アスラの沙汰
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あらすじ
出胡市に住む中学生・天代アスラは亡くなった母の教えを守り、善い行いに励んでいた。同級生の不良・責谷とその取り巻きにいくら暴力を振るわれても悪い奴には天罰が下ると信じて笑顔で暮らしていた。そんな中、路地裏で露店を開く不気味な老人から地獄の扉を開く鍵を手渡される。一度は断るアスラだったが、愛犬が殺された際に再び鍵が現れ、責谷らを鍵の力で地獄に送る。天の代わりに自ら悪人を断罪することを決意したアスラは、不思議ちゃんな女子中学生・鳳翠をいじめる九真田兄妹、転校生・竜宮ライカやその母に暴力を振るう父親、学校でカツアゲを行う上級生・テリヤとその取り巻きを地獄へ落としていく。そんな中、出胡署の刑事・須見山と十田が行方不明者を探すためアスラに関わる。一方でテリヤと繋がる犯罪組織に目を付けられ、その矛先はライカや鳳にも向いてしまう。
登場人物
- 天代明日良(あましろ アスラ)
- 声 - 花守ゆみり[5]
- 主人公。男子中学生でクラスは2年1組。黒髪短髪。母(声 - 雪深山福子[5])を殺人事件で亡くしており、その母の教えとなる善い行いに励みながら祖母(声 - 仁胡[5])と一緒に暮らしている。いつも笑顔を絶やさないよう振る舞っているが、目に生気がない[7]。怒りを覚えると眉がハの字になる[8]。いじめを止めようとしたことで責谷ら同級生からいじめを受けていたが、獄門露店の店主から「地獄の扉を開く鍵」を与えられ、責谷らを地獄に送る[7]。その後は善い人を救うため悪人たちを懲らしめるべく、様々な断罪に身を投じる[9]。
- 竜宮雷花(たつみや ライカ)
- アスラの通う学校に転校してきた男子中学生でクラスは2年3組[10]。茶髪短髪。不良のような見た目とは裏腹に正義感が強い[9]。上級生のいじめを止めたことでアスラと仲良くなるが、不良グループに「地獄の鍵」を使うところを見てしまう[11]。虐待をする父親にトラウマを持ち、家庭内暴力を受けていた母・華鈴とともに父の下から逃げ出してアパートに引っ越してきたが、すぐに父に見つかってしまう[12][13]。暴力的な父に似た自身の容姿や攻撃性にコンプレックスがあり、同じ血が流れていることを嫌悪している[14]。
- 鳳翠(おおとり みどり)
- アスラとは別の学校に通う女子中学生で学年は2年生[9]。黒髪短髪太眉。読書が趣味で、『ナルニオ国物語』という本を愛読している。ある日から「ナルニオ国につながっている扉」を幻視するようになり、扉を追いかけているときにアスラと出会う。母親と二人で暮らしているが、母は会社勤めのため自宅ではいつも一人ぼっち[15]。同級生の女子グループにいじめられており、さらにリーダー格の女子生徒・九真田とその兄に性暴力を振るわれるがアスラによって救われる[16]。その後はアスラを崇拝し、いじめられている女子生徒を女子グループから救っており精神的に成長する[17]。
- 謎の老人 / 店主
- 声 - 石川佳典[5]
- 路地裏で「獄門露店」を営む老人。アスラに「地獄の鍵」を与えた。その後は地獄に落とされた者の前に現れ、その者の地獄での寿命を告げる[7]。
- 責谷(せめたに)
- 声 - 石田優人[5]
- アスラと同級生の男性不良。染髪短髪。小動物殺傷を趣味としており、取り巻きの北名木(声 - 神崎一矢[5])や穴里(声 - 小池貴大[5])とともに同級生をいじめていた。趣味がエスカレートしアスラの愛犬パドレを殺したことで、アスラに鍵を捻られて地獄送りとなった[7]。
- 九真田九果(くまだ きゅうか)
- 鳳をいじめる女子グループのリーダー格。鳳に水を浴びせ煙草を押し付ける、服を脱がせその写真を学校のグループチャットに拡散するなど壮絶ないじめを行っていたが[15]、鳳を襲った九真田の兄がアスラによって地獄送りにされる際に巻き込まれ、地獄の扉に引き込まれる[16]。
- 素貝(そがい)、積月(つみつき)
- 九真田の取り巻きで、鳳へのいじめに加担する[15]。九真田が行方不明になった後もほかの女子生徒に対して髪を切るなどのいじめを続けており、鳳から「地獄に落ちる」と警告を受ける[18]。
- タナカ
- 鳳のクラスメイト。眼鏡をした女子中学生で、素貝と積月からいじめを受けている[18]。鳳に助け出されるが、帰宅時に同居する祖母が強盗に襲われて倒れた姿を発見する[17]。
- テリヤ(照也)
- アスラと同じ学校の3年生。「テリヤキ会」という不良グループを率いており、下級生である責谷らにも関わっていた。校舎裏を根城にして取り巻きのキノ、ウニ、トネともにカツアゲや窃盗を行っており、制止したアスラとライカを標的にする[10]。兄・イルヤを通じて犯罪組織に繋がっており、カニマに報酬のいい「バイト」を手配させている[19]。
- イルヤ
- テリヤの兄。アスラらが住む地区を拠点とする犯罪組織の上役で、カニマ曰く「ボスの右腕」[19]。弟を溺愛する一方で用心深く冷酷な性格で、カニマの失態には容赦のない制裁を与える[20]。テリヤの所在不明にアスラやライカが関与していることを疑い、二人を調べるよう指示する[21]。
- カニマ
- イルヤの手下。犯罪組織と末端のメンバーの仲介役を担っており、タナカの祖母が襲われた強盗事件にも関与している[20]。所在不明になったテリヤを見つけるため、配下の半グレやバイトを使ってアスラ、ライカ、鳳の家を襲撃する[21][22][23][24]。
- 須見山忠人(すみやま ただひと)
- ベテランの男性警察官。行方不明になった不良生徒の捜索のためアスラに接触する[25]。アスラの家の周辺を見て責谷らがパドレを標的にしたことを見抜き、現場に残った焦げ跡から「何か」が事件に関与していることを推測する[26][23][27]。
- 十田(トーダ)
- 須見山と共に行動する女性警察官。正義感が強く、聞き込みではいじめを受けていたことを証言したアスラに同情して須見山の問い詰めを遮ってしまう。一方で悪事を行っている不良生徒を捜索することに疑念を抱き、須見山に自信をなくしてしまうことを吐露する[26]。
用語解説
- 出胡市立土古花中学校
- アスラが通う中学校[9]。テリヤをリーダー格とする不良グループ「テリヤキ会」が存在し、いじめや恐喝が学年ごとに組織立って行われている[10]。
- 出胡市立阿知羅中学校
- 鳳が通う中学校[9]。女子グループによる同性へのいじめが絶えない[18]。
- 獄門露店
- 地獄を見てきたように辛い目にあった人間だけが見える露店。謎の老人が店主として現れる[7]。
- 地獄の扉を開く鍵
- 獄門露店の店主がアスラに渡した鍵。人間の頭にカギを差し込んで捻ることでその人間を地獄へと連れて行く[7]。扉からは異形の化け物が現れ、鍵を捻られた対象が扉に引き込まれるが、対象が他人を掴んだ場合はその人物も巻き込まれて地獄行きとなる[16]。使った人間には身体にあざが出現し、使用するたびにあざが拡がるが、第三者には見えない[28]。扉が出現した場所には炎あるいは華のような模様の焦げ跡が残り、跡は第三者にも視認できる[26]。
- 行方不明特別対策係
- 出胡警察署生活安全課に設置された臨時部署。須見山と十田が任命されている[26]。