対戦型格闘ゲーム
ビデオゲームのジャンル
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概要
対戦型格闘ゲームは2体以上のキャラクターが互いを倒すことを目的としてリアルタイムで格闘技的なアクションをおこなうコンピュータゲームの総称である[1]。
対戦型格闘ゲームは格闘ゲームの一種であり、キャラクターが格闘技の技をはじめとしたアクションを駆使して相手を倒すことを目的とする(⇒ #勝敗)[1]。気の弾丸などの飛び道具や剣が登場する作品もある。プレイヤーは多数のキャラクターの中から自分の使用するキャラクターを選び、コマンドを駆使して攻撃し敵の体力[注釈 1]をなくした方が勝利となるシステムが一般的である[要出典]。1対1が基本の形式であり、格闘技もしくはそれに類する形式で戦うことが多い[要出典]。
また、対戦型格闘ゲームはアクションゲームの一種である[5]。プレイヤーはキャラクターを操作して移動・攻撃・防御といったアクションをリアルタイムでおこなう[1](⇒ #移動アクション、#攻撃アクション、#防御アクション)。操作は上下左右の方向キーと3~6個のボタンを用い、方向キーでキャラクターの移動やコマンドの入力をし、ボタンで攻撃するのが典型例である。ほとんどの場合、ゲームロジックはフレーム単位で管理される。フレームレートは60fps(秒間60フレーム)である。
また、対戦型格闘ゲームは対戦型ゲームの一種であり、2体以上のキャラクターが互いを倒すことを目的として戦う[1][6]。キャラクターはプレイヤー(=人間)かコンピュータが操作する[2]。プレイヤー同士が対戦する場合(PvP)もあれば、プレイヤーとCPUが戦う場合(PvE)もあるが、キャラクター同士が対戦する点において共通である[1]。これは協力型格闘ゲーム(英: cooperative fighting game)と対照的である。相手を倒すためには相手の裏をかく必要があるため様々な駆け引き・読み合いがおこなわれ[7][8]、これが対戦型格闘ゲームの醍醐味のひとつとされる[9](⇒ #駆け引き)。
対戦型格闘ゲームは総称であり、しばしばコンピュータゲームのジャンルの一つとして扱われる[3]。対戦型アクションゲームは上位ジャンルにあたる[5]。対戦型格闘ゲームは大別して、上下左右の動きだけで奥行きのないもの(2D)と、奥行きのあるもの(3D)の2種類がある(⇒ #分類)。
基本ルール

対戦型格闘ゲームの基本的な流れ・ルールを示す。例外は無数にある。用語の詳細はリンク先を参照。
対戦型格闘ゲームでは、まず各プレイヤーが自分の操作キャラクターを選択する。次に、ステージを相談して決める。これにより試合が決定し、ラウンドが始まる。
選ばれたステージ上に全ての操作キャラクターが対峙した状態で配置され、ラウンドがスタートする[10]。残り時間がカウントダウンされ始め、プレイヤーはキャラクターを操作する。打ちたい攻撃に合う間合いをつくるためお互いがキャラクターを移動し合い、牽制を打ちつつ良いタイミングで攻撃を仕掛ける。攻撃がヒットすると相手は体力が減り身体が吹き飛ばされる[10]。これを繰り返してK.O.・判定勝ち・リングアウト等の条件を満たした方がラウンドを取る。
体力等がリセットされ、次のラウンドへ移る。この際、どちらかが規定のラウンド数を取っていれば試合は終了となり、そのプレイヤーが試合の勝者となる。
特徴
対戦型格闘ゲームは対戦型アクションゲームの一種であり、その特徴を引き継ぐ。対戦型格闘ゲームに固有の特徴には以下が挙げられる。
共通舞台での移動と殴り合い
対戦型格闘ゲームは「すべてのキャラクターが 1 つの空間内で移動し殴り合う」という特徴をもつ[10]。
ステージは空間すなわち「距離を持つ領域」であり[11]、試合に出る全てのキャラはこの共通舞台に上がる。また攻撃は格闘技的な近接技が主体である。よってすべてのキャラが 1 つの空間内に存在し、攻撃を当てるために移動し、殴り合う[10]。
対戦型アクションゲーム一般では、各プレイヤーがフィールドを持ち妨害要素を介して相互作用するケースや[注釈 2]、空間内のキャラ移動が無いケースもある[注釈 3]。全てのキャラがステージという共通舞台上で移動し殴り合うのは対戦型格闘ゲームの特徴である[10]。
キャラクターが常に対峙
対戦型格闘ゲームは「キャラクターが相手と常に対峙する」という特徴をもつ。
キャラが交錯し位置関係が入れ替わると相手キャラが自分の背中側に行くことがある。このとき、対戦型格闘ゲームでは次の2つのいずれかになる。ひとつは自動振り向きで即時かつ強制的にキャラの向きを変えて正対させる[13]。もうひとつは背後を取られたことに大きなペナルティ、例えば大ダメージリスクを負わせる。
多くの格闘技や武道は「相手に背を向けて逃げる」ことをルールで禁じ、常に目の前の相手を打倒することを求める(例: ボクシング[14]、柔道[15])。対戦型格闘ゲームはこれと同様の要請をシステムによっておこなうと理解できる。
対戦型アクションゲーム一般では、キャラ同士が並走しそもそも正面からぶつからないケースや[注釈 4]、背を向けた逃げが可能で有利の継続・不利の損切り用の戦法となるケースも多い[注釈 5]。そのため常に対峙するのは対戦型格闘ゲームの特徴である。例外的にこの原則を破る特殊なキャラや構えも存在する。また多人数対戦で背側にも腹側にも相手がいる場合の動作はゲームによる[16]。
分類
対戦型格闘ゲームは2D対戦格闘ゲームと3D対戦格闘ゲームに大別される。
2D対戦格闘ゲーム
2D対戦格闘ゲームは上下左右の動きだけで奥行きのない(2D)対戦型格闘ゲームである[要出典]。
2D対戦格闘ゲームではキャラクターの移動方向が以下のように 2 つ存在する:
- 近づく ↔ 遠ざかる: 左右軸
- 地上 ↔ 空中: 上下軸
このように二次元移動をおこなうため 2D と呼ばれる。
代表的なタイトルにはストリートファイターシリーズ、GUILTY GEARシリーズ(例外あり)、餓狼伝説シリーズが挙げられる。
3D対戦格闘ゲーム
3D対戦格闘ゲームは上下左右の動きに加えて奥行きのある対戦型格闘ゲームである[要出典]。
3D対戦格闘ゲームではキャラクターの移動方向が以下のように 3 つ存在する:
- 近づく ↔ 遠ざかる: 左右軸
- 地上 ↔ 空中: 上下軸
- 左に回り込む ↔ 右に回り込む: 手前奥軸
このように三次元移動をおこなうため 3D と呼ばれる。
代表的なタイトルにはバーチャファイターシリーズ、鉄拳シリーズが挙げられる。
歴史的には3DCGを用いた対戦型格闘ゲームを「3D対戦格闘ゲーム」と呼んでおり、移動方向による分類ではなかった。実際、世界初の3D対戦格闘ゲームとして知られる『バーチャファイター』には軸/横移動が無い[17][18]。のちに多くの3D対戦格闘ゲームが軸/横移動を実装し、逆にストリートファイターが「前後移動 + ジャンプ」の 2D 的ゲーム性を保ったまま 3DCG へ移行した[19]。そのため 2D/3D がルックと噛み合わなくなり、しかしプレイ体験に大きく関わる移動の軸数は 2D/3D に収束したため、呼び名をそのままに意味が変容して今の用法になっている。
勝敗
ノックアウト
対戦型格闘ゲームの基本的な勝敗の付け方。キャラクターの体力はゲージで表現されており、敵の攻撃に当たるたびにそれが減っていく。体力が尽きてしまうとノックアウトとなり、そのラウンドを落としたことになる。前のラウンドの終了時の状況に関わらず最大値まで体力が回復した状態で次のラウンドが始まるという作品が多いが、『ザ・キング・オブ・ファイターズシリーズ』の様に前のラウンドの結果が反映される作品も存在する。また、一定の条件下において、対戦中でも若干体力を回復できる要素を取り入れた作品もある。
タイムオーバー
設定されている制限時間が0になった場合、残っている体力が多い方がラウンドを制したことになる(いわゆる判定勝ち)。アーケードゲームでは基本的に制限時間が設定されているが、家庭用ゲーム機への移植作ではオプションで制限時間をなくすことができるのもある。
リングアウト
基本的な対戦格闘ゲームではステージの端まで行くとそれ以上は進めなくなっているが、中にはそこから更に進む、あるいは敵に押し出されるなどするとリングアウトとなり、ラウンドを取られてしまうルールのものもある。『Rivals of Aether』ではリングアウトは主な勝敗の付け方となっている。
特殊勝利
一つの必殺技を決めることでラウンド先取数と関係なくその場で一方の勝利が確定するというルールの作品もある。
ラウンド制
3ラウンド中2ラウンドを先取することで勝利とする「ラウンド制」をとる作品が多い。5ラウンド中3ラウンド先取とする場合もある。
移動アクション
移動アクションはキャラクターの位置を変化させるアクションである。なお、ここではキャラクターの上半身の位置(= 姿勢)を変化させるアクションも扱う。
歩き
歩きは任意のタイミングで即時始動し、任意の長さ継続し、任意のタイミングで即時終了できる(= 即時発生 & 任意持続 & 硬直無し)[20]。よって歩きは最も細かい距離調整の手段である[20]。
前方への歩きは
押しっぱなし、後ろ歩きが後ろ
押しっぱなしが多い[21][22]。
後ろコマンド
がガード入力を担うゲームでは、
と
が両立しないため前歩きは必ず無防備・ノーガードになる。逆に後ろ歩きは「後退しつつ相手の攻撃が当たる場合は自動ガード」となる[24]。
ダッシュ
ダッシュ(英: dash)は地上を高速移動するアクションである[25]。
ダッシュの性能は様々で、ステップ型とラン型に大別される。更に前後方向[注釈 6]、速度差、無敵有無[注釈 7]、様々なバリエーションがある。『サイキックフォース』では360度全方位に移動できる。大乱闘スマッシュブラザーズシリーズではダッシュの冒頭がステップ方式で一定時間後にラン方式へ移行する。コマンドは同方向キー2回(例:
+ N +
)が多い[25]。
ステップ
ステップは一定の軌道に沿って地上を高速移動するアクションである[26][27]。
ステップはダッシュの一種であり、一度発動すると操作が効かなくなり一定の軌道に沿ってキャラクターが地上を高速移動する[27]。そのためステップ中は無防備になる[28]。一方で一足飛びに地上を移動するため、一度に距離を詰めて相手の虚を突いたり急に距離を取って技をスカさせたりできる[28]。
相手と近づく方向へ移動するステップは
ラン
ランは地上を中断可能な高速移動するアクションである[要出典]。
ジャンプ
ジャンプ(英: jump)は一定の軌道に沿って空中を移動するアクションである[33]。
一般的なジャンプは地上を離れ、空中を移動し、また地上へ戻るというアクションである。そのため空中移動中は地上技、特に足払いなどの低い位置への攻撃を回避できる[35]。よってジャンプを通せば地上やられのリスクを抑えながら相手へ一気に接近できる[36]。一方でジャンプ出始め・出終わりは地上近くにいるため、地上技とくにアッパーカットなど上向きの攻撃には当たりやすい。
ジャンプ中は一定の軌道に沿ってキャラクターが移動する[33]。よってジャンプが発生した時点でキャラクターの移動ルートを双方が認識できる。軌道の異なる複数のジャンプが用意される場合もある(例: 小ジャンプ・大ジャンプ)[37]。ジャンプからの軌道変化の有無はゲームにより大きく異なる。一旦飛ぶとほぼ軌道変化できないゲーム(例: ストリートファイターシリーズ[38])から、空中ジャンプ・空中姿勢制御・急降下・技慣性などで自由自在に動けるゲーム[39](例: 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ)まで様々である。
ジャンプは別のアクションへ派生できる場合が多い。その際にジャンプ移動の慣性を引き継げる場合が多く、例えばジャンプ攻撃では横方向へ空中移動しながら攻撃できる[40]。
ジャンプ入力には上系方向キーあるいはジャンプボタンを用いることが多い[41]。
軸移動
軸移動はキャラクターが左右に回り込むアクションである[要出典]。
3D対戦型格闘ゲームにはキャラクターが左右に回り込み、画面上は奥行き方向(手前・奥)へ移動する。この移動アクションが軸移動である。キャラクター同士の中心点を結ぶ直線を軸と呼び、この軸が移動するため軸移動と呼ばれる[要出典]。軸移動後は一定時間ののち自動で両者が向き合う形(=相手が自動で追従の軸移動をする)や、追従はプレイヤー任せとする形がある。
軸移動は相手キャラクターの正面から身体(当たり判定)が外れる移動であるため、正面に対する攻撃(直線攻撃・縦攻撃)を避けやすい。軸移動中に直線属性に対する無敵が付与される場合もある(例: 『バーチャファイター』[要出典])。逆に軸方向もカバーした攻撃(回転攻撃・横攻撃)に対して軸移動しても被弾しやすい。
軸移動のコマンドは上下キー2回(例:
+ N +
)が多い。『ソウルキャリバー』ではレバー操作で俯瞰視点における前後左右の動作が行なえ、ジャンプやしゃがみはガードボタンとレバーを同時に用いて行なう[要出典]。
しゃがみ
しゃがみは身体を屈めた姿勢をとるアクションである[要出典]。
しゃがみは頭部への攻撃を避けれたりする。
攻撃アクション
攻撃アクションは相手へダメージを与えたりリソースを奪ったりするアクションである。
典型的な攻撃アクションはリーチと威力をもち、発生前・持続・硬直の3段階を辿る(⇒ #発生・持続・硬直)。長いリーチや高い威力をもつ攻撃はトレードオフとして遅い発生・長い硬直をもつことが多い。これを反映した弱攻撃・中攻撃・強攻撃のような種別が用意されることもある(それぞれにボタンが割り振られることもある)。
攻撃アクションは通常技・特殊技・必殺技に分類されることもある。入力と分類の対応に着目すると、ボタン単体(+ 姿勢/移動入力)が通常技、ボタンと方向キーの同時押しが特殊技[注釈 8]、コマンドが必殺技に対応することが多い。
打撃
打撃は相手を殴る攻撃アクションである[要出典]。
投げ
典型例には発生が早く、ガードを無視してヒットするが[43]、リーチが短く[42]、ガード硬直中・のけぞり中の相手には当たらず[44]、ダメージは単発としては高いがコンボはなく、失敗するとスカりモーションが出る[注釈 9]。下位分類としては通常投げ、コマンド投げ、移動投げ、対空投げ、空中投げ、打撃投げ、返し投げ、キャッチ投げ[注釈 10]などが存在する。スカりモーションは、『バーチャファイター2』において、投げ失敗がなくコマンドの重複が可能だったため、いわゆる「自動二択」(投げられなければ、自動で中段攻撃が出る)がリスクが非常に低く強かったことの反省から導入されている[要出典]。
中段・下段(= 立ち投げ・しゃがみ投げ)が設定される場合もある。中段攻撃<立ちガード<立ち投げ<中段攻撃の主流の三すくみに、更に下段攻撃<しゃがみガード<しゃがみ投げ・中段攻撃、更に立ち投げ<しゃがみガード、しゃがみ投げ<立ちガード等という複雑なすくみ関係のループが構成されている。これは『バーチャファイター』が基本形を構築し後のゲームに影響を与えた[要出典]。
中段攻撃
高速中段
中段攻撃のうち、発生が早いため技の始動モーションを見てから(= 技確認して)立つことが困難なものが高速中段である[45]。ゲームシステムの応答速度に依存するが、おおよそ発生 15F だと見てから立つことが極めて難しくなる[46]。
高速中段を持つキャラクターが高速中段を打てる状況にあるとき、相手はあらかじめ立っておくか、中段をガン見して始動で正確に立つか、タイミング読みで立つか、中段を受け入れてしゃがむかを選ぶことになる。このタイミングで高速下段も打てる場合は両対応が困難な中下択を仕掛けられる[46]。
ゲームシステムによっては連続ガードとやられ判定の仕様を利用したジャンプ絡みの高速中段が存在する(いわゆる「F式」)[47]。
下段攻撃
高速下段
下段攻撃のうち、発生が早いため技の始動モーションを見てから(= 技確認して)しゃがむことが困難なものが高速下段である。ゲームシステムの応答速度に依存するが、おおよそ発生 15F だと見てからしゃがむことが極めて難しくなる[46]。
高速下段は唐突な下段攻撃であり、立ち回りで高い抑止力をもつ[48]。高速下段を持つキャラクターが高速下段を打てる状況にあるとき、相手はあらかじめしゃがんでおくか、下段をガン見して始動で正確にしゃがむか、タイミング読みでしゃがむか、下段を受け入れて立つかを選ぶことになる。このタイミングで高速中段も打てる場合は両対応が困難な中下択を仕掛けられる[46]。
突進技
パンチのような攻撃では発生時に腕部分のやられ判定が前に出て、硬直の間に元へ戻り、キャラクターの移動は無いかわずかである。これとは対照的に、タックルのような攻撃では発生時に身体ごと相手方向へ突っ込んでいくため技の前後でキャラクターの位置が大きく異なる[49]。このような前への高速移動を伴った攻撃が突進技である。
多くの対戦型格闘ゲームで採用されている。ストリートファイターシリーズにおけるエドモンド本田の "スーパー頭突き" が有名である。システムとしては 『GUILTY GEAR -STRIVE-』(シーズン3~) のワイルドアサルトがある[51]。キャンセル攻撃可能なダッシュは疑似突進技として利用できる。一例として『ストリートファイター6』におけるドライブラッシュがある[52]。
技特性は様々である。一例として、発生が早いがガードされたら大隙[53]、発生もリーチも並だがガードでも確反が無い[54]、先端当てで有利を取れるがめり込みで確反になる、溜めを要するが早発生・長リーチ・確反無し、投げなのでガードに対してヒットを取れる、が挙げられる。入力によって移動距離を打ち分けられる場合や[55]、弾無敵があったり弾避け軌道をとる場合(=弾抜けになる)もある[49][54]。
突進技を用いた戦術は様々で、相手の隙を突いて遠距離から奇襲を仕掛ける[56]、奇襲を警戒させて相手の足を止めてコントロールする、先端当てをガードさせてフレーム有利な密着戦を仕掛ける、弾抜けを警戒させて弾を抑止する、などが挙げられる。
飛び道具
格闘ゲームはパンチのような身体による攻撃が基本であり、身体には基本的にやられ判定が付与されている。よって身体による攻撃は相手方向へやられ判定を近づける、リスクあるアクションになっている。飛び道具はこの例外で、手裏剣や気功による弾といった身体によらないモノを飛ばすことで攻撃をおこなう[57]。飛ばしたモノは身体のやられ判定を持たないため、飛ばしたモノと相手の攻撃が相打ちしてもこちらにダメージが入らない。
当て身投げ
当て身投げは相手の攻撃を受け止め自動で反撃するアクションである。当身投げとも。
『餓狼伝説』のギース・ハワードの必殺技「当て身投げ」を『ゲーメスト』が省略して「当て身」と略称していた。当身とは、打撃、打突技(すなわち突きや蹴り)の総称であり、「当て身投げ」とは「相手の当て身を受け止めて投げ飛ばす技」という意味である。名前を省略した事で語意に誤りが生じている。
乱舞技
『龍虎の拳』シリーズにおける「龍虎乱舞」などに代表されるコンボ系の技の総称。
挑発
挑発は数秒に渡るポージングを取るアクションである。攻撃・防御としての性能はほぼゼロで、あったとしてもダメージが極めて低い、相手のゲージを少し減らす、防御力が多少向上する程度にとどまる。挑発の目的はエンタメ・キャラ表現[注釈 11]・挑発・見栄張りなど心理的なものである。初出は『龍虎の拳』シリーズである。
防御アクション
防御アクションは相手の攻撃アクションに対応するアクションである。
ガード
ガード(英: block)は攻撃を受け止めてダメージを阻止・緩和する防御アクションである[58][59]。
ガードの用途は多岐にわたる。以下はその一例である:
- 相手の攻撃を咄嗟のガードで凌ぐ
- タイムオーバー狙いでローリスクに時間を稼ぐ
- リソースを使う技を受け切ってリソース差をつける
- 他アクションと時間差の連携を組む
- 相手の攻撃を誘ったうえでガードし有利を取ってターン交代する
- 大技を受け切って確定反撃する
ガード成立後にはガード硬直が課される場合がほとんどである[60]。
ガードによって攻撃のダメージが軽減されるがある程度は通るシステムもあり、これは削りと呼ばれる[58][61]。ダメージは通らないがペナルティ値が溜まり、それが上限に達すると大きなペナルティを与えられるシステムもある(例: ガードクラッシュ)。また攻撃や防御に使うリソースゲージが削られるシステムもある。ガードの繰り返しでガード自体が弱くなるシステムもある(例: シールド削り)。
ガードが不可能な攻撃が用意されていることが多い。投げはその典型例である[43]。部分的なガード不可能の仕組みとして立ち/上段ガード・しゃがみ/下段ガードをもつシステムもある。上段崩し(=中段技)の特性に応じて立ちガードとしゃがみガードのどちらがセオリーかは変わる。傾向として2D対戦型格闘ゲームではしゃがみガードが、3D対戦型格闘ゲームでは立ちガードが基本となることが多い。
ガードの発動制約はゲームによって異なる。地上にいることを必須とするゲーム(例: ストリートファイターシリーズ[62])から、空中ガードを任意発動できるゲームまで様々である。
ガードは方向キーあるいはガードボタンで入力されることが多い。典型例には後ろ入力がガード構えを兼ねたり、ガードボタン押下でガードが即時発生したりする。
削り
2D格闘ゲームの多くはガードによって通常技のダメージは無効化できるが、必殺技はわずかにダメージを受けてしまう(
投げ抜け
打撃は移動で回避するかガードで受けることで対応できる。投げは移動で回避できるがガードでは受けられず掴まれる。打撃にとってのガードにあたる、投げを受けるためのアクションが投げ抜けである[63]。一部のコマンド投げや通常投げ以外を「投げ抜け不可」とする場合もある。
投げられたタイミングに特定の入力をすることで投げを捌くことができる。投げ入力がそのまま投げ抜け入力を兼ねる場合もある。相手が使用したの投げのコマンドと似たボタン入力が求められることもある([P投げ]に対して[P]、[→K投げ]に対して[→K]など)。
『ストリートファイターIII 2nd IMPACT』(1997) では "グラップディフェンス" として採用されている[63]。
受け身
受け身は攻撃ヒットを緩和する防御アクションである。
投げ受け身の一例として『スーパーストリートファイターIIX』(1994) における投げダメージ軽減がある[64]。
移動アクションによる防御
一部の移動アクションは防御アクションを兼ねる。後ろ移動(例: 後ろ歩き、バックステップ)や上移動(例: 垂直ジャンプ)で相手のリーチ外へ退避することで相手の攻撃を回避できる。また、しゃがみで相手の頭狙いの攻撃をスカすことで相手の攻撃を回避できる。
いなし / さばき / 受け流し
主に『バーチャファイター』に代表される3D格闘ゲームで用いられ、どの表現であっても「ダメージを奪わずに仕切り直したり、立ち位置を入れ替える効果の技」を意味している。
システム
ステージ
ステージの形状・ギミック・見た目は様々である。一例として、フラットな地面、高低差のある地形、壁あり・なし、触れる痛い障害物、割れる壁、トレーニング部屋、東京下町風の背景がある。
画面端システムを採用している場合、システムによっては画面端での攻撃ヒットが画面中央と異なる状況を生む。例としてダメージ増加、ヒットバック減少、壁やられ、スタンが挙げられる[65]。これらにより画面端でのみ成立する大ダメージコンボである
画面端がステージ構造の壁として設定され三角飛びなどにより画面端を足場にしてアクションを行う例もある[要出典]。
当たり判定
対戦型格闘ゲームでは「パンチの拳が相手の顔に当たったか」「投げで掴む手が相手の体幹に当たったか」「前ステップの前進途中で自分の身体が相手の身体に当たったか」といった、当たり(接触・衝突・干渉等)の判定が多数おこなわれる。この際に用いられる干渉範囲が当たり判定と呼ばれる[66]。
多くの対戦型格闘ゲームでは当たり判定を攻撃判定・やられ判定・押し合い判定に細分化し、さらに技/アクションごとに各判定を設定する。アクションゲーム一般では1種類の衝突判定を身体のパーツに合わせて持たせるだけの場合も多く、この点で対戦型格闘ゲームはアクションゲーム一般と異なる。
やられ判定
やられ判定は当たり判定の一種であり、攻撃を受ける範囲として設定されるものである。攻撃判定がやられ判定に重なったときその攻撃は「当たった」と判定される[69]。やれれ判定は攻撃の属性ごとに個別に設定される場合もある。打撃やられ判定と投げやられ判定を分離することが多い[70]。投げやられ判定を体幹のみに設定することで「長リーチ打撃の発生前に伸びた腕を掴まれる」といった現象が起きなくなる[71]。
やられ判定の出方はアクションごとに大きく異なり、それが各アクションの特性になる。
発生・持続・硬直
攻撃は以下の3つの段階を辿る:
- 発生前: 技モーションが始まり、攻撃判定がまだ発生していない。「起こり」「予備動作[72]」「予兆[73]」に相当。
持続 (、英: active): 攻撃判定が発生している[74]。硬直 (、英: recovery): 攻撃判定が発生し終わっている。「戻り」「後隙」に相当。
発生前フレーム数に 1 を足した数値、すなわち攻撃判定が出るまでにかかる時間は
発生前に入ると硬直が明けるまで原則として操作不能になる(相手や状況を注視する時間になる)。相手の攻撃等による受動的な中断は例外の一つである。もう一つの例外が能動的なキャンセルであり、これはコンボ・連続ガード・フェイント等で利用される[76]。
ヒットバック
ヒットバックは攻撃に触れたときキャラクターを後方へ押し下げるシステムである[77]。プッシュバック(英: pushback)[78][79][注釈 12]とも。
攻撃が相手に触れるつまりヒットかガードが成立したとき間合いが広がる方向へキャラクターを動かすシステムがヒットバックである[77]。攻撃ヒット時のそれをヒットバック、攻撃ガード時のそれをガードバックと呼び分ける場合もある[80]。相手が大きく後退することが多いが、攻撃した側が下がることもある[81]。
ヒットバックがある技を連続で相手に当てた場合、最初はリーチ内にいた相手がヒットバックにより徐々に離れていき、どこかでリーチ外に出る。またコンボ途中に先端当ての技がある場合、コンボ始動の当たり方(根元か先端か)によってはヒットバックで先端当てが成立しなくなりコンボが不成立となるケースがある。逆にヒットバックが小さい場合、硬直明けに短リーチの技(例: 投げ)を即仕掛けられる[82]。技が当たった時点での間合いとヒットバック後の間合いが一致しないため、当たり時点での間合いで判断した打ち返し技がスカることがあり、ヒットバック量の知識は打ち返しの精度に直結する。
ヒット硬直
硬直システムをもつゲームにおいて、攻撃した側は持続と硬直により攻撃ヒット後動けない。もし攻撃された側が即動けたら確定反撃できうる[注釈 13]ため攻撃が難しくなる[84]。これを解消する、攻撃された側が動けない時間がヒット硬直である[83]。ガード時も同様で、攻撃した側は持続と硬直で動けず、ガードした側もガード硬直で動けない[60]。
これにより攻撃成立時にはお互い動けない時間が生まれる。「ヒット/ガード以降の持続 + 硬直」と「ヒット硬直/ガード硬直」の差は
基本的にヒット硬直・ガード硬直の長さは各攻撃に固有である[86]。技の当たり方次第で長さが変わるシステムもある(例: カス当て)。そのため攻撃に当たった時点で行動可能に復帰するタイミング(=リバーサルのタイミング)が確定する。この固有の長さの硬直中は行動を取れないため、この間はキャラクターのモーションを見ても新たな行動の情報は得られない。
キャラクターの動きを重視するゲームでは、ヒット硬直中はやられモーション(のけぞり)を、ガード硬直中はガードモーションを取る[87]。その長さは硬直長に合わせられる。モーションは当たった時点での体勢を反映することも多い。例えば立ちガードに攻撃が当たると立ちガードモーションが出て、しゃがみガードだとしゃがみガードモーションが出る。これにより防御側がヒット/ガード時に取っていた選択肢が可視化される。
硬直明け投げ無敵
ヒット硬直・ガード硬直明けに数フレームの投げ無敵が付与される場合がある[88]。英: throw protection とも。
無敵の長さによって効果は大きく異なる。無敵長が "最速打撃の発生 - 1" より短い場合、最速打撃の発生前に投げが成立するため、有利フレームから投げによる打撃暴れ潰しが可能になる[88]。無敵長がそれより長い場合、投げは重ならなくなる。
格闘ゲーム設計の多様さを反映してこの無敵長もゲームごとに大きく異なる。「最速打撃発生 / 立ち硬直明け投げ無敵長 / ダウン明け投げ無敵長」がストリートファイター6では 4/2/1 である。この投げ無敵が無いゲームも多い。
コマンド
コマンドは一連の入力によって1つの技を発動するシステムである[89]。
コマンドでは「ボタンを押す」「前キーとボタンを同時押しする」といった瞬間的な入力ではなく「
を押して次に
を押して次に
を押したうえでボタンを押す」といった一連の入力を単一の技指定とみなす[89]。これにより少ない入力装置で多数の技を表現できる。単純な入力と比べて操作難易度が上がるため「不便」とも捉えられるが[90]、対戦型格闘ゲームではコマンドで出る技(コマンド技)に強力な能力をもたせる場合が多い(例: 必殺技・超必殺技)。つまり「不便」を「難しいが強く、出せたら凄い」へ転換している[91]。なお、必殺技の入力は必ずしもコマンド入力に限定されない[92](例: 『ストリートファイター6』モダン操作[93])。また方向キー入力がキャラクターの動きと連動する場合、コマンド技の前兆が自然と動きとして見えるため読み合いの要素になり、動き自体も被弾リスクとして駆け引きの要素になる。
レバー操作のコマンド入力は『ストリートファイター』から[要出典]存在する。これが多数のタイトルへ広まったのは『ストリートファイターII』がきっかけとされる[要出典]。
コマンド(英: command)は一般に命令を意味する英単語のカタカナ語であり、単純に「ボタンを押す」だけでもパンチアクションのコマンドと呼びうる。対戦型格闘ゲームではこれはコマンドと呼ばないか稀にワンコマと呼ばれる[94]。格闘ゲームコミュニティでコマンドといった場合、ワンコマでないコマンド、すなわち一連の入力によって成立する複合コマンドを指す場合が多い。英語圏のコミュニティでは方向キーを用いた複合コマンドを 英: motion inputs とも呼ぶ。
コマンド入力の表記法
コマンド入力のキー部分は以下のように表記されることが多い:
技のコマンドを表記する際は、右向きキャラクターを想定した際のキーを用いる[97]。例えば昇龍拳コマンドは「
+ P」「623 + P」のように表記され、これは「相手方向すなわち前へキーをいれ、下、斜め下といれてパンチボタンを押す」を意味する。
俗称を用いてコマンドを表記することも多い。例えば『餓狼伝説』のテリーの「パワーウェーブ」は「波動 + A」、『ストリートファイターZERO』の豪鬼の「滅殺豪波動」は「逆ヨガ×2 + P」、「
+ ボタン」は「前 + ヨガ」と説明できる。
斜めを全角スラッシュ /およびバックスラッシュ(\)で表現する方法(例: 昇龍拳「→↓\ + P」)もあるが、左下と右上、右下と左上の区別が付かない欠点のため主流ではない[注釈 14]。携帯電話の普及により電話のテンキー表記(上下が逆)と勘違いされる時代もあった。
コマンド入力の例
代表的なコマンド入力には以下が挙げられる。
| コマンド入力 | 俗称 | 典型的な技特性 |
|---|---|---|
| 波動拳コマンド[注釈 15][98]、波動コマンド、波動、QCF[注釈 16] | 飛び道具 | |
| 昇龍拳コマンド[注釈 17]、昇龍コマンド、昇龍、DP[注釈 18]、SRK[注釈 19] | 上昇攻撃 | |
| 竜巻旋風脚コマンド[注釈 20]、竜巻コマンド、竜巻、逆波動、QCB[注釈 21] | 突進 | |
| ヨガフレイムコマンド[注釈 22]、ヨガ、前半回転(HCF, 英: Half Circle Front) | 投げ | |
| 逆ヨガフレイムコマンド[注釈 22]、逆ヨガ、後ろ半回転(HCB, 英: Half Circle Back) | ||
| 1回転 ( |
スクリューコマンド[注釈 23] | 高威力投げ |
| 覇王コマンド[注釈 24] | ||
| ため[注釈 25]、溜め、タメ[99]、溜めコマンド、タメコマンド[100][101][102][103] | ||
| ボタン押下継続 + ボタン解放 | ホールドボタン技[102] |
コマンドの複雑さと是非
コマンドは無限の複雑さと難しさを備えうるため、ゲームごとにどの程度複雑かは異なる。この是非は各時代で議論されてきた。
コマンドは量や同時押しによっていくらでも複雑になる。以下は複雑なコマンドの一例である:
- 「ブレイクスパイラル」(『餓狼伝説スペシャル』):
+BCボタン - 「レイジングストーム」(『餓狼伝説スペシャル』):
+BCボタン - 「天覇封神斬」(『真SAMURAI SPIRITS 覇王丸地獄変』):
+BCボタン - 「ロンダート」(『ファイターズヒストリー』ジャン・ピエール):
タメ
+ Kボタン - 「ボリショイストームバスター」(『ストリートファイター6』ザンギエフ):2回転 + Pボタン
- 『アルカナハート』シリーズの大道寺きら、『BLAZBLUE CONTINUUM SHIFT』のテイガー:3回転
複雑さ以外にも難しさをもたらす要素が様々ある。例えば1回転コマンドは
を含むため入力が遅いとジャンプが暴発する難しさがある。複数回転コマンドは受付時間次第では極めて高速で回す必要がある。溜めコマンドは最小の隙で出したいなら必要十分な溜め時間ビタで決める必要がある。
『龍虎の拳』で初めて[要出典]ボタン同時押しが採用され、「隠しコマンド探し」[注釈 26]というやり込み要素も導入され、コマンドは複雑化する方向へ進んでいった。1990年代中盤までは複雑化の一途を辿り、出せること自体が能力となっていた面もあったが、その後は単純なものへと回帰していった。これは格闘ゲーム自体がマニアックになりすぎ、プレイヤーの新規参入を阻んだことへの反動と言われる[要出典]。
硬直
格闘ゲームでは、移動以外のほぼ全ての行動に行動後に、他の行動が取れない時間「硬直時間」が存在する。作品によって異なるが、一般的に攻撃動作を終えた瞬間やジャンプ攻撃を出した後、地面に着地した瞬間などに設定されていることが多い。
コンボ
コンボ(英: combo)は相手のヒット硬直中に次の攻撃をヒットさせること、またそれに関するゲームシステムである。連続技、英: combination とも。
相手に攻撃を当てるとのけぞって短時間行動不能状態となるが、そこへさらに攻撃を当てることでコンボとなる。初期はコンボにより一瞬で勝負が付いてしまうこともあったが、後年の格闘ゲームの多くはヒット数が増えるほど1発あたりのダメージが低くなるよう補正し、ゲームバランスを調整するような設定がなされるようになった。また、ゲームによってはコンボ数に制限が設けられ、制限に達した場合その時点で無敵状態を伴うダウンとなり、強制的にコンボを終了させることもある。コンボの中にはチェーンコンボという種類がある。
英語圏では当初からコンボと呼ばれていたが、日本では『スーパーストリートファイターII』で「3 HIT COMBO」のように画面表示がされるようになってから急速に一般化した。コンボを決めた際の爽快さを好むプレイヤーは多い[要出典]。
永久コンボ(または)は A→B→C→A(A、B、Cはそれぞれ違う攻撃)の様に特定の攻撃がループで繋がるコンボである。永久パターン、永パとも。ハメになるが、意図して入れられたものは少ない[要出典]。対戦で使うのはマナー違反と見られる場合が多い[要出典]。
即死コンボは体力が最大だったとしても1回のコンボで体力が0になってしまうコンボある。対戦で使うのはマナー違反と見られる場合が多い[要出典]。
コンボに重点が置かれたデザインのゲームはコンボゲーと呼ばれる。
連続ガード
固め(英: block string)の一種でありその中でも技間に隙間が無いことから 英: true block string と英語圏では呼ばれる。
キャンセル
キャンセル(英: cancel)はアクションを中断し別のアクションへ派生するシステム、あるいはそのシステムを使うことである[105]。
アクションは一度始まると所定の動作が最後まで自動でおこなわれ、プレイヤーはその間に操作できない。攻撃アクションであれば発生前・持続・硬直の一連の動作、より具体的にパンチであれば振りかぶって・拳がぶつかり・振り抜いてもとに戻るというモーション、が自動でおこなわれる。この動作の最中に別のアクションを入力することで動作を中断し、入力されたアクションへ派生するというシステムがキャンセルである[105][76]。例えば、パンチの拳がぶつかったタイミングでキックの入力をすることで振り抜く動作無しで即座にキックの発生前モーションへ派生する。
キャンセルの適用範囲はゲームごとに異なる。相手に当たらないとできない、通常技→必殺技は可だが逆は不可、ゲージ使用技のみ可能などの制限がかかっていることが多い。また、特殊なキャンセルにはスーパーキャンセル、ロマンキャンセル[106]など、名前が付いている場合も多い。
キャンセル可能なフレームが限定されている場合、キャンセル可能なフレーム範囲を 英: cancel window という。
キャンセルではモーションを中断して別のモーションが始まる。そのためモーションを注視することでキャンセルの有無を確認できる。これを利用してキャンセル確認の無敵技割り込みをするテクニックがある[107]。派生技の発生が小さければ無敵入力前に技が当たるので何も起きず、連続ガードを作るなら基本的に入力は無視され、隙間があって発生が遅い場合のみ割り込みが起きる。
元々はバグだった[要出典]が、この存在がゲームを面白くするとして正式なシステムとして採用された。
めくり
めくり(英: crossup)移動の加わる攻撃などを相手の前側から出して、相手の背中側に当てる方法。技を仕掛けられたキャラクターは、振り向くモーションがカットされる特徴がある[108]。
ガード入力が「方向キーで相手と反対方向を入力する」システムである場合、相手が自分の前側(腹側)から後ろ側(背側)に移動するとそれに合わせて方向キーの向きを変える必要がある。しかし意表を突いて背中を取られると方向キーの切り替えが追いつかず、一時的に無防備になる。これを狙ったガード崩しの飛び越し攻撃がめくりである。
ゲームによっては見た目は通常なのに前・後判定の内部処理(セルフディレクション)上では逆状態などもある。また、攻撃により防御側は後ろに仰け反り間合いが離れるため、連続で攻撃を当てられる回数が制限されるわけだが、めくり攻撃では防御側が仰け反った方向に攻撃側が着地するため、連続攻撃を増やせるというメリットもある。
起源は『ストリートファイターII』の意図しない仕様である。プレイヤーの研究によって発見され、以後のゲームでシステムとして正式に採用されるケースが現れた。「めくり」の語源は「背中の皮めくり」(『ゲーメスト』)である。
ピヨる
攻撃を受けてキャラクターが一時的に気絶したり朦朧とした状態になること。
この間キャラクターは操作不能に陥り無防備であるため危険な状態である(通常入らない、「技を見てからガードや回避が間に合うほど隙の大きい攻撃」を決められる可能性があるなど)。短時間にダメージを連続して受けたりするとこの状態になることが多い。無防備なだけでなく、この状態で攻撃を受けた場合にすべて「カウンターヒット」扱いとされて通常よりも大きなダメージを受ける様なゲームもある。ピヨってしまった際にはボタンやレバーを連打または高速で動かすこと(レバガチャ)で、復帰を早めることができる場合もある。
名前の由来は『ストII』で、気絶したときに頭の上をひよこがピヨピヨ回る様から。ひよこ以外に星などが回る場合もこう呼ぶ。表現としてはディズニー作品などで古くから用いられているが、『ストII』を境に似た表現を使用するゲームが増加した(『ロマンシング サ・ガ』など)。
無敵
無敵中には相手からのダメージを一切受け付けない。特定の部位のみに無敵判定が設定されている技も存在する(例: ザンギエフの「ハイスピードダブルラリアット」)。
初期の格闘ゲームではダメージ判定の優先順位を設定する過程で偶発的に設定されたものである[要出典]。無敵はハメ状況を打開しうる。そのためハメ防止の共通システムとして導入される場合もある[要出典]。
スーパーアーマー
特定の条件下において、相手の攻撃によって自身の行動がキャンセルされずに継続される状態。ただし多くの場合、ダメージは受けてしまう。
戦術
対戦型格闘ゲームでは同じアクションを様々な意図・戦術で用いることができる。
当て
当てでは、技間合いの外から前進し相手を内へ捉えて技を振るか[110]、内へ踏み込んできた相手へ向けて技を振る。攻撃リーチの先端に相手を捉えた当ては
根元当て・踏み込み当ては相手が多少移動しても当たり、ガード時には相手との距離が近くなる。先端当ては相手が引きをすると空振るリスクがある反面[112]、振るタイミングが早く、ガード時には距離が開く[114]。先端当ては置きに近い性質を持つ。
置き
置きが成立する流れは様々ある。例として、相手の前進を読んで進路上へ技を置きそこへ相手が突っ込んでくる[116]、相手の前歩きを確認しそれが続くと読んで進路上へ技を置きそこへ相手が突っ込んでくる[117]、相手の長リーチ技を読んで腕が伸びてくる位置へ技を置きそこへ始動中の腕が伸びてくる、が挙げられる。
置きを外した場合、単なる空振りになって隙を晒すことになる[118]。
差し返し
差し返しが成立する流れは様々ある。例として、相手の置きを読んで様子見し実際に空振ったことを確認して技を振る[124]、相手の当てを読んで後ろ歩きし当てを空振らせた(= 引き)うえでそれを確認して技を振る[125]、が挙げられる。
差し返しは相手の技振りを確認しておこなうため、そのタイミングは相手に依存する。また隙の大きさは相手の技の後隙長(硬直長)で決まるため、最大反撃をするために振るべき技の選択は相手に依存する[126]。ゲームによってはこの後隙はそれなりに小さく、反射神経を求められる。そのため差し返しは難易度が高い[127]。
差し返しでの技の当たり方は2種類ある。1つは相手の体幹に当てるケースで、長リーチ技あるいは「前歩き + 攻撃」で相手の体幹へ技を当てる。もう1つが技によって前へ出たやられ判定に当てるケースである。パンチを空振った場合、パンチの腕が後隙のあいだも前に出ておりここにもやられ判定が設定されている[128]。そのため前に出たやられ判定を叩けば体幹に届かない技でも差し返しができる[128]。ただし、やられ判定の出方(大きさとその時間変化)は技ごとに異なるため、最大反撃をするには事前知識と瞬時の技判別を要し、難易度が高い。
差し返しの形
差し返しの形は読みに基づいた技振りである。相手が技を空振ると読んで、空振りの後隙であろうタイミングに合わせて(空振り確認無しで)技を出す。観戦者から見た展開は「空振り → 後隙に確定反撃」であるため、差し返しがおきた形にみえる。そのため差し返しの形と呼ばれる。
差し返しの形が成立する流れは様々ある。例として、相手の置きを読んで遅めに置く、相手の当てを読んで引いたうえで遅めに置く、相手の打ち返しが距離不足になると読んで遅めに当てる[129]、相手が牽制を乱打するので判定のより強い牽制を雰囲気で振って相手の空振りに当たる[130]、が挙げられる。
引き
引きは差し返しとセットでよく用いられる[131]。すなわち引きで相手のスカを釣りだしてそれを差し返す(スカ確をとる)[131]。また遅めの当てとセットで差し返しの形を狙って使われることもある[129]。両者に共通するように、引きは移動アクションを攻撃アクションの前段に用いる戦術と理解できる。
引きは相手の攻撃を要するため、その成否は相手に依存する。相手が攻撃してこない場合は単なる後ろ移動になるためラインを支払う形になる[132]。
シミー
シミーは投げリーチ内からの後ろ移動により相手の投げ・投げ抜けを空振らせることである[133][134][135]。
シミーは引きの一種であり、相手の投げ関連行動を狙ったものである。前進して相手の投げリーチ内へ一瞬入るあるいは置き攻めで相手の近くにいると、相手は投げを通したい誘惑と投げをくらうプレッシャーを感じる[133][134]。特に投げ入力が投げ抜け入力を兼ねるシステムの場合これは顕著である。これにより相手は投げボタンを押す[133][134][135]。それを読んで引くことで投げがスカる。これがシミーである。シミーが成功すれば差し返しでダメージが取れる[135]。
固め
硬直差プラスの状況から発生が早い技を出した場合、相手が攻撃していれば(= 暴れていれば)発生勝ちし、前歩きしていれば素直に当てて勝ち、ジャンプしていれば移行フレームを叩いて勝つ。防御要素を持った攻撃である無敵技を例外とすると、相手は基本的にガードするしかなくなる[136]。相手の動きを抑止するこの硬直差プラスの状況が固めである。
連続ガード(英: true block string)は相手が強制的にガードを取らされる状況であり[104]、固めの一種である。
固めではガードが相手の基本択になるため、固めから連続ガードで更に固めればガード成立による(体力)削り・リソース削り・ゲージ溜め・ピヨり溜め[137]などができる。固めから暴れ潰しをした場合、相手が無敵以外で暴れればカウンターでダメージが取れる[138]。
固め直し
固めから暴れ潰しを用いてまた固める戦術は負け筋が少ないため好ましい。暴れ潰しで固めるには発生が早く硬直差プラスの技が必要で、かつ、その技が間合いを詰められるか今の間合いがそもそも近い必要がある。この条件が揃わない場合[140]、固めから暴れ潰しになっていない硬直差プラスの技を前進しつつ打つ、あるいはこれに類する連携をして固めればよい。これが固め直しである。
固め直しは暴れ潰しでないため暴れに負ける。しかし固めから打っているため、相手が固めを理解しているプレイヤーであればここはガードが多いシーンである。よってボッタクリのような形で固め直しが通ると期待できる。
暴れ潰し
固め(= 硬直差プラスの状況)からプラス幅より大きい発生の技を振った場合、連続ガードにならないため相手は暴れが可能になる。しかしこの技の発生が最速暴れの発生より早ければ(無敵でない限り)「暴れられるが必ず潰される/通せない」という形をつくれる[141]。つまり暴れを釣れれば必ずカウンターする攻撃が打てる[141]。これが暴れ潰しである[141]。
相手が硬直差を知らない場合、特にガードで硬直差プラスができた場合、相手は暴れではなく単なる打ち返しとして攻撃することがある。その場合であってもその攻撃は結果的に暴れであるため、暴れ潰しによって潰れる。フレームが絡む罠にハマったとみなせることから、英語圏では 英: frame trap と呼ばれる[142]。キャンセルでつくった硬直差プラスから仕掛ける暴れ潰しはこれに該当し強力になりやすい[143]。相手はキャンセル無しを想定し打ち返しとして技を振る場合があり、これが結果的に暴れになって暴れ潰しで潰せる。特に攻め側のキャンセル可能フレーム後から受け側のガード硬直復帰フレームまでが短い場合、打ち返しの決断をまだキャンセル可能なタイミングでおこなう必要があってキャンセル確認が困難・不可能なため、打ち返すべきか凌ぐべきか確定させるのが困難・不可能になって二択を迫られる。
ガード崩し
ガードは打撃を阻止・緩和する防御アクションであり[58][59]、ガードを固める相手へむやみに打撃を繰り出してもダメージを取れない。このガードという硬い防御を積極的に崩してダメージを取ることがガード崩しである[144]。崩しとして実際におこなうアクションは様々あり、例として中段攻撃[144]・下段攻撃[144]・投げ[144]・めくり[145]が挙げられる。
リバーサル
リバーサル(英: reversal)は受けの行動不能状態から復帰した瞬間に攻撃アクションをおこなうことである[146][147][148]。リバサとも。
相手の攻撃にヒットさせられるとヒット硬直が、ガードさせられるとガード硬直が起きて行動不能になる[83][60]。これらから復帰した直後に間髪入れず攻撃アクションをおこなうことがリバーサルである[146][147]。具体的な攻撃アクションに紐づいたリバーサルは、攻撃アクション名や属性を後ろに付けて「リバーサル◯◯」「リバサ◯◯」とも呼ばれる(例: リバサ昇竜[149]、リバサ無敵)。なお "攻撃アクション" の定義は曖昧で、単一技以外にも使うことがある(例: リバサ前歩き投げ[150])。
リバーサルは受け動作と(受け視点の)硬直差によって表のように分類できる。
先行入力システムがある場合は行動不能中にコマンドを作れるため、リバーサル必殺技はコマンド入力に伴う予兆(≒ キャラの動き)無しに出せるという利点がある。またタイミングが復帰直後と明確でアクションしやすく、その裏返しとして読まれやすい出し方でもある。
ゲームによってはリバーサル時に "reversal" といったメッセージを表示する。例えばストリートファイター6ではリバーサル必殺技・超必殺技時に "REVERSAL" ノーティスを出す[146]。
打ち返し
相手の攻撃をガードしたあと、相手の攻撃次第では自分が先に動き出せる(= 硬直差がプラスである)ケースがある。このときガードバックを含めた間合いを考慮したうえで最速で当てをおこなうのが打ち返しである。打ち返しはリバーサルの一種である。
理想的な打ち返しは確定反撃で、次点が暴れ潰しである。しかし間合いが広いと発生が遅く暴れ潰しではない打ち返し技を選ばざるを得なくなる。その場合、相手が打ち返し読みで発生の早い暴れ置きをしてくるリスクがある[151][152]。逆に暴れ潰しできる状況で相手もそれを理解しているのなら、暴れ潰しを盾に発生が遅い技でボッタクりの打ち返しが可能である。
暴れ
硬直差がある状況で両者が同じ技を最速で出した場合、硬直差プラスの側が発生勝ちする。そのため硬直差マイナス側は防御し、プラス側が攻撃するのがセオリーである。この状況でマイナス側が攻撃を出して割り込もうとするのが暴れである[151][152]。暴れをヒットさせることを「暴れを通す」という[153]。暴れはリバーサルの一種である。
暴れは不利状況からの技振りであるため、なんらかの工夫がないと成功しない。無敵技は工夫の1つであり、相手の攻撃を無視できるため硬直差マイナスからでも暴れを通せる[151][152](これを
spacing trap
英: spacing trap はガードバック大で硬直差マイナスの攻撃をガードさせてから打ち返しスカ期待で差し返しの形の攻撃を振ることである[129]。
打ち返しには素早い反応と正確な間合い把握が必要だが、ガードバックが大きく硬直が小さめの攻撃をガードした際にこれを実行するのは難しい。そのため実戦では間合いを過小評価して打ち返しをスカりがちな技がでてくる。であればスカるであろうタイミングに合わせて攻撃を入れ込めば差し返しの形でヒットすると期待できる。このようなガードと差し返しの形の連携が spacing trap である[129]。直訳は「間合いの罠」「間合い管理の罠」である。
理想的な spacing trap ではファジー当てを用いて差し返しの形を狙う[129]。相手が正しい間合いの打ち返しをしてきてもファジーのガードによって防御でき、かつ相手がガードで黙っていたとしても当てなのでスカることがない[129]。これは
遅らせ
リバーサルなど明確なタイミングがあるシチュエーションで、まずガードをおこなったのちにアクションをおこなうのが遅らせである。具体的なアクションに紐づいた遅らせは攻撃アクション名や属性を後ろに付けて「遅らせ◯◯」「ファジー◯◯」とも呼ばれる(例: 遅らせ打撃、遅らせ投げ、遅らせグラップ、ファジー小パン、ファジーガード[155])。防御要素が強い場合はファジー、攻撃要素が強い場合は遅らせと呼び分ける人も稀にいる[注釈 28]。
遅らせは相手の複数の行動に同時に対応するために用いられることが多い。例えばファジーガードはタイミングが異なる高速中下択に両対応するために用いられる[155]。
ファジーガード
ファジーガード(英: fuzzy guard)は短時間のガードののち別種のガードをおこなうことである[155]。
ファジーガードはガード種別をタイミングで切り替える戦術である。「しゃがみガード→立ちガード」は典型的なファジーガードである。ファジーガードは相手の複数の行動に同時に対応するために用いられることが多い。
例えば硬直差 -4 の状況で相手が発生 5F の高速下段と発生 10F の高速中段を振れるとする。この場合、立ちガードすれば下段に、しゃがみガードすれば中段に負けるため、一見すると勝率 50% の賭けにみえる。しかし下段と中段には発生差があり最速で打つとタイミングが異なる。そのため復帰後 5F まではしゃがみガードでその後は立ちガードとタイミングをズラしてアクションすることで両対応できる[155]。つまりファジーガードするとタイミングが異なる最速中下択は両対応できる[155]。
遅らせグラップ
遅らせグラップは投げ抜け猶予のシステムをもつゲームで使われる戦術である。投げ抜け猶予があると投げの発生後に一定の投げ抜け受付時間があり、その間に入力すれば投げ抜けが成立する。別の言い方をすれば、投げ抜け受付の最終フレームにさえ間に合えばそれまでガードしていても投げ抜けが成立する。これを利用した戦術が遅らせグラップである。まずガードを構えて打撃を防ぎ、もしそのタイミングで投げが発生しても投げ抜け受付時間の後半で押すので抜けられる。そのため遅らせグラップは打撃重ねと投げ重ねに両対応できる[157]。
牽制
牽制の目的は試合をコントロールし勝利を近づけることである。コンボ等で大ダメージを取ることではない[159]。前進からの先端当て牽制で相手を突っついたり、相手の踏み込みを置き牽制で咎めたりすることで、相手にプレッシャーが掛かる[160]。相手の反応は様々で、前進を見たら先端当てを嫌がって自分も牽制する[117]・逆に引く[131]、置きを嫌がって間合い手前で止まる・逆に前ジャンプで一気に寄る[161]、前歩きガードであえて受け止めて距離を詰める、牽制戦を嫌って突進技で突っ込む・アーマー技で押し通す、ビビってとにかく固まる・ラインを下げる、気にせず自分のしたいことをする、などが挙げられる。様々な牽制を駆使してプレッシャーを高めることで上手い相手であっても動きを誘導し試合をコントロールできる。
牽制に向いた技は
フェイント
フェイント(英: feint)は相手のリアクションを誘導するように見せかけのアクションを出すことである[76][164]。
フェイントは釣り行動(誘い行動)の一種であり、スポーツと同様に対戦型格闘ゲームでもフェイントによる読み合いが成立する。一例として、技リーチが相手に届きそうな状態からの "前歩き + 急停止" や "前歩き + 引き" は当てのフェイントになり置きを釣れる。ゲームによってはフェイント技がシステム的に用意される(例: 『ストリートファイター6』ヴァイパー「[セイスモハンマー]フェイント」)[76][165]。始動モーションの類似を使ったフェイントもある(例: 『ストリートファイター6』リュウ「波動拳」と「弱波掌撃」[166])。
確定反撃
プラスの硬直差があるすなわち相手の硬直(後隙)と自分のガード硬直の差が大きく自分に有利な場合、自分の方が早く行動できる[169][170]。このとき間合い内かつ発生が硬直差以下の技を振れば確実にヒットする[168]。これが確定反撃である。
リーチの長い技は大きな不利を背負うよう設計されることが多い。同時に、長リーチ技を先端当てすれば(ガードバック含め)かなりの間合いになる。このためフレーム条件は満たすがリーチが足りない状態になって確定反撃を取れない場合がある。逆にそのような技を近距離で振ると間合いが詰まっているため確定反撃を取られる。つまり、硬直とガードがシステムとして存在しかつ相手がしっかり確定反撃を取るのであれば、各技には適正距離が自然と生まれる。
入れ替え
画面端システムを採用する多くゲームでは引き戦術や端限定コンボとの兼ね合いで画面端の近さが弱みになる[173][65](⇒ #画面端)。同時に、端に近い状態で自分と相手の位置関係を交換できれば相手にその弱みを負わせられる[171]。これを実現する行動が入れ替えである。
入れ替えとして機能する攻撃アクションは
入れ替えが低リスクな場合、画面端との近さはあまり弱みにならない[174]。また端攻めに対して入れ替えで対抗できる場合、端攻めに大きなリスクがあるため手を出しづらくなる[174]。
わからん殺し
対戦型格闘ゲームは瞬時の判断を求められるジャンルであり、セオリーから外れた行動に即応するのは難しい。そのうえで「あるシステムを使わないと回避不可」「特定の連携で対応しないと強制二択」「一見隙に見えるが手を出すと確反」といった技振りは強力である。初心者やセオリーの知識が無いプレイヤーがこれを食らうと「何をやられたのかも、なぜやられたのかも、どう対応すればいいのかもわからん」まま防戦一辺倒になりそのままK.O.される。そのためわからん殺しと呼ばれる。あるアクションがわからん殺しか否かは主観によるため、厳密な線引きは存在しない。
ディレイ
連続技コマンドの入力をわざと遅らせて、時間差をつけるテクニック。相手の判断を迷わせる、ガード方向を揺さぶる、などの手段として用いられる。
トリカゴ
飛び道具を持つキャラクターが、相手を画面端に追い込んで飛び道具を連発し、閉じ込めてしまうような状態[178]。画面端の地形を利用して、相手にガードの解ける余地を与えずに同じ技を続けて放つことで、相手の体力を削る時の連続攻撃も含まれる場合がある。
ハメ
一方が特定の行動を取り続けてもう一方を脱出不可能、または脱出が非常に困難な状況に追い込むことで、一方的な展開で相手が倒れるまで継続するテクニック。狭義には脱出不可能なもののみを指し、一般的にデバッグで取り除けなかった既知ないし未知のバグを利用するケースが多い。最近[いつ?]のゲームには存在しなくなっているが、それに近い攻撃パターンはある。その場合は、ゲームシステム的な問題ではないため、脱出することは可能[57]。
ハメを多用することでゲームとして面白くない一方的な試合になってしまい、使われた側の顰蹙を買う等トラブルの元になることもままある。『ストII』稼動当初のゲームセンターにはまだ「不良のたまり場」的な側面が残っており、ハメを使った側が逆恨みされた挙句犯罪に巻き込まれるといった事件も頻発したと言われる。プレイヤーの立場は様々であり、完全否定する者、ザンギエフのスクリューハメのような"その状況に持って行くのが困難なもの"のみ許容する者、狭義のハメのみを否定する者、完全肯定する者などがいる。ハメ否定派は「相手と戦い合うこと」を至上とし、「人にされて嫌だと思うことはするべきでない」「バグを利用するのは制作者の意図するものではない」との立場から主張し、ハメ肯定派は「自らが勝利すること」を至上とし、「ルール(ゲーム内において操作で可能な行為)の範囲内で最善を尽くすのは当然である」「バグではない仕様であれば、制作者の意図したものだから、問題ない」とする立場から、それぞれ主張している[独自研究?]。
投げハメ
投げ抜け・投げ受け身といった投げに対する防御アクションが無く、リバーサル状況に投げ無敵のシステムが無く、投げの発生が最速打撃の発生より早く、投げダウンから投げ重ね(起き攻め)が可能で、投げにリーチ差があるゲームを考える(例: 『ストリートファイターII』[179])。攻め側になる長リーチ投げキャラはまず相手を投げてダウンさせ、起き攻めで投げを重ねる(起き攻め打撃で有利作ってから投げでもよい)。受け側はリバーサル状況に投げ無敵が無いので対応が必要だが、投げへの防御アクションは無く、リバサ最速打撃は暴れになるので打てない。発生 1F の投げがあればリバサ投げ(= 投げ返し)でイーブン(相打ち or システムでランダムに一方の投げ成立)だが、ここでリーチ差が問題になる。攻め側が上手く調整して攻め側のみ投げられる間合いを取られると攻め側の投げのみが決まる(投げ入力が打撃を兼ねるシステムの場合は投げスカせず打撃が出るが、結局発生差で負ける)。つまり、受け側にはこの投げを避ける手段がない。にも関わらず投げダウンから投げがループするので、一度ループに入ると攻め側がミスしない限り抜けられない[179]。これが投げハメのひとつの形である。
回避手段が存在する場合、基本的には投げハメと呼ばない。例えば投げ抜けが存在するゲームでは当て投げを投げハメとは一般には呼ばない(どれだけ投げ状況を整えても、投げに投げ抜けを押せばループから抜けられる)。
初期の対戦型格闘ゲームには投げハメがしばしば存在していた(例:『ストリートファイターII』[180])。そのようなタイトルではハウスルールとして投げハメを禁止する場合もあった[180]。
待ち
『ストリートファイターII』のガイルによる待ち、通称「待ちガイル」が有名である。歩いて近づく相手は長リーチの下段キックで追い払い、ジャンプで跳び込む相手は対空必殺技で迎撃し、近付かず飛び道具を撃つ相手には飛び道具で返す。待ちの有効性はゲームやキャラクターによって異なる。例えば『ストリートファイターII』における「ガイル vs ザンギエフ」のマッチアップは待ちガイル側が極めて有利とされる。
待ちに対してペナルティを与えるゲームシステムが存在する。例として『ストリートファイターZERO3』の「ガードゲージ」、『GUILTY GEAR X』の「ネガティブペナルティ」が挙げられる。
逃げ
残り時間が少なく体力勝ちしている状況ではタイムオーバーでの判定勝ち狙いでの逃げが有効である。
駆け引き
対戦型格闘ゲームでは状況とアクション相性に基づいた駆け引きが生まれやすく、互いが相手の手癖と判断を予測しあう「読み合い」が高速でおこなわれる[8][7][9]。これは対戦型格闘ゲームの大きな魅力の一つとされる[8][9]。
打撃・投げ・ガードの三すくみ
「打撃が投げに勝ち、投げがガードに勝ち、ガードが打撃に勝つ」という三すくみの駆け引きがしばしば現れる[7][181][182][183][184]。
投げより発生が早く設計された打撃によって同時始動の投げを潰すことで、あるいは、投げよりリーチが長く設計された打撃によって素早い投げを遠くから一方的に潰すことで、打撃は投げに勝つ[185][186]。ガード破りの能力をもった投げによってガード崩しすることで、投げはガードに勝つ[187][184]。打撃のダメージをカットするガードによって打撃を無効化することで、ガードは打撃に勝つ[188][184]。
この三すくみは短リーチの投げを含む三すくみであるため、地上の近距離戦における三すくみと位置づけられることが多い[189]。概念的には『バーチャファイター』で成立していたものだが、板垣伴信が雑誌インタビューで語って以来、この呼び方が定着した[独自研究?]。
ジャンプ・地上技・対空の三すくみ
「ジャンプが地上技に勝ち、地上技が対空に勝ち、対空がジャンプに勝つ」という三すくみの駆け引きがしばしば現れる[190]。
空中を移動するジャンプによって地上技を避けることで、ジャンプは地上技に勝つ[191][161]。上を見るために技を振らない対空へ当てにいくことで、あるいは、上を迎え撃つために先読みで置かれた技の後隙を狩ることで、地上技は対空に勝つ[192]。対空無敵や優れた上方当たり判定をもつ技でジャンプを迎え撃つことで、対空はジャンプに勝つ[193]。
この三すくみは中リーチのジャンプを含む三すくみであるため、中遠距離戦における三すくみと位置づけられることが多い[194]。
技のタイプは各ゲームでのジャンプの鋭さによって異なる。見てから対空が間に合う鋭さの場合、対空は「様子見+ジャンプ確認+対空技」になり、地上技は牽制になる。一例として『ストリートファイター6』のリュウでは、対空が様子見からの昇龍拳、地上技が波動拳や上段足刀蹴りになる。見てから対空が間に合わない鋭さの場合、対空は対空技の置きになり[193]、地上技は「様子見+対空置きスカ確認+差し返し技」になる[192]。
様子見で対空を見ている相手に対して地上技の飛び道具牽制を多数撃ち、プレッシャーを感じた相手がジャンプを選択するのを読んで飛び道具せずに対空を決めるという戦法は「飛ばせて落とす」[195][196][197]「飛ばして落とす」[198][199][200]と呼ばれる。これはこの三すくみを積極的に回す読み合いである。ストリートファイターシリーズの多くの作品では基本駆け引きの1つであり[197]、2D対戦格闘ゲームではこの駆け引きをもつゲームは多い[200]。
当て・置き・差し返しの三すくみ
「当てが差し返しに勝ち、差し返しが置きに勝ち、置きが当てに勝つ」という三すくみの駆け引きがしばしば現れる[201]。攻め・置き・スカ確の三すくみとも[202]。
前進移動・有限リーチの攻撃・技硬直があるゲームにおいて 2 人のキャラクターが互いの技間合い外にいるとき、この三すくみが成立する[注釈 29]。技間合い外からの当てには前進が必要なため[110]、相手の進路上に技を先出しすることで置きは当てに勝つ[116]。置きは相手がまだいない空間に技を先出しする必要があるため、技間合い外に居て置きを空振らせその硬直を見てから技間合い内に捉えて殴ることで差し返しは置きに勝つ[124]。差し返しは攻撃せずに相手の空振りを待つ必要があるため[124]、邪魔されずに技間合い内まで前進し相手を殴ることで当ては差し返しに勝つ[203]。このように前進・有限リーチ攻撃・硬直だけで「当てが差し返しに勝ち、差し返しが置きに勝ち、置きが当てに勝つ」という三すくみの構造が立ち現れる[201]。
この三すくみは地上戦の基礎をなす[204]。特に前進移動が細かく制御できる(≒ 前歩きタイプの[20])ゲームの場合、この三すくみは単なるジャンケンに留まらない。対戦型格闘ゲームでは択の判断と操作を高速で繰り返すため手癖が出やすい[7]。「一度歩いたらノンストップで当てにくる」「微歩きフェイントを多用する[205]」「こまめに歩きと停止を繰り返すが当ての瞬間だけは長めに踏み込む」といった動きの癖や「歩きを見ると必ず置く[117][206]」「歩きを見ると置きか差し返しで受けようとし、当てには来ない」といったリアクションの癖が出たり、「一度置きを空振って差し返されるとそのラウンドはあまり置かなくなる」といった傾向が出る。これらを利用してフェイントで相手の択を誘導し自分の択を偏らせれば、相手に読み勝ってランダム以上の勝率が期待できる[207]。
見てから対空が間に合わない鋭さのジャンプをもつゲームではジャンプ・地上技・対空の三すくみがこの三すくみの一種になる[190]。
踏み込み当て・先端当て・引き差し返しの三すくみ
「踏み込み当てが引き差し返しに勝ち、引き差し返しが先端当てに勝ち、先端当てが踏み込み当てに勝つ」という三すくみの駆け引きがしばしば現れる。
前進/後退移動・有限リーチの攻撃・技硬直があるゲームにおいて 2 人のキャラクターが互いの技間合い外にいるとき、この三すくみが成立する。相手の引きがあってもヒットする深い踏み込みから技を振ることで、踏み込み当ては引き差し返しに勝つ[208][209][113]。引きで相手の先端当てを避けその隙に技を振ることで、引き差し返しは先端当てに勝つ[112][210]。最小限の踏み込みにより早いタイミングで当てを出すことで、先端当ては踏み込み当てに勝つ。
この三すくみは「踏み込み当てが当て、先端当てが置き、引き差し返しが差し返し」の当て・置き・差し返しの三すくみとも理解できる。ただしこの三すくみは画面端で成立しない。なぜなら引きに必要な後方スペースが存在しないからである[210][132]。
ライン管理
ラインは自キャラ・敵キャラの中間地点を自分目線で指した仮想的な線である[212]。自分と相手はラインを挟んで対峙しており、相手が後退・自分が前進してラインが前へ移動することを「ラインが上がる」[213]、相手が前進・自分が後退してラインが後ろへ移動することを「ラインが下がる」と表現する。相手のラインは自分のラインを反対から見たものであり、自分のラインが上がることと相手のラインが下がることは表裏一体である。
ラインはリソースの一種と捉えられる。自分のラインを消費することでローリスク・ハイリターンの引き戦術を取れる[132][214]。また引きのフェイントによって相手を揺さぶれる[214]。自ら後退すれば間合いを広げられる。更に相手のラインを削り続けることで相手を画面端へ追い込み、ローリスク・ハイリターンの端攻め戦術を取れる[213]。逆に自分がラインを下げすぎると画面端を追い込まれるリスクが上がり、ラインに余裕があれば(=画面中央に居れば)ラインを押し込まれるリスクがある択を取っても大事故にはならない[213]。
このように、ラインは自分と相手が共有し、かつ、戦術の幅に関わるリソースである。よって互いが相手の意図を読み合いながら自分の意図を通すためにラインをコントロールしようとする[211]。この駆け引きがライン管理である。ライン管理は逆の綱引きに例えられることもある。ライン管理は 英: positioning の一種と理解される。
ライン管理の対象はラインに関わる全ての行動であり多岐にわたる。全ての移動アクション(前後歩き、前後ステップなど)、ノックバックを中心論点とした各種攻撃アクション・防御アクション、引きや入れ替えなどの戦術が例として挙げられる。ラインの「管理」が主題であり、単にラインを奪えるだけ奪うのではなく、どう有効に自分が使うか・どう相手に無駄使いさせるかを含めた総合的な管理が求められる。
間合い管理
ほぼ全ての攻撃アクションは固有の有限リーチを持つ。間合いがリーチ以下であればその攻撃は当たる。また、多くのゲームでは異なる技を持つ複数のキャラクターが存在する。そのためどのキャラクターをどの意図で運用するかによって適切な間合いは異なる。各プレイヤーは自分に都合が良く相手がやりづらい間合いを取ることで試合をコントロールしようとする。しかし間合いは両者が共有するものであるため、相手を出し抜こうと駆け引きすることになる[217]。
中距離の間合い管理において「間合いを相手の長リーチ技より広く保つ」は有力な戦略の1つである[218][219]。この間合いでは相手の置きや手癖の技振りが空振るため様子見にリスクが無いうえに差し返しできれば大ダメージを取れる[220]。これを打破する相手の択は当てであるが、技間合い外から当てを狙う際に相手は必ず前進する(⇒ 当て)[110]。そのためこの前進を確認して自分は置きを狙える(⇒ 置き)[117]。よってこの戦略における間合い管理は差し返しの機会・当ての誘導・置きの前フリとして機能する[221]。つまり間合い管理によって "当て・置き・差し返しの三すくみ" を単なるジャンケンから誘導と癖読みの駆け引きに持ち込める。また相手が技間合い外から浅い踏み込みで先端当てする癖があれば置きの代わりに引きからの差し返しを狙える[131]。欠点として前歩きフェイントに弱く、下記の前歩きガード戦略にも強くない。
他の戦略には「前歩きガードで間合いを詰める」がある[222]。これは上記の間合いを保つ戦略に対する対抗策となっており、特にリーチの短いキャラクターでは有効とされる[223]。前歩きからの攻撃は置きや引きに弱いが、前歩きからのガードはこれらに負けない。置きに対してはガードが成立し、置き技がガード時硬直差マイナスなら間合いが詰まった状態で自分が先に動き出せる[224]。置き技にリソース消費のキャンセル技を仕込んでいればそれを浪費させられる[225]。引きに対しては両者が様子見でダメージは発生しないがラインの押し上げに成功している。一方で、手を出さずに間合いを詰める戦略であるため、読まれると相手は隙が大きい攻撃でぼったくってくる(例: 硬直差プラスの技で固めをつくる、前歩きして投げる)。
差し合い
広義的には地上における牽制による駆け引きのことを指す。相手が技を出したところに判定の強い技で対応しカウンターヒットを狙ったり、間合いを調整して相手が技を空振りした所を攻撃するのが代表的。『サムライスピリッツ』シリーズは総じて単発の攻撃力が高く、連続技がほとんど存在しないため、差し合いが全てと言っても良いゲーム性になっている。
近距離で硬直差がある状態(例: 起き攻め状況、小技ガード後)から差し合いへ遷移するパターンがいくつかある。1つは不利側がガードを固めて有利側は攻撃し、ガードが成立してガードバックにより両者が互いのリーチ外へ出るパターンである。なお、これは攻撃が前進を伴うとガードバックと相殺するため成立しない。他には不利側が立ちガードを兼ねた後ろ歩きで後退し有利側は相手の後退によるリーチ不足や暴れを懸念して手を出さず、睨み合ったままリーチ外に出るパターンである。受け側にはガード回避やスカ期待などのリターンがある一方で下段攻撃(例: 中足)に負けるリスクがある。
択一攻撃
相手がなんらかの行動を取ることを前提に、対処法の異なる複数の攻撃のどれかを選んで攻撃すること。
2つの選択肢がある場合は二択攻撃と呼ばれる。
二択攻撃の場合、大雑把に言えば2分の1の確率で打撃がヒットすることになる。攻撃側が選択肢を3択・4択と増やせばヒット確率はさらに3分の2・4分の3と増加していく。
中下択
中下択は立ちガード/しゃがみガードとそれを崩す下段攻撃/中段攻撃があるシステムでみられる駆け引きである。中段攻撃と下段攻撃を同じか近しいタイミングで振り分けることで、相手がガードしそれが打撃の中下と噛み合えばガード崩し攻撃が成立する[227]。
ゲームによってはモーション確認による両対応が可能である。一例として『ストリートファイター6』のリュウでは、下段であるキックは発生 5F で確認不可能だが中段である鎖骨割りは発生 20F で始動モーションを見てから立てるため、しゃがみガードで構えて中段確認で立ちガード切り替えすれば両対応できる。とはいえ実践で 100% 両対応することはプロでも難しい。
似た発生の下段攻撃と中段攻撃を持つゲームではガードの安定性が下がる。そのため片ガードでの凌ぎよりガード切り替えの読み合いや攻め合いが重視される(例: 『バーチャファイター』[要出典])。
固め直しと暴れ潰し
固め直しと暴れ潰しはガードにプレッシャーを掛ける二択である[228]。
固め直しと暴れ潰しの二択は硬直差プラスの技があるゲームでみられる駆け引きである。固めは強力な攻め戦術であり、固め直しによる固め継続は暴れで潰す必要がある。しかし固めからは暴れに勝てる暴れ潰しが可能である。そのため受け側は暴れ潰されるリスクを飲んで固め直し阻止の暴れをするか、固め直されるリスクを飲んで暴れ潰しを凌ぐガードをするか、二択を迫られる[228]。
この特殊な形として「固め直し遅らせ打撃と暴れ潰し投げ」がある。シミー不可能な硬直差プラスの密着状況で受け側に無敵技が無い場合、有利をつくれる遅らせ打撃と暴れ潰しの投げが強力な半二択になっている[229]。まず状況が固めであり暴れは危険なため受け側はガードで凌ぎたい。しかし投げが暴れ潰しとガード崩しを兼ねているため、攻め側は固まった受け側を暴れ被弾リスク無しで崩せる。よって受け側はガードしつつも投げに対応する必要があり、遅らせグラップを択に入れざるを得ない[230]。しかし遅らせは遅らせに弱いため、攻め側は固め直しになる遅らせ打撃をすることで攻め継続をしつつグラ潰しができる[230]。つまり、暴れ潰し投げでガンガードは崩して勝ち・遅らせグラップは投げ抜け成立で引き分け、固め直し遅らせ打撃で遅らせグラは狩って勝ち・ガンガードは固めて攻め継続の引き分け、という強力な択が掛けられる[229][230]。ただし両者の遅らせタイミングでブレがあり[229]、ギリギリまで引っ張った遅らせ打撃は投げ暴れ含む早グラには発生負けし、早グラ潰しの早い遅らせ打撃は最遅グラのガードに当たってただの攻め継続になる。
地上戦
遠距離では互いが牽制し合いながらライン管理をおこなって主導権を取り合う。ジャンプ・地上技・対空の三すくみにより牽制はジャンプに負ける危険性があるため安易には振れず、前歩きでジリジリと間合いを詰めていく。この中距離では当て・置き・差し返しの三すくみが働くため、間合い管理とフェイントを兼ねた前後歩きをしながらどこかで勝負する。この三すくみは地上戦の核をなす[204][231]。当てを選んだ場合はガードばかりされると期待値負けするため、ときに打撃リーチよりさらに踏み込んでガード潰しの投げを狙いにいく。この近距離では打撃・投げ・ガードの三すくみが働くため、最後のジャンケンをすることになる。
ゲームによってはここに中下択が混ざったり、後ろ歩きと下段足払いの関係で踏み込み量の駆け引きが生じたり、行動にリソースが関わってリソース管理の要素が絡んだりする。これらの多種多様な駆け引きが同時にリアルタイムかつ高速でおこなわれるため、地上戦ひいては対戦型格闘ゲームは「高速でくり出すジャンケン」とも形容される[7]。
地上戦に勝つと起き攻めが1回付くことも多い。
起き攻め
ダウンに大きなヒット硬直が与えられるゲームでは、ダウンからの起き上がり時に大きな硬直差が生まれる。そのためこのタイミングでは差し合いとは異なる特有の攻防が発生する。これが起き攻めである。
ダウンした/起き上がる側は不利フレームを背負うため、基本的に不利である。ダウンさせた/起き攻めする側は有利フレームを持っているため、基本的に有利である。起き攻め側には択一攻撃を仕掛けたり、長く硬直する技を当てるなどして有利な状況を生かした攻撃を仕掛ける権利がある。守り側は起き上がり中に出せる攻撃を出すか、防御行動をとって相手の起き攻めを回避するかを選択する必要がある(ゲームによっては、「何もしない」という選択が無敵時間などの関係上有効な場合もある。起き上がりモーション中は無敵だが何らかの行動を取った瞬間に無敵が解けるなど)。
キャラクター
多くの対戦型格闘ゲームでは外見・設定・性能が異なる複数のキャラクターが登場する。
キャラクター設定
多くの対戦型格闘ゲームではキャラクター設定がしっかりとなされている。典型例として以下が挙げられる。
「主人公とライバル」は作品の主軸となるキャラクターとそのライバルという設定である。リュウケンキャラ、リュウケンタイプとも。黎明期の作品で同キャラ対戦が行えなかったための救済処置に起源をもつ[要出典]。キャラ性能としてはアクションにクセが無く操作しやすくてスタンダードな場合が多い。『ストリートファイター』のリュウとケン、『龍虎の拳』のリョウ・サカザキとロバート・ガルシア、『ワールドヒーローズ』のハンゾウとフウマなどが挙げられる。
「暴走」は自分でも制御不能な何らかの力に突き動かされるという設定である。既存のキャラクターが暴走したバージョンという位置づけが多い。キャラ性能としては(通常状態よりも)高攻撃力・高スピードな場合が多い[要出典]。『ザ・キング・オブ・ファイターズ』のツキノヨルオロチノチニクルフイオリ、『ストリートファイターZERO』の殺意の波動に目覚めたリュウ、『鉄拳』シリーズのデビル一八、『MELTY BLOOD』の暴走アルクェイドなどが挙げられる。
「最弱」は他キャラクターより弱いという設定である。キャラ性能としても主人公の劣化/デチューン版が多い[要出典](グラフィック流用の場合もある)。『ストリートファイターZERO』の火引弾、『MELTY BLOOD』のネコアルクなど。『ザ・キング・オブ・ファイターズ』の矢吹真吾は設定として最弱だが実際のキャラ性能は低くはない。
「コピー」は他キャラクターの技を盗むという設定である。ボスにしばしばみられる。『ワールドヒーローズ』のギガス、『鉄拳』シリーズの木人、オーガ、アンノウン、コンボット、『ストリートファイターEX』シリーズのサイクロイドβ、サイクロイドγ、『ストリートファイターIV』のセスなどが挙げられる。
「ボス」は最後に待ち構えているという設定である。最終ボス、ラストボス、ラスボスとも。CPU戦の最終ステージで登場することが多い。作品によってはCPU戦の途中で中ボスが登場する場合や、一定の条件を満たすとボス戦前後に隠しボスとの対戦に移行することもある。なお、ボスキャラクターをプレイヤーが使用できるかどうかは作品によってまちまちで、他のキャラクターより性能が高すぎるなどの理由でアーケード版・コンシューマ版ともに使用できない場合や、アーケード版では使用できないがコンシューマ版なら一定の条件を満たせば使用できる場合など、様々なケースがある。中には始めからプレイヤーが使用できるキャラクターの中にボスが混じっている(作品によっては性能が通常バージョンよりアップしていたり、ボスバージョン専用の技が搭載されているキャラクターも存在する)こともある。
キャラクター性能
多くの対戦型格闘ゲームでは多様な性能のキャラクターが用意されている。
大枠として、対戦型格闘ゲームに共通する戦い方(差し合い中心など)をするキャラを「スタンダード」[232]、キャラ固有のアクションを主軸とするキャラを「テクニカル」と呼ぶことがある[232]。テクニカルは要練習だが独特な動きが可能となるケースも多い[232]。細かく見ていくと、総じて技のリーチが長い「リーチタイプ」、投げに特化した「投げキャラ」、2キャラのペアを1キャラクターとする「一人二役タイプ」、対戦相手の技をコピーする「コピーキャラ」が典型例としてが挙げられる。
キャラクター同士の相性が対戦ダイアグラムでしばしば可視化されたり、性能の序列がキャラランクとしてとして表現されたりする。
溜めキャラ
2D対戦型格闘ゲームで必殺技に溜めが必要かどうかはすごく大きな要素で溜めキャラ(タメキャラ)は自分から動いでゲームメイクをするのが難しく能動的な攻めはコマンドキャラに劣るがガードしながらほぼワンボタンで必殺技が出せ、難しいコマンドを入力する必要がないため相手の攻撃に反応しやすいというメリットが存在する[233]。
必殺技がタメコマンドではないキャラクターで主に元々は溜めキャラ(タメキャラ)だったが別の作品で必殺技がタメコマンドでなくなったキャラクターは「コマンドキャラ」とも呼ばれる。2D対戦型格闘ゲームで必殺技に溜めが必要かどうかはすごく大きな要素で能動的な攻めは溜めキャラ(タメキャラ)よりも有利である[233]。
対戦
CPU戦
CPUの原義はコンピュータの中央処理装置(Central Processing Unit)の略称であるが、格闘ゲームではコンピュータがプログラムに従い操作するノンプレイヤーキャラクターのことを呼ぶ。プレイヤーが操作するキャラクターとの対人戦に対して、「対CPU戦」のように呼ばれる。
コンピュータの反応速度は人間の反応速度より大幅に速い。そのため人間では実現不可能な確認・反応が可能であり、これは
CPU は部分的に人間より高い(理不尽とも感じられる)性能を持ち、また適切な対戦相手の強さはプレイヤーの強さによって異なることから、CPU戦の CPU にはレベルが設定されることがある。レベルごとに CPU の動きが変わり、高いほど強くなる。特殊なレベルを用意し、このレベルでのみ意図的に超反応を解禁する場合もある。
CPUはプログラムされていない状況に弱いため、それを利用した攻略(CPUの動きを誘う→撃墜する→誘う…といった、いわゆるパターンハメ)が可能なことも多い。一部のゲームでは、高次面において1対2(プレイヤー1人に対してCPU2人)の対戦をさせるなどの方法でCPUの弱さを補完する場合もある(『モータルコンバット』、『ナックルヘッズ』、『ピットファイター』、『ストリートファイターZERO3』など)。
乱入
接続された2台の筐体の片方で誰かがプレイしている時に、もう1台の筐体へクレジットを投入して挑戦すること。負けた方はゲームオーバーとなり、勝った方はプレイを継続できる。『ストII』で対戦人気が出始めた頃は筐体1台に2人でプレイするためか、相手にお伺いを立ててから対戦を行ったが、筐体2台を使うようになってからは、顔も見ずに挑める様になり「乱入」と呼ばれるようになった。
上手な者の長時間プレイはインカムの低下を招くが、乱入対戦なら乱入が起こるたびにインカムが増えるという店側の事情がある。
当初はその目的のため、乱入された側は拒否できない仕様であった。しかし「乱入される = 即ゲームオーバー」では「初心者狩り」(ある程度の実力があるプレイヤーが、練習中の初心者相手に乱入する行為。極端な場合、初心者と判った相手がプレイを始めると間髪入れずに乱入する者も居る)等によりプレイヤー人口が増えなくなるため『ワールドヒーローズ2』では拒否も可能になった(ただし一度でも対人戦をするとゲームオーバーまで拒否ができなくなる)。他には乱入されない「ビギナーモード」を用意している場合もあるが、ビギナーモードは通常モードより対CPU戦の回数を減らすことによりインカムの低下を防いでいる。『ストリートファイターIV』のビギナーモードの様に最初の3試合だけ乱入されないというのもある。
逆に、既に片方がプレイしている状態で乱入せずに最初からプレイすることは不可能と言うのも一般的である。しかし、(対戦型格闘ゲームではないが)『機動戦士ガンダム 連邦vsジオン』で「乱入しない」を選ぶことも可能になった。
歴史
1984年の『カラテカ』や『スパルタンX』、テクノスジャパンの『対戦空手道』、任天堂の『アーバンチャンピオン』、セガ[注釈 30]の『アッポー』、1985年のバンダイの『キン肉マン マッスルタッグマッチ』、コナミ[注釈 31]の『イー・アル・カンフー』、1987年のカプコンの『ストリートファイター』など、格闘技や武道を題材としたゲームが1980年代半ばから後半にかけて増え始めた。ゲームとして2人のキャラが対戦して相手を打ち負かすという形式は『対戦空手道』などから始まったものである[要出典]。
1991年のカプコンの『ストリートファイターII』(略称『ストII』)により、複雑な駆け引きのできる対戦を前提としたゲームシステム(ジャンプやしゃがみなどの基本行動、攻撃やガード、コマンド入力方式の必殺技などを駆使する形式)が完成した。CPUとの対戦に加え、プレイヤー同士の対戦による駆け引きが人気を呼ぶ鍵となってこの作品は世界中で爆発的にヒットし、1990年代前半から半ばにかけて対戦格闘ゲームは大ブームを巻き起こした。各地で大会なども開かれた。また、それまで一般的に「不良の溜まり場」と見做されていたゲームセンターに低年齢層を引き込む要因となった。格闘ゲームを原作とする実写映画やアニメが多数作られ、1993年に始まった「K-1」などの現実の格闘技人気や、『聖龍伝説』といったテレビドラマや、『機動武闘伝Gガンダム』等のテレビアニメにも大きく寄与した。また、アーケードゲームとして人気だった格闘ゲームは家庭用ゲーム機に移植され、キラーソフトとして家庭用ゲーム機の普及に大きく貢献した。
それまでの各ジャンルのゲームに登場するキャラクターは、名前や簡単な動機(姫を助けに行く、等)が解説されてはいるものの、情報としてはそれ以外はほぼ皆無だった。しかし他ジャンルとは違うエポックメイキングなファクターとして、詳細なプロフィールが設定された事により、キャラクターの個性をより引き立てる事になった。プロフィールは身長、体重、国籍、趣味嗜好、スリーサイズ、恋人の有無など様々であった。
1993年にセガ(後のセガ・インタラクティブ)の『バーチャファイター』がアーケードに登場して以降は、ポリゴンで描かれたキャラクターを使用して3次元空間での戦いを表現した格闘ゲームが増加。これによって格闘ゲームに2D、3Dと呼ばれる区別が生まれることとなった。
『ストII』人気に乗じ、中堅以上のメーカーは大抵[要出典]一作品以上は格闘ゲームを市場に投入した。このような競争環境下でグラフィックは向上し新システムや追加要素が盛り込まれ、高度な対戦型格闘ゲームが多く生まれることで1990年代前半にブームのピークを迎えた[要出典]。
やがて各メーカーは同じゲームの改良版を次々に出さざるを得ない状況に陥り、市場は飽和し、ユーザーのマンネリ化が進んだ。1990年代後半になると、『コロコロコミック』や『コミックボンボン』とのタイアップも打ち切られ[要出典]、それに伴いブームを支えていた子供層からの人気も、『ポケットモンスター』や『デジモン』等といった育成ゲームや、『遊戯王』等のトレーディングカードゲームに奪われた[要出典]。ブームは過渡期を迎え、収束していった。1999年には、NINTENDO 64向けに『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』が発売。コア向けが著しくなった2D格闘ゲームのアンチテーゼとして生み出され、国内で197万本を売り上げた[234]。
そして対戦型格闘ゲームのプレイヤー数は減少した[235][236]。この原因について、習熟した現行ユーザーの複雑化要望へ応えることに傾倒しプレイヤーの間口を狭める形になったという指摘・反省が後年挙がった(岩田聡:2003[注釈 32][236]、小野義徳:2011[注釈 33][237])。これは、最初は売れていても続編がどんどんマニア向けになり一般客が離れて最後にはマニアもついていけず別ジャンルに流れるという、1980年代前半のボードウォー・シミュレーションゲーム以来、対人を目的とした玩具全般が繰り返してきた歴史を踏襲するものである[要出典]。
2001年頃になるとカプコンがアーケード向けの対戦格闘ゲーム開発の凍結を発表し、カプコンと並び同ジャンルを牽引していたSNKが倒産し、ブームは終了した[要出典]。
2012年に『MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds』の製作陣は、「格闘ゲームと聞くだけで拒否反応が出るような閉塞感がある」と窮状を指摘した上で「元がアーケードゲームである以上、上手い人が尊敬されるのは当然であるがライトユーザーも楽しめるよう追求するべき」とし、そのバランスをいかにして取るかを今後の課題としている。その打開策の一つとして格闘ゲーム以外のオマケモードの充実を挙げている[238]。
各地の筐体をブロードバンドで結び、同レベルの対戦相手を選べるなどのシステムを導入し、さらにはデータの保存ができるカードで、キャラクターの服装等をカスタマイズできるといった要素も導入された。しかし、これらの対策もマニア層の引き留め以上の効果は得られておらず、ユーザー離れが続いている[要出典]。一方でネットワーク対応およびカードシステムの普及により海外展開がされなくなったタイトルもあった。
市場は下降傾向にありながらも[要出典]『ギルティギア』シリーズ、『メルティブラッド』、NESiCAxLiveのコンテンツ(『BLAZBLUE』シリーズ、『AQUAPAZZA』)など、定期的にヒット作[要出典]は出現している。
各メーカーはグラフィックの質の向上、同人層の取り込みや「萌え」との接近、操作性の極端な複雑化や逆に簡略化(『アカツキ電光戦記』など)など、様々なアプローチで格闘ゲーム人気復権の道を模索した。他にも格闘ゲームの全国大会である闘劇の開催や、その大会の観戦チケットが売り出されたり対戦模様をDVD化するなど、観戦目的で格闘ゲームを楽しむというユーザーも少なからず存在している。また、2000年代後半以降、動画配信やeスポーツとして対戦型格闘ゲームが見直される風潮も出てきている。
2023年には『ストリートファイター6』が発売され、3年で636万本を売り上げた[239][240]。そのプロリーグであるストリートファイターリーグは盛り上がりを見せ、ライブ配信では最大同時接続/視聴数が Pro-JP 2024 で10万人を超え[241]、Pro-JP 2025 で15万人を超えた。2024年には『鉄拳8』が発売され、1年で300万本を売り上げた[242]。2025年には餓狼伝説シリーズ26年ぶりの新作『餓狼伝説 City of the Wolves』が発売され、EWC2025 の正式種目へ採用され賞金総額は 100万ドル(当時レート約1億5000万円)にのぼった。
視覚要素
左右反転
2D格闘ゲームではキャラクターが向かい合って戦う都合から、1P又は2P(作品又はキャラ毎にどちらが基準になるか異なる)側にいるキャラクターが反対を向いた場合はグラフィックを左右反転させている。そのため、左右非対称で描かれたキャラクターは武器を持つ利き手、傷痕の位置なども鏡映しのグラフィックになり、本来の設定とは逆方向になる。ただし、この矛盾を2D上で解決しようとすると開発の手間が増える、グラフィックに割く容量が倍になってしまう、攻撃の当たり判定に差異が出るなどの問題が起こってしまうためゲームの操作上では特に問題視はされていない。また、衣服に書かれた文字や文字タトゥーなど、反転する事で明らかな違和感が生じるグラフィックは反転せずに2P用のグラフィックが書き起こされる。 なお、この問題はジャンルを問わず左右の振り向きの概念があるほぼ全ての2Dゲームに言える為、2D格闘ゲーム特有の話ではない。
対して3D格闘ゲームでは多くの場合、左右反転を行わず、キャラクターが対戦相手をジャンプで飛び越えるなどして向きを変える際に、キャラクターが回転して自然に向きが変わるようになっている。この時、攻撃する利き手やアクションなども反転されない。また、キャラクターによっては構えの都合上、主に2P側はプレイヤーに背中を向けた状態になってしまう事もある。
こうした左右反転の描写に新たな表現を取り入れたのが『バトルファンタジア』で、3Dグラフィックでありながら2Dのシステムをベースにした同作では2P側の位置にいるキャラクターのグラフィックの反転を行わず、アクションとアクションに関わる要素(利き手、武器の持ち手など)だけを反転させている。以降、同作からの影響を公言している『ストリートファイターIV』などでも同様の反転を取り入れている。
対戦型格闘ゲームの具体例
上記の勝利条件・アクション・システム等を組み合わせて1つの対戦型格闘ゲームができる。組み合わせ方はメーカーごと・作品ごとに千差万別であるが、具体例を見ていくと、歴史的な経緯や収斂進化によっていくつかの系統が見いだせる。
ボタンの具体例
2D対戦型格闘ゲームの最大手だったカプコンが制作したゲームの多くは『ストリートファイターII』に代表される6ボタン入力系を採用している。これは元々は、前作『ストリートファイター』の汎用筐体向けのコンパネ仕様である。上段の3つを左から順に弱、中、強威力のパンチに、下段の3つを同様にキックに割り当てている。この入力体系をカプコンとアリカ製のゲーム以外で採用したゲームは『カイザーナックル』『ファイターズヒストリー』など『ストリートファイターII』ブームに乗る形で出したゲームが多い。
2D対戦型格闘ゲームで同じく多く使用されたのは4ボタン入力系である。これは格闘ゲームを多く送り出したネオジオで使用できる最大ボタン数が4までだったこともある。4ボタンと一括してもその使用法はバリエーションが多く、中攻撃を削除し、パンチ、キックの弱、強に割り当てるもの(『餓狼伝説スペシャル』『ザ・キング・オブ・ファイターズ』など)、弱・中に割り当てて強攻撃を弱、中のボタンを同時に押すことで発生させるもの(『サムライスピリッツ』『ワールドヒーローズパーフェクト』など)、3ボタンを攻撃に割き(弱、中、強、パンチ、キック、強攻撃、弱攻撃など)、4ボタン目を何らかの特殊行動に割り当てるもの(『サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣』『龍虎の拳』『ジョジョの奇妙な冒険』『MELTY BLOOD』『GUILTY GEARシリーズ』など)、等々、様々なものが存在する。
同時押しで強攻撃を発生させるタイプの場合、店舗側で5、6ボタン目を取り付けて弱、中ボタンの同時押しになるように改造し、6ボタン入力仕様にした筐体も散見された。また、4ボタンでは特殊動作をする際に同時押しを要求されることも多く、『餓狼伝説3』など格闘ゲームが進化していくにつれ直感的に分かりづらい煩雑な同時押しを要求されることも多かった。近年では、『北斗の拳』のように攻撃ボタンの4ボタンに加え、特殊動作に1ボタンを加え5ボタンにした作品も多い。
対戦型格闘ゲームの元祖とされる作品『ストリートファイター』では、感圧式のボタンが使用されていた。『ワールドヒーローズ』『龍虎の拳2』など、ボタンの押し具合によって強弱を使い分ける方式もある。
上段および下段のパンチ、キックと、それらの中央にガードボタンを配置したもの(『モータルコンバット』)、3ボタンの構成がパンチ、キック、ジャンプとなっているもの(『ナックルヘッズ』)等がある。
『バーチャファイター』に代表される3D対戦型格闘ゲームは、ガード・パンチ・キックの3ボタンで構成されるものが多い。パンチ・キックは1種類ずつしかないが、ボタンを特定の順番・タイミングで押す、特定の組み合わせで同時に押す、レバー入力と組み合わせるなどの操作で様々な技に派生させられる。「キックの威力はパンチの2倍」に従ってか、全体的にキックの方が威力は高い。ガードボタン単体では攻撃には関わらないが、ボタンを攻撃のバリエーションとして使用することもある。
これの操作系をアレンジしたものとして、ドリームファクトリー製のゲームはパンチ・キックの代わりに上段攻撃・下段攻撃とし(上下同時押しで中段攻撃)、技の属性が直感的に分かりやすいようになっている。
その他の特徴的なものに、左右の手足に4つのボタンを割り当てたもの(『鉄拳』)、キャラクターが武器を持ち、縦横の武器を振る方向で構成されたもの(『ソウルキャリバー』『スターグラディエイター』など)、前・後のボタンで移動、レバーで攻撃する『武力 〜BURIKI ONE〜』がある。
対戦型格闘ゲームの一覧
100 タイトルを超える対戦型格闘ゲームが存在している(一覧ページを参照)。
2026年3月時点において「格闘ゲームシリーズとして 3 作品以上が存在[注釈 34]」「過去10年以内に最新作が発売[注釈 34]」「セールス 10 万本以上 or 大手ゲームセンターでのアーケード展開」を満たす対戦型格闘ゲームシリーズには以下が挙げられる:
- ストリートファイターシリーズ[注釈 35]
- 餓狼伝説シリーズ[注釈 36]
- モータルコンバットシリーズ[注釈 37]
- サムライスピリッツシリーズ[注釈 38]
- バーチャファイターシリーズ[注釈 39]
- ザ・キング・オブ・ファイターズシリーズ[注釈 40]
- 鉄拳シリーズ[注釈 41]
- ソウルシリーズ[注釈 42]
- デッド オア アライブ シリーズ[注釈 43]
- GUILTY GEARシリーズ[注釈 44]
- MELTY BLOODシリーズ[注釈 45]
- BLAZBLUEシリーズ[注釈 46]
- UNDER NIGHT IN-BIRTHシリーズ[注釈 47]
他にも、上記に近い条件を満たし EVO・EVOJ に採用されているシリーズとして以下が挙げられる:
バグ
ゲームは人間が作るものであり、しばしばゲームメーカーの意図から外れた、ゲーム進行に支障をきたす動作が出現する。以下はその具体例である。
『北斗の拳』ではレイの「バグ昇竜」が知られる。特定条件で上昇技を当てるとヒットし続けながらどこまでも画面外に上り続けてしまし、かつ、ゲージなど特定の条件が揃わないと解除が出来ない。そのため最終的にゲームの筐体自体が停止してしまうケースもある。
