長州路 (街道をゆく)

From Wikipedia, the free encyclopedia

長州路』(ちょうしゅうじ)は、司馬遼太郎の紀行文集『街道をゆく』の第1巻第5章。「週刊朝日」の1971年5月14日号から7月9日号に連載された。旅の時期は1970年昭和45年)6月10日前後。

  • 対象地域

山口県下関市から島根県益田市まで

  • 登場する同行者
    • T(詩人、当時45歳)
    • 風間完(画家、『花神』の仲間)
    • 編集部のH(朝日新聞記者、橋本申一)
  • 全行程

北九州空港壇ノ浦下関海峡赤間神宮)→三田尻吉見湯田温泉山口市瑠璃光寺)→野坂峠津和野益田市医光寺

長州路

話題

  • 天誅だぁ」というあそびが昭和の初年まで山口県下であった
  • 山口県のまろやかで温和な風土
  • 戦国期の「中国者(毛利家)の律義」
  • 長州人は怜悧という面では相手を警戒させる。水戸、土佐、薩摩との比較
  • 仁者的風格の思想人を生むくせに、仁者的風格の革命家や政治家を生まないという長州の複雑さ
  • 長州人は都会的

行程

この稿では、終始長州人論が展開されるため、行程というべきものはない。最後に、「さて、長州路へゆかねばならない。」と自らを紀行に誘っている。

登場人物

  • 歴史上の人物
  • その他
    • 京都のフランス語の学者
    • 司馬の親戚の者の若い嫁(山口県出身)
    • この嫁の叔母

地名

壇之浦付近

話題

行程

この稿も前置きが長く、なかなか紀行にならない。後半で壇之浦の阿弥陀寺(赤間宮)から長州路の旅がはじまる。

登場人物

地名

書名

海の道

話題

  • 長州的性格には海を知っていたことからくる開放性(海洋性)のようなものがある。
  • 江戸時代、太平洋航路の危険を避けるため日本海航路(北前船)が発達し、下関三田尻(今の防府市)などが繁栄した。
  • 長州武士が商人とすれば徳川武士は百姓(江戸幕府は百姓原理(庄屋の原理)で成り立っていた)
  • 信長秀吉は商人の原理と機略をもっていたが、家康は徳川家一軒をまもるために日本を矮小化してしまった。
  • 室町時代は貿易がさかんで、将軍自ら対貿易に熱中し、倭寇がはびこり、東南アジアには日本人町ができた。
  • 伊藤博文は志士時代に自分の女房に小間物屋を下関にひらかせていた。
  • 大内氏の後を引き継いだ毛利氏は山陰山陽十カ国を版図にして、瀬戸内海の水軍のほとんどをその傘下におさめた。
  • 関ヶ原の戦いで敗戦して領土を大きく失った毛利輝元は、「とてもやってゆけない。この上は大名をやめたい。領土は幕府に呉れてやる」とヒステリー的発言をした。
  • 三田尻付近に塩田をつくり、三田尻港から菱垣廻船樽廻船などに積み込み、内国貿易で利益を得た。

行程

この稿も周防国の歴史的な話題に終始する。

登場人物

地名

書名

  • 河上徹太郎全集

三田尻その他

話題

  • 三田尻は、徳川初期から「毛利侯のお船蔵」が置かれ、幕末には長州藩軍港になった。
  • 瀬戸内水軍の末裔を吸収した長州にしては幕末当事の軍艦は貧弱だった(上海に行ったことのある高杉晋作は「こんな柴舟」と表現)。
  • 高杉晋作が演じた屋代島(周防大島)での幕府艦隊との海戦の勝利。
  • 幕末の新しい学問や技術は諸藩の相互競争の上に立って進行。その好対照が中国。
  • 帝国の北洋艦隊定遠鎮遠)は世界でも第一級。
  • 日本の集団の歴史は独裁者の存在をゆるさない。常に批判勢力を抱き込んでいる。
  • 「ちかごろあることで腹が立っている」(昭和46年5月当時の司馬が何に腹を立てていたかは不明)

行程

この稿も「話がどうも街道から外れてゆき、“えんぜつ”になってしまう」と述懐。なかなか初夏の長州路の花鳥風月をたたえる旅にはならない。

登場人物

歴史上の出来事

地名

湯田

話題

  • 下関から山口までの丘陵に広がる緑一色の風景
  • 湯田温泉松田屋(現:松田屋ホテル)の温泉
  • 47歳になった司馬は、年齢とともに増える知識が創作力をなくしてゆくことを人間の不幸の一つと考える
  • 松田屋(庭のアカマツの美しさ、夕食で出たサマツ、アズキ入り餅菓子)
  • 司馬は幕末にいたら百姓をしていた
  • 幕末に攘夷主義だった井上聞多鹿鳴館時代に欧化政策を推進したことの理外の理

行程

小倉 → 下関 → 山口(湯田温泉)

登場人物

  • T(詩人)
  • 給仕の婦人
  • 風間完(画家、『花神』の仲間)
  • 酌をしてくれる女

歴史上の人物

地名

  • 湯田
  • 山口市の周辺の赤松山

奇兵隊ランチ

話題

この稿は1971年当時朝日新聞に連載中の『花神』に関連して奇兵隊の話題になる。

行程

山口 → 吉見 → 湯田(湯田温泉到着前に吉見で立ち寄ったドライブイン「奇兵隊」でコーヒーを飲む)

登場人物

  • 芸妓(ネエサマ)
  • 社命で奇兵隊を調べている銀行員の山口県人
  • 吉田智朗(神戸湊川神社の宮司)
  • 長生俊良(朝日新聞の大阪の編集委員をしていた)
  • 青木正児(『奇兵隊の書物』)

歴史上の人物

地名

瑠璃光寺など

津和野から益田へ

吉田稔麿の家

Related Articles

Wikiwand AI