犬夜叉の登場人物

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犬夜叉の登場人物(いぬやしゃのとうじょうじんぶつ)は、高橋留美子原作の漫画作品『犬夜叉』に登場する架空の人物の一覧。声の項は特記がない限りアニメ版声優を示す。

劇場版オリジナルの登場人物は犬夜叉 (アニメ)#劇場版の記事を参照。

戦国時代の人間キャラクターは全員苗字が不明。

続編に当たるオリジナルアニメ作品『半妖の夜叉姫』の登場人物は同記事を参照。同作における本作の登場人物の動向も同記事を参照とし、本記事では簡潔に記載する。

犬夜叉(いぬやしゃ)
声 - 山口勝平 / 関俊彦サンデーCM劇場
本作の主人公。半妖の少年。人間換算15歳。実年齢は200歳程。
日暮かごめ(ひぐらし かごめ)
声 - ゆきのさつき(旧名義「雪乃(雪野)五月」) / 岩男潤子(サンデーCM劇場)
本作のヒロイン。中学生の少女。15歳→19歳。
弥勒(みろく)
声 - 辻谷耕史 / 幼少:高橋理恵子(第28話) → 高城元気(第100話) → 斎藤千和(第189話) / 保村真(『半妖の夜叉姫』)
女好きで軽妙な性格の法師。年齢は18歳。普段は法師らしく穏やかで礼儀正しいが、素の性格が表に出ると口調が荒くなることもある。一人称は「私」だが、素の時は「俺」。
奈落によって祖父の代から続く「風穴(かざあな)」の呪いを受けており、それを打ち破るために単身で旅していた。強い法力を持ち、邪気への耐性も高い。武器は錫杖で、法力による攻撃だけでなく身体能力にも優れ、人間や並の妖怪なら素手でも圧倒できる。犬夜叉や雲母と並走できるほどの脚力を持ち、かごめの自転車も難なく乗りこなす。
初登場時は妖怪退治を請け負うふりをして屋敷の財宝を奪ったり、脅して報酬を得るなど、悪党めいた一面を見せていた。しかし犬夜叉たちと出会い、旅を共にする中で次第に仲間思いで誠実な性格を見せるようになる。冷静で頭の回転が速く、突っ走りがちな犬夜叉をなだめたり、状況を判断して撤退を選ぶなど現実的な判断もできる。一方で、自分の不調や怪我を隠して無理をするなど、仲間を気遣う面もある。
風穴は祖父・弥萢(みやつ)が奈落との戦いで受けた呪いで、父の代、弥勒へと受け継がれた。風穴は時間とともに広がり、最終的には自身の体をも飲み込む。弥勒は幼い頃に父が自らの風穴に吸い込まれて消滅する様を目撃しており、呪いを断ち切るため奈落討伐を目指している。
女性に目がなく、美しい女性を見ると手を取り「私の子を産んでくだされ」と口説くのが常である。これは弥勒を象徴する行動の一つであり、旅の中でもたびたび見られる。もっとも、本気で好意を寄せた珊瑚に対しては、正式な求婚時を除いてその台詞を口にしていない。
最終的には珊瑚と結ばれ、奈落討伐から3年後には双子の姉妹と男児をもうけ三人の子の父親となっている。楓の村で暮らしながら犬夜叉と共に妖怪退治を続けているが、護符1枚につき米1俵を報酬に貰うなど、抜け目のなさはあまり変わっていない。
作者の高橋留美子は、弥勒の設定についてバトル漫画に「手から何かを出す」キャラクターが多い中で、「吸い込む」キャラクターが存在しなかったという発想から着想を得たものであり、そこから奈落との因縁や弥勒の背景を構築したという。また、弥勒の女好きで明るい性格は、犬夜叉の真面目さを引き立てるための対比として設定された。[1]
技一覧
風穴(かざあな)
奈落の呪いによって敵をブラックホールのごとく吸い込む技。右手の平にある最大の武器であり、普段は数珠で封印されている。吸収の容量は無限に近いが、邪気や最猛勝の毒などを吸い込むと自分の体にも悪影響が及び寿命を縮める。また、風穴の縁にわずかでも傷がつくとそこから風穴が裂けて寿命が縮まる。風穴の射程距離は約100メートルに及び、引き寄せる力は、作者の推定に基づき700から800キログラム程度とされている。[2]
法力(ほうりき)
破魔の札で妖怪を浄化する技(妖怪に操られている一般人にも有効)。魔力を打ち破る法力を込めた護札を刃物のように二枚以上連続で放つ事もできる。
結界(けっかい)
意識を集中して作り出すバリアのような防御手段。あくまで弥勒が集中している間のみ使用でき奈落や桔梗、白心上人などの強力な結界と比べると効力は弱い。それでも蛾天丸の毒の繭から犬夜叉を守ったり狼野干の無数の狼から身を守るのに楓との共同作業などで使用することもできる。
珊瑚(さんご)
声 - 桑島法子
妖怪退治を生業とする退治屋の少女。16歳→20歳。一人称は「私」。退治屋の里では一番の手練れ。飛来骨を用いて複数の妖怪を一度に薙ぎ払う大胆かつ豪快な戦闘スタイルが特徴。それ以外にも腰に差している刀や腕に仕込んだ刃を用いての接近戦も得意としている。重傷を負って埋められても復活する程の執念と生命力を持つ。
奈落の陰謀により父や弟・琥珀を失った。さらに奈落に騙され、犬夜叉を里を滅ぼした仇と信じ込み命を狙ったが、後に誤解が解け仲間に加わる。普段は勝気で男勝りであるが、内面は繊細かつ弟思いの優しい性格。純粋な恋愛を夢見ており、弥勒の女癖の悪さを許せない。琥珀の事になると普段の冷静さを失うことが多い。
普段は髪を降ろした状態で結い、着物を着ている。妖怪退治の際には髪をポニーテールにまとめ、黒いボディスーツのような戦闘用衣装に着替える。飛来骨を用いた戦闘では敵に近づくことなく遠方から仕留めることができる他、腰の刀や腕に仕込んだ刃など、近接戦闘においても優れた戦闘力を発揮する。雲母とはいつも一緒で、雲母に乗って空中戦をすることも多い。邪気を感知できるが、邪気や妖術に対する耐性はほとんどない。
原作では当初、犬夜叉と口論したり彼の実力を疑う発言をしていたが、アニメではそういった描写は無く見事な連携を見せていた。かごめとは仲がよい。弥勒とは恋仲→結婚→双子の姉妹&男児をもつ母親となる。
技一覧
飛来骨(ひらいこつ)
倒した妖怪の骨を固めて作られた数多くの敵を一気に薙ぎ払う巨大なブーメランのような武器。重量は50キログラム程。その巨大さから盾や足場としても使用できる。終盤にて薬老毒仙の薬により強化され、奈落にすら通用する強力な武器となった。
毒粉(どくふん)
毒薬で作った毒の効く妖怪にも有効な毒の玉を放つ技。
雲母召喚(きららしょうかん)
猫又の雲母を呼び、背に乗っての移動や敵を攻撃する時などに使う。
七宝(しっぽう)
声 - 渡辺久美子
子狐の妖怪。体重は約4キログラムで、外見の人間換算年齢は7歳。父親を殺した雷獣兄弟を犬夜叉が討ったことをきっかけに仲間となる。一人称は「オラ」。
ややませた性格で、仲間の中では最年少ながら口が達者。自分も妖怪でありながら妖怪を恐れる臆病な面があり、語尾に「〜じゃ」を付けるなど年寄りめいた口調で話す。
完全な妖怪であり、半妖を見分ける嗅覚がある。妖怪をも凌ぐ妖力を持つ半妖の奈落にはか弱い小妖怪風情と見下された事もあった。人間の少女(五月など)に恋することが多い。
そのキャラクター設定は、子供っぽい犬夜叉と対等に張り合えるように意図されたものであり、同時に、父親を亡くした経験から悲しみを知り、周囲が見えている一面を持つと解説されている[3]
主な攻撃は狐火。おとり要員として戦うことが多い。他にも様々なものに変身でき、狐妖術(幻術)を使い、物や人に変身することができるが、その多くはギャグ的な外見となる。球体に変身して人を乗せて飛行することも可能。中盤以降は弥勒の肩に乗って行動することが多く、犬夜叉一行の潤滑剤的存在となっている。「おらがしっかりせねば」「阿呆じゃ」などの台詞がよく見られる。
奈落との戦いが終わった後は、一人前の妖怪になることを目指して修行の旅に出た。
技一覧
狐火(きつねび)
青い火炎を放つ。熱量は低いが木を燃やす事はでき、本物の炎とは相殺し合う為、炎を防御することもできる。
潰し独楽(つぶしごま)
巨大な独楽につぶされる幻を見せる技。狐妖術(幻術)の一つ。
爆雷筒(ばくらいづつ)
いわゆるダイナマイト。爆竹のような音が鳴り響く程度でダメージはない。
分身(ぶんしん)
木の葉で作り出す自分の偽物の分身術。無限に増やすことができる。
雲母(きらら)
珊瑚と一緒にいる猫又。300歳未満。普段はかわいい子猫のような姿だが、戦闘時には炎を纏って巨大化し、牙を持つ化け猫に変化する。人間の言葉を理解できる賢い妖怪で、人間に害を与えることはない。巨大化すると珊瑚たちを乗せて空も飛べる。退治屋の里が妖怪に襲われた際に唯一、生き残っていた。
犬夜叉の鉄砕牙を鍛える練習台になったり、かごめが犬夜叉に内緒で現代に帰る交通手段にされたり、他にも弥勒の女性を気を引く道具にされたりと仲間たちには便利に利用されているが、雲母自身は悪く思っておらず、協力的。仲間思いな温厚な性格で、七宝やかごめを犬夜叉たちに代わって守る場面も多い。
アニメでは、雲母がかつて翠子の飼い猫であったことを裏付ける描写がある。
珊瑚が子供を授かった後も、琥珀と共に妖怪退治の旅をしている。

協力者

楓(かえで)
声 - 京田尚子 / 幼少:伊藤実華
桔梗の妹。姉の死後50年間、村の巫女兼まとめ役の老女。一人称は「わし」。隻眼(アニメ版では犬夜叉が封印される少し前、妖怪に襲われた際に桔梗が破魔矢で妖怪を貫いた衝撃で潰れた)。
犬夜叉に言霊の念珠をかけた張本人で、かごめと桔梗の関係を最初に見抜いた。効力は弱いが破魔の矢を使うことができ、結界を張ることも可能(破魔の矢は並みの妖怪なら消滅し、結界は意識を集中している間のみ効力があり、弥勒と共同で張った)。薬草作りに長けているほか、妖怪の知識も豊富。かごめへの恋愛の助言も的確である。
劇中では幾度も怪我を負わされているが、見事に復帰。妖怪から身を隠すため、犬夜叉に埋められたが忘れられていたことがある。
かごめの母が作ったお弁当が好物。
復活した姉に対しては「未練を断ち切り再び成仏するように」と望んでいる。
最終的には、かごめの師匠とりんの保護者となる。
最終回から15年以上が経過した『半妖の夜叉姫』においても健在であり、琥珀達に時代樹の力や殺生丸の娘の存在などを伝えた。
冥加(みょうが)
声 - 緒方賢一
犬夜叉の父と犬夜叉に仕える老いた妖怪の男性。一人称は「儂」。登場する時は、大抵誰かの血を吸い、潰される(アニメ版では初登場時、かごめから殺虫剤を吹きかけられた)。
吸血によって気付けや毒を吸い出すことができ、最大までに吸血すると2メートルまで大きくなれる(普段は7ミリメートル)。霧骨の強力な毒で瀕死の状態にあったかごめ、弥勒、珊瑚の毒の混ざった血を吸い出して助けた。血を吸い出すだけではなく、薬の原料を吸って体内で調合することもできる。若くて美肌な女の血が好み。また、犬夜叉の父君の血も好み。豊富な知識を持っているが、臆病者で、危険が迫ると真っ先に逃げ出す(その危機察知能力は「冥加が逃げぬのなら安全」と言われたほど)。
登場初期は犬夜叉と共に旅することが多かったが、刀々斎登場後は基本的に刀々斎の所にいる。
許嫁は、吸血で憑りついた相手を操ることができる同じ蚤妖怪の生姜(声 - 麻生美代子)(アニメ版)。
『半妖の夜叉姫』ではもろはに付き添っている。
刀々斎(とうとうさい)
声 - 八奈見乗児 / 龍田直樹(『半妖の夜叉姫』)
妖怪の刀鍛冶。一人称は「儂」。よぼよぼの老妖怪の男性。犬夜叉の父の依頼で、彼の牙から「鉄砕牙」「天生牙」を作った。冥加の友人なだけあって、自分に原因があるのに都合の悪い事はすっ呆けてみせるなど、かなり無責任な一面がある。一見とぼけているが刀鍛冶としての腕は確かで、右に出るものはおらず、真っ二つにされた飛来骨も修復してみせた。口から火を吹き、手にした金槌で地面から溶岩を出す。その能力により戦闘力も高く、周囲を火の海と化し殺生丸からも容易に逃げおおせる。空を飛べる三つ目の牛・猛々(もうもう)を乗り物とし、普段は火山帯と思われる山中にある、巨大な魚の骨で出来た工房に住んでいるが、主に殺生丸の不興を買った時に引越として逃亡する。かつて弟子(灰刃坊)がいたが、あまりに邪悪すぎて破門した。
阿波の八衛門狸(あわのはちえもんだぬき)
声 - 中嶋聡彦 / 茶風林(『半妖の夜叉姫』)
狸妖怪。弥勒からは「ハチ」と呼ばれている(アニメのみ)。一人称は「あっし」。弥勒には散々こき使われているが、彼を慕っている舎弟(かなり昔からの知り合いらしい)。木の葉で化ける能力を持つほか、長距離を移動する際には巨大な茶色い円筒状の物体に化け、空を飛ぶ。弥勒がかごめの四魂の欠片を狙った時には目晦ましとして使われた。稀に弥勒に反抗することもあるが、逆に殴られている。アニメでは、空腹のため弥勒になりすまし、方々の村で妖怪退治と称した不貞行為を行っていたこともある(そのため、本物の弥勒は犬夜叉一行共々村を追い返されるという仕打ちを受けた)。原作では名前が設定されておらず、第22巻を最後に登場しなく成る迄、単に狸と呼ばれていたが、アニメ化に際して名前が付けられ、「半妖の夜叉姫」では前作より出番が多く成った。
夢心和尚(むしんおしょう)
声 - 藤本譲
弥勒の育ての親の老人男性。一人称は「儂」。弥勒に酒や女遊びなど、いいことも悪いことも教えた張本人。相当な酒好きの生臭坊主で、重度のアルコール依存症の様子。弥勒の風穴を手当てできる唯一の人。手相もできる。
たまに弥勒に笑えない冗談を言っては殴られている。巨大な数珠で鉄砕牙の変化(へんげ)を解くなど、普段の生活態度からは想像できない強力な法力が操れる。1度虫の妖怪(壺使い)に操られ、弥勒を襲ったこともある。
宝仙鬼(ほうせんき)
声 - 大友龍三郎
宝石を司る鬼の大妖怪。犬夜叉の父の友人。かつて犬夜叉の父の依頼で妖怪の墓場に繋がる黒真珠を作った。石の声を聞く力を持ち、四魂のかけらを邪悪な奈落に渡さないため、自らの死と共に妖怪の墓場にかけらを持ち込んだ。その妖力と金剛石の体はかごめの破魔の矢をも無力化し、奈落でさえ容易に手出しできないものだった。当初は犬夜叉の事を半妖と侮っていたが、鉄砕牙の強さに執着せず、自らのやるべき行いを見出だした思念を認め、自らの妖力である「金剛槍破」を授けた。犬夜叉達が会いに行ったときは既に死亡、現在は2代目の息子(声 - 斎藤志郎)が継いでいる。一つの黒真珠を作るのに100年はかかる[注 1]。授けた金剛槍破は犬夜叉が冥道残月破を得るまで鉄砕牙の最強必殺技となったが、後に魍魎丸が礫の一部を吸収した事で使用できるようになってしまい、魍魎丸を取り込んだ奈落にも悪用されるなど、結果的に意図せずして奈落まで強化させてしまう。
妖霊大聖(ようれいたいせい)
声 - 永井一郎
刀々斎の知人。頼りない老妖怪の男性だが、強い妖気と幻術を使う妖怪の大仙人。一人称は「儂」。胆を盗まれたと偽り、犬夜叉に蛇女(声 - 北林卓美)と牛鬼(声 - 乃村健次)の幻術と戦わせることで、龍鱗の鉄砕牙の極意である妖穴斬りを体得させた。最後に犬夜叉自らが見つけるべき鉄砕牙の最後の形がある事を内心で言っていたことから殺生丸が天生牙で鍛えた冥道残月破が鉄砕牙に吸収され、斬る刀の力として犬夜叉の技になることも知っていた模様。
薬老毒仙(やくろうどくせん)
声 - 稲葉実
薬と毒を扱う妖怪の仙人。一人称は「俺」。妖の酒が入った甕の中で四六時中酔っぱらっている老妖怪の男性で女好き。伸縮自在の両腕と舌を持ち、巨大な甕を持ち上げる際に腕を伸ばし、舌はなめた対象を毒味する。また葉と瓢箪が付いた杖は妖の酒を突く事で毒薬にできる。甕は異空間となっていて水中でありながら呼吸できるが、薬老毒仙が気に入った者しか出入りできない。異空間に無理やり入ろうとした者は入った甕から別の甕にはじき返されてしまう。この甕の異空間を他者が見る際には妖の酒を飲む必要がある。珊瑚の飛来骨を治し、弥勒には毒の苦しみを感じなくなる毒薬を与えた。また、弥勒が毒薬に馴染むまでの時間稼ぎとはいえ、かごめのスカートをめくり、犬夜叉に殴られた。それでも根は真面目で飛来骨に邪気を砕く力を授けた他、犬夜叉に対して「弥勒は治ったわけではなく、瘴気を吸う苦痛を感じなくなっただけだから誤解するな」と警告した。

桔梗関連

桔梗(ききょう)
声 - 日髙のり子
犬夜叉の初恋の人。18歳(没年)。死人。50年前犬夜叉と愛し合っていた。裏陶の鬼術で遺骨と墓土から生き返る。
死魂虫(しにだまちゅう)
桔梗の体を動かすための死魂を運ぶ妖怪。常に数匹が桔梗に付き従っており、彼女を乗せて空を飛んだりすることもある。
胡蝶(こちょう)、飛鳥(あすか)
声 - 増田ゆき清水香里
桔梗の式神。普段は童子姿で行動している。桔梗が「聖様」(身代わりの人形=傀儡を使用していた)と呼ばれた頃から登場し、動けない彼女をサポートしていた。最後は琥珀を守り夢幻の白夜に倒された。

殺生丸一行

殺生丸(せっしょうまる)
声 - 成田剣
犬夜叉の異母兄。人間換算年齢19歳。実年齢は200歳以上。半妖の犬夜叉と違い、完全な妖怪。
邪見(じゃけん)
声 - チョー(旧名義「長島雄一」)
殺生丸に仕える小妖怪。人間の幼児ほどの背丈で、地獄の餓鬼がイメージビジュアルとされている。[4]強力な炎を放ち、探知機能を持つ人頭杖(にんとうじょう)という杖を携えているが、自身の戦闘能力はそれほど高くないとされる。
殺生丸への忠誠心と敬愛の念は強いが、気難しい彼に対する愚痴や苦労が絶えない様子も描かれる。小心者でどこか抜けた面があり、余計な一言を口にしては殺生丸に殴られたり睨まれたりする描写が多い。
作者の高橋留美子は、邪見を殺生丸の通訳と称しており、作中では言葉の少ない殺生丸の心中を読み取り、その言葉にならない思いを代弁する役割を担っている。[注 2]
当初は、りんの世話役を渋々引き受けていたが、物語の中盤以降、りんと親しげに会話する描写も増えた。これについて作者の高橋留美子は、りんへの情は多少なりとも持っており、しかし、それ以上に「ちゃんと面倒を見ないと殺生丸に怒られる」ことを恐れていたのではないか、と自身のSNSで明かしている。[5]
闘鬼神を鍛えた灰刃坊に両断された際、殺生丸の天生牙で蘇生された数少ない存在の一人である。
りん
声 - 能登麻美子
野盗に親兄弟を殺され、言葉を無くした人間の少女。犬夜叉との戦いで負傷した殺生丸を介抱した直後[注 3]、鋼牙率いる妖狼族の襲撃に巻き込まれ殺害される。しかし、殺生丸が天生牙によって蘇生させたことで、言葉を取り戻し、以降は殺生丸に同行するようになった。
旅の中において、食料は自身で調達することを殺生丸から求められており、他人の畑を荒らすなど、戦国時代の過酷な環境を生き抜く逞しさを示す。
殺生丸が天生牙を鍛えるため冥界に向かった際、りんは同行中に二度目の死を迎えることとなる。天生牙は同一の対象には一度しか使用できないが、殺生丸の母親が冥界に置き去られていたりんの命を戻したことにより息を吹き返した。
奈落との戦いが終結した後は、楓の村で人里の生活に慣れるための訓練を受けていることが犬夜叉の口から語られ、これは、りんが妖怪と人間のどちらの世界で生きるかを自身で判断できるようにするための措置とされている。
また、作中では殺生丸がりんのもとを訪れ、着物を届けている様子が示されており[7]、作者は、この殺生丸がりんに会いに行く頻度について、殺生丸をりんの保護者として位置づけ、りんが人里に慣れる「お試し期間」であることから、節度を持って接していることを明かしている[8]
『半妖の夜叉姫』では、殺生丸との間に双子の娘とわとせつなをもうけたキャラクターとして描かれている。
阿吽(あうん)
殺生丸の連れている、姿形は馬のような、それでいて龍のような風貌の双頭の妖怪。言葉は発しない。邪見やりんを背中に乗せて空を飛び、口から電撃を吐く能力がある。戦いの主力ではないが、千年草の実を採るりんに襲い掛かる多数の妖怪を倒すなど、頼もしい一面も。名前はアニメ化に際して付けられた。

妖狼族

狼妖怪の一族。人型で人食い狼を使役する。

長老衆と呼ばれる妖狼族は人型ではなく大型の狼の姿をしている。北を頂点に、東、西、南、中央と計5つの群れがある。北の洞穴は長老衆を擁しており、中央の洞穴は戦えない子供や老人の集まりとなっている。

登場してすぐに、奈落一派(主に神楽)によりその多くが惨殺された。アニメでは狼語と思しき独自の言語で、連れている狼たちとコミュニケーションを取っている描写がある。

鋼牙(こうが)
声 - 松野太紀
妖狼族の東の洞穴の若頭の少年。人間換算年齢15歳。足に四魂のかけらを仕込んでおり、つむじ風のように早く走れる。登場初期は右腕にも四魂のかけらを仕込んでいた。奈落と神楽の策略によって大勢の仲間を殺されたことから、その仇を討つため奈落を追っている。
歯に衣着せぬ物言いをするタイプ。かごめに片想いしているため、犬夜叉とはいがみ合っているが、一枚上手で犬夜叉をうまくあしらうことが多い。喧嘩仲間の犬夜叉とは奇妙な信頼関係を築く。荒っぽい一面はあるが、裏表のない明朗快活な性格の快男児。かごめに会いに来る際、犬夜叉を踏んづけて、別れる際は彼女の手を握ったり抱きしめるのが恒例になっている。
犬夜叉とは似た者同士ではあるが、頭に血が上りやすく力任せに押し切ろうとする犬夜叉と違い、事前に周到な準備をしたり状況を見渡しながら作戦を組み立てながら戦ったり、異様なまでに鋭い直感から不利と判断したら撤退も辞さないなど、頭脳派な一面もある。そのため、犬夜叉とは会うたび喧嘩が絶えないが、鋼牙がかごめにモーションをかけるのが面白くなくて嫉妬し、癇癪を起こして突っかかってくる犬夜叉を軽くいなしたり、そんな態度に怒りを通り越してあきれるなど、若い年齢でありながら荒くれ者の妖狼族をまとめ上げているだけあって精神面では犬夜叉よりは大人なようである。また、自分が半妖であることや様々な強いコンプレックスを抱えているからか、虚勢を張ってばかりいる犬夜叉と違って、弥勒でさえ羨ましがるほど言動や態度も自信に満ち溢れている。
最初の頃は、人間の住む村を狼達に襲わせていたが、かごめに惚れてからは人間を絶対に襲わなくなった。妖狼族であるせいか、人間のかごめに食料として仕留めたばかりの生のをあげたり、土産として奈落の首を持ってくるとかごめに宣言するなど、どこか価値観やセンスがズレているところもある[注 4]
仲間内からの信頼も厚く、群れを守るためならば我が身の危険も顧みず最前線で戦い抜く親分肌。その一方で、同胞たちへの裏切り者は容赦なく笑みを浮かべながら処刑するという残忍さも持ち合わせている。また、神楽の謀略によって返り血を浴びていた犬夜叉が仲間たちを殺したと誤解した時には、かごめの釈明にも耳を貸そうとしないほど激昂し犬夜叉を本気で殺そうとするなど、自分が見聞きしたものしか信じようとしないなど思い込みが激しい。
桔梗が翠子の魂と同化した後、四魂のかけらを埋め込んだ彼の足は敵の前で動かなくなり窮地に陥ることが多くなった。奈落と戦うため、一時期犬夜叉一行に加わったが、奈落に吸収されかけた上、四魂のかけらを奪われ、自ら戦線を離脱する。桔梗を失い悲嘆に暮れる犬夜叉を思い、かごめをきっぱり諦めた。四魂のかけらによって手に入れた足の速さや足技と、妖狼族に代々受け継がれてきた五雷指を武器に戦う。腰に差している刀は人間の侍を惨殺して奪った刀で武器ではなく飾りらしい[注 5]。四魂のかけらを奈落に取られた後は犬夜叉達に後を任せ、原作ではその後は登場しない。
アニメでは奈落との戦いが終わって3年後、菖蒲と祝言をあげ、妖狼族の頭になった。
『半妖の夜叉姫』では犬夜叉とかごめの娘であるもろはを託され養父となった。そちらではしゃべる場面はない。
技一覧
五雷指(ごらいし)
妖狼族に代々受け継がれてきた妖爪。電撃を放つ事が出来、冥王獣の鎧甲をも突き抜ける他、この世ならぬ者にも攻撃できる。
仲間狼召喚(なかまおおかみしょうかん)
仲間の人食い狼を呼び集め、目くらましや移動に使う。
銀太(ぎんた)、白角(はっかく)
声 - 吉野裕行岸尾大輔
鋼牙の仲間の二人組の少年。極楽鳥との戦いで銀太が極楽鳥の巣に連れて行かれそうになった際に、かごめが破魔の矢を放って助けて以来命の恩人であるかごめを姐さんと敬っている。奈落を追う鋼牙に同行するが、鋼牙の無茶なペースにいつも振り回されている。一時期、灰と芯太の兄弟を群れに送り届けるため、鋼牙と離れていたが、鋼牙が戦線離脱する際に戻ってきた。トサカ頭が白角。原作では名前を呼ばれたことがないが、奥義皆伝に銀太、白角と紹介されている。
鋼牙ほど強くはないが、アニメでは豹猫族に捕えられたかごめや城下町の人間たちを助けるべく、豹猫族の雑兵たちを蹴散らすなど一般的な妖怪からしたら、それなりに強いようである。
菖蒲(あやめ)
声 - かかずゆみ
アニメオリジナルキャラクター。鋼牙に片思いしている、北の洞穴に属する妖狼族の美少女。木の葉を手裏剣のように操る技が得意。昔、妖狼族の天敵である妖怪「極楽鳥」に襲われたところを鋼牙に助けてもらい、その時に鋼牙が言った言葉を信じていた純情一途なところがある。長年の修行の成果なのか、四魂のかけらを持っていないにもかかわらず鋼牙に近い速度で走れる。四魂の玉消滅から3年後、鋼牙と祝言をあげる。『半妖の夜叉姫』ではもろはの養母となっていた。そちらではしゃべる場面はない。
長老(ちょうろう)
声 - 中博史
菖蒲の祖父でじさまと呼ばれている。大型の老いた白い狼で北の洞穴に属する妖狼族のトップ。
七人隊の一人、凶骨と妖怪の襲撃を受けるが長老衆の妖狼に助けられる。菖蒲の祝言の前の3年間の間に亡くなっており菖蒲の祝言の場には登場しなかった。
老狼
声 - 西前忠久
北の洞穴の長老衆の一人。年老いた狼。妖怪から長老を守るために囮になり鋼牙に助けられるが、鋼牙に七人隊、凶骨の存在を伝えた後死亡する。原作では、鋼牙との会話から、妖狼族ではない可能性がある。
妖狼族の先祖
声 - 中博史
妖狼族の墓場に鎮座する骸。鋼牙に五雷指を与える試練を行う。鋼牙に五雷指と、鋼牙の持つ四魂のかけらを翠子の意思から1度だけ守る加護を与えた。
灰(かい)
声 - 西墻由香
中央の洞窟に属する妖狼族の男児。芯太という弟がいる。群れの仲間と共に奈落から逃げる旅の途中で奈落の妖怪に襲われた後、白夜によって弟を人質に取られて、弟を救うため鋼牙を襲った。足に白夜から与えられた四魂のかけらを仕込んであり、鋼牙と互角に走ることができる。
芯太(しんた)
声 - 斎藤桃子
灰の弟。まだ幼児と言ってもいい子供で灰のことを「あんちゃん」と呼んでいる。白夜によって人質にされる。

奈落一派

作中では特別な呼称はないが、公式ガイド奥義皆伝では奈落一派と称されている。奈落やその分身、奈落に協調する者達。四魂の玉の完成を目指し陰謀、殺戮の限りを尽くす。奈落の分身達は誕生順に兄弟姉妹の関係にあり、初期の分身は兄弟姉妹としての認識が特に顕著である。長子は神無で、末弟は最終的に夢幻の白夜となった。分身は奈落が自分の体の一部を千切って壺の中で熟成させて製造した妖怪。しかし、奈落に絶対服従しているわけではなく、大半が裏切り行為をしている。中には奈落自身を攻撃するものもいた。奈落の分身達は奈落と同じ背中の蜘蛛の傷跡が受け継がれる。高橋留美子は自身のSNSにて、奈落の分身の造形はモンスターか美形の二択であると言及している[9]

奈落(ならく)
声 - 家中宏(未変化・初期) → 森川智之(人見蔭刀)
犬夜叉一行の宿敵。実年齢は50歳以上。人間換算年齢23歳。一人称は「儂」。
浅ましい心をもった鬼蜘蛛という名の人間の野盗を喰った無数の妖怪が融合して変化した半妖である妖怪の集合体[注 6]。鬼蜘蛛や肉体の妖怪(アニメオリジナルの三つ目の赤い蜘蛛妖怪など)とは全く異なる独自の人格の持ち主。半妖でありながら妖怪をも凌ぐほどの邪気と妖力を持つ。瘴気が濃く、全身が毒の塊であり相手は迂闊に攻撃できない。物理攻撃で肉体を傷つけられても妖怪の集合体であるため、再生能力で痛手にはならず、浄化の力を持つ聖なる霊力などしか脅威にならない。故に首を斬り落とされても死なずに動くことができる。ただし、自身と同程度の邪気の塊に体を砕かれると再生が困難になる欠点もある。桔梗曰く本体は魂そのもので本当の身体や肉体は存在しない。口調は丁寧で慇懃無礼。50年後は再び世に現れた四魂の玉のかけらを集め始め、邪気で穢れた四魂の玉の完成を目指す。
50年前に犬夜叉と桔梗を憎み合わせ、死に追いやった張本人。自分の存在を危惧して滅そうとした弥勒の祖父・弥萢と戦い、代々受け継がれる風穴の呪いをかけた。50年後は50年前の事件の真相を知った犬夜叉達と対立する。
固有の姿を持たず姿を変化させる能力があり、作中ではとある城の城主・人見蔭刀の姿を仮り、成り代わっている。妖怪の姿(上半身のみ人間で腰から下の下半身が無数の妖怪の融合した姿、解体時は首以外は全て妖怪、新生後はこの姿にはならない)になることもできるが人間の姿を好み、大勢の人間の姿を時代ごとに変えており弥勒の祖父・弥萢との最後の戦いでは貴族の美女の姿をしていた。アニメでは奈落の化けた蔭刀の目元はアイシャドウが入る。50年前は犬夜叉と桔梗にも変化した。姿を変えるのには時間がかかり、その間は妖力が格段に落ちる。初期は狒々の皮を被って姿を隠すことが多かった。蔭刀に完全に成り代わる前も犬夜叉に狒々の皮を破られた時、既に蔭刀に近い姿をしていた。用心深く退却することが多く、その場合後を追えぬほど逃げ足は速い。また、多数の妖怪達が複雑に融合したその醜悪な外見故か妖怪の姿になることはあまり好まない。新生奈落になった後も人見蔭刀の姿をベースにするなど最後までその姿と顔を利用し続け、自分のものとした。
鬼蜘蛛の感情を受け継いでおり桔梗を愛しているが、同時に鬼蜘蛛を喰った多くの妖怪が持っていた桔梗への憎悪や殺意も併せ持っており、2つの相容れぬ感情に苦悩する。背中の蜘蛛の傷跡は鬼蜘蛛(人間)の感情を受け継いでいる証。分身達にも受け継がれる。鬼蜘蛛の感情を色濃く受け継いでいる時は自分の手で桔梗を殺すことはできない。さらに桔梗が思いを寄せる犬夜叉を恨み憎んでいる。怒りや嫉妬に任せて背中の皮を蜘蛛の傷跡ごと剥がすことがある。その後、再生した肉体にも蜘蛛の傷跡が浮かび上がる。アニメでは、その際、人見家の家臣(小姓)を殺し神楽に始末させる描写は省略される。
直接の戦闘よりも人の弱みに付け込む卑劣な策略を好み、性格は冷酷。人と人との絆を呪い引き裂く、それが奈落の行動概念である。しかし、それは奈落が絆の大切さ、そしてそれを失う苦しみを知っているという証明でもあった。手駒を多用し他者を利用するのは自分の滅びを恐れる奈落の弱さでもある。
琥珀を利用して珊瑚に鉄砕牙を持ってこさせ、犬夜叉一行を殺そうとするが、かごめの反撃(破魔の矢)で体を砕かれ、首だけで琥珀に運ばれた以降はかごめの霊力に恐怖を抱くようになる。ただし、アニメでは恐怖心を抱いたり首だけで琥珀に運ばれる描写が無く、省略され逆に琥珀を瘴気や妖気を使って連れ去っている。蠱毒を吸収するまでは傀儡の肉体を代用していた。妖怪を阻む鉄砕牙の結界を無効化し鉄砕牙(勿論、変化せぬぼろ刀のまま)を使うことができる。
半妖の弱点である休眠期に体内の妖怪を解体し不要な部分を捨て、再構成し強化できる。休眠期は自分の意思で自由に選択できる。出生上、他の妖怪を吸収する能力を持つが、相手は完全な妖怪ではなくては駄目で人間や半妖を吸収すると自分を弱めることになる。捨てられた不要な部分の妖怪(毛むくじゃら、目玉など)は再び意志を持ち暴れ出す。絶対的な存在になることを望み、完全なる力を求める。
桔梗から四魂のかけらをもらった後は神無や神楽などの分身を作ることが可能になった。背中の蜘蛛の傷跡は分身にも受け継がれる。分身を作ると体内の妖怪が減るので、また新しく妖怪を吸収するという誰も見ていない所で密かな努力が必要になる[10]
犬夜叉に赤い鉄砕牙で結界を斬られた後は白心上人が守る白霊山に身を隠し、傭兵として七人隊を復活させ、その間に白霊山にて熟成、新生奈落として胸部に巨大な目玉がある鎧を纏ったような姿にパワーアップを遂げる。放棄した人見城の代わりに小さい山城や洞窟を本拠地にするようになった。
新生後は、相手の妖気の攻撃を返したり粉々に粉砕されても僅かな肉片からその場で再生できるようになり無敵に近い存在となる。肉体から三叉戟などの武器を生成することも可能。肉体の不要な部分を切り捨てて遠隔操作し攻撃することもできる。また、その際に桔梗を慕う鬼蜘蛛の心を捨てることにも成功した(背中の蜘蛛の傷跡が残っているかは不明)。その際、自らの弱点である心臓を持たせた赤子を排出、赤子を誘導して「鎧」(奈落自身は「城」と称しているほどの威力を持つ)である魍魎丸を作らせ、その鎧である魍魎丸を赤子ごと奪い取る事を計画。最終的に魍魎丸に取り込まれたふりをして逆に吸収した。新生後は狒々の皮を被ることはなくなり、様々な妖怪を取り込んで強化していた魍魎丸を吸収した後は金剛槍破と冥王獣の鎧甲を手に入れ、更なるパワーアップを果たした。また新生奈落の姿も竜の尾と鎧が減り、よりシンプルな姿となった。
再び白霊山に戻り、奈落と同じ姿でより長髪の首と小蜘蛛の姿を持つ「人間の負の心」を取り戻した奈落は蜘蛛の糸で桔梗に致命傷を負わせ葬ることに成功する。
その後、鋼牙と琥珀の四魂のかけらを奪って四魂の玉を完成させ超巨大要塞のような巨大な蜘蛛になり(本体は今までの人間体の裸(時に新生奈落形態)の姿で最奥部に潜む、鎧甲を纏った者や新生奈落形態の自分と同じ姿の分身や蜘蛛の肉壁に巨大な顔や目の分身を出せる)、りんを人質にし、犬夜叉、殺生丸らに最後の勝負を挑む。曲霊と共に犬夜叉を妖怪化させ、かごめやりんを襲わせたり、珊瑚に弥勒の父の壮絶な最後を見せる等、犬夜叉一行を肉体的にも精神的に追い詰めるが、かごめに自らの潜在的な願いや心を見透かされ動揺。多量の瘴気とともに巨大な蜘蛛ごと楓の村へと突入し破壊しようとした。最終的に玉と同化して人の心を完全に無くし、悍ましい姿の妖怪と化したものの、曲霊が倒されたことにより霊力が復活したかごめの矢、完全に自分の技として昇華された犬夜叉の冥道残月破、そして殺生丸の爆砕牙の前に破れ、矢が貫通した玉と肉片から繋がる首だけの姿となり、骨食いの井戸へと降り立った。
そのまま消滅したかに見えたが、玉の中の空間に蜘蛛の巣の中心に生首だけが鎮座したような姿で囚われており、玉内の妖怪と翠子の座をかごめとともに継ぐ運命にあったが、かごめが「唯一の正しい願い」を告げたことにより、翠子、妖怪と共に浄化。安らかな笑みを浮かべ完全に消滅した。
声優は誰の姿も借りていない未変化状態を鬼蜘蛛(無双)も演じる家中宏が担当、人見蔭刀の姿を借りた奈落を森川智之が担当と区別している。主要声優は森川智之。家中宏は一部例外以外は序盤の代役声優。無印アニメでは稀に未変化状態を森川が担当するなど混同されていたが、完結編ではしっかりと区別されている。このような声優変更はアニメオリジナルで先に人間の人見蔭刀が登場する事による区別のためだからである。
ゲーム版『犬夜叉』(特に今作は人見蔭刀ではない未変化状態から登場する)・『犬夜叉〜戦国お伽合戦〜』・『犬夜叉 〜呪詛の仮面〜』・『犬夜叉 奥義乱舞』・『犬夜叉 〜奈落の罠! 迷いの森の招待状〜』の声優は一貫して森川智之が担当している。
形態一覧
狒々の毛皮の奈落
奈落の初期形態。特定の誰の姿も借りていない未変化形態(犬夜叉や桔梗、弥萢と戦闘時の美女など様々な人間に変化していた。)で、妖怪の狒々の毛皮を被っている。50年後には毛皮の下に人見蔭刀の姿がある。また、犬夜叉達と初めて会った姿もこの形態で、50年前の真相を犬夜叉が知った際は「お前と桔梗の重んじる信頼とはそんな簡単に崩れるものなのか?お互いを殺そうとする怒りのみが真実。あれがお前達の偽りない真の姿なのだ」と桔梗を疑いもしなかった犬夜叉を逆に言い返した。無印アニメでの声は鬼蜘蛛と同じ家中宏だが、無双が鬼蜘蛛としての人格を押し込められた際の記憶や生前の蛮骨の回想では森川智之となっている。完結編(瞳子の回想)では区別されている。新生奈落になった後も毛皮で顔以外を覆う場合もある。
人見蔭刀の奈落
50年後の奈落の基本形態。人間の若殿・人見蔭刀の姿をしている。たまに狒々の毛皮を被る。妖力を失う弱体化の日を自身の意思で選んで肉体を解体する際は、本体である魂が宿った首だけを残して多数の妖怪達が蠢くおぞましい姿になる。このため、弱体化の日を肉体強化の日として無駄にせず、人間と妖怪の間に生まれた犬夜叉に対して「決まった日にただ妖力を失い、他の妖怪からコソコソ身を隠すだけの哀れな半妖とは違うのだ」と特殊な半妖である事を自慢げに語った事もあった。時に腕が異様に長く、上半身が裸の陰刀、背中に蜘蛛の足、下半身が醜悪な妖怪の集合体という戦闘形態にもなる。吸収した妖怪達で肉体の強化を重ね続け、瘴気と触手の他、強い結界も張れるようになった。
以後はこの姿をベースに人型の新生奈落となる。
大蜘蛛の奈落
劇場版「鏡の中の夢幻城」の冒頭で変化した大蜘蛛形態。牛鬼に似た姿で腹部の背中には巨大な蜘蛛の模様がある。劇中では奈落の本当の姿とされるが、これも仮初なのかは不明。
劇中では、犬夜叉に背中を鉄砕牙で貫かれた直後、バラバラに吹き飛んだ肉片が集まり、腕が異様に長く、上半身が裸の陰刀、背中に蜘蛛の足、下半身が醜悪な妖怪の集合体という戦闘形態へと変化、弥勒の錫杖を合わせた珊瑚の飛来骨で体が崩れた隙に、犬夜叉の風の傷とかごめの破魔の矢を受けて消滅し、完全に倒されたと思われた。
しかし実は、神久夜を誘き寄せる為に一時的に仮死状態になって琥珀の体内に密んでおり[注 7]、琥珀が犬夜叉達と共に夢幻城に乗り込み、神久夜と戦っている最中、頃合いを見計らって琥珀の背中から出現、神久夜を取り込んで不老不死を得ようとする寸前、命鏡からの破壊光線で吹き飛ばされるも一旦はその場を逃れて隠れ潜み、神久夜が犬夜叉達に倒され肉体を失った隙を狙い、彼女を取り込もうとするうしたが、犬夜叉の風の傷を受けて肉体がバラバラに吹き飛んだ隙に神久夜は弥勒の風穴に吸い込まれて目録は失敗、琥珀を連れて神久夜の鏡から現実世界に戻った。
無印166・167話には鬼蜘蛛を誘惑して奈落を生み出した妖怪の1体である三つ目の赤い蜘蛛妖怪が登場しており、この形態に似ている。
新生奈落
白霊山で無数の妖怪達を使って組み直した奈落の強化形態。桔梗を想う鬼蜘蛛の心を完全に捨て去っている。上半身に複数のトゲの生えた外骨格状の鎧があり、背中にはの尾が3本も生えている。両手の甲には赤い単眼がある他、腹部の鎧には巨大な赤い目玉がある。桔梗からは飾り立てただけの姿と評されているが、戦闘力はパワーアップしている。性格はさらに傲慢なものとなり、桔梗に対して「運命だの宿命だのは弱者の戯言に過ぎず、本当に力ある強者は運命も宿命も己で作り出すものなのだ」と全ての支配者のような物言いをした他、殺生丸に対してはそれまでしていた様付けではなく、平然と呼び捨てにするなど態度も大きくなっている。この態度は虚勢ではなく新生奈落の妖力は殺生丸と同等であり、殺生丸の攻撃を防御するだけでなく、結界でそっくりそのまま跳ね返している。ただし、奈落自身の肉体の防御力は低く、殺生丸の攻撃で肉体を砕かれてしまっている。新生前と同じく瘴気と触手を武器とする他、鎧のトゲから奈落の骨でできた武器を作り出す事が可能。背中の竜の尾は伸縮自在で尖端からギザギザの牙がある口を展開し、ダメージを受けた場合は傷口から瘴気を吐き出す。心臓である赤子とそれを守る城である魍魎丸を取り込もうとした際は、城攻めの策として妖怪の結界を溶かす触手を持つ溶命樹を吸収した他、魍魎丸にわざと喰われるために肉体を変化させてハサミがない代わりに奈落の頭部と胸部に無数の触手がある赤いサソリのような形態にもなった。
ゲーム版『犬夜叉 〜呪詛の仮面〜』では物語途中から変化し、『犬夜叉 奥義乱舞』では最初からこの姿で登場する。
新生奈落 強化体
魍魎丸と赤子を吸収した新生奈落の更なる強化形態。シンプルな姿で鎧にあったトゲと竜の尾がなくなり、首回りには冥王獣の鎧甲が襟になる形で出現している。魍魎丸が取り込んできた妖怪達の力に加えて、金剛石の触手と鎧甲で防御、瘴気を纏った金剛槍破を放つなど攻撃力が向上している。この形態の両腕の前腕部には亀の甲羅のような模様、胸部の鎧には亀裂の模様が現れ、ときに強化新生前と同じく前腕部には4本のトゲが出現する他、胸部の鎧にも目玉の左右に3対ずつ生えたトゲが現れ、このトゲを伸縮・硬質化させて昆虫の脚のような形状にする事で敵の捕縛も可能。なお、強化新生前にも胸部のトゲは存在するが、強化新生後は形状が異なり、トゲの本数も4本から3本に減少している。以後はこの形態を基本の姿とする。また最終決戦での巨大蜘蛛内部では本体として身を潜めながら、りんを人質に夢幻の白夜と曲霊と共に犬夜叉達を苦しめた他、犬夜叉とかごめに対峙した際は鎧甲の防御力を上げて両肩にも後方に流れた鱗の鎧甲を出現させ、背中からは蜘蛛の巣に似た触手を張り巡らせた。
新生奈落の巨大蜘蛛
穢れた四魂の玉を使って変化した奈落の巨大形態で、外見は赤い8つの複眼と黒い体色が特徴の巨大蜘蛛でその姿は穢れきった巨大な四魂の玉とも称された。強化体の新生奈落を本体とする。内部には冥王獣の鎧甲で覆われた奈落を模した人形が護衛している他、霊体の曲霊が潜み、奈落と夢幻の白夜が操る幻で犬夜叉達を翻弄した。奈落の肉体を基に作り出された化け蜘蛛の超巨大要塞だが、奈落の肉体を再生させる事も兼ねる妖怪の集合体で構成されているため、殺生丸の爆砕牙を喰らった際は内部崩壊を起こした。
全身鎧甲の奈落
蜘蛛内部を護衛する奈落を模した人形。冥王獣や魍魎丸と異なり、顔を含めた全身が鎧甲で覆われており、白髪と赤い目を持つ。邪気砕きの飛来骨は防御できないが、切断面から瘴気で身体を再生させて増殖する能力も持つ。硬度も個体によって異なり、金剛槍破を跳ね返す個体もいれば、粉々に粉砕してしまうほどの個体もいるなどオリジナルである冥王獣、それを取り込んで使用した魍魎丸を凌ぐほどの硬度を持つ。
新生奈落 最終形態
穢れた四魂の玉と一体化した奈落の最終形態。人の心を無くし、完全に妖怪化した姿でもあり、上半身のみの悪鬼にも似ている。曲霊のように髪は白髪になり、残った上半身が禍々しく硬質化している。瘴気の弾を必殺技にしていて、犬夜叉達を苦しめた。また四魂の玉の力で犬夜叉の冥道残月破と殺生丸の爆砕牙を受けてもダメージを無効化させ、即時に再生する事も可能。最後はかごめの矢が貫通した四魂の玉と首だけの元の姿になるまで追い詰められるが、四魂の玉自身の願いを叶える願をかけ、夢幻の白夜に斬られたかごめを冥道に送った。現世から消滅し、かごめを四魂の玉が作り出した冥道の空間に送った後は空間に張り巡らされた蜘蛛の巣の中心に首が鎮座された姿で、犬夜叉の前に再び現れる。かごめは翠子の座、自身は玉の妖怪達の座を継がされて、新たな四魂の玉として永遠にかごめと戦わされそうになるが、鉄砕牙によって導かれた犬夜叉がかごめを救出。最期は犬夜叉とかごめに自身も助けられる形となり、行くところが地獄であってもかごめが告げた四魂の玉の永遠の消滅という正しい願いによって暖かい安らぎを実感し、笑みを浮かべながら完全に消滅した。
技一覧
瘴気(しょうき)
全身からの妖怪の毒気で周りの物全てを融解させる奈落の基本技。主に牽制や逃亡用にも使用するが、攻撃手段としても脅威。山や森を消滅させ、動物や人間を瞬時に白骨化するほどの威力を持つ。瘴気を全身に纏ったまま空を飛行することができる。瘴気で作った暗雲に身を潜めたりもする。多数の妖怪達を吸収しながら、強化を重ね、新生後や魍魎丸を吸収した強化新生後はさらに強力な毒素を持ち、風穴で瘴気を吸収し続けた弥勒にも蜘蛛の足のような傷を与えるほど肉体を蝕んだ。
触手(しょくしゅ)
奈落の基本攻撃。髪の毛や手足などの肉体を妖怪の部分に変化させ、切り取られても再生可能。瘴気も放つ。新生後は胸部から硬質化した触手を出したり肉体の不要な部分を切り捨てて遠隔操作し攻撃できるようになった。相手の妖気の攻撃を返す際は腕の触手の棘を使用する。溶命樹を吸収後はその触手で相手の結界を溶かせる。また、魍魎丸を吸収した強化新生後は、右腕を巨大な金剛石の触手、左腕を冥王獣の鎧甲で覆われた触手に変えて犬夜叉達を追い詰めた。
幻影殺(げんえいさつ)
相手の心の最も弱い部分の幻を見せながら敵を蔦で絞め殺す技。四魂の玉のかけらや強い霊力のあるものには無効化される。アニメでは原作では無効だったかごめも術にかかった。
巫蠱の術(ふこのじゅつ)
かごめの破魔の矢に砕かれた肉体を再生させるために使った妖術。陰陽術の一種。岩山に数多の妖怪を閉じ込めて殺し合わせ、生き残った一匹の鬼妖怪・蠱毒(声 - 西前忠久)を新しい肉体にした。この妖術を使用した際は暗雲が周囲を取り巻き、岩山周辺の村を不毛にし、病人を増やし、岩山の洞窟に入る人間の体調を悪化させるほどの強い瘴気と邪気を放った。
傀儡の術(くぐつのじゅつ)
自身の髪の毛を巻きつけた土くれで作った狒々の皮を被った人形を操る妖術。狒々の皮を被った本体同様、会話も可能で人形は木の幹のような触手攻撃や瘴気を操る。また、奈落本体と視界を共有しており、傀儡の本体である木の人形がダメージをうけると消滅し視界を失う。
結界(けっかい)
居城・人見城を覆い隠すほどの強力な防御手段。バリア。休眠期には隙ができる。肉体再構成の度に強化され、鉄砕牙の「風の傷」や「爆流破」を無効化できるようになる。新生後は常に結界で肉体を防御している。さらに新生後の結界は無効化に加えて攻撃を跳ね返す能力を備え、奈落の意思で白童子も防御している他、異世界に行った奈落の帰り道としても機能する。植物妖怪・溶命樹の触手はこの結界を溶かす事ができるが、溶命樹も奈落が吸収した事で、殺生丸以外にこの結界を破れる妖怪は皆無となった。
融合(ゆうごう)
他の妖怪を吸収し、自分の肉体の一部にする奈落最大の技。鉄鶏(阿毘姫の母)や溶命樹、魍魎丸(&赤子)などの強敵妖怪は雑魚妖怪同様、この力に敗れ去った。相手は完全な妖怪ではなくては駄目で人間や半妖を吸収すると自分を弱めることになる。鬼の首などは奈落が白霊山に身を隠した際、吸収される心配が無くなったため表に出てきた。また、魍魎丸は人間の御霊丸の死体を吸収しているが、こちらは魍魎丸の侵食によって肉体が完全に妖怪化しているため、融合の除外対象ではない。
竜の尾(りゅうのお)
新生後の物理攻撃手段。背中から生えている3本の竜の尾を伸ばし、ギザギザに並んだ牙がある口を先端から展開して敵を襲う。瘴気を吐き出す事も可能でダメージを負った場合も同様。実際は奈落の触手を飾りとして竜の尾に似せただけに過ぎない。魍魎丸を吸収した後は更なる物理攻撃を手に入れた事もあって背中から消えた。
金剛槍破(こんごうそうは)
金剛石(ダイヤモンド)の礫を発射する技。犬夜叉の物とは違い瘴気を纏っており融解作用を持つ。魍魎丸の吸収後に使用できるようになった。巨大な金剛石の触手としても使用し、胸部の目玉からも瘴気を纏った礫を発射できる。この他にも神無の鏡の妖の破片を塗し、鉄砕牙の妖力を写し取った天生牙から瘴気の金剛槍破を遠隔操作で放った事もあった。瘴気を纏った金剛槍破は瘴気の槍とも称される。
冥王獣の鎧甲(めいおうじゅうのがいこう)
数多ある妖怪の中で最も優れた硬度を持つ亀妖怪・冥王獣の甲羅。魍魎丸の吸収後に奈落の物となった。新生奈落の姿になった際は首回りにこの鎧甲が現れる。設定上では魍魎丸が使用していた雷冥砲も放てるが、未使用に終わった。鎧甲の硬度は奈落の意思でコントロールされていて、あらゆる攻撃を防御できるが、珊瑚の邪気砕きの飛来骨に油断した際は身体を砕かれ、自慢の再生能力を阻害されてしまった事もあった。劇中では鉄砕牙の他、体内に隠した四魂の玉を守るために飛来骨の攻撃を防御。巨大蜘蛛内部での最終決戦では全身が鎧甲で覆われた奈落の人形が登場。こちらは個体によっては金剛槍破を粉砕するほどの硬度を持つなど持ち主である冥王獣や魍魎丸を凌ぐ防御力を有する。
蜘蛛の糸(くものいと)
「人間の負の心」を取り戻した時に使える技。触れた人間の意識を奪い、気絶させることができる。普段は見えず、霊力を持った桔梗やかごめにしか確認できない。集合すると可視化され、多数の人間などの重いものも運ぶことができる。桔梗やかごめ、犬夜叉を襲いそれぞれの辛い過去を見せ憑りつき心身に悪影響を及ぼす。桔梗は以前受けた瘴気の傷が広がり致命傷になった。かごめは梓山の精霊の試練で自らの死を望む桔梗の幻影になった蜘蛛の糸を打ち破った。
瘴気の弾(しょうきのたま)
巨大蜘蛛内部の最終形態(上半身のみ残り完全に硬質化した肉体で妖怪化した姿)のみ使用。超速かつ不規則な動きの高濃度の瘴気を自在に操る。四魂の玉と一体化している事もあってか、毒素は曲霊の悪霊の毒にも匹敵し、毒を無効化する殺生丸にも手傷を負わせた。
第一妖怪・神無(かんな)
声 - ゆかな
奈落が生み出した「」の分身。0歳。人間換算年齢10歳。一人称は「私」。
見た目は幼い少女で、頭には白い椿の花飾りをつけ、白装束を纏っている。常に鏡を携えており、この鏡は魂を吸い取り、吸い込んだ対象を操ることができる。さらに、鏡を介して攻撃を跳ね返すことも可能で、吸い取った魂は自在に出し入れできる。ただし容量には限界があり、超えると鏡は破損する。鏡を通してあらゆる場所を見通す能力も持つとされるが、その範囲は不明である。アニメでは、この鏡は「死鏡(しかがみ)」と呼称されている。
「無」を体現するかのように妖気や匂いを持たず、隠密行動に長ける。性格もまた感情に乏しく、恐れや痛み、悲しみすら理解しないと評される。一方で、自分の側を吹き抜けた風に亡き神楽を思い浮かべたり、アニメでは神楽が亡くなった花畑を訪れて扇子を拾い、それを湖に水葬するなど、最も長く共にあった妹の死を悼む場面も描かれている。
他の分身に比べ奈落との距離が近く、その行動や目的を把握しており、常に従順であった。
最期は奈落の命令により犬夜叉と対峙したが、犬夜叉は彼女に致命傷を与えることを避けた。しかし奈落によって心臓を潰され、自爆させられる形で消滅する。死の間際、かごめに「光が奈落を殺す」と告げ、穢れた四魂の玉の中にある一点の光を見せて消えていった。奈落の分身でありながら、神楽と同様にその境遇から犬夜叉たちに憐憫の情を向けられた存在でもあった。
作者の高橋留美子は、自身のSNSにて「神無は“無”だから自ら企むことはなく、奈落の言葉に従う存在だった」と語っている。また、神無が神楽より“姉”とされているのは、幼い少女が姉という構図の方が印象的で不気味さが増すためであり、「小さい子って怖いなと思って」と、その造形意図を明かしている。[11]
鏡の妖
神無が死鏡を解放することで発生する巨大武者のような妖怪。見た物をそっくりそのまま写し取り、相手の力を奪い取ることができる。鉄砕牙をコピーした。体の中央にある斬撃を発生させる空洞は神無があらゆる位置に発生させる「鏡の影」とつながっており、神無と連携することで敵を逃がさずに斬撃を与え続けることができる。妖の受けた傷は全て使い手の神無が負う。アニメでは神無のために花を摘むなど神無と独立した意識を持つ描写がなされた。後に鏡の妖の破片が奈落に回収されていて、夢幻の白夜を通じて殺生丸に渡される。破片の状態でも鏡の妖の力で、かつて鉄砕牙とひとつであった天生牙に破片の粉を塗した際には、鉄砕牙としての力を奪い取る形で取り戻させた他、鏡の妖同様、鉄砕牙の能力を奪った。
第二妖怪・神楽(かぐら)
声 - 大神いずみ
奈落が生み出した「」の分身。0歳。人間換算年齢17歳。一人称は「あたし」。
見た目は勝気な美人。髪型は唐輪髷を思わせる形で高く結い上げており、原作においては一貫して紅色を基調とした着物を身に着けている。作中では衣装が損傷するたびに新調される描写があり、他の登場人物に比べ衣装の変化が多いキャラクターである。蓮っ葉な口調で話し、風を操る妖怪としての力を有しており、常に扇子を携えている。
空気中に風の刃を生み出す「風刃の舞(ふうじんのまい)」・竜巻で突き刺す「竜蛇の舞(りゅうじゃのまい)」・死体を操る「屍舞(しかばねまい)」などの技を使う。また、髪飾りの羽根を巨大化させ、風に乗せることで空を飛ぶことも可能である。
自らを風と称し、風のように自由に生きることを望むが、奈落に心臓を握られているため、命令に従うことを余儀なくされる。心臓を奪われてなお生きながらえるその身体は、通常の妖怪なら致命傷となる胸部への攻撃を受けても死に至らず、やがて再生するという特異な力を示す。
当初は犬夜叉一行と敵対していたが、戦闘で深手を負いながらもなお行動する姿を目にした犬夜叉たちは、奈落に心臓を握られている彼女の境遇を知ることとなる。その後は、神楽の安否や動向を気にかける場面が描かれるようになった。
奈落からの解放を望む神楽は、奈落に対抗できる存在として殺生丸に関心を寄せる。当初は四魂のかけらを使った取引を持ちかけるが断られるものの、奈落を追い詰める殺生丸の実力を目の当たりにし、彼こそが奈落を討ち倒せると確信するようになる。その後は、折に触れて奈落の動向を伝えるようになった。
はじめは神楽の言葉に疑念を抱いていた殺生丸だったが、のちに彼女の示した手掛かりを確かめる動きを見せ、その言葉に虚偽がないことが明らかになる。やがて、神楽の裏切りが露見しかけた際には彼女を庇い、その信頼に応えている。
その後、奈落に背く白童子らから協力を強いられ、琥珀の四魂のかけらを奪うよう命じられる。しかし、奈落に抗おうとする琥珀の意思を尊重し、白童子との戦闘のさなか彼を逃がす行動をとった。
白童子との死闘の末、奈落と対峙した神楽は心臓を取り戻すが、直後に攻撃と同時に体内へ瘴気を注ぎ込まれ致命傷を負う。心臓を取り戻したことで再生能力を失った彼女は、自由を目前にして絶望する。
危機を察して駆けつけた殺生丸は天生牙で彼女を救おうとしたが、瘴気に蝕まれゆく体には刃が届かなかった。最期は殺生丸と犬夜叉たちに看取られ、風となって消えていった。殺生丸が天生牙で救おうとした数少ない存在の一人であり、彼女の死は後に彼が会得する冥道残月破を生み出す契機となっている。
作者の高橋留美子は、奈落が死んだ場合、神楽に心臓が戻るかは不明であったが、それでも彼女は一生懸命生き抜くことができたという[12]
また、自身のSNSにて神楽に愛着を抱いており、「『あたしは風だ。いつか自由になってやる。』と書いた時に死亡を予感した」と述べ、最期の場面では涙を流したことを明かしている。当初は孤独に死を迎える予定であったが、みんなに見送られる形に変更したことも語っている。[13]
最猛勝(さいみょうしょう)
奈落がいる場所に現れる、無数の地獄の毒虫。スズメバチに似た姿をしている。奈落の瘴気から作り上げた奈落の眷属で、毒は奈落の瘴気が素になっている。球体の巣穴があれば、奈落以外でも使用でき、殺生丸も使用した。主に弥勒の風穴を封じるのに使われる他、スパイ、物品運搬など、奈落の手先となり働く。劇中では七人隊にも使役され、蛮骨に蛇骨が煉骨に殺害された事を伝えた他、奈落の命令で用済みとなった白童子を裏切った事もあった。
第三妖怪・悟心鬼(ごしんき)
声 - 佐藤正治
奈落が放った心を悟る「」の分身。一人称は「俺」。0歳。
神楽の事を本人の前では姉上と呼んでいるが陰では呼び捨てにしており、内心では2人の姉を自分が生まれるまでの前座に過ぎなかったとして見下している。人の心を読む能力があるため相手の行動を予見し先回りして戦うことができる。悟心鬼の読心は相手が今考えている事柄を読み取る能力であり、赤子と白童子と違い心の深淵を覗く力はないが、相手を見るだけで心が読める部分では勝っている。鉄砕牙を噛み砕き、犬夜叉を追い詰めたが、犬夜叉が妖怪に変化(へんげ)し、引き裂かれてしまった。なお、首を飛ばされた悟心鬼の牙は天生牙で甦った後、殺生丸の依頼により、灰刃坊が「闘鬼神」という刀に仕立てた。
第四妖怪・影郎丸(かげろうまる)/第五妖怪・獣郎丸(じゅうろうまる)
声 - 共に山崎たくみ
奈落が生み出した双子兄弟の分身。二体とも同じ顔をしている。共に0歳。
弟の獣郎丸は「獣」のように言葉もしゃべらず闘争本能しかない。奈落の壷の中で生まれた途端に奈落の首をはね落とす凶暴な性格。(この場面はアニメでは省略された。)獣郎丸は同じ壺から生まれた兄の影郎丸の言うことしか聞かない。
弟の獣郎丸を「影」で操っているのが小さく、カマキリのような腕と回虫のような体をした兄の影郎丸。普段は獣郎丸の体内に隠れている。
獣郎丸は一切しゃべらないが、影郎丸はそれを補うが如くよくしゃべる。一人称は「俺」。
双方共に鋼牙を上回る戦闘速度を誇り、地中に潜って奇襲をかけることもできる。犬夜叉と鋼牙の共闘によりまとめて倒される。
巨大死魂虫(きょだいしにだまちゅう)
奈落が桔梗を始末するために送りつけた妖怪。死魂虫の巨大な個体。桔梗の死魂を奪って消そうとするが、駆けつけてきた犬夜叉に倒された。
名無しの分身妖怪(ななしのぶんしんようかい)
ゾンビか包帯のないミイラかのような外見の分身。巨大死魂虫から生き延びた桔梗が奈落の城・人見城に乗り込んできた際に奈落が壺から差し向けたが、鬼蜘蛛の洞窟の土で防御したため一瞬で砕け散った。当該場面は原作のみでアニメで描写していないため、アニメでは未登場である。
無双(むそう)
声 - 家中宏
奈落が、桔梗を慕う鬼蜘蛛の心を捨てようとして切り捨てた肉塊が人間=大火傷を負う前の鬼蜘蛛の外見となった半妖。他の分身とは格の違う特別な存在であり、鬼蜘蛛の心が不完全な形で出された姿で別名「顔のない男」。当初は顔が無く、自身を倒そうとした「無双」という僧侶(声 - 杉田智和)から顔の皮と名前を奪った。背中には他の分身同様、蜘蛛の傷があるが、アニメでは後に鬼蜘蛛にも蜘蛛の傷があった事が判明するため特別な証である他、無双の心臓でもある。身体そのものは妖怪だが、人間である鬼蜘蛛の心も持つため、奈落の分身の中では唯一の半妖。顔がないのは鬼蜘蛛としての記憶がないと同時に大火傷で顔が爛れてなくなっていた名残であり、記憶を取り戻した際は、桔梗を傷つけたのは自分の本意ではなく、やがて鬼蜘蛛としての意識も閉じ込められる形で奈落に支配されたと語った。鬼蜘蛛自身は桔梗を連れ去り四魂の玉を手に入れるだけのつもりだった模様。鬼蜘蛛としての記憶も、奈落の分身としての自覚も無かったが、鬼蜘蛛が寝ていた洞窟に行った事とかごめの姿を見た事をきっかけに記憶を取り戻す。意識は鬼蜘蛛そのものであるため、性格は略奪・殺戮を好む残虐なもの。鬼蜘蛛同様、桔梗に固執する他、犬夜叉にも憎しみを向ける。肉体はダメージを受けると作り物が壊れたような傷口が見える他、奈落の命で監視していた最猛勝が傷を再生させた事で毒性を持ち、弥勒の風穴を封じた。奈落同様、手足を変化させる触手攻撃が主な攻撃手段。粉々に粉砕されても心臓を中心に再び一つに結集して再生し、また体の一部を変形させて武器にする能力を持つ。変化後のモチーフは蠍で、劇中では手足を獣のような形状に変えながら頭部と背中、胸部を除いた全身を硬質化させた上でトゲを生やしながら触手攻撃、蠍のように伸ばした触手の先を手に変えるなどの変幻自在の物理攻撃を展開した。鉄砕牙と風の傷を何度も喰らっても並外れた再生能力で無効化。爆流破も相手の妖気を使うため、肉弾戦だけの無双には無意味で犬夜叉を苦戦させた。自分を“つなぎ”として利用していた奈落を憎み、アニメでは桔梗を殺した事でも更に奈落を憎み、奈落と対峙した時攻撃を仕掛けた。奈落の体はまだつなぎとしての鬼蜘蛛を必要としていたため、再び奈落に取り込まれた。劇中では人間だった頃の名である鬼蜘蛛、僧侶から奪った名である無双の両方で呼ばれている。
その後は奈落が白霊山で新生奈落に変化すると同時に桔梗を慕う心を無数の顔のない小さな人型の肉塊として排出する事で、無双(鬼蜘蛛)の人格も奈落の中から消え、無数の肉塊の完成形にして奈落の心臓である赤子、顔は蔭刀の奈落でありながら無双と同じ声を持つ人間の負の心を生み出すに至った。なお、無双の心臓は奈落の心臓である赤子と同一なのかは最後まで不明。
白心上人(はくしんしょうにん)
声 - 松岡文雄
100年以上前に即身仏となった高僧。生前から大変な法力を持っていたとされ、白霊山に「お清め所」を開き、迷える人々を救い続けてきた。死後も聖島に祀られ、生き仏として人々を救い続けてきたが、入滅の直前に人間本来の死の恐怖に襲われ、「聖人などではなかった」と自己嫌悪に陥り、彼自身は成仏することができなかった。その悲しみを奈落は「人々への怨み」にすり替え白心を説得。奈落に救われたと感じた白心は奈落に協力し白霊山に聖なる結界を施す。
その法力は桔梗の霊力さえもはるかに凌いでおり、桔梗も彼に対しては若輩として接している。邪な力を持つ者に対して絶対的な攻撃力と防御力を誇る。彼が発生させる聖なる結界の力は、殺生丸や桔梗に近づくことすら許さず、奈落すら一瞬で滅ぼすと評される。また、即身仏である本人の身体は動かないものの、周囲に張った結界ごと自由に移動ができる。聖なる結界の強度は、白心本人が解除するまで誰も破れなかったほど強靭であり、限りなく無敵に近い人物である。
聖島で犬夜叉達を仕留める計画に携わるが、蛮骨の腕を信用していなかった白心は法力を用い聖島に聖なる結界を施し鉄砕牙の変化を解くなど数々の補佐を行う。しかし蛮骨がかごめの矢によって腕を失うと、蛮骨を白霊山まで瞬間移動させて救出した。
その後、白霊山へ侵入してきた弥勒の風穴に耐え、白霊山の麓で結界を張り続けたが、自分と同じく生前迷うことを許されなかった死者(死人)である桔梗と魂を触れ合うことで成仏し、白霊山の結界を解いた。
原作では奈落が吸収する事になる結界を溶かす触手を持つ溶命樹、同じく奈落に吸収される魍魎丸が自身の鎧とするために狙った最強の鎧甲を持つ冥王獣を封印した高僧はこの白心上人であると作者がコメントしている。
アニメでは蛮骨に50年の眠りから目覚めた犬夜叉、自信を成仏させた死人の桔梗と共に欲があるから余計に生きている死損ないの上人と唾棄されており、蛮骨自身は桔梗よりも白心上人が聖人ではなく、常人と変わらない心を持つ人間である事をいち早く見抜いていた。また、邪悪な亡霊である七人隊の魂は誰一人として白霊山の結界で浄化されていないなど、どんなに強い法力を持とうと救えない者達も存在するという皮肉になっている。
第六妖怪・赤子(あかご)
声 - 小林愛
奈落が白霊山で生み出した「」の分身。一人称は「儂」。0歳。
白霊山に蠢く無数の実験体(赤子型の肉塊)の完成形。弥勒曰く薄気味悪いほど色白で赤子の姿でありながら、分身の中では最も格が高く、自身の片割れである白童子すら手駒として操る。他の分身や妖怪達の指揮権を有し、奈落と同等の立場にある「奈落の落とし子」。
その魂の本質は謎に満ちた不明な点が多く、奈落や鬼蜘蛛(無双)とは性格や行動が大きく異なる。魂の本質は最終的に明かされなかった。
桔梗を慕う人間(鬼蜘蛛)の心を除くあらゆる資質を奈落から受け継いでいる。触れた相手の心を読み取る能力により奈落以上に人間の心を利用した謀略に長け、性格も奈落を越えて冷酷非情。桔梗を慕う心を持たず、犬夜叉曰く「奈落の性格がますます捻じ曲がった心の化け物」とのことである。新生奈落の結界に並ぶ力を持つ。
なお、桔梗を慕う心の方は失敗作である無数の赤子型の肉塊に持っていかせている。
最初は一体だったが神楽と共に神官・僧侶を襲っている最中、和尚(アニメでの名前は妖怪封じの名手・神泉和尚)の法力を受けて真っ二つにされ、その際に二体に分裂。その内の一体の片割れは成長して子供の姿をした白童子となった。分裂後の赤子は、白童子や分裂前の赤子に比べて極端に無口でほとんど喋らない。白童子が消滅した後は魍魎丸の本体としてよく喋る。
正体は「奈落の弱点である心臓」。
いつしか心臓を持つ自身こそ本物の奈落だと考え始め、白童子と共に奈落の抹殺を画策するも赤子自身は戦闘能力を持たないため、白童子に「鎧」となる魍魎丸を作らせて魍魎丸の強大化により奈落抹殺を図る。しかし、奈落によれば赤子が裏切ることは目に見えていたらしく、だからこそ動くこともままならない赤子の姿で心臓を外に出し、赤子に強力な鎧を作らせてから再び吸収しようとしていた。強大な力を得た魍魎丸を使い、犬夜叉や殺生丸、鋼牙らと戦い2つの四魂のかけらを奪取するが、犬夜叉一行が見守る中、溶命樹を吸収した奈落と死闘を繰り広げ窮地に陥る。最後には自ら犬夜叉の前に進み出て奈落を道連れにする覚悟を見せるが、金剛槍破を操る奈落に阻止され、遂に吸収される。
犬夜叉一行、桔梗、鋼牙などに奈落の心臓である事を知られた際には長らく弱点として狙われ続けたが、持ち主である奈落が再び吸収した事でその意味を無くした。
技一覧
読心術(どくしんじゅつ)
赤子の最強の技。人間の心を読み、憎悪や嫉妬心などで心の闇を取り込む。この技で四魂の欠片を見つける事ができる目を持つかごめを取り込もうとしたが、かごめの強大な魂と心の強さによって阻まれた。完結編では自身が操る魍魎丸で捕えた琥珀にこの技を使う。
結界(けっかい)
新生奈落と同じ結界で敵の攻撃を反射する。こちらは白童子と違い奈落の任意で張っているわけではなく、赤子自らの結界。強力な結界だが、溶命樹の触手には効かず、この結界を破るために奈落は溶命樹を復活させて取り込んだ。
白童子(はくどうし)
声 - 小林愛
奈落が白霊山で生み出した第六妖怪の片割れ。一人称は「儂」。0歳。片割れである赤子と共に「儂らこそ本物の奈落」と称し、自身が赤子の手駒である事にも一切の疑問を抱かない。
心臓を持つ左の片割れが赤子の姿のままだったのに対し、右の片割れは10代前後の子供の姿となった。肉体を斬られても再生する。赤子と同様の人格。白童子の結界は奈落の結界とつながっており、双方のいる場所へ瞬間移動が可能になっている。奈落はこの方法で犬夜叉の父の墓から脱出した。
アニメにおいては煉獄鬼から奪った薙刀を武器とし、妖馬・炎蹄に乗る。奈落と違い自身の手を汚すことも率先してする。赤子同様に奈落以上に冷酷な性格で、姉にあたる神楽や神無をも見下している。魍魎丸を作り出して奈落を裏切り取って代わろうとしたが、奈落に勘付かれており、最猛勝の護衛と結界を解かれて最期は弥勒の風穴に吸い込まれて消滅した。最後の瞬間まで自身は本物の奈落であると言って憚らなかったが、魍魎丸を使った白童子と赤子の裏切りも奈落にとっては想定内であり、その赤子も魍魎丸も奈落に吸収され、白童子たちの計画は水泡に帰した。
技一覧
瘴気(しょうき)
奈落と同じ技。
結界(けっかい)
新生奈落と同じ結界で敵の攻撃を反射する。奈落が異世界に行った際には帰り道としても機能する。白童子の意思で張っているかに見えるが、実は奈落の任意で結界を解除する事も可能。このため、結界と最猛勝の守りがなければ、驚異的な再生能力を持つ白童子といえど弥勒の風穴には無力になってしまい、この弱点を利用する事で奈落は弥勒に白童子を吸わせるよう仕向けた。
炎蹄(えんてい)
白童子と神楽が殺した和尚に封印されていた妖馬で、封印を解いた礼として、白童子に乗馬として付き従う。元は人食い鬼・煉獄鬼(アニメでの名称)の乗馬だった。高速で空を飛ぶことができ、口から強力な炎を吐く。最期は原作では聖様(桔梗の操る傀儡)の破魔の矢で白童子の結界を破られた後、犬夜叉の風の傷で倒された。アニメでは犬夜叉と雲母の連携により洞窟に誘い込まれた後で犬夜叉の爆流破に討ち倒された。
魍魎丸(もうりょうまる)
声 - てらそままさき
白童子が、妖怪を寄せ集めて作った数々の試作品を経て、新たに作られた人間型の体に妖怪・魄喰いから取り出した人間の魄(ハク)を入れて生み出した合成妖怪。魂魄のうち、肉体を動かす力である魄を動力源にしている。人間の魄が馴染むため、人型でフランケンシュタインのようなツギハギ傷が特徴で赤子(奈落の心臓)の「鎧」として作られた。奈落には自身の心臓を守る「城」とも称される。自分に直接攻撃した相手を取り込んでしまう力がある。後に冥王獣の鎧甲と金剛槍破を取り込み、殺生丸の闘鬼神を折り、犬夜叉の鉄砕牙を圧倒する[注 8]。その瘴気と妖力は奈落にも並ぶほどで、魍魎丸と奈落が向かい合うだけで山一つが消滅するなど影響力も凄まじい。赤子が隠し持っていた奈落の心臓も受け継ぎ、奈落に最後の戦いを仕掛け、奈落を吸収して喰いつくしたかに見えたが、逆に吸収されていて最終的には奈落に内側から取り込まれてしまう。赤子と白童子と共に、心臓のない奈落は抜け殻も同然と見下していたが、心臓である赤子共々奈落に吸収された際には蛹から脱皮する成虫のごとく魍魎丸の顔を破って奈落の顔が出てくるなど、自身が抜け殻になるという形で消滅した。
融合した御霊丸とは名前も顔も似ているが、人間の御霊丸は存在しているため、御霊丸に似せて白童子が作ったとされるが、両者の詳しい関係と説明はない。本体である赤子は「もう一人の奈落」とされているため、こちらは妖怪の死骸の集合体という奈落の肉体のポジションになる。
原作では殺生丸を追い詰めていたが、アニメでは蒼龍破で逆に追い詰められるという改変を受けることになる。
御霊丸から奪った声で喋り、自我があるかのように見えるが、実際は赤子の指示通りに動いているだけで、意識は赤子とは別個体である模様[14][注 9]
赤子が脱出しようとした際には見向きもせず、奈落による侵食にも苦痛の呻き声すら上げなかった事から魍魎丸の本質は単なる操り人形にすぎない。
御霊丸としての魂や意識、心はなく、融合しているのはあくまで御霊丸の肉体(死体)だけである。一部を除き、3種類の形態が存在する。
形態一覧
御霊丸の異形の右腕
御霊丸の右腕に取り憑いた形態で大小の赤い結晶が3個あり、上に2本、後ろに1本のトゲが生えている。御霊丸の法力でねじ伏せられて彼の意のままに動く武器として使役される。御霊丸の意思で展開すると触手をむき出しにして無数の光球と光の塊にした妖怪達で敵を蹴散らす。御霊丸の死体を取り込んだ魍魎丸も彼の姿でこの技が使える。妖怪の光の塊を利用して御霊壺を作り、配下の子供達に妖怪退治をさせていた他、触手は倒した妖怪の死骸を吸収できる。御霊丸の意思で動くとされているが、実は魍魎丸の侵食で御霊丸を無意識下で操り、配下の子供達が御霊壺で倒した妖怪達の死骸を供養と称して御霊丸の寺にある羅漢像の洞窟に回収させてはその邪気に惹かれた妖怪達を集めて魍魎丸を強化させるパーツに利用していた。御霊丸が白童子に殺されて埋葬された後は、魍魎丸として復活して赤子を持った神無と合流した。
第1形態
完全な人型でトゲの形状で背中に収納しているコウモリ妖怪の翼を展開して飛行が可能。神無に「魂」として赤子を与えられた後、描写はないが御霊丸と戦って彼の右腕を喰らい、法力でねじ伏せられるが御霊丸の肉体の融合に成功。行者である御霊丸の立場と寺、彼の配下である子供達を利用して退治した妖怪の死体を回収させて自身を強化していた。不妖壁を持った赤子を一時的に取り出して寺に隠した後は、御霊丸の意のままに動く武器として使役されていたが、時間稼ぎの盾としての用が済んだ御霊丸を白童子が殺害。これによって魂がなくなった御霊丸の肉体を取り込み、魍魎丸として復活。その後は御霊丸の墓から飛び出て赤子を持った神無を桔梗から守り、神無と合流すると再び赤子を入れられ、第2形態へと変貌した。無印アニメでは165話、166・167話に登場。EDでは赤子を持った神無と共に歩いている描写がある。
第2形態
白童子に殺された御霊丸の肉体と完全に融合した形態。アニメでは完結編1話・2話に登場。この形態から御霊丸の姿になる事も可能だが、犬夜叉達に正体を明かしてからは御霊丸の姿になる事はなかった。赤子に操られて喋るようになり、自我があるかのように振る舞う。こちらも飛行可能で右肩は御霊丸に取り付いてときの貝のような形状で指は両腕ともに3本。奈落同様、触手を伸ばし、口から瘴気を吐く。原作では最猛勝も吐いている。完結編では御霊丸の姿になりながら奈落に幽閉され、神楽に見張られていたが、奈落に反旗を翻そうとする白童子によって解放。第2形態になって鋼牙達を襲うが、桔梗の矢に阻まれて撤退。再び御霊丸の姿になった際は白童子と対峙する犬夜叉達を攻撃。魍魎丸としての正体を現しながらその場から逃げた琥珀を追いかけるも今度は犬夜叉の金剛槍破によって阻まれ、二度目の撤退を余儀なくされた。金剛槍破を取り込む策も兼ねて肉片で復活させた冥王獣を取り込んだ際は第3形態へと変貌した。
第3形態
冥王獣と鉄砕牙から放った金剛槍破を取り込んだ最終形態。右腕を除いた全身を最強の鎧甲とされる冥王獣の硬い甲羅で覆い、とくに赤子を収納している右肩は鱗上の甲羅で頑丈に防御している。鎧甲で覆われていない右腕は金剛槍破を取り込んだ後、巨大な金剛石の右腕となった。こちらも飛行可能で様々な妖怪を取り込みながら、触手と瘴気で犬夜叉達と戦うが、最後は奈落に内側から喰われてしまう。鎧甲と金剛槍破はそのまま奈落のものとなった。原作ではこの形態で追いつめた殺生丸の闘鬼神を折るが、アニメ完結編では神楽を侮辱した事に激怒した殺生丸に亀裂が入った闘鬼神から蒼龍破を喰らい、綻びとなってしまう。また、殺生丸には「自身の妖気は貴様のごとき小さき器に収まりきれるものか!」と酷評されており、奈落からは「儂のためだけによくぞこれほどまでに肥え太ってくれた」と皮肉げに評価されながら喰われてしまうなど、妖怪である前者からは小さな器、半妖である後者からは強くなるための餌でしかない事を断言されている。
技一覧
触手(しょくしゅ)
奈落同様の攻撃手段で全形態から伸縮自在の硬質化する触手を身体から放つ。第2形態で琥珀を捕えた際には読心術も使ったため、赤子のような小さい手にもなった。第3形態では右腕のみ巨大な金剛石の触手となった。また触手で捕えた妖怪を融合・吸収する事も兼ねる。
瘴気(しょうき)
奈落同様の基本技。赤子が入った第2形態で放つ。新生奈落に匹敵するほどの毒素を持ち、奈落が魍魎丸を取り込んだ際には奈落の瘴気をさらにパワーアップさせた。
吸収(きゅうしゅう)
奈落の融合に相当する魍魎丸の技。触手で捕えた妖怪や自身を攻撃する相手の妖力を文字通り吸収する。この力で冥王獣、殺生丸の攻撃、犬夜叉の金剛槍破を取り込めるが、魍魎丸の外側のみ有効で奈落はこの弱点を突いて内部から魍魎丸を逆に吸収してしまった。
読心術(どくしんじゅつ)
赤子の力。第2形態の技で捕えた相手の心を読む。この技を使うと触手も赤子の手の形状になる。琥珀を捕えた際に使用した。
冥王獣の鎧甲(めいおうじゅうのがいこう)
数多の妖怪の中で最も硬い甲羅を持つ亀妖怪・冥王獣の装甲。頭部と右腕を除いた第3形態の全身を覆い、弱点である赤子が入っている右肩は鱗状の甲羅で頑丈に防御している。犬夜叉の鉄砕牙の攻撃を無効化した他、殺生丸の闘鬼神を折ったが、完結編では激怒した殺生丸の蒼龍破を喰らって綻びが生じてしまう。綻びは後に金過と銀過を吸収した事で治すが、奈落が魍魎丸を吸収した事でこの鎧甲も奈落の物になってしまった。原作では魍魎丸の肉片で復活させた冥王獣を犬夜叉の金剛槍破の盾にした後、刺さった金剛石の礫ごと吸収して第3形態になるが、完結編では復活した冥王獣をすぐに吸収した事で金剛槍破を持たない第3形態となる。このため、完結編での犬夜叉達は冥王獣の存在を知らず、魍魎丸の鎧甲として認識しているが、後にかごめを人質に琥珀の欠片を奪おうとする奈落が持ち主である冥王獣の存在を犬夜叉達に説明している。鎧甲で覆われていない右腕は金剛石の触手になった事で防御力を持った他、鎧甲がない頭部は首の左右に1対ずつ生えた蜘蛛の足状の棘を巨大化させて顔を防御する。また鎧甲の硬度は鉄壁というわけではなく、五雷指と竜鱗の鉄砕牙の合体技を喰らった際は赤子がいる右肩を破壊されかけた。
雷冥砲(らいめいほう)
妖力を球体状の雷撃の塊として放つ冥王獣の技。第3形態で放つ。奈落もこの技を使用できるが、未使用に終わった。
金禍銀禍の炎と雷(きんかぎんかのほのおといかづち)
原作にはないアニメ版完結編オリジナルの技。魍魎丸と冥王獣の鎧甲を繋ぎ留める力の強化と殺生丸の蒼龍破と竜鱗の鉄砕牙の攻撃で生じた綻びを治すために吸収した双子妖怪・金禍銀禍の物で炎は金禍、雷は銀禍の技で金剛石の右腕からこの技を放つ。生まれた時から殺し合う宿命にある二人の強い絆の力は、彼らの血を浴びただけで鎧甲の綻びを瞬時に再生させてしまうほど強力でそれに目を付けた赤子と魍魎丸に狙われる。戦闘になった際は二人の同時攻撃を喰らい、鎧甲で防ぎきれないほどの炎と雷で一時的にピンチに陥るが、銀禍を捕縛する触手を緩めて拘束している金禍に止めを刺すよう仕向け、金禍を刺した銀禍を金剛石の右腕で刺殺。続けて抵抗する金禍を金剛槍破の礫で殺害。二人を吸収した後は鎧甲の強化と妖気を繋ぎ留める力を入手し、炎と雷で殺生丸、鋼牙を攻撃するが、殺生丸は冥道残月破で無効化、鋼牙に対しては自身の金剛槍破に炎と雷を纏わせて五雷指の攻撃を無効化するなどしたが、いずれも決定打に欠けていた。また白夜はさすがの奈落も金剛槍破、冥王獣の鎧甲、金禍銀禍の力を持つ魍魎丸には勝てないのではないかと推測していたが、内側から魍魎丸と赤子を吸収するという戦法で逆転勝利を収めた。設定上、雷冥砲と同じく奈落もこの技を使用できるが、未使用に終わった。
金剛槍破(こんごうそうは)
金剛石(ダイヤモンド)で出来た右腕から金剛石(ダイヤモンド)の礫を発射する第3形態の技。犬夜叉の技と同じだが瘴気をまとうタイプが存在し、巨大な金剛石(ダイヤモンド)の触手として敵を貫くこともある。原作では冥王獣を盾にして刺さった礫ごと吸収して使用できるようになるが、完結編の4話で魍魎丸と戦う鋼牙に加勢した犬夜叉が放った金剛槍破を右肩で受け止めて吸収、使用できるようになった。同じく完結編では金禍と銀禍も吸収して金剛石の右腕から炎と雷も放てるようになったが、最終的にこちらも奈落の物となり、宝仙鬼が奈落を倒すために犬夜叉に授けたこの技も結果的に魍魎丸を通じて奈落が常時使用できる必殺技になってしまった。
第七妖怪・夢幻の白夜(むげんのびゃくや)
声 - 真殿光昭
奈落が放った「」の分身。一人称は「俺」。0歳。
日本刀を背負ったのような容姿。女性と見紛うほどの中性的な美貌の持ち主だが、れっきとした男性である。新生奈落になってから初めて作った分身妖怪。
「幻」を司る分身に相応しく、変幻自在かつ強力な幻術で犬夜叉たちを翻弄する。機転も利き、ただ幻を見せるだけでなく、幻という嘘に本物という真実を織り交ぜる事にも長け、劇中では幻の曲霊に曲霊の肉片の匂いを紛れさせて殺生丸を誘導、巨大蜘蛛内部では幻の奈落に人質に取った本物のりんを配置するなどした。奈落が新生後になってから生み出した分身のため、犬夜叉や殺生丸の奇襲をかわすほど身体能力が高く、身のこなしも軽い。
基本的に戦闘には参加せず、犬夜叉や殺生丸の動向を監視し、奈落に報告する「観察者」に徹している(本人曰く、自分の仕事は見る事だけ)。移動の際には、術で巨大化させた白い折り鶴を用いる。遠方の様子は、自身の眼球を変化させた一つ目蝙蝠を飛ばして窺う。
上記の折り鶴や、自身の身代わりを生み出す白い蓮、瘴気の毒蛇を召喚できる瓢箪など、奈落の分身の中では多彩な小道具と武器を用いる。奈落に引けを取らない幻術に加え、前述の道具を用いた多種多様な技を扱うほか、諜報や偵察、奈落の代わりに策を考案・実行するなど、その活動や能力は多岐にわたり、事実上の「奈落の腹心」と呼べる存在となっている。一時期、紅牛魔と行動を共にし、妖狼族のほとんどを惨殺した。
背中に差している刀には刀身が無いが、一度しか使えない切り札として妖力を写し取る複製能力がある。物語終盤で四魂の玉自身の願いを叶えるために奈落に指示され、冥道残月破の力を吸い取ったことで黒い刀身が発生した。
飄々とした性格で掴み所のない人物であり、敵対関係にある犬夜叉や殺生丸にも馴れ馴れしく接する。奈落に対しても例外ではなく、彼とは主従関係というよりも対等に近い関係を築いており、軽口も平然と叩く。完結編では、珊瑚の飛来骨に手ひどくやられた奈落をからかう場面もあった。からかわれた奈落の方も「うるさい、黙れ」と言う程度に留め、罰を与える様子すらなかったことから、彼に心臓を握られて従っていた神楽や神無とはまったく異なる待遇を受けていたことが示唆されている。
上記の通り、立ち振る舞いすべてが異彩を放ち、その行動原理は謎に包まれている。その姿勢は最期まで変化しなかった。これまでの分身たちとは異なって、奈落への嫌悪感や恐怖心は一切抱かず、分身たちの中で唯一最期まで彼に忠実だった。
その一方で、観察者の役割を通り越し「傍観者」然として振舞っている節があり、犬夜叉たちとの闘いや因縁も「他人事」として捉え、一切の関心を示さない。彼らとの闘いにも一貫して消極的であり、奈落に疑問を投げかける描写も見られた。
また、神楽や神無に見られた人間らしい感情も希薄であり、犬夜叉や殺生丸はおろか生みの親たる奈落の言動(「人の心」を持つが故の苦悩等)すら、自分には理解できないと述べる冷徹な一面もある。神無と鏡の妖の弱点を知りながら、彼女に同情して苦戦を強いられた犬夜叉には呆れを示し、「自身が敵ならば躊躇なく弱点を突く」と公言している。
奈落と共同体であり、彼が手傷を負うと、白夜も同じダメージを負う。そのため、白夜は奈落の分身(心臓である赤子は除く)の中で唯一固有の臭いを持たず、完全に奈落と同一の臭いを持つ。それ故、劇中で彼が起こした事件のほとんどが「奈落の仕業」だと犬夜叉たちに誤認されている。最終決戦ではその特性を生かし、犬夜叉に気付かれる事なく、かごめへの接近に成功した(周囲に充満した奈落の体内の臭いと完全に同化してしまう為)。
作中で白夜が犬夜叉一行や殺生丸の攻撃でダメージを負ったことは一度もなく、最終決戦で奈落本体にかごめの破魔の矢が当たった時と、殺生丸の爆砕牙で奈落の体内が斬られた時のみ負傷している。いずれも巨大蜘蛛内部で奈落が負傷し共同体の特性故に巻き添えで喰らった形であり、彼本人に落ち度はない。
最終決戦となった奈落の巨大蜘蛛内部では犬夜叉たちに幻を見せて翻弄した他、弥勒が風穴に吸い込まれる事を恐れる珊瑚を焦燥させ、幻の奈落と四魂の玉ごと本物のりんを飛来骨の巻き添えにするように仕向けた。完結編では幻の奈落を通じて、弥勒には「救いの法師・弥勒。救われたいのは己自身か?」と投げかけ、結果的に人質のりんに向けて飛来骨を投げてしまった珊瑚には「退治屋・珊瑚。退治されたのはお前自身だ」と、彼らの生業を皮肉った台詞で二人を追い詰めた。
最期は冥道残月破の妖力を複製した刀でかごめを斬りつけた直後、犬夜叉の斬る冥道残月破で倒された。その時でさえ「奈落の死と同時に滅びる身体だから未練はない」、「役目は果たした」旨の発言を残し、死の恐怖にも最期まで無頓着だった。
技一覧
幻術(げんじゅつ)
敵に幻を見せる術。作中では無数の折り鶴、殺生丸を誘き寄せるために霊体の曲霊、巨大蜘蛛内部ではりんの幻を見せて翻弄した。
蓮の身代わり(はすのみがわり)
所持している白い蓮を自身の姿に変えて敵の攻撃をかわしたり、注意を逸らす。
蓮の炎(はすのほのお)
所持している白い蓮から炎を出す技。いわゆる火炎放射で、結界に身を隠していた琥珀を守る胡蝶と飛鳥を倒す際に使用。
瓢箪(ひょうたん)
腰に下げている瓢箪。瘴気の毒蛇や空間転移を行う液体が入ってる。また曲霊の匂いがついた借り物の肉体の肉片を入れて、幻の曲霊と共に殺生丸を誘き出した。
瘴気の毒蛇(しょうきのどくへび)
所持している瓢箪から毒々しい紫色の無数の毒蛇を放つ。毒は奈落の瘴気で作中では琥珀の四魂のかけらを穢すために使用し、琥珀と邪見に噛みついた。
空間転移(くうかんてんい)
所持している瓢箪に入った液体で円を描き、円で囲った場所ごと月の幻と共に異空間に移動させる技。奈落の策略で犬夜叉と殺生丸を1対1で戦わせるために使用。また白い蓮を使って自身を転移させる場合もあり、こちらは巨大蜘蛛内部で使用。
一つ目蝙蝠(ひとつめこうもり)
片目から分離した眼球にコウモリのような翼を生やして飛行させる。遠距離や異空間にいる相手を監視できる他、片目の眼窩に奈落が触手を入れれば、奈落の視界にもその映像が共有される。白夜にとって触手を入れられる感触は不快らしく、内心では「気持ち悪い」と愚痴をこぼしていた。
妖力複製(ようりょくふくせい)
背中に刺している刀の技。刀身のない柄には妖力を複製、写し取る能力があるが、一度しか使えない。妖力を複製すると刀身のない柄を収める鞘と同じ太さと長さを持つ刀身が発生する。刀身の姿は写し取った妖力に準じ、一度しか使えない都合上、殺生丸と犬夜叉が苦労と努力を重ねて扱えるようになった冥道残月破を白夜はいとも容易く扱えてしまう。この能力で犬夜叉の冥道残月破をコピーした。
冥道残月破(めいどうざんげつは)
刀身がなく、一度しか使えない妖力を写し取る刀の技。巨大蜘蛛内部にて犬夜叉が放った冥道残月破の傷跡から妖力を写し取って鉄砕牙と同様に黒い刀身を発生させ、かごめを斬った。奈落がかけた四魂の玉自身の願によって発動が遅れ、白夜と奈落、玉が現世から消滅した瞬間にかごめを四魂の玉の空間に繋がる冥道に送った。
紅牛魔(べにぎゅうま)
声 - 西前忠久
角のない赤い牛鬼のような妖怪。欠片集めに本腰を入れた奈落の命を受け、白夜と共に妖狼族狩りを行った。肩に装着した武器を灰に与え、鋼牙の命を狙わせる。
並の妖怪を一蹴する強さだが、鋼牙の五雷爪によって瞬殺された。
巨大蛾(きょだいが)
紅牛魔と同じく白夜に使役された巨大な蛾妖怪。蛹形態で芯太を捕らえていたが、成虫後は妖気を撒き散らしながら鋼牙達を誘導して魍魎丸に喰われた。この蛾に捕らわれていた芯太も喰われそうになるが、その場に駆け付けた珊瑚と雲母によって助けられた。
人間の負の心(にんげんのふのこころ)
声 - 家中宏
白霊山で奈落が赤子の失敗作と共に切り捨てた人間の負の心。首だけの姿で蔭刀の顔の奈落と同じだが、髪が異様に長髪で鬼蜘蛛や初期の奈落と同じ声で喋る。小蜘蛛の姿になる事も可能。鬼蜘蛛の心でもあるらしく、邪な思い、浅ましき願い、薄汚い執着を持つ。四魂の玉に闇の力を与え、桔梗を殺すのにふさわしいと奈落が判断し、小蜘蛛の姿で再び奈落に取り戻された。
曲霊(まがつひ)
声 - 草尾毅
四魂の玉にこもった無数の妖怪達の邪念の化身。奈落の肉体の一部を使い発生した。作者曰く「作中の中では最も邪悪な妖怪」と評している[要出典]だけあって邪悪かつ陰湿で奈落以上に冷酷で、性格はまさしく極悪非道そのもの。完全な妖怪であり、半妖の奈落を見下している。
表情は常に狂気を帯びている。奈落同様、高い再生能力と伸縮自在の硬質化する触手などで物理的な攻撃を完全に無効化し、殺生丸を圧倒するほどの戦闘力を有する。「悪霊の毒」と呼ばれる奈落をも越えた毒素を持ち、その毒は殺生丸の毒の爪を溶かし、瘴気の痛みを感じなくなった弥勒すら苦しめる。なお、曲霊を倒しても四魂の玉の邪念は消えない。奈落の肉体の一部を使っているため、当初は夢幻の白夜、殺生丸、琥珀、犬夜叉、かごめからは奈落の分身と誤解された。霊体の曲霊は肉体の曲霊に憑依せず、遠隔操作で借り物の肉体を動かしているが、天生牙で本体の霊体を斬られるとそのダメージが借り物の肉体にも現れる。
異形の鎧を身に纏い、長い白髪と狂気の表情を持つ若い男性風の妖怪の肉体は奈落の肉体の一部で作った借り物の身体で本体は霊体のため、天生牙以外では傷一つつけることができない。霊体は妖怪・人間に対し、生死を問わず憑依することができる。完結編では借り物の肉体の曲霊、霊体の曲霊の声色はそれぞれ異なり不気味なものとなっている。
また新生奈落とは似て非なる異形の鎧は一部が左右非対称で、胸部の左側には四魂の玉のような球体の装飾がある。
「邪視」と呼ばれる霊力を持つ者を昏睡させる術を持つ。また、憑依せずとも四魂の欠片を取り巻く肉片を操れる。生まれながらにかごめの霊力を封印していた張本人であり、曲霊が滅びるとかごめの霊力の封印が解ける。
四魂の玉の完成のために琥珀を襲い、殺生丸や犬夜叉一行全員を相手になお圧倒したが、殺生丸に爆砕牙が発生し、撤退を余儀なくされる。その後、白夜を使って殺生丸を琥珀から遠ざけ、再び襲撃し、奈落の協力もあって遂に四魂の玉を完成させた。
玉の完成後の最終決戦では奈落と並ぶ最後の敵として犬夜叉一行と殺生丸の前に立ちはだかる。犬夜叉を操り、アクロバティックな動きで殺生丸を傷つけるが、最期は竜鱗の鉄砕牙と自我を取り戻した犬夜叉の妖穴に捕らえられ、殺生丸の天生牙で倒された。
名前と概念は初期から登場していた。曲霊は奈落に従属する立場ではなく、分身でもない。戦闘センスは奈落を上回るほどで、自らが最強であるという自負を持つ。さらに戦闘に長ける強者でありながら、更なる強さを求める妖怪特有の貪欲さと弱者を苦しめる嗜虐心を持ち合わせ、奈落ですら使わなかった残酷な手段をも用いる。また奈落は人間らしい情を理解しているのに対し、曲霊はそういう部分が一切ない。作者いわく「絶対悪」「目的が何か不明なもの」[15]
アニメでは一人称が「儂」から「我」に変更されている。
技一覧
憑依(ひょうい)
霊体を人間・妖怪・半妖に生死を問わずに取り憑き自身の借り物の肉体として操作する。奈落の肉体の一部を使って異形の鎧を纏う白髪の男性の姿で実体化させた際は本体である霊体を借り物の肉体から遠ざけて遠隔操作で操った。爆砕牙で借り物の肉体が破壊された後は、奈落と白夜の策として琥珀に憑依。弥勒と珊瑚に対峙した際は琥珀の声でわざわざ喋ったり、弥勒の風穴に吸い込ませようとした他、穢れた欠片を通じて悪夢を見せていた。琥珀から脱出した後はりんに憑依して人質にするために奈落と白夜が潜んでいる洞窟に誘導し、そのまま四魂の玉の力で造った奈落の巨大蜘蛛の内部に閉じ込めた。その後はりんを見張っていたが、その場に四魂の玉の邪気で妖怪化した犬夜叉に憑依して殺生丸と戦った。
悪霊の毒(あくりょうのどく)
曲霊の最大の武器。毒素は殺生丸はおろか、新生奈落や白童子、魍魎丸の瘴気をも上回り、殺生丸にダメージを与えた他、薬老毒仙の薬で苦痛を感じなくなったはずの弥勒がこの毒を風穴で吸った際は苦痛を蘇らせた。この毒は借り物の肉体、霊体問わずに使用できる。また天生牙で再び霊体にダメージを与えられた際には、琥珀に憑依したときに風穴に吸わせた毒で傷を癒し、弥勒の体内から抜け出て、同じく毒気を浴びて気絶したりんに憑依するなど霊体の曲霊のバックアップも兼ねる。
触手(しょくしゅ)
借り物の肉体の技。奈落や無双、魍魎丸と同じ攻撃手段だが、作中最強レベルの白兵戦で殺生丸を圧倒した。触手からは悪霊の毒を放ち、ダメージを与える他、奈落が触れられない桔梗の浄化の光を持つ琥珀の欠片を一瞬で穢した。
邪気(じゃき)
四魂の玉の中の合体妖怪の禍々しい邪気。奈落の邪気をも上回り、霊力が封じられているかごめの破魔の矢と桔梗の浄化の力も一瞬で無力化してしまう。この邪気で無数の妖怪達を呼び寄せて操る事もできる。また悪霊の毒を生み出す素になっていて曲霊のバックアップも兼ね、この邪気を浴びた者には霊体の曲霊が憑依する。奈落の巨大蜘蛛内部では殺生丸の天生牙から逃れようと犬夜叉からかごめに憑依するために、この邪気をかごめに浴びせるが、竜鱗の鉄砕牙の力によって阻まれた。
邪視(じゃし)
霊力を持つ者を昏倒させる術。狂気の表情を持つ目からこの術を放つ。強大な霊力を持つかごめに対して使用し、本来、桔梗を上回るはずのかごめの霊力もこの術の応用で生まれながらに封じていた。
肉片操作(にくへんそうさ)
妖怪の集合体で構成された借り物の肉体を大小に分けて操る。この技で化け犬化した殺生丸を圧倒し、犬夜叉が冥道残月破を発動しようとした際は肉片を邪視で昏倒したかごめと七宝と珊瑚が乗った雲母、邪気で気絶した琥珀と弥勒とりんが乗った阿吽の周囲に撒き散らせ、発動を封じた。また殺生丸が天生牙で霊体を斬ろうとした際はこの世の物である奈落の肉片で防ぎ、3本の硬質化した肉片の触手で殺生丸を突き刺した挙句、殺生丸を奈落の肉片の塊に取り込もうとした。さらにこの肉片を取り除くために迂闊に鉄砕牙の必殺技が放てない犬夜叉を「自慢の刀で塊ごと吹き飛ばしたらどうだ?心配せずとも中の殺生丸は粉々になっても奈落の一部として復活する」という挑発で苛つかせながら触手で封じるが、最後は殺生丸から覚醒した爆砕牙によって肉片を破壊され、斬られた肉片のダメージが無傷の肉片まで行き届いた事で再生能力までもが無効化されてしまう。
鎌の触手(かまのしょくしゅ)
琥珀が愛用している鎖鎌を妖力で変形させた触手。元の鎖鎌に戻すことも可能。妖怪の骨でできているため、借り物の肉体や肉片操作と同様に自在に操れる。無数の鎌がある歪な形状の触手に巨大化させると、琥珀を逃がさんとする珊瑚を再び傷付けた他、追ってきた犬夜叉達を攻撃するために数本の巨大な鎌の触手にも変えた。この一件で琥珀は長らく使用していた鎖鎌を失うことになる。
悪夢(あくむ)
邪気で黒く穢れた四魂の欠片を通じて見せる悪夢。気絶させた琥珀にかつて奈落に操られて父と退治屋の仲間達と殺し、珊瑚を傷付けた悪夢を欠片の力で何度も繰り返し、体験させる残虐な精神攻撃。曲霊が邪悪かつ完全な妖怪であるが故に使った技だが、人の心を持つ半妖の奈落は意識がある状態の琥珀を操り、珊瑚を再び傷付けようとした事もあるため、人の心があるかないかの差で両者のやり方に大した違いはない。この術で血の涙を流すほど琥珀の心を徹底的に弄び、壊す寸前までじわじわ追い詰めるが、わずかに残っていた桔梗の光が抵抗しながら悪夢に苦しむ琥珀を導き、正気を取り戻させた。

七人隊

奈落が白霊山での変化の間、時間稼ぎとして蘇らせた東国出身の傭兵部隊。序列は個人の強さと比例しており、作者により強さの順番が設定されている。十数年前、「七人で百人分の働きをする」といわれるほどの圧倒的な戦力で各地の戦場を渡り歩いていたが、その強さと残虐さを恐れられ、結託した各地の大名たちの軍勢に追い詰められた末に白霊山の近くの寒村で捕らえられ斬首された過去を持つ。白霊山の麓につくられた七人塚に葬られた。奈落によって首(凶骨のみ額)に四魂のかけらを埋め込まれて復活、「犬夜叉たちを全員倒せば四魂のかけらを永久に与える」という条件をのみ犬夜叉一行や鋼牙らと戦う。全員が死人であり、作中では犬夜叉や奈落などの半妖とは異なる人間でも妖怪でもない「亡霊」と称された。全員が顔になんらかの模様を施しており、亡者であるため死人と墓土の匂いがするが、妖気は持たない。体内のかけらを全て抜き取られると骨に戻る。かけらを抜かれない限り死ぬことはないが、治癒能力には各々でかなり差がある。アニメでは彼らが活躍したのは15年前とされ、七人の生前が描かれている。こちらでは非道の限りを尽くした外道の集団とは思えない人間らしい笑顔も仲間内で見せていた。

蛮骨(ばんこつ)
声 - 草尾毅
七人隊(しちにんたい)の首領の少年。序列1位。享年17歳。一人称は「俺」。
かつて、大の男が3人がかりでようやく持ち上がる大鉾「蛮竜(ばんりゅう)」を片手で振るって殺戮をほしいままにした。七人隊最年少でありながらずば抜けた実力を持って6人の荒くれ者を統括する。仲間からは「大兄貴」と呼ばれる。髪型は長い三つ編みで額に十字の形の紋様を持つ。
残忍な性格だが、さっぱりした能天気な一面も持ち、仲間に対する想いは強い。しかし、煉骨を脅し四魂のかけらを独占するなど排他的な一面も併せ持ち、それらが重って煉骨の謀反を招いてしまう。また、煉骨が四魂のかけらを隠し持っていることに気づいたり、奈落の本意(最初から四魂のかけらを差し出す気がないこと)に薄々勘付いているなど、洞察力に長けた一面もある。アニメでは強くなければどうにもならない戦国の世を生きた人物として描かれている他、生前に出会った奈落に対して「生まれたときから妖力なんか持ってる奴らにはわかんねえだろうがな!」と言って斬りかかるなど、妖怪などの生まれながらの力ある者と強者に対する強い羨望と嫉妬心があり、性に合わない法力や神通力を持っていない自分が強くなる方法を模索し、強い人間や妖怪を倒しながら蛮竜に力を宿すことを思い付く。
かなりの重量がある蛮竜を軽々と扱う剛腕は、素手でも脅威的であり、人体に指を刺して煉骨の欠片を取り出すなどした他、白霊山では自慢の腕っ節で半妖の犬夜叉を打ち負かした。この怪力で蛮竜を振り回してヘリコプターのプロペラのように高速回転させる他、モンシロチョウを細かく斬り裂くほどの精密動作も可能(アニメ版)。
裏切りは決して許さず、かつて自分達の首を討った城の大名や侍大将に報復し、蛇骨を殺した煉骨を自らの手で殺害した。
犬夜叉とは計3回戦っており、常に互角の闘いとなるが最後の白霊山の決戦で懐に飛び込んだ犬夜叉の鉄砕牙で切り倒される。その後、新生形態前の奈落に四魂のかけらを取られ死亡する。
アニメでは生前は煉骨とも仲が良く、彼が将軍になりたいなら手を貸すと発言していた。また、犬夜叉との最終決戦では生前に蛮竜にかけた願により、人と妖怪合わせて二千の恨みを蛮竜に宿し妖刀化させた。これにより妖気を用いた攻撃をすることができるようになったが、これが仇となり爆流破で蛮竜共々撃破される。
技一覧
蛮竜閃(ばんりゅうせん)
原作では名前はない。四魂のかけらの妖力により朱色の衝撃破を放ち風の傷を薙ぎ払うことができる。妖刀化してからは風の傷を越える威力にまで成長する。
竜雷閃(りゅうらいせん)
アニメオリジナル技。四魂のかけらの力で落雷を起こす。雷の軌道は制御できない。
熱風(ねっぷう)
煉骨のかけらを使用し風の傷を完全に相殺する熱風を放つ。
煉骨(れんこつ)
声 - 杉田智和
七人隊の副将兼参謀。序列2位。享年24歳。一人称は「俺」。
坊主頭で頭に布を巻いており、顔中に模様が施されている。登場してまもなく、顔の模様がわずかに変更された。仲間からの呼び名は「兄貴」。
策謀を得意とする知将。犬夜叉を舐めきり「風の傷」を受けた蛮骨に対し、煉骨は犬夜叉の鉄砕牙の危険性を察して銀骨に「化け刀を振らせるな」と適格な指示を行っており、本人もそれを意識した立ち回りをするなど優れた戦略で実力以上の戦果を上げる。
戦国時代を超越した技術を持っており、手甲に仕込んだ鋼の糸や油を用いた火炎攻撃砲筒爆雷筒といった自作の兵器を使って戦う。犬夜叉を除く一行を釘づけにするなど人間相手には滅法強い。構造は不明だが、指先からライターのように炎を噴出させることができる。初めて侍装束で登場した際には身の丈ほどの棒のような武器を手にしているが、使用される事はなかった。
単身で寺院を襲撃して拠点とし、銀骨に犬夜叉達を、蛇骨には鋼牙の殺害を命じる。両者共に標的を仕留め損ねるが、煉骨は犬夜叉から奈落に関する情報を得ると共にかごめから四魂のかけらを奪った。
四魂のかけらを蛮骨に脅し取られて二度目はないと釘を刺されるが、四魂のかけらの力が弱く鋼牙との戦いの傷が全く再生せず、痛みに耐えかねた煉骨は銀骨のかけらを蛮骨に無断で使用してしまう。少年である蛮骨が当目であることに反感を抱いていて二度目はないという蛮骨の言葉を真に受けた煉骨は蛮骨を凌ぐために四魂のかけらに執着する。
当初は鋼牙の四魂のかけらを狙ったが失敗し、最期には弟分の蛇骨から四魂のかけらを奪取し殺害、仲間殺しを許さない蛮骨によって自らも四魂のかけらを奪われ死亡する。
一方で、弟分である銀骨や睡骨を労わる面倒見のいい兄貴肌の一面もあり、特に銀骨に対しては自ら改造を行っており、かわいがっていた模様。
犬夜叉一行と戦った回数が最も多い七人隊であり、犬夜叉本人と直接戦った回数も4回と七人隊で一番多い。
アニメでは白霊山の麓で蛮骨と戦うシーンが追加。最猛勝から蛇骨の簪とかけらの奪取を知った蛮骨に一度は首のかけらを抜かれるも、再び渡されて怯えながら砲筒を連射。蛮竜を使わない素手の蛮骨に対して砲筒と火炎放射で攻撃するも、既に蛮骨に完全に恐れをなしていた為に全く通用せず、自分とどこが違うと罵りながら欠片を取られて骨に帰った(蛮骨はこれに「俺は仲間を裏切らない」と返している)。また、生前は謙虚な性格であり、将軍になりたいなら手を貸すという蛮骨の申し出を、大兄貴を差し置けないとして断っている。
技一覧
鋼の糸(はがねのいと)
手甲にしこんだワイヤーで敵の動きを封じる。可燃性の油が染みこんでおり着火して相手を火達磨にする。この油は煉骨が調合して作った特殊な物で火種がないにも関わらずに着火する仕組みになっている。
火炎放射(かえんほうしゃ)
瓢箪に入っている油を口に含んで着火し炎を吐く。相手が人間なら一瞬で焼死する。原作では鋼牙にもダメージを与えている技だが、アニメでは全くの無効。同じくアニメでは蛮竜を持たない蛮骨に対しても使用するが、まったく効かず、錯乱した煉骨は蛮骨を倒したと誤解。挙句、その瞬間に蛮骨が投げた蛇骨の簪で銀骨の欠片を奪われてしまう。
砲筒(ほうづつ)
大砲で敵を砲撃する。一つの砲筒に3発の弾を装填可能。アニメではガトリング式のものや火炎放射型がある。また蛮骨との戦いでは6発も弾を連射している。
銀骨(ぎんこつ)
声 - 江川央生
七人隊の一人。序列3位。一人称は「俺」。
戦いで傷付くごとに煉骨に改造され、全身に多数の武器を仕込んでいる半機械人となった。蛮骨以上に煉骨を尊敬しており、煉骨のすることは何でも正しいと思っていたとされる。自ら改造を手掛けた煉骨曰く「妖怪にはさぞかし嫌な相手」。
後に犬夜叉によってバラバラにされ、戦車のような姿に改造された。この時点では人間の体はほぼ頭部しか残っていない。改造されてからは「ギシギシ」としか言わなくなった[注 10]
白霊山麓の戦いで鋼牙の捨て身の攻撃を受け、破壊される。銀骨戦車の素材には「銀骨歯車」などの細かい名称がつけられている。また、戦車になる前の装備も原作とアニメで違っている。
銀骨の大砲は蛇骨が拾ってきた種子島銃を煉骨が改造したものという裏設定が奥義皆伝で明かされている。アニメでは蛇骨が種子島銃を煉骨に持ち帰っているシーンが追加されているが、15年前の時点で既に銀骨に大砲が搭載されているシーンも登場し、原作の設定とは矛盾している。
アニメでは煉骨との絆がさらに強調されている。また、鋼牙との戦いでは最終的に自爆し、さらにその爆発から煉骨を守る為に、自分の四魂の欠片を使用している。善行に使われたことがないとされる四魂の欠片が善行に使われた稀な例となった。
形態一覧
人型形態
度重なる戦闘で傷付き、その度に煉骨の改造を繰り返し受けた姿。凶骨の次に巨体を誇り、死人である事を生かして鉄砕牙の攻撃や風の傷を受けても致命傷にならないほどの身体を持つ。生身の部分は頭部の左側と首、ツギハギ傷がある右腕のみで、残りはすべて煉骨が発明した半機械の義体である。ありとあらゆる武器と装備を持ち、鋼の重装備とも称される。アニメでは肩の鎧の形状が原作と異なる。
銀骨戦車
風の傷を受けて頭部のみになった銀骨が煉骨の工房でさらなる強化改造を受けた戦車形態。前方にヤドカリの足のように自動で動く5本の鍬を持ち、左右には巨大な回転ノコギリが車輪として機能している。銀骨の意思で操縦され、蛮骨、蛇骨、煉骨、睡骨の4人が乗れる。銀骨砲の他、アニメでは最終砲撃形態を展開するための火器兵器が搭載してある。さらに銀骨の頭部がある人型部分は胸部から鋼の糸を射出する他、人型部分をロケットとして発射できる。
技一覧
銀骨砲(ぎんこつほう)
煉骨が種子島銃を改造して作った大砲。通常の砲撃タイプと上空で無数に分裂し地上を襲うタイプが存在する。戦車形態では二つ装備されている。
連装カッター(れんそう -)
人型形態の装備。背中に装備された5連装式の回転カッター。鋼の糸に繋がっているため若干のコントロールが可能。左胸のスイッチで操作する。
鋼の糸(はがねのいと)
煉骨の物と同じワイヤー。連装カッターを動かしながら張り巡らすタイプと両肩から展開する穂先付きのタイプが存在する。戦車形態では胸部から発射する。
長槍(ちょうそう)
人型形態の装備。劇中では戦いに使用されず、地面に突き刺し、陽の光に反射した刃を銀骨砲で生じた焼け焦げと火薬の匂いで混乱する犬夜叉を誘導する囮にした。
日本刀(にほんとう)
人型形態の装備。自身に飛び掛かってきた犬夜叉を斬ろうとするが、失敗に終わる。
鎖付きの斧(くさりつきのおの)
人型形態の装備。普段は腰に下げており、劇中では煉骨が潜む寺に行こうとする犬夜叉を捕縛した。
腕部アンカー(きょうぶ -)
人型形態の装備。打ち出すと同時に義手の左腕の先端が展開し、敵を掴む鎖付きのアンカークローとなる。大型の妖怪を捕獲する際などに使用する。
胸部ドリル(きょうぶ -)
人型形態の装備。奥の手として胸部を展開して回転ドリルを出現させる。
最終砲撃形態(さいしゅうほうげきけいたい)
アニメ版でのみの登場。戦車形態から変形する。正面部の脚部が180度回転し、そこから連装式の大砲が出現。本体左右からは一部のパーツが外れ、6連装のミサイルポッドらしい武装が展開。さらに後部には無数の火薬弾が出現と火力が大幅に強化される。
蛇骨(じゃこつ)
声 - 折笠愛
七人隊の一人。序列4位。享年20歳。一人称は「俺」。
女性用の着物を着ており、蝶柄の簪で髪をまとめ、目の下には蛇の毒牙を思わせる模様と紅を口に差している青年。蛇骨刀を自在に操る七人隊の切り込み隊長。俊敏だが、着物の下には薄い蛇皮の手甲と胸当てしか身に着けておらず軽装備。着物の片裾を帯で留め、常に片足を露出させている。
飄々とした性格。男好きの同性愛者で、女嫌いな一面がある。犬夜叉を気に入り、最初の対戦以後執着を向ける。
素直な性格で、子どものようにゴネることはあるものの、最終的には蛮骨と煉骨の命令を忠実にこなす。四魂の欠片にも全く執着がなく、蛮骨から「ちょっと変だけど信用できるのはお前だけ」と言われている。
考案段階では女性だった[注 11]。中性的なデザインやキャラなのは女性だった頃の名残とされている[注 12]
若い色男と殺戮以外に興味は無い。しばしば無邪気な表情を見せるが、残虐性や加虐癖をも持つ。計算が苦手であり、凶骨と霧骨が倒されて七人隊の残り人数を計算して間違えて、煉骨に指摘されている。
七人隊では最初に犬夜叉一行と出会い、計4回戦っている。また、犬夜叉、殺生丸、鋼牙の3人と直接交戦している唯一の人物でもある。蛇骨自身は常に犬夜叉との戦闘を望んでいたが、煉骨の指示により機会を2度失っている。
最期は犬夜叉の風の傷を受け重症を負い、それを見ていた煉骨に四魂のかけらを取られて骨に還る。生への執着はなく、二度目の人生を楽しんだと納得して死んだ。
アニメ版では自分の欠片を取ろうとする煉骨に微笑みかけている。また、生前は七人隊結成以前から蛮骨と行動を共にしており、最も古い付き合いという設定も追加されている。
睡骨(すいこつ)
声 - 平田広明
七人隊の一人。序列5位。享年26歳。一人称は医者人格の時は「私」で、七人隊の殺人鬼人格の時は「俺」。
凄まじい体術と剛腕を誇る接近戦の達人。手甲鉤を用い、鎧以上の強度を持つ犬夜叉の火鼠の衣すら簡単に引き裂く。
善良な医者と残忍な殺人鬼の2つの心を持つ二重人格者。蘇った後は過去の記憶を持たない「医者」の睡骨として白霊山の麓の貧しい村に住み、身寄りのない子どもたちを養っていたが、蛇骨から子どもを庇おうとして負傷したことにより「殺人鬼」の人格が出現してしまう。「殺人鬼」の睡骨は髪が逆立ち、眉毛が消え羅刹と評される凶悪な顔つきになる。加えてこの顔つきには歌舞伎役者の隈取を思わせる緑色の模様が浮かび上がる。また、正反対の人格を併せ持つがゆえに「医者」人格は血を見ることを恐れ、「殺人鬼」人格は医者や僧などの善人を嫌っている。殺人鬼人格は医者人格の記憶を持っているが、医者人格は殺人鬼人格の記憶を持っていない。「殺人鬼」人格状態であっても、隙あらば「医者」人格が表に出てこようとしている。
殺生丸一行との戦闘の途中でりんや邪見とつり橋から川に転落して流された後、外見は「医者」人格だが心は「殺人鬼」人格という、特殊な状態になる。医者のフリをしてりんを連れ白霊山麓の村に戻り、村を出ることを要求した村人達を惨殺するも、「医者」人格の影響で村の子どもたちは殺せなかった。
最期は喉に突き立った桔梗の矢に浄化されて「医者」人格に戻り、死んだ記憶や他人格が殺人者であった記憶も戻り、桔梗に殺してくれるよう頼む。桔梗が四魂のかけらに手をかけようとした直前、蛇骨にかけらを取られ、桔梗に看取られながら骨に還った。四魂のかけらは蛇骨の手を経て蛮骨に渡った。
医者人格の時は華奢だが殺人鬼人格は筋骨隆々の肉体をしており、人格によって肉体も別人へと変貌する。
桔梗のことを医者人格は桔梗様と呼んでいる他、殺人鬼人格は記憶を介して「あの女」と認識している。
アニメでは、戦で逃げ遅れた子供を殺した侍を無我夢中で殺してしまったことで、自分を許せぬ思いに捉われ第二の人格が発現。その後、殺戮を繰り返す中で蛮骨と蛇骨に出会い、七人隊に勧誘されるという過去が追加されている。
霧骨(むこつ)
声 - 稲田徹
七人隊の一人で毒使い。序列6位。一人称は「俺」。
七人の中で最も小柄で白装束を着ている。強力な毒を使うため毒に身体が慣れており、唾液すら毒液として武器になる。醜悪な容貌のために女にモテぬと思い込んでおり、かごめをさらって自分の物にしようとした。彼の毒の強さは蛇骨も認めるところで、かごめ・弥勒・珊瑚・七宝・雲母を苦しめるが、殺生丸には効かず、あっけなく斬り捨てられる。
四魂のかけらは最猛勝に回収されたのち、蛮骨の手に渡った。
蛇骨とは逆で女性をいたぶって殺すという凄まじい趣味を持つ。
凶骨(きょうこつ)
声 - 郷里大輔
七人隊の一人。序列7位。一人称は「俺様」。
小山ほどもある人間離れした巨体の持ち主。妖怪をも食らうその姿から「大鬼」と呼ばれたが、本人は人間と主張している。
その巨体を武器にして力任せに戦う。巨体を維持することが思考の大半を占めており、頭はほとんど使わない。
鋼牙の四魂のかけらを奪おうとするが、弱点である四魂のかけらを埋め込まれた場所を、自ら教えたことで、鋼牙に四魂のかけらを抜き取られ、返り討ちに遭う。力だけは強いが技は達者でなく、蛇骨曰く「(七人隊の中で)一番弱かった」らしい。
再生力が他の七人隊に比べかなり強く、腕が切られたり首が180度捻じ曲げられてもすぐに完治する。また、七人隊の中で唯一、犬夜叉一行と直接会っていない。
四魂のかけらは最猛勝に回収されたのち、蛮骨の手に渡った。
原作では武器を使用していなかったが、アニメでは鎖付きの巨大な鉄球を使用した。また、生前は今ほど巨大ではなく数メートルほどの身長だった。

現代の人々

その他

脚注

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