錫杖岳
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| 錫杖岳 | |
|---|---|
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東山麓の奥飛騨温泉郷中尾から望む錫杖岳 | |
| 標高 | 2,168[1][2] m |
| 所在地 | 岐阜県高山市 |
| 位置 | 北緯36度16分55秒 東経137度32分50秒 / 北緯36.28194度 東経137.54722度座標: 北緯36度16分55秒 東経137度32分50秒 / 北緯36.28194度 東経137.54722度[1] |
| 山系 | 飛騨山脈 |
| 初登頂 | 1690年(元禄3年)円空[3] |
錫杖岳(しゃくじょうだけ)は、岐阜県高山市[注釈 1][4]にある飛騨山脈南部[5]の標高2,168 m[1][2]の山[6][7][8][9][10]。槍ヶ岳と双六岳を結ぶ飛騨山脈の主稜線上の樅沢岳から南西方向に笠ヶ岳に続く稜線の延長上にある[1][4][11]。ブナ林の中に静かに屹立する奥飛騨の名岩峰で[8]、奇岩怪峰の山[7]。
概要
独特な山容で、クリヤ谷に面した東南面[6]は全山屏風のような切り立った岩壁がそびえる[5]。1690年(元禄3年)に円空上人が登頂した記録があり[3]、これが初登頂だと考えられる。一般向けの登山道はなく[7][8]、死亡事故も発生していて[7]、東側のエボシ岩、東尾根東壁などは、ロッククライミングの対象となっている[4][6][9]。この山の西面は緩やかな尾根が笠谷に入り、針葉樹林に覆われているが、東面の下部はブナの原生林がとりまき、岩壁部にはコメツツジやタカネバラなどが見られる[6][8]。標高1,500 m付近がフナ帯で6月に芽吹き、この時期には残雪があり、紅葉は10月[9]。岐阜県山岳連盟により、ぎふ百山の一つに選定されている[12]。1934年(昭和9年)12月4日に、山域が中部山岳国立公園の特別区域に指定された[13]。
ロッククライミング
この山の岩場を世に紹介したのはRCC(ロック・クライミング・クラブ)の神戸高等商業学校の藤木九三で、烏帽子岩の初登攀は1927年昭和2年7月[6]で、特に人気が出たのは昭和30年台になってからである[5]。登山家の松濤明も足繁く通ったといわれている[8]。笠ヶ岳の登山道のクリヤ谷コースから上り、錫杖沢出合で小滝が多い錫杖沢をつめて取り付き[4][5]、沢は上部がササで覆われているが、鞍部に出たら南尾根上の道らしき箇所がほとんど無い[8]踏み跡をたどると山頂に至る[6]。錫杖沢には錫杖の岩屋があり、広く前に沢が流れている[9]。岩が付き重なる[9]頂上は狭く白山と焼岳などの展望がある[10]。岩場のスケールは高度差700 m、幅400 mに及び、主たる岩場として本峰フェース、烏帽子岩、最も人気がある前峰フェースがある[5]。岩峰群は、錫杖沢を挟んで左に南峰、右に本峰、烏帽子岩、前衛フェースに分かれる[6]。特に前衛フェースはわが国でも有数のスケールがあるとされ、何本ものクラシックルートがある[6]。本峰フェースは約150 mの垂壁をもつ[7]。本峰の土台とも言うべき前衛フェースで、上部に烏帽子岩の尖峰が突き出している[9]。本格登山で5時間以上、登攀が一部で入る最上級の難易度の山とされている[7]。
地理
山体は主として石英斑岩と玢岩(ひんがん)で構成される山である[4][6]。南東山麓の蒲田川沿いに新穂高温泉がある[1]。東海旅客鉄道(JR東海)高山本線高山駅の北東33 kmに位置する[4]。
周辺の山
飛騨山脈(北アルプス)の笠ヶ岳から南に延びる稜線上にあり、南に大木場ノ辻のピークがある。
| 山容 | 山名 | 標高(m) [2][14] |
三角点等級 基準点名[14] |
錫杖岳からの 方角と距離(km) |
備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 穂高岳 | 3,190 | 日本百名山 ぎふ百山 | |||
| 笠ヶ岳 | 2,897.47 | 二等 「笠ヶ岳」 |
日本百名山 ぎふ百山 | ||
| 錫杖岳 | 2,168 | 烏帽子岩 ぎふ百山 | |||
| 大木場ノ辻 | 2,232.38 | 二等 「大木場」 |
|||
| 焼岳 | 2,455.37 | 二等 「焼岳」 |
日本百名山 ぎふ百山 | ||
| 乗鞍岳 | 3,025.63 | 一等 「乗鞍岳」 |
日本百名山 ぎふ百山 |
源流の河川
以下の源流となる河川は高原川水系で日本海へ流れる[1][11]。
- クリヤ谷(蒲田川の支流)
- 笠谷(高原川の支流)
