資決定した案件は、株式会社INCJが支援を行っている。

2025年3月31日、INCJは活動を停止し同年6月以降解散予定[6]

法律で定められた15年間で114件の案件を実行し、2025年3月末時点で投資見合い元本1兆2823億円に対し、2兆3260億円を回収しており、累計1兆円超の利益を確保したが、後述の「ホームラン案件」とされるルネサスエレクトロニクスの株式売却益による寄与が大きい[7]

旧産業革新機構からの分割背景

旧産業革新機構の活動期限が近づいたことに加え、政府は官民ファンド再編の一環として、2018年に体制の見直しを実施した。新たに発足した産業革新投資機構(JIC)は長期的・戦略的な産業支援に特化し、INCJは既存投資案件の処理に特化するという役割分担が行われた[8]

また、旧機構に対しては「大企業救済型ファンド」との批判があったことから、政府は「新たな産業の創出」を目的とする方針を強調した。分割後も、政府によるガバナンスの在り方を巡っては議論が続いた[9]

主な出資案件

2009年から2020年までに累計144件の出資案件を手掛けたとされる[10]。当初は中小型の技術系ベンチャーへの投資が中心であったが、全投資額の約半分は、ルネサスエレクトロニクス、ジャパンディスプレイ(JDI)、JOLEDの3案件に集中したとされている。

ルネサスエレクトロニクス

2012年、日立製作所三菱電機系の半導体企業であるルネサスエレクトロニクスが経営危機に陥った際、INCJは民間企業8社(トヨタ自動車、パナソニックなど)とともに総額1500億円の増資支援を実施した。INCJ単独では約1384億円を出資し、一時は株式の69%超を保有する筆頭株主となった。その後、ルネサスは業績の回復と複数の海外企業買収を経て株価が上昇し、INCJは2019年までに保有株式を市場で売却、約3000億円の売却益を得たとされる。この案件は、INCJにとって最大の成功例とされ、累計で1兆円超とされる利益の多くはルネサス案件によって生み出された[7]

ジャパンディスプレイ

ジャパンディスプレイ(JDI)は、ソニー、東芝、日立の中小型液晶ディスプレイ事業を統合する形で2012年に設立された。INCJは当初2000億円を出資し、株式の約70%を保有していた。しかし、スマートフォン向け液晶需要の変動により、業績不振が続き、追加支援を余儀なくされた。2018年以降もINCJおよび関連子会社は、つなぎ融資やその他の金融支援を継続し、総支援額は4620億円に達した。一方、2023年3月時点における回収額は約3073億円にとどまり、多額の未回収債権および減損が発生した。2023年度には台湾企業などからの出資を受け入れた結果、INCJの持株比率は低下したものの、JDIの再建は完了しておらず、同案件は「最大の心残り」ともされている[11]

JOLED

JOLEDは、2015年に設立された印刷方式有機ELパネルの開発企業であり、INCJ、JDI、ソニー、パナソニックの出資により発足した。INCJは約1400億円を投融資したが、パネルの量産化に失敗し、事業化に至らなかった。2023年にJOLEDは経営破綻し、INCJが出資した資金の大部分は回収不能となった。志賀俊之会長は、この案件について「民間であれば追加投資は行われなかったであろうが、官民ファンドとしての社会的責任から撤退できなかった」と述べており、資金配分の偏りが課題であったとの認識を示している[10]

出資案件

脚注

外部リンク

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