ずんだ
枝豆をすりつぶしたペースト状のもの
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名称・語源
名称の分布
地域によっては複数の呼称が存在するが、概ね以下のように名称が分布している。
語源・発祥
「ずんだ」「じんだ」の語源として、以下のような説がある。
- 茹でた枝豆はそのまますれるほど柔らかくないため、まず初めにすりこぎで叩いたり押たりして潰す作業が必要であり、それが「豆を打つ」と解釈されて「豆打」(ずだ、打豆)となり、「豆ん打」に転訛したとする説。
- 「伊達政宗が、出陣の際に陣太刀で枝豆を砕いて食した」とのエピソードに由来するとする説。陣太刀(じんたち)は、東北方言では「じんだづ」「ずんだづ」などと発音されるが、これが「じんだ」または「ずんだ」に転訛した。
- 甚太(じんた)という百姓が伊達政宗へ献上するために考えた餅が政宗に気に入られ「じんた餅」と言われたという説。
- 古くはぬか味噌または五斗味噌[注釈 1]のことを「糂汰(じんだ)」と言った[注釈 2]が、枝豆をすりつぶした当料理にも名称を拡大適用したとする説。
1.の「豆ん打」説が著名である[4]が、正しいのは4.の「糂粏」の説であるとされている[5]。方言学者の小林隆も同様に「ずんだ」の語源は「糂汰」であると述べており[6]、他にも、4.が有力であるという記述が見られる[7]。
また、伊達家の料理を記した『料理集[8]』には「茄子」の項目の「ぢんた茄子」の説明に「青大豆ぢんたを右に汁にて とろ/\とのべ懸申候 ぢんたへさとうを少加ひ申候」や「ぢんたあへ」という記述がある[9]。青大豆に少量の砂糖を加えた餡を「ぢんた」と呼んでいるようで、仙台古典料理研究家の佐藤敬三が「ずんだの原形」と見ている。
伊達政宗は米沢出身で会津も一時、政宗の支配下にあった時代があり、ずんだが広く伝わっている地域は、政宗と関係のある地域が多い。そのため、山形県、宮城県、福島県の境界付近から広まった可能性もありうる[10]。
その他の呼称については語源は不明。
原料
ずんだの原料は枝豆、つまり未成熟な状態の大豆である。未成熟な大豆は夏に収穫される。このため、ずんだは季節料理、特にずんだ餅はお盆のお供えとして認識されている面もある。その鮮やかな緑色は、ずんだを食する地域では風物詩でもある。例えば、仙台市においてずんだ餅を販売する店は仙台七夕あたりからお盆までが繁忙期であり、年間のずんだ餅販売数の約半分をこの時期に売り上げる店もある。季節外れのずんだには大豆を使用し着色料を加えたものもあった。
1989年(平成元年)に食品会社「黄金食品」による「冷凍ずんだ餅」通信販売開始以降、同業他社でも冷凍食品の枝豆を用いたずんだが年間を通して作ることが出来るようになっている。業務用にずんだ餡や枝豆ペーストがすでに開発されていたが、2008年(平成20年)に、お湯を注ぐとずんだ餡に戻る粉末が山形県で開発され[11]、さらに、真空条件下で枝豆のペーストやジャムを生産する技術が宮城県で開発される[12]など、これら画期的な技術開発によりずんだ業界に変革がもたらされると期待されている。
大豆の品種については、山形県・庄内地方の「だだちゃ豆」や宮城県の「仙台ちゃ豆」など、特産の枝豆をずんだに用いて、製品の差別化を狙う動きも見られる[13]。
ずんだ餡はうぐいす餡と似ているが、上述のようにずんだの原料が枝豆であるのに対して、うぐいす餡はアオエンドウ(グリーンピース)から作られる点が異なる。また、枝豆ではなくソラマメを用いたずんだもある。
作り方
ずんだを用いた料理
伝統的な和菓子に限らず、近年、あずき餡や抹茶粉末と同様に、洋菓子にもずんだを用いる試みが行われており、「ずんだスイーツ」と呼ばれるジャンルが形成されてきている。他方、塩味のずんだ料理の開発も進んでいる。さらに仙台市では、ずんだ餡に黒豆と竹炭を加え、もちにも黒米を加えて作られた黒色のずんだ餅が開発され、「ずんだは緑色」との既成概念を崩す試みがなされている[14]。これは、ずんだ独特の青臭さを苦手とする人にも、ずんだを食してもらうための試みでもある[15]。
ずんだが食される地域にはずんだを看板メニューにした餅店や和菓子店などがあり、土産品としての商品開発も活発である。2015年(平成27年)12月4日には、JR仙台駅にずんだを販売する専門店を集めた「ずんだ小径」が開設された[16]。ずんだのイベントとして、宮城県角田市・角田駅前広場で10月上旬頃に開催される「角田ずんだまつり」が2003年(平成15年)から開催されている。
甘味(ずんだスイーツ)
伝統的なもの
ずんだを用いた伝統的な郷土料理
- 和菓子
- 和え物
新規に開発されたもの
「ずんだ餡」を用いるもの
「ずんだクリーム」あるいは「ずんだムース」を用いるもの
ドリンク
その他
塩味
枝豆をすりつぶしたものに砂糖を入れず、塩味にして用いる。
伝統的なもの
ずんだを用いた伝統的な郷土料理
新規に開発されたもの
スナック菓子
飴菓子
- ずんだキャラメル(東北地方の道の駅等の一部店舗のみ販売)
食事用
地元の料理研究家が提案しているもの
「緑色」以外
地域や商品によっては、枝豆ではなく青大豆・大豆・そら豆などを用いたずんだ風あんが作られる場合があり、この場合は緑色が弱いことがある[24]。
キャラクター商品
ずんだ・ずんだ餅・枝豆を擬人化したキャラクター商品がいくつか存在する。
- ずんだ&もちこ
- やなせたかしが作画した北上京だんご本舗(仙台市)のキャラクター。やなせたかしが作詞・作曲し、大和田りつこ&岡崎裕美(+KAMATAROW)が歌う「ずんだもちのデュオ」(カップリング曲:「ずんだもちワルツ」)でCD制作もしている[25][26]。
- ずんだっち、ずんだりーな
- 2008年(平成20年)に東日本放送(仙台市)のテレビ番組『裏影』のコーナー「裏影プレゼンツ 宮城ご当地キャラクターコンテスト」において生まれたキャラクター。グッズ展開もされた[27][28]。
- 東北ずん子、ずんだもん
- 2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)からの復興支援を目的に、同年10月27日よりずんだをモチーフにしたキャラクターとして東北ずん子が提供開始された。後に関連キャラクターとして、同じくずんだをモチーフにしたマスコットの「ずんだもん」も生まれた
- ズンダリアンこけし、ずんだ忍者こけし
- 仙台弁こけし(仙台弁をしゃべる宮城県のご当地キャラクター)のキャラクターメンバーとして、2023年8月に新登場した[29][30]。
- その他
- ずんだ餅をモチーフにしたこけし[31][32]や、ご当地キティ「ハローキティ 宮城 仙台ずんだもちバージョン」、さらには枝豆をモチーフにした「ずんだキューピー」やご当地限定まりもっこり「変身もっこり☆ずんだ豆」などもある。
