重要港湾
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重要港湾は海上輸送網の拠点と位置づけられているが、後背地に工業地帯を有しているものが多く、日本の産業政策上、重要性の高い港湾が重要港湾とされる傾向が強いことを示している。重要港湾の整備を促進するため、整備費用に係る国庫補助金は地方港湾のそれと比べて、高率に設定されている。
重要港湾が備えるべき港湾施設等は必ずしも法令等で明示されていないが、例えば係留施設を見ると、地方港湾では物揚場(-4.5m未満の係留施設)が主流であるのに対し、重要港湾では物揚場もあるが岸壁(-4.5m以上の係留施設)が主体となっているように、一般により高スペックの港湾施設が重要港湾には必要だとされている。
しかし多すぎる重要港湾に対して国の投資が分散し、一方でこれまでコンテナ船の幹線が寄港していた横浜港や神戸港が世界のハブ港湾に比べて投資も規模も見劣りするようになった結果、日本にハブ港湾が存在しなくなる状態になった。日本の至る所にそこそこの規模のコンテナ港湾があり釜山港や上海港に向かう路線が就航しているため、高い国内運送料を払って横浜や神戸に運送する荷主が減り、結果として釜山港が日本全国の貨物が集中し世界のコンテナ船が集まる東アジアのハブ港湾となり、日本国内の企業や消費者は世界の超大型コンテナ船の幹線が直接国内に寄港する時間的・経済的メリットを次第に受けられなくなっている。遅ればせながら港湾投資を集約する動きはあり、重要港湾の中でも特に地域拠点となる重要な港湾については国際拠点港湾(旧・特定重要港湾、18港)に昇格、さらに上位に国際ハブ港として国際戦略港湾(京浜、阪神の5港)の指定を受けている。
新たな港湾開発や港湾統合などで、港数は時代とともに変動している。近年では1999年6月に中津港(大分県)が地方港湾から重要港湾に昇格。逆に2000年4月には石狩港(北海道)、大湊港(青森県)、福井港(福井県)、八幡浜港(愛媛県)、青方港(長崎県)、水俣港(熊本)の6港が港格と利用実態との乖離などの理由で地方港湾に格下げされた。ただ、このときの格下げは地元の反発が強かったため、旧運輸省が特定地域振興重要港湾制度を創設、一定の配慮を示している。また、2012年10月には石巻港が国際拠点港湾である仙台塩釜港と統合されたため、重要港湾の指定から外れている[1]。