サンキューピッチ

From Wikipedia, the free encyclopedia

ジャンルスポーツ漫画野球[1]
作者住吉九
出版社集英社
掲載サイト少年ジャンプ+
サンキューピッチ
ジャンル スポーツ漫画野球[1]
漫画
作者 住吉九
出版社 集英社
掲載サイト 少年ジャンプ+
レーベル ジャンプ・コミックス
発表期間 2024年9月3日[1] -
巻数 既刊5巻(2026年3月4日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

サンキューピッチ』は、住吉九による日本漫画ウェブコミック配信サイト少年ジャンプ+』(集英社)にて、2024年9月3日から火曜隔週更新で連載中[1][2]

次にくるマンガ大賞 2025」Webマンガ部門第1位(殿堂入り)[3]、「このマンガがすごい! 2026」オトコ編第3位[4]、「全国書店員が選んだおすすめコミック2026」第9位[5]、「アニメ化してほしいマンガランキング 2026第2位受賞[6]

6月、神奈川県の高校球児の間である噂が流れていた。それは「野球部狩り」。夜に野球の練習をすると謎の男が現れて投手として3球勝負を挑まれる。その実力たるや、腕に覚えのあるバッターですら球に触れることもできないほどだったという。甲子園出場を目指す横浜霜葩高校野球部主将小堀へいたは男の正体が同じ高校の生徒だと見抜き、主軸の四番打者、広瀬洋二と共に野球部に勧誘するため自ら餌となって3球勝負に誘い出すことに成功。その男、桐山不折は、噂にたがわぬ剛速球を披露する。しかし、彼には怪我をしたイップスから一日3球までしか全力投球できなかった。小堀は甲子園のための最後のピースとしてワンポイントリリーフとして誘い、桐山は野球部に入部する。

入部後は強気だがピンチに弱いエースの三馬正馬、ベンチ入りを狙う癖の強い野球歴2カ月の1年生、伊能商人との衝突、対決こそあったが和解。練習試合では日本一の才能を持つと言われたピッチャー、夏前には轟大愚率いる伊勢原聖テレーズ学園に桐山の活躍もあり接戦の末勝利。夏のべンチ入りメンバー20名を決定し7月、神奈川167校から甲子園に行ける1校を決める神奈川大会に挑む。

1回戦はあざみ野高校と対戦。弱小ながら流れを掴むのが上手いオカルト戦法の相手に終盤までリードされるが桐山の投球による喝に奮起し一気に同点、9回に広瀬のサヨナラホームランで4x-3で辛勝した。

2回戦は藤沢水産に11-4でコールド勝ちし、3回戦ではシード校、練習試合で敗北した強打者揃いの神奈川実業と対戦。しかしエースの三馬が失踪し、桐山がサウスポー、伊能がキャッチャーで先発することになる。

登場人物

神奈川県立横浜霜葩高等学校

桐山 不折きりやま ふせつ
声 - 佐藤拓也[7]小林秀行[8]杉田智和[9] / 小野大輔[10]
3年生、投手。背番号10。両投左打。本来は右投げ。4月11日生まれ、身長194cm、体重105kg、O型。久良岐ブラウンキャップス(硬式)→久良岐シニア(硬式)出身[11]
ツノのような癖毛があって長髪、長身巨体。「坊主は高校球児の神聖な髪型だから」と坊主から距離を取るために髪を伸ばし続けている。
野球と勝負が大好きで、やや天然の気がある。2年の頃転校してきたがクラスではほとんどしゃべらず、学校では一匹狼だった。野球に対してどこまでも真摯であり、チームの応援にも全力を尽くすが、勝負事に関しては度々暴走する場合もある。また、ピンチや逆境になればなるほど興奮する。逆に野球以外は興味が皆無であらゆることを野球の物差しで測る。三馬からはだから友達がいないと評された。かなりの大食い。スマートフォンを持っていない。
中学時代はリトルシニア、久良岐シニアで活躍し、「野球の神様に愛されている」と言われるほどの有望選手だったが、右ひじを負傷。その後遺症で一日に3球しか全力投球できないイップスに陥り、引退する。野球への未練から、高校球児の元に行っては3球勝負を挑む「野球部狩り」を行っていたが、野球部主将小堀に見込まれてワンポイントリリーフの切り札として野球部にスカウトされる。野球部では情報が漏れる危険から3球しか投げれないことを隠して体が弱いということで短いイニングしか投げれないと説明したが、後に仲間を信じ自分から3球しか投げられないことを明かした。
足を大きく上げるオーバースローから、一日3球までの全力投球では160キロ以上の剛速球を投げる。決め球として急降下するような角度で曲がるナイアガラフォーク、バックスピンによって少し浮き上がりバットの芯を外れるムーンインパクトがある。投球時には投げるたびに爆発的な成長を見せる。
全力投球以外では、当初はワンバウンドするヘロヘロのスローボールしか投げることができなかったが、試合中に急成長を遂げ、キャッチャーまで届くチェンジアップを投げられるようになった。
打撃は怪我の影響によりスイングすらできない状態にある。しかしかつては強打者であり、打席での威圧感は健在。バットは木製を使う。
後に左で投げる際はイップスの原因がある右肘を動かさないようにすればイップスが起きないことが判明し、三馬が不在の神実戦では2番ピッチャーでサウスポーで先発。球威はないが爆発的成長により9マスに投げ分けるほどの精密機械ばりのコントロールを持つ。
また、投げられなくなっても鉄アレイ等で基礎固めはしており、一塁到達前にダッシュで伊能をタッチアウトしたり、複数の部員に抑えられた状態でも無理やりマウンドに乱入しかけるなど、投打以外の身体能力も高いが、野球以外のスポーツには使わないと決めている。
小堀 へいたこぼり へいた
声 - 杉浦那由多[7][8]代永翼[9] / 小野大輔[10]
3年生、二塁手。背番号4。七番打者。右投左打。
10月12日生まれ、身長170cm、体重62kg、A型、
クスノキジャガーズ(ソフトボール)→旭中央中学校(軟式)出身[11]
野球部の主将。普段はウェリントンフレームの眼鏡をかけており、野球時はスポーツ眼鏡の童顔。
マネージメントやコミュニケーションの能力、交友関係の広さが高校生離れしており、主将として野球素人の監督に代わって練習メニューの考案や祝日他校監督と接待ゴルフによる他校のデータ集め、他校との折衝と試合組み、さらには入学時に作った30もの生徒の偽アカウントを使ってネットでの情報工作までこなす。チームの指揮は広瀬と共に、後に伊能も合わせて三人で話し合って纏める。
打順は七番で選手としては派手さはないものの、守備においては「セカンドに転がれば安心」と言われる実力を持つ。また、スタメンでは数少ない左打ち。
温厚な性格だが、甲子園出場という目的のためならば残酷、冷酷な決断、手段も厭わず策略を張り、チームメイトへの過酷な「実験」に胸を躍らせる一面もある。また、普段温厚な分怒るとかなり怖い。
広瀬 洋二ひろせ ようじ
声 - 佐藤拓也[7]眞對友樹也[8]江口拓也[9] / 小野大輔[10]
3年生、捕手、三塁手。背番号2。四番打者。右投右打。4月22日生まれ、身長185cm、体重86kg、A型。富士見台スターフィッシュ(軟式)→保土ヶ谷ポニー(硬式)出身[11]
肌は色黒で髪はツートン黒白。髪の白い部分は心労による白髪。
強肩の捕手でバッティングも四番を張る実力者。その実力は野球での推薦の話が来るほどだが、自分の野球人生の限界を理解しており、将来はスポーツ科学の研究者を目指している。頭脳面でも優れており、小堀と共にチームの戦術の中核を担う。
小学生の頃に野球部に三馬を誘い、そこからずっとバッテリーを組んでいる幼馴染。我が強い三馬に振り回されることもあるが、内心は重い感情を抱いている。実際ハマソウに来たのも三馬と野球がしたいためだった模様。桐山の勧誘理由にも三馬を覚醒のためで、わざと仲良く見えるようにして焦らせるなどプレッシャーをかけていた。
2回戦後に三馬が行方不明になった際は自分を責め行方不明の不安からとてつもなくやつれていた。神実戦では伊能がキャッチャーを申し出たことと体調的に不安ということ、また桐山とバッテリーを組んでるところを三馬に見せたくないということでサードを務める。打撃は不調が出ていたがトリプルプレー成立に一役買い、三馬帰還時はツヤツヤになってキャッチャーに戻る。
三馬 正磨みま しょうま
声 - 天﨑滉平[7]宇田川かいと[8]湯浅悟朗[9] / 小野大輔[10]
3年生、投手、。九番打者。背番号1。右投右打。
3月9日生まれ、身長160cm、体重55kg、B型。富士見台スターフィッシュ(軟式)→保土ヶ谷ポニー(硬式)出身[11]
金髪の童顔でオールバック。目元のまつ毛が濃い。
速度だけでなく高いコントロールも備えたピッチャーで、多彩な変化球を操る。幼い容姿に反して短気で気が強く、調子に乗りやすい。その一方で逆境に非常に弱く、プレッシャーを感じると幼少期の自分がネガティブなことを囁いてくる幻覚を見て弱気になるという悪癖を抱えており、ピッチングには不安定さがある。小堀が桐山を勧誘したのは、この弱点を補うためである。打撃は不得意で打順は九番。
広瀬とは幼馴染のバッテリーで正ちゃん、洋ちゃんと呼び合う仲。物事を深く考えない気質で頭脳面はほぼ広瀬に頼り切りだが、エースとしての自負は強く当初は桐山を入部させた広瀬に反感を持っていた。下級生を配下に入れて偉そうにふるまう一方で、竹内がベンチ外を通告された際は「勝利より仲間と一緒に最後の夏を戦うことのほうが大事」と反対するなど、仲間思いな面もある。
聖テレとの練習試合中に「心は燃え盛り頭は冷えている」第三の三馬モードへ覚醒できるようになり、ピッチングの安定感が増した。
しかし2回戦後、左近寺の話をチームの皆が自分より桐山のピッチングに期待していると曲解してショックを受け遁走。自宅にも帰っておらず行方不明となり、神実戦でもベンチ不在で試合開始となった。しかし7回の逆転直後に大急ぎでベンチに駆けつけ、マウンドに上がる。失踪後に教えを請い草加と露木から夢幻ジャイロを習得しさらにピッチングの枠が広がった。疾走して遅れた理由は強くなるまで戻らないと決めたため自分から連絡を切っていたからのと、球場に行く途中で川で溺れた子どもを救助し、その後増水した水で川下まで流されてしまったため。
伊能 商人いのう あきんど
声 - 天﨑滉平[7]鈴木将之[8] / 小野大輔[10]
1年生、補欠、捕手。背番号20。右投右打。12月12日生まれ。身長178cm、身長73cm、AB型[11]
野球歴2ヶ月の補欠。黒髪のローポニーテール。切れ目で目の隈が濃い。
野球部の中でも随一の変人。「人生は死ぬまでの暇つぶし。ならその暇つぶしを全力で楽しみたい」と、何か難しい目標を立ててそれを攻略する過程を楽しむことを生きがいとしている。現在の目標は甲子園に出場して自伝本を出版すること。桐山の秘密を聞きつけ、レギュラー入りをかけて対決を挑んだ。対決には敗れるが練習試合ではベンチ入りをし、代打で活躍を見せた。
非常にマイペースで、年上には敬語を使うがかなり生意気。しかし分析眼や策略を用いる頭脳、ここぞというときの度胸は突出しており、三年生たちからも信頼を置かれている。
高い頭力の持ち主で野球のルールをほとんど把握している。目的のためなら努力を惜しまず、桐山との対決の時は100球全てファウルにできるまで6時間ぶっ続けでカット打法の練習をしていたり、徹夜で試合用に選手のデータを詰め込んでいた。逆に必要と感じない練習には手を抜く、必要のない情報は頭に入れない、テストは赤点ギリギリのチキンレースをするなど、効率を重視する。
ただ有効と考えたら努力をし、必要のないと評し手を抜いていた走り込みによる走力が原因で桐山との勝負に敗北した際は隠れてダッシュの練習をし、練習試合で内野安打の結果を見せた。
聖テレとの練習試合を経て、最終的に小堀の判断で、背番号20で1年の中で唯一ベンチ入りを果たした。試合では主に代打の切り札で試合中は代打以外ベンチにいるので、阿川の質問に対しての解説役になることが多い。
神実戦では小堀からもらった情報を徹夜で暗記し、九番キャッチャーでスタメン。配球をカジノのルーレットに見立てて微細なコントロールを持つ左腕の桐山をホイールに見立て相手の予測したベットの裏をかくリードをする。さすがに全力投球は捕れなかったが何とか身体に当てて後ろに逸らさなかった。
竹内たけうち
3年生。右投。
坊主頭で顔に絆創膏を貼っている。誰よりも真面目で練習熱心だが実力派揃いの3年の中ではパッとせず、ベンチ入りが危ぶまれている。
常に真面目な小堀のことを信頼しておりベンチ外になった際も納得していたが、理由が「三年生が一人だけベンチ入りできなければ皆が彼の分も頑張ろうと一致団結する」という小堀の作戦だった際は聞いて最初こそ困惑したものの、キャプテンの小堀の判断と覚悟を信頼し、ドライアイ用の目薬を使って演劇部エース級のメゾット演技の号泣を見せてチームの結束を高めた。その演技は迫真で小堀からオスカー賞並みと称された。
外れた人間が記録員としてベンチにいるわけにもいかないということ、桐山が応援の大切さを語っていたことで、夏大会では観客席で一、二年を纏める応援団長を務める。
早乙女さおとめ
3年生、左翼手、五番打者。背番号7。右投右打。猿口で逆だった髪が特徴。
パワーだけなら四番の広瀬以上という怪力の持ち主。また、打席上で球筋が分かってない偽の演技もできる。
見た目に反して繊細な性格らしくお菓子作りが趣味で毎日アフタヌーンティーを飲んでいる。モデルをしている5人の姉がいる。
久世くぜ
3年生、中堅手、一番打者。背番号8。右投右打。目の下の線が濃い平目。
野球部一の慎重な性格でデータが無い限り初球には手を出さない。常に冷静だが神実の監督を見た際は羨ましさから激怒していた。
カット打法が可能で、あざみ野戦では伊能が書き出したジャイロ回転の軌道を一瞬で暗記しカットで球数を稼いだ。
左近寺さこんじ
3年生、一塁手、二番打者。背番号3。左投左打。もみあげが厚い。
ハマソウで少ない左打。桐山ワンポイントリリーフの際はファーストに入る三馬の代わりにベンチに下がるが、そのことに不満を述べたりしない芯のある性格をしている。毎日柔軟をしており足を伸びて捕球ができる。
竹内とは親友同士で、2回戦後に飯降の策略で身体が弱いと言われていた桐山がハードなトレーニングをしていると知り、いち早く夏が終わった竹内のためにも夏大会を勝ち抜けるように桐山をもっと投げさせるよう頼み込み、間接的に三馬の一次離脱につながってしまった。神実戦では六番を打つ。三馬がいなくなった責任から最初は緊張していた。
須藤すどう
3年生、右翼手。三番打者。背番号9。右打。センパーパートの髪型で頬骨が濃く鼻の右にほくろがある。
大雑把であまり考えない性格。調べた泉曰く「ノンデリ」と言われるほどらしい。
サードの選手
3年生、三塁手。六番打者。背番号5。右投右打。天然パーマで細顔。
スタメンでは唯一名前不明。神実戦では広瀬がサードのスタメンになったためベンチスタート。
筒井つつい
3年生、遊撃手。八番打者。背番号6。右投右打。糸のように細い目。
打撃は期待できないが、3年間鍛えた守備が得意で守備範囲のみならずバックトスも上手い。
三馬を「お嬢」扱いしてあやしたり、落ち込む桐山のフォローをするなど、思いやり深い性格。
その他の選手
ベンチ入りしている控えの3年生は (1)太って丸目の選手 (2)老け顔の選手 (3)刈り上げの選手 (4)そばかすの選手 (5)髪が尖った選手 (6)眉毛がつながった選手の計6名。
名前は不明で、守備時攻撃時控え選手は阿川に対する状況の説明や解説役になることが多い。練習時は3年のため黒いアンダーシャツを着ている[12]。まゆげの選手の背番号は11。そばかすの選手は一塁コーチャーを務める。
1回戦では眉毛がつながった選手は一塁手、太って丸めの選手は右翼手の守備固めで途中出場した。
現状出てきていないが小堀と広瀬の首脳陣にどうしても入れておきたいと言われベンチ入りした2年生選手が3人いる。
ベンチ外の1年、2年は12名。その一部は三馬軍団と呼ばれ三馬の下で使い走りをしている。また、一部の1年生部員は癖の強い伊能のことをあまり信用していない。夏は竹内の下で応援団を務める。
阿川 美奈子あがわ みなこ
声 - 上坂すみれ[8]上田瞳[13]雨宮天[14]小林ゆう[15]日笠陽子[16] / 小野大輔[10]
監督。6月2日生まれ、身長190cm、体重100kg、O型[11]。野球経験無し。
長髪で三白眼で赤顔が特徴の巨体の古典の女教師。今年度から野球部の監督に就任したばかりで野球のルールをあまり理解していないため、監督としての仕事は主将の小堀に任せている。監督就任時は制服と金髪ロールのウィッグを着用したお嬢様キャラで行こうとしたが、不評に終わった。野球部以外のときはメガネをかけている。
野球の経験は皆無でルールも知らないため、ことあるごとに小堀や伊能ら部員にルールの説明を受け解説されることが多い。
酒とプロレスと下ネタが好きなパチスロ愛好家。下ネタに関しては口では嫌いと言いつつも態度に出ており部員に引かれている。慢性的な赤ら顔のため学校でも酔っているのではないかと疑われているが、本人は生徒の前では飲まないと否定している。その上野球初心者なこともあり部員からの評判は著しく低くタメ口を使われたり扱いは雑。身体能力がかなり高く暴走した桐山をオクトパスホールドで気絶させた。
しかし背番号発表の際、苦悩する小堀に「私が決めたことにしてもいいんだぞ」と提案する、試合に勝った野球部をサイゼリアに連れて行きおごるなど、なんだかんだ大人・監督としての大事な役割をしっかり果たしている。

私立伊勢原聖テレーズ学園高等学校

轟 大愚とどろき たいぐ
声 - 小野大輔[10]
1年生、投手。一番打者。左投左打。髪を赤く染め特徴的な目元をしている。
元オリンピック選手を母に持つエリートで、自身も「天才」「千年に一度の高校球児」と呼ばれ日本で最もプロから注目されている選手。傲慢で自己中心的な性格で、野球は一人でも勝てることを証明するため非強豪校の聖テレに入学したが、表向きには「特定の学校にばかり強い選手が集まることに疑問を持ち、あえてそこそこの学校に入り強豪に抗う英雄」と持ち上げられている。なお、本人はメディアでアイドルのように扱われる現状に強い不満を持っているが、周囲がその本性がバレることを全力で阻止している。
中3の頃に修学旅行廃止の反対デモを1人だけで行って私学の学校を追い出され、真澄のいる公立中学に転校し野球部に入部、エースの座を奪った。
相手の才能、性格、人格等をRPGキャラ風に見ることができる観察眼を持つ。桐山に会うまでこれまで自分より上の才能を見たことがなかった。自分なりに天才とは他人と同じことをしても成長速度が早い事と思っている。
投打ともに天才的な実力を持つものの投球練習をしていないためコントロールが荒く、与四球や暴投で点を取られることもある。打順は一番で内角の球を逆方向にホームランを放つほどで、1人で点を取るため常に一発狙い。しかし敬遠されることが多く、他に点を取れる選手がいないためそれが聖テレの弱点になっている。
初めて自分より才能が上である桐山にわざと打たされた際はかなり動揺しており投球にも影響が出てチームメイトの信頼をも失い逆転される。その際謝ろうとしたが天才であると信じている真澄の喝により立ち直り、最後は桐山との勝負の末空振り三振し試合に敗れる。
試合後自分より上の才能に初めて挫折したが真澄ら凡人に立ち直る方法を教えると言われ立ち上がり、ハマソウへのリベンジを誓う。その後は練習の他にも隠れて自主練をやるなど努力をするようになった。
真澄 賢悟ますみ けんご
声 - 小野大輔[10]
1年生、捕手。九番打者。右投右打。黒髪で切れ目。
中学生時代はエースピッチャーだったが、中3の頃に転校してきた轟にエースの座を奪われてキャッチャーに転向した過去がある。もともと夢はプロ野球選手だった。
轟が暴投してもきっちりキャッチできる名捕手。送球やバッティングも得意なオールラウンダーで、轟に次ぐ実力があるが夏大会まで目立たないよう九番を打ち実力を隠している。
妹のじゅんを溺愛するシスコン。実家は練習後にバイトに行かなければいけないほどかなり貧乏。元々中学卒業後は野球に見切りをつけ就職しようと思っていたが、轟がバッテリーは真澄以外いないとして、勝手に入部条件に学費授業料全免除の特待生をねじ込まれそれを許可した聖テレに進学した。
チームの司令塔で轟のメディア策略も自分が考案した。こちらも基本的に傲慢で、「俺に指図していいのは俺より野球が上手い奴と妹だけ」がモットーであり、先輩であろうと敬わない。この性格は貧乏な経験故に来ており、他人の優しさも敵視してしまう。
轟には愛憎入り混じる感情を持っており、辛口を叩くが誰よりもその野球の才能を高く買っている。轟が挫折した際はその弱さに激昂して髪を掴みあげ奮起させた。試合後は悔し涙を流す轟を支え、共にハマソウへのリベンジを誓う。
その他の部員
野球部は最近力を入れてきたと言われるものの実力はそこそこ(轟の観察眼曰く「無課金」)。轟を清楚系球児として世間に売り出し、本性がバレないようにしている。性格の悪い轟と真澄には反感を持っているものの、その力で甲子園に出場して就職活動に利用しようとしている。
元々主力の3年生もいたが、轟の才能と性格に嫌気が差し野球部を離れており、夏大会直前にようやく連絡が取れ、ベンチ入り登録させた真澄が轟に戻ってくるために謝罪させるよう連れ出した。
監督
眼鏡をかけて少しひげがある。轟を使って甲子園に出場し、転職活動に利用しようとしている。自虐したユーモアのあるセリフが多い。

神奈川県立あざみ野高等学校

草加 鉄平くさか てっぺい
3年生、投手。右投右打。茶髪のツーブロックアイブラックが特徴。
あざみ野のエースでアンダースロー。小中学生時代は現ハマソウの広瀬・三馬バッテリーとは隣の地区のクラブチームに所属しており、当時から三馬を一方的にライバル視している。バッテリーの相方の露木とは幼馴染で「リン」「鉄平さん」と下の名前で呼び合う仲だが、露木が用いる占いや「流れ」といったオカルトの類は一切信じていない。手首のスナップで回転数の方向を変えるジャイロボールを投げ分け、決め球はバッターの手元ギリギリで変化する無味無臭の魔球・夢幻ジャイロ。ただ夢幻ジャイロや他の軌道を見せないためとスタミナのためにストレートのジャイロを中心に投げている。クイックも上手いが9回まで投げ切るスタミナがそこまで無いのが弱点。
体躯は小柄だが形勢不利になっても決して諦めず投球し続ける熱い心を持っている。
ハマソウとの試合ではバッターに軌道を理解をさせず複数のジャイロボールを投げ無失点を終盤まで続けたが、伊能がジャイロを見抜いたこととスタミナ切れもあり同点に追いつかれる。その後はスタミナ切れながらも夢幻ジャイロを投げ打線を抑えるも、広瀬にクイック投球を見抜かれ打席前で変化する前に打たれサヨナラホームランを放たれ敗北。試合後謝る露木に最後まで悔いなく全力を出せたことに涙ながら感謝を述べていた。
露木 凛つゆき りん
声 - 篠田和真[15] / 小野大輔[10]
3年生、捕手。四番打者。右投右打。長い黒髪を三つ編みにして流したルーズサイドテール。前髪で左目を隠している。
おっとりとした言動だが腹黒く策略家。ただし草加のことは本当に大切に思っている。よく当たると評判の占い師で、その手の界隈では知る人ぞ知る有名人。信者と言っても過言ではない熱狂的な顧客を抱え、草加を除くあざみ野野球部全体も露木を先生呼びしてその占いを妄信している。幼少期はメンタルが不調になるとすぐに体調を崩し、自分でもそれを負い目に感じていた。
ホット・リーディングを駆使した「予言」によって味方の士気を上げつつ相手の調子を狂わせることで試合の「流れ」をつかむオカルト戦法を得意とする。守備ではジャイロボールの軌道を読ませず、バッターの感覚を誤認するようにリードを取り打ち取らせる。
四番打者ではあるがスラッガーではなく、持ち前の観察眼とバットコントロールで流れを失った穴を突き、流れを変えるスタイル。
1回戦では試合前の裏工作から1点を先制し、その後も流れを掴み7回までリードを作る。しかし桐山と三馬のピッチングで流れを変えられ、無味無臭の攻撃により同点に追いつかれる。同点後はカット打法を封じるためわざと露骨にやるなど策略をするも最後に裏の裏をかかれ敗北。
その他の部員
露木を先生として盲信しており、ホットリーディングの仕掛けを露木の意のままに行う。逆に流を失った際や露木の予言がことごとく外れた際は陰謀論が飛び出すほどパニックになっていたが草加に叱責され落ち着く。草加の全力の投球に感化され流れを気にせず全力で戦うことを決意。
監督
糸目で髭が濃い。他部員と同じく露木を先生と盲信していたが、予言が外れて混乱していた際は一人だけ「露木の占いを危険視して盲信していたふりをして潜入していた」と手のひらを返し他部員を唖然とさせた。試合後は小堀と仲良くなっていた。

神奈川実業高等学校

権田 巌ごんだ いわお
3年生、三塁手。四番打者。キャプテン。右打。
細かいことを気にしない豪快な性格。桐山が3球しか投げない、左で投げるのも理由があるとして疑わなかった。1話で野球部狩りの桐山の3球投球にかすりもせずに敗れ、それ以来再対決に燃えている。後輩いわくドヤ街出身でネズミを食べて暮らしてきたとのこと。
強打者打線の中軸の実力者で神実でずば抜けている長距離打者。ハマソウとの練習試合で逆転サヨナラホームラン、2回戦ではツーべース2本、2本塁打を放った。公式戦の際はバットを立てたまま片足を伸ばして腰を落とすルーティンをしている。また、謙虚な性格でもあるが、全力で来ない甘い球を罠だと信じ追い込まれる弱点がある。轟程ではないものの他者の実力や弱点を感じる勘を持つ。
ハマソウとの試合では一打席目は審判の癖を取られ三振、さすがに二打席目は全力で来ない怒りから2ランホームランを放つ。三打席目はハマソウが何かしらのハンデを背負っておりそこから全力で戦っていることに気づき、伊能に全力で戦ってくれる感謝を述べた。アースインパクトを振り抜くも筒井のファインプレーと内野陣の連係により6-5-4-3のトリプルプレーに倒れる。
瓜実 楽清うりざね らっきょ
2年生、投手。九番打者。右投右打。背番号10。細長い顔の坊主。
1話で権田との居残り練習中に同じく野球部狩りに出会った。先輩に礼儀正しい性格で、鈍臭く不真面目な泉にはいつも口うるさく注意している。もともとキツイ練習をするために神実に入ったが先輩が優しすぎてシゴきが足りないと感じている。
上手投げで投手としては球速はそこそこ良く、コントロールも良い。ナックルも投げることができる。先輩思いのため先輩が危機に陥ると覚醒し調子が上がっていく。
泉 惣介いずみ そうすけ
2年生、捕手。一番打者。右投右打。癖毛の黒髪とそばかすが特徴。
坊主頭揃いの神実の中で何かと理由をつけて髪を伸ばしている。先輩にタメ口を聞き、目立つことを嫌うが実力はある。1番打者として相手投手を解析する神実必勝パターンの重要人物。
一見軟弱そうに見えるが、実際は自分自身を「ゆるふわ球児」と言い聞かせて本性を隠そうとしている演技派であり、高い分析力を持つ。興奮すると鼻血が出る。性格の悪い伊能には何かと敵執心を見せている。
もともと何でもこなせることができる天才肌の持ち主で、その分努力している先輩たちは尊敬している。
その他の部員
坊主集団と言われる今年のスタメンやベンチも含め強打者揃いで見た目も高校生かと疑わしくなるほど厳つい。権田と共に豪快で漢気のあるさっぱりとした気風の者が多く、全員がチームメイトを信頼している。
ただ打力の少ない7番以降や控えの下級生選手は普通の見た目。
轟 育子とどろき いくこ
監督。阿川監督並みの巨体でポニーテールが特徴。チームの選手たちを「息子たち」と呼び、確かな信頼関係を築いている。
聖テレの轟大愚の実母で目元がそっくり。元女子ソフトボールのピッチャーで、最高球速120キロを記録する元オリンピック選手。現役時代の二つ名は「小さな丘の大きな山マウンテンオブマウンド」、通称「ママ」。女子硬式野球の経験もあり、指導者としての手腕も高く評価されている。息子の親離れが早かったため、行き場のない母性が暴走することもある。

その他

医者
桐山の右肘を診察した名医。怪我の完治は難しいと診察し、桐山が野球を諦めたきっかけになった。その一方で、むしろこれだけの怪我をして三球も投げられることが奇跡だと評しており、イップスが肘を守っているようだと励ましていた。
真澄 純ますみ じゅん
真澄賢悟の妹。中学生。コミックス2巻では2年生、4巻のおまけ漫画では3年生と学年の表記にブレがある。
試合を一度も見に来たことがないため、チームメイトからは実在が疑われている。単行本のおまけ漫画で度々登場している。
昔は純粋に兄のことを慕っていたが、今では兄を尻に敷いておりアイスを奢らせたり宿題をやらせたりとこき使っている。
桐山夫人きりやまふじん
バッテリーと夫婦関係を例えて桐山不折の妻を自称する謎の男性。野球部狩り時代の桐山の格好を真似して顔を隠している。身体はかなりの筋肉質。
かつて桐山と「野球をしない」約束をしており、1回戦後は野球をさせないため「夫の浮気調査」の名目で探偵を雇ってハマソウを監視しており、ハマソウを負けさせようと妨害工作を行っている。財力がかなりあるのかみなとみらい・ブルーホーンのホテルで暮らし、貸切でモニターやプールを使っている。また、桐山のAIを作りそっくりのマネキンに入れて情報を学習させて会話している。様々な裏工作をするが桐山関連のことになったり意外な一手を打たれると焦ったり怒ったりと激情的になりやすい。
野球をやっており久良岐シニア時代は桐山とチームメイトでバッテリーだったとのこと。バッテリーを夫婦関係と別称する事もあって自分のことを夫人と呼ぶように言っている。ポジションはキャッチャーだと言うが現在も高校で野球をしているかは不明。
飯降いぶり
飯降探偵事務所の所長。右にホクロがありモノクルをかけている。金さえ払えば何でも調査してくれると言われる実力ある探偵。桐山夫人の依頼によりハマソウの監視や調査、裏工作、また試合に訪れて桐山夫人に見せるための撮影も手伝う。
桐山の夫人発言には目を丸くしたものの深くは突っ込まないプロ意識の持ち主。
米原よねはら
数年前に夏の甲子園で活躍した選手。レガースから左打であることが推測。背番号13。
少し長めの白髪。露木が露骨にカット打法をし際審判に注意された際に小堀に言及された。身長156cmの小柄な体格と巧みなカット打法を生かし、選んで四球や甘い球をヒットして、甲子園では3試合で出塁率8割、準々決勝では相手投手に投球数4分の1となる41球をも投げさせチームの原動力となった。さすがに準決勝では審判からカット打法をバントとみなすよう言い渡されカット打法は使わず、チームも準決勝(ベスト4)で敗退した。

用語

神奈川県立横浜霜葩高校かながわけんりつよこはまそうはこうこう
桐山らが通う横浜市の公立高校。通称ハマソウ。校名の由来は四字熟語の「雪萼霜葩」。校章は雪の結晶と梅の花を組み合わせたデザイン。偏差値はそこそこ良い進学校。野球部の頭髪は自由[12]。また、生徒の自主性が重視されており学生団体の権力が強く、部活全体のルール[17]を決める部活動連合会も存在している[11]
公立ながらも今年の野球部3年生は粒揃いで、私立の中堅にも負けていない実力を持つ。野球部部員は32名。3年生は17名、1、2年生は15名。
伊勢原聖テレーズ学園いせはらせいテレーズがくえん
ミッションスクールではないが、校風はキリスト系の私立高校。通称聖テレ。元は女子校で、近年になって共学化した際にスポーツに力を入れるようになった[18]。設備にも金をかけており、特待生もランクごとに用意している。
野球部はそこそこの実力で、投打ともに轟のワンマンチーム。夏大会前にハマソウと練習試合をし惜敗したが、その時は主要な3年が不在だった。
神奈川県あざみ野高校かながわけんりつあざみのこうこう
男女共学の公立高校。ハマソウの神奈川大会1回戦の対戦相手。少子化により二つの学校が合併して生まれた高校で、所在地であるあざみ野の名前がつけられた[19]
野球部は守備も攻撃も並だが、「流れ」をつかむのが異様に上手く、格上相手にも引けを取らないチームと言われている。
ハマソウは流れを掴まれ終盤まで3点ビハインドだったが7回に一挙同点、9回裏に広瀬のサヨナラホームランで4x-3で勝利した。
藤沢水産高校ふじさわすいさんこうこう
ハマソウの神奈川大会2回戦の対戦相手。序盤からハマソウの打線が爆発し終盤三馬がガス欠して打たれるものの結局11-4の7回コールドで勝利した。
神奈川実業高校かながわじつぎょうこうこう
私学の中堅校。通称神実かんじつ。電気、農業、土木、情報と幅広い分野を専門的に学べる実業高校[20]
桐山が入る前にハマソウが練習試合を行った高校であり、神奈川大会3回戦の対戦相手。
野球部は昭和期には何回も出場経験のある古豪。近年は甲子園出場から遠ざかっていたが、轟監督の手腕と権田の入部により近年力をつけてきている。
春大会はベスト16に入り夏はシード校。「神実の坊主軍団」の異名を持ち、四番の権田巌を中心に強打者が揃っている。初戦(2回戦)で夢が丘高校を17-0の5回コールドで下した。
久良岐シニアくらきしにあ
中学硬式野球のリトルシニアチーム。桐山と桐山夫人の出身チーム。
桐山はエースだったものの大きな体を使いこなせるようになるまでに時間がかかり、活躍する前にケガをしたためそこまで名前は知られなかった。

書誌情報

脚注

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI