SCNN1D

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SCNN1Dは、脊椎動物上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)のδサブユニットをコードする遺伝子である。ENaCは3つの相同なサブユニット(αβγまたはδβγ)からなるヘテロ三量体として組み立てられる[3]。ENaCの他のサブユニットは、SCNN1ASCNN1BSCNN1Gによってコードされる。

記号SCNN1D, ENaCd, ENaCdelta, SCNED, dNaCh, sodium channel epithelial 1 delta subunit, sodium channel epithelial 1 subunit delta
終点1,292,029 bp[1]
概要 識別子, 記号 ...
SCNN1D
識別子
記号SCNN1D, ENaCd, ENaCdelta, SCNED, dNaCh, sodium channel epithelial 1 delta subunit, sodium channel epithelial 1 subunit delta
外部IDOMIM: 601328 HomoloGene: 48152 GeneCards: SCNN1D
遺伝子の位置 (ヒト)
1番染色体 (ヒト)
染色体1番染色体 (ヒト)[1]
1番染色体 (ヒト)
SCNN1D遺伝子の位置
SCNN1D遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点1,280,436 bp[1]
終点1,292,029 bp[1]
RNA発現パターン
さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 ligand-gated sodium channel activity
sodium channel activity
血漿タンパク結合
細胞の構成要素 integral component of membrane
細胞膜

actin cytoskeleton
生物学的プロセス イオン輸送
sensory perception of taste
刺激への反応
sodium ion transport
sodium ion transmembrane transport
イオン経膜輸送
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_001130413
NM_002978

n/a

RefSeq
(タンパク質)

NP_001123885

n/a

場所
(UCSC)
Chr 1: 1.28 – 1.29 Mbn/a
PubMed検索[2]n/a
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト
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ENaCは上皮細胞で発現しており[3]神経細胞活動電位の形成に関与する電位依存性ナトリウムチャネルとは異なる。電位依存性ナトリウムチャネルをコードする遺伝子の略称はSCNの3文字で始まる。これらのナトリウムチャネルとは対照的に、ENaCは恒常的に活性化されており、電位に依存しない。遺伝子名の2番目のNは電位非依存性(NON-voltage-gated)のチャネルであることを表している。

ほとんどの脊椎動物において、ナトリウムイオンは細胞外液浸透圧を決定する主要な因子である[4]。ENaCは、タイト上皮(tight epithelia)と呼ばれる透過性の低い上皮細胞の細胞膜を挟んだナトリウムイオンの輸送を可能にする。上皮細胞との間でのナトリウムイオンの流れは細胞外液の浸透圧に影響を与える。このように、ENaCは体液の調節と電解質の恒常性に中心的な役割を果たし、結果的に血圧に影響を与える[5]

ENaCはアミロライドによって強く阻害されるため、アミロライド感受性ナトリウムチャネル(amiloride-sensitive sodium channel)とも呼ばれる。

歴史

ENaCのδサブユニットをコードするcDNAは、Waldmannらによってヒトの腎臓のmRNAからクローニングされ配列決定された[6]

遺伝子構造

SCNN1D遺伝子の配列はヒトゲノム計画で初めて明らかにされた。SCNN1D1番染色体短腕に位置し(Ensemblデーターベースコード: ENSG00000162572)、1,280,436番ヌクレオチドからForward方向に開始される。長さは約11,583 bpである。選択的スプライシングと複数の翻訳開始部位が存在する。ヒトの脳のmRNA試料から、選択的スプライシング産物の検出、クローニングと同定が行われている[7][8]

SCNN1Dの主要な転写産物のエクソン-イントロン構造。転写産物のシリアル番号が上に示されている。画像のクリックでEnsemblデータベースへ移動する。

SCNN1D遺伝子は大部分の脊椎動物に存在する[3]。しかし、マウスとラットのゲノムでは失われている[9][10]

組織特異的発現

δサブユニットの組織特異的発現は、SCNN1ASCNN1BSCNN1Gにコードされる他の3つのサブユニットとは大きく異なる。α、β、γサブユニットが主に腎臓の尿細管上皮、気道、女性器、結腸、唾液腺汗腺などで発現しているのに対し[11][12]、δサブユニットは主に脳、膵臓、卵巣で発現している[10]

タンパク質構造

ENaCの4種類のサブユニットの一次構造は高度に類似している。これら4種類のタンパク質は共通の祖先に由来するタンパク質ファミリーを構成する。サブユニット間のグローバルアラインメント(タンパク質全長でのアラインメント)では、ヒトのδサブユニットはαサブユニットと34%が同一であり、β、γサブユニットとは23%が同一である[3]

ENaCの4種類のサブユニットにはすべて、膜貫通セグメントを形成する2つの疎水的配列が存在し、それぞれTM1、TM2と呼ばれている[13]。膜結合状態ではTMセグメントは脂質二重層に埋め込まれてN末端C末端は細胞内に位置し、2つのTMの間の領域が細胞外領域となる。この細胞外領域には各サブユニットの約70%の残基が含まれる。このように、膜結合状態では各サブユニットの大部分は細胞外に位置している[3]

ENaCと相同なタンパク質ASIC1英語版の構造が解かれている[14][14]。ニワトリのASIC1は3つの同一なサブユニットから組み立てれらるホモ三量体構造である。ASIC1三量体は「ボールを持った手」のような構造をしており、ASIC1の各ドメインはpalm、knuckle、finger、thumb、β-ballと命名されている[14]。ENaCのサブユニットの配列とASIC1の配列とのアラインメントからは、TM1とTM2、palmドメインは保存されており、knuckle、finger、thumbドメインにはENaCでは挿入配列が存在することが明らかにされている。部位特異的変異導入によるENaCの研究からは、ASIC1の構造モデルの基本的特徴の多くはENaCにも同様に適用されるという証拠が得られている[3]。しかしながら、ENaCは必ずαβγまたはβγδからなるヘテロ三量体を形成する[15]。近年ENaCの構造も解明され、ASIC1三量体と類似した構造をしていることが明らかにされた[16]

関連する疾患

これまでに、δサブユニットと特定の疾患との関係は示されていない。

出典

関連文献

関連項目

外部リンク

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