硫酸ピッチ
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硫酸洗浄は硫酸を用いて不純物を取り除く手法であり、この処理によって残留するものが硫酸ピッチとなる。工業的には石油精製や廃油再生、その他にも試験や実験などでも利用される方法である。硫酸処理それ自体は特別な方法ではなく原始的な方法である。石油精製分野では主に潤滑油や重質油の精製に用いられ水素処理が導入されるまでは主流な方法であった。現在でも一部で利用されている。
生成される硫酸ピッチは有害な化学物質を含有する粘性の高いタール状の物質である。放置しておくと油分などが揮発することにより粘度を増し固化していく。石油精製で生成される硫酸ピッチには硫酸や油分、硫黄、重金属類、アスファルト、芳香族炭化水素などが含まれる。
不正軽油が生成される背景
硫酸ピッチの処理
硫酸ピッチの処理については、中和作業、高性能炉での焼却など手間が掛かるものであり、ドラム缶1本あたり十万円以上とも言われている。不法投棄に多い長期間放置された硫酸ピッチは流動性を失っていることもあり処理をさらに困難にさせる。 硫酸ピッチは特殊な廃棄物で、工業分野(石油精製関連)などを除くと一定量の硫酸ピッチを生成するのは軽油の密造過程くらいとなる。密造の発覚を防ぐために、軽油の密造工場で発生する硫酸ピッチは、全量不法投棄されるものと考えて良い。
不法投棄された硫酸ピッチの処理は、製造または廃棄した業者に処分をさせるのが適当であるが、ほとんどの場合、こういった不法業者は行方をくらましているか、仮に見つけたとしても放置される場合が多く、結局のところ、行政による後片付け、すなわち「行政代執行」により撤去・処分が行われている。これらの費用はもちろん税金で行われている。もちろん行政側は、後からこの費用を関係者に請求はするが、支払われる場合はほとんどない。皮肉にも脱税対策として加えた物質を除去することにより脱税に成功した者が排出した廃棄物を、正規納税者が支払った税金をかけて処分しているのが実情である。