山形県縦断駅伝競走大会
From Wikipedia, the free encyclopedia
毎年4月27日から4月29日(昭和の日)の3日間にわたり開催され、山形県最北端の遊佐町から県内をぐるっと回り、山形市までの300㎞超を走り抜ける駅伝大会である。
1955年(昭和30年)に「昭和の大合併」を記念して第1回大会が行われた。昭和28年に町村合併促進法が施行されると、山形県内においても合併が盛んに行われた。しかしながら、古くからの慣習や地域性、感情のもつれなどから、新市町村のスタートは順風満帆ではなかった。そのような中、新しい市町村を結ぶ山形県をあげての行事を催し、親睦を深めようという企画で、「都市訪問親善駅伝競走大会」として第1回大会が実施された背景がある。
2015年に第60回大会を迎えた歴史ある大会となっている。これは、歴史的には「箱根駅伝」に及ばないものの、現在行われている(開催が継続中の)大会において「300㎞以上の距離の駅伝を60年以上にわたって続けている」のは世界的にも例がない[2]。
山形県民にとっては、桜の開花時期にも重なり、春の訪れを感じさせる一大風物詩として親しまれている。また、県を11ブロックに分け、「郷土の誇りをかけた代理戦争」としての側面も強く、大会期間中には沿道や中継所に大勢の観衆が集まり、ランナーに声援を送っている。
現在の出場チーム
| チーム名 | 襷の色 | チーム内の該当市町村 |
|---|---|---|
| 酒田・飽海 | 濃緑 | 酒田市、遊佐町 |
| 鶴岡・田川 | 黄色 | 鶴岡市、庄内町、三川町 |
| 新庄・最上 | 藤色 | 新庄市、舟形町、鮭川村、最上町、大蔵村、戸沢村、金山町、真室川町 |
| 北村山 | 薄緑 | 東根市、村山市、尾花沢市、大石田町 |
| 寒河江・西村山 | 紺色 | 寒河江市、河北町、大江町、朝日町、西川町 |
| 天童・東村山 | 水色 | 天童市、山辺町、中山町 |
| 山形 | 紫色 | 山形市 |
| 上山 | 橙色 | 上山市 |
| 南陽・東置賜 | 海老茶 | 南陽市、高畠町、川西町 |
| 長井・西置賜 | 桃色 | 長井市、白鷹町、飯豊町、小国町 |
| 米沢 | 赤色 | 米沢市 |
※第14回大会から現在のチームとなった。酒田・飽海は第13回大会までは「酒田」と「飽海」に分かれていた。また、鶴岡・田川は第9回大会までは「鶴岡」と「東田川」に分かれていた。
コース
- 1日目:遊佐〜新庄間(113.7km) 8時20分スタート
- 第1区(17.1km):遊佐(遊佐町月光橋) - 酒田(酒田市役所)
- 第2区(10.4km):酒田 - 黒森(酒田市黒森㈱金龍前)
- 第3区(10.9km):黒森 - 湯野浜(鶴岡市湯野浜温泉)
- 第4区(7.4km):湯野浜 - 大山(鶴岡市大山郵便局)
- 第5区(6.2km):大山 - 鶴岡(鶴岡市役所)
- 第6区(9.2km):鶴岡 - 藤島(鶴岡市藤島庁舎)
- 第7区(6.8km):藤島 - 立川(庄内町立川小学校)
- 第8区(20.2km):立川 - 古口(戸沢村古口除雪ステーション)
- 第9区(9.6km):古口 - 升形(新庄市升形公民館)
- 第10区(5.9km):升形 - 鮭川(鮭川村JAおいしいもがみ鮭川支店)
- 第11区(10.0km):鮭川 - 新庄(新庄市役所)
- 2日目:新庄〜長井間(113.4km) 8時20分スタート
- 第12区(9.3km):新庄 - 舟形(舟形町郵便局)
- 第13区(13.9km):舟形 - 尾花沢(尾花沢市役所)
- 第14区(18.1km):尾花沢 - 村山(村山市五日町公園)
- 第15区(6.1km):村山 - 東根(東根市役所)
- 第16区(8.5km):東根 - 天童(天童市役所)
- 第17区(11.3km):天童 - 寒河江(寒河江市六供町公民館)
- 第18区(7.2km):寒河江 - 大江(大江町左沢橋前)
- 第19区(11.3km):大江 - 朝日(朝日町宮宿郵便局)
- 第20区(16.1km):朝日 - 白鷹(白鷹町役場)
- 第21区(11.6km):白鷹 - 長井(長井市役所)
- 3日目:長井〜山形間(79.9km) 8時スタート
- 第22区(13.0km):長井 - 川西(旧川西町役場前)
- 第23区(13.4km):川西 - 米沢(米沢市役所)
- 第24区(3.3km):米沢 - 上郷(米沢市上郷小学校)
- 第25区(7.6km):上郷 - 亀岡(高畠町亀岡文殊参道口)
- 第26区(3.1km):亀岡 - 高畠(高畠町文化ホールまほら)
- 第27区(8.7km):高畠 - 南陽(南陽市えくぼプラザ)
- 第28区(16.6km):南陽 - 上山(上山市役所)
- 第29区(14.2km):上山 - 山形(山形メディアタワー)
※各日距離は第67回大会(2023年)の距離、3日間合計距離=307.0㎞。
放送
- 山形放送ラジオ
- この大会は主催者である山形新聞・山形放送(YBC)にとっても毎年最大のスポーツイベントである。特にYBCラジオでは開局時からの伝統で、大会期間中は連日臨時編成を組み、スタートからゴールまで完全生中継している。以前は最終日にはテレビでも最終区間を中心に、実況生中継を行っていた。
- また大会運営のために各地の支社・支局を提供しており、そこで審判会議など大会運営のための会合を行っている。
沿革
- 1955年:7月1日から3日にかけて第1回大会が開催。1日目と2日目は7時スタート、3日目は8時スタート。全21区間、全長305.6km。初日は遊佐町役場前をスタートし、1日目ゴールは新庄市山新支局前、2日目ゴールは長井市駅前十字路、3日目ゴールは山形市本社前。12チームが参加した(西村山・山形・上山・東置賜・北村山・酒田・鶴岡・新庄・飽海・東村山・米沢・西置賜)。
- 1956年:5月18日から20日にかけて第2回大会が開催。初日は8時スタート、2日目は8時10分スタート、3日目は9時スタート。西村山が寒河江西村山へチーム名を変更した。
- 1957年:第3回大会は5月24日から26日に開催。西置賜が長井西置賜へチーム名を変更した。
- 1958年:第4回大会は上山が不参加、東田川が新たに参加し12チームで開催。
- 1959年:第5回大会は上山が復活し、13チームで開催。3日目のコースについて、前回は高畠町銀座十字路から赤湯町八幡神社前まで7.0kmのコースであったが、宮内町を経由することとなり、17.1kmに変更された。
- 1960年:第6回大会は5月13日から15日に開催。東村山が天童東村山へチーム名を変更した。また、鶴岡が不参加となった。
- 1961年:第7回大会は鶴岡が復活し、13チームで開催。また、3日目のコースにおいて、高畠町から宮内町六角を経て赤湯町に抜けるコース約17kmを分割し、宮内町六角に中継所が設置された。
- 1962年:第8回大会は東田川が不参加となった。また、前回まで2日目のコースとして天童市から寒河江市に進んでいたが、今大会より、天童市から山形市宮町両所宮前を経由し、中山町から寒河江市に抜けていくコースに変更された。また、3日目の宮内町経由を廃止した。
- 1963年:第9回大会は自衛隊第6師団チームが招待チームで参加した。鶴岡と東田川が統合し鶴岡田川チームとなった。なお、上山が不参加となった。
- 1964年:第10回大会は9月11日から13日に開催。前回に続き自衛隊第六師団チームが招待チームで参加した。上山が復活。
- 1965年:第11回大会は再度5月中旬の開催(5月14日~16日)となった。3大会連続で自衛隊第六師団チームが招待チームで参加した。
- 1967年:第13回大会は5月1日から3日に開催。2日目のコースについて、山形市両所宮前経由を廃止し、天童市から寒河江市に進むコースに戻された。
- 1968年:第14回で酒田と飽海が統合し酒田飽海となった。この年に現在の11チームの形となった。
- 1971年:第17回大会は10月1日から3日に開催。
- 1973年:第19回大会は4月27日から29日に開催。
- 1975年:第21回大会は5月1日から3日に開催。
- 1976年:第22回大会は4月27日から29日に開催。以後、この大会日程が固定化した。
- 1983年:第29回大会より、全日8時スタートとなった。
- 1994年:第40回の記念大会として、山梨学院大学チームがゲストチームとして参加した。
- 1999年:第45回の記念大会として、山梨学院大学チームがゲストチームとして参加した。
- 2000年:第46回大会2日目の4月28日は、通勤時間帯の道路混雑を避けること及び第13区の選手が大石田駅踏切を通過する時刻が電車通過時刻と重ならないよう考慮され、8時ではなく8時40分スタートとなった。
- 2004年:第50回の記念大会として、山梨学院大学チームがゲストチームとして参加した。
- 2005年:第51回大会2日目の4月28日は8時45分スタートとなった。また、大会3日目の区間割が大幅に変更され、第23区(米沢~上郷)および第25区(亀岡~高畠)の2区間が中学生区間として初導入された。また、第5区(大山~鶴岡)と第14区(村山~東根)および第24区(上郷~亀岡)の3区間が高校生限定とされた。
- 2007年:第53回大会2日目の4月28日は8時30分スタートとなった。
- 2009年:第55回大会より、第1日目のスタート時間が午前8時20分に変更された。
- 2011年:山形新聞の2011年3月21日朝刊にて、東日本大震災の影響を受けて第57回を中止する旨が発表された。 これは、自粛[15]という形である事はもとより、毎回各ランナーの先導や追走を行うのが自衛隊車両(全国中継の様な白バイではない)であり、当時は隊員が被災地支援に多数派遣されていたことも一因である。
- 2012年:大会が復活。大会回数は2011年をカウントせず、改めて57回大会として開催された。また、この年南陽・東置賜が優勝したことにより、上山が唯一優勝経験がないチームとなった。
- 2015年:第60回大会、1日目後半のコースが大きく変更され、戸沢村古口から新庄市本合海経由ではなく、古口から升形や鮭川村経由のコースに変更された。また、記念大会として今井正人選手がゲストランナーで最終区間(上山-山形)を走った。そのため、第28区の走者が上山中継所で一旦ゴールとなり、第29区(最終区間)のランナーは今井選手を含めて一斉スタートした。
- 2020年:新型コロナウィルスの感染拡大に伴い第65回大会が中止された[16]。
- 2021年:大会が復活。大会回数は2020年をカウントせず、改めて65回大会として開催された。選手以外のマスク着用、選手を含めた大会関係者の検温や手指の消毒、3密の回避、給水時の手袋着用など感染症対策の徹底が呼びかけられた。また、家族の感染や濃厚接触者となった場合などコロナ禍の影響で中学生が出場できなくなった場合にのみ、中学生区間に高校1年生を起用できることとした。
- 2022年:第66回大会で南陽・東置賜が前人未踏の10連覇達成。また、2日目ゴールおよび3日目スタート地点が長井市役所の移転に伴い、新市役所前(長井駅前)に変更された。
- 2023年:第67回大会で、寒河江~大江区間のコースが変更された。これは、2022年8月の豪雨により大江町内の災害復旧工事などが行われていたため[17]。前回までは柴橋駅前を通過するコースだったが、寒河江市立柴橋小学校付近やヤマザワ寒河江西店前を通過するコースとなった。
- 2024年:第68回大会より「ふるさと選手」制度が導入され、県外在住者や他都道府県の陸協登録者でも、県内学校を卒業した時に居住した地域のチーム、県内在住時に県縦断駅伝競走大会選手として所属したチーム 、県内学校に在籍していたときの学校所在地のチームにおいて、別途申請料を支払うことにより出場できるようになった。天童・東村山が第14回(1968年)以来54大会ぶりの総合優勝。南陽・東置賜の連覇は11で止まった。
- 2025年:第69回大会は、令和6年7月豪雨の影響により、国道47号の戸沢村高屋地区の災害復旧工事が続いていたことから、第8区(立川~古口)を欠番とした。そのため、第7区で一旦ゴールとし、第9区から再度一斉スタートした。
戦績
優勝チーム
- 第1回 - 第3回:寒河江・西村山(3連覇)
- 第4回:米沢
- 第5回:山形
- 第6回:米沢
- 第7回:長井・西置賜飯豊町
- 第8回:北村山
- 第9回:山形
- 第10回 - 第12回:北村山(3連覇)
- 第13回・第14回:天童・東村山(2連覇)
- 第15回:新庄・最上
- 第16回・第17回:鶴岡・田川(2連覇)
- 第18回・第19回:寒河江・西村山(2連覇)
- 第20回・第21回:新庄・最上(2連覇)
- 第22回:北村山
- 第23回:新庄・最上
- 第24回 - 第32回:酒田・飽海(9連覇)
- 第33回:米沢
- 第34回:酒田・飽海
- 第35回:米沢
- 第36回:酒田・飽海
- 第37回:米沢
- 第38回 - 第45回:酒田・飽海(8連覇)
- 第46回 - 第51回:北村山(6連覇)
- 第52回:酒田・飽海
- 第53回 - 第56回:北村山(4連覇)
- 第57回 - 第67回:南陽・東置賜(11連覇)
- 第68回:天童・東村山
- 第69回:南陽・東置賜
総合優勝回数
- 1位 酒田・飽海 20回
- 2位 北村山 15回
- 3位 南陽・東置賜 12回
- 4位 米沢 5回
- 5位 寒河江・西村山 4回
連覇
- 南陽・東置賜 11連覇(第57回~67回)
- 酒田・飽海 9連覇(第24回~32回)
- 酒田・飽海 8連覇(第38回~45回)
- 北村山 6連覇(第46回~51回)
※5連覇以上
タイム
- 1日目 6:00:30(南陽・東置賜 67回)
- 2日目 5:53:55(酒田・飽海 69回)
- 3日目 4:05:11(山形 69回)
- 総合 16:23:02(南陽・東置賜 67回)
本駅伝に参加した著名選手
- 茂木善作 - 山形県初のオリンピック選手、本大会の審判長等として参画
- 円谷幸吉(第11回大会(1965年)、陸上自衛隊第6師団チームとして)
- 新関茂(天童・東村山)後の天童市長[18]
- 尾方剛(第40回記念大会、ゲストチーム山梨学院大学)
- 松田和宏(南陽・東置賜)
- オンベチェ・モカンバ(第50回記念大会、ゲストチーム山梨学院大学)
- メクボ・ジョブ・モグス(第50回記念大会、ゲストチーム山梨学院大学)
- 阿宗高広(上山)
- 釜石慶太(上山)
- ジョセフ・オンサリゴ(南陽・東置賜、長井)
- オンディバ・コスマス(南陽・東置賜)
- 今井正人 (第60回大会、最終区間ゲストランナー)
- 四釜峻佑(長井・西置賜)
- 細谷翔馬(天童・東村山)
- ガンドゥ・ベンジャミン(米沢)
その他
- 長年、陸上自衛隊神町駐屯地を抱える北村山チームと、伝統的に陸上が盛んで、選手層の厚さを誇る酒田・飽海チームが激しく優勝を争う構図が続いていたが、平成後半頃より、南陽チームや天童チーム、新庄・最上チーム、長井・西置賜チーム等が他県出身の選手を地元企業に誘致しており、以前よりも混戦となってきた。
- 第20区(朝日~白鷹)は通称「峠越え」と呼ばれており、「箱根駅伝の山登り区間」の様なレースの一つのハイライトとなっている。
- 市町村合併によってチーム数・チーム分けが変更になることがある。上山チームは、上山市と山形市の合併に向けた動きが加速していたことから、一度は「ラストラン」を行ったが、その後、合併の破談によりチームは存続している。
市町村対抗駅伝を行っている他の都道府県
- 青森県(青森県民駅伝競走大会)
- 福島県(市町村対抗福島県縦断駅伝競走大会)
- 栃木県(栃木県郡市町対抗駅伝)
- 新潟県(新潟県縦断郡市対抗駅伝競走大会)
- 長野県(長野県縦断駅伝競走)
- 神奈川県(市町村対抗かながわ駅伝競走大会)
- 岐阜県(ぎふ清流郡市対抗駅伝競走大会)
- 静岡県(しずおか市町村対抗駅伝)
- 愛知県(愛知県市町村対抗駅伝競走大会)
- 三重県(美し国三重市町対抗駅伝)
- 和歌山県(和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会)
- 兵庫県(兵庫県郡市区対抗駅伝)
- 香川県(郡市対抗源平駅伝)
- 徳島県(徳島駅伝)
- 高知県(県市町村対抗駅伝)
- 佐賀県(郡市対抗県内一周駅伝大会)
- 長崎県(郡市対抗県下一周駅伝大会)
- 熊本県(郡市対抗熊日駅伝、熊日郡市対抗女子駅伝大会)
- 鹿児島県(鹿児島県下一周市郡対抗駅伝競走大会)
- 沖縄県(沖縄一周市郡対抗駅伝競走大会)