驚き (ヴァトーの絵画)
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| フランス語: La Surprise 英語: The Surprise | |
| 作者 | アントワーヌ・ヴァトー |
|---|---|
| 製作年 | 1718年ごろ |
| 素材 | 板上に油彩 |
| 寸法 | 36.4 cm × 28.2 cm (14.3 in × 11.1 in) |
| 所蔵 | J・ポール・ゲティ美術館、ロサンゼルス |
『驚き』(おどろき、仏: La Surprise、英: The Surprise)は、18世紀フランス・ロココ期の巨匠アントワーヌ・ヴァトーが1718年ごろ、キャンバス上に油彩で制作した絵画である。現在、ロサンゼルスのJ・ポール・ゲティ美術館に所蔵されている[1]。絵画は、メッツェッティーノ (18世紀に流行した演劇の登場人物) の格好をした男性のギター奏者が抱き合う男女を見ている姿を表わしており、前景の小さな犬もこの情景を見つめている。作品は、ヴァトーが繰り返し描いた登場人物を用いているのに加え、フランドル・バロック絵画の影響を示している[1]。
日没時の緑豊かな公園で、若い女性が髪の乱れた男性の熱烈な抱擁に身を任せている。エネルギー溢れる、遠心的なポーズで巻きつく恋人たちは、同じ岩の上に座っている、もう1人の人物メッツェッティーノのことは忘れている。伝統的即興喜劇「コンメディア・デッラルテ」から採られたこの人物は、男女の抑制のきかない情熱を引き立てる悲しい存在である。彼は内向きで憂鬱そうにギターを調弦しているが、奏でている音楽が恋人達には何の意味もなく、ただ彼らを見つめる自身の孤独感を高めるだけであることを知っている[1]。

彼が身に着けている赤いジャケット、黄色い切込みの入った、青いリボン付きの膝丈の半ズボン、レースとカフスは、ヴァトーと同じフランドル出身の画家アンソニー・ヴァン・ダイクの作品を想起させる。画面下部右側の小さな犬は同じくフランドルの画家ピーテル・パウル・ルーベンスの作品から借りてきたもので、メッツェッティーノよりずっと楽しそうに男女を見つめている[1]。
本作は、ロサンゼルス・カウンティ美術館蔵の『完璧な調和』の対作品となっている。両作品とも本来、ヴァトーの友人の二コラ・エナン (Nicolas Hénin) が所有していたものであるが、両作品のエングレービングを制作したエナンの相続者により別々に売却された。本作は1770年から1848年までと、1848年から2007年まで行方がわからなくなっていた。2008年5月になってようやく、鑑定家が別の作品を鑑定するためにイギリスの田舎の邸宅を訪れた際、再発見されるにいたったのである[2] 。そして、作品の価値と重要性がわからなかった一家に、1848年以来所蔵されていたことが判明した[3]。本作は、2008年7月8日にロンドンのクリスティーズの競売で1,500万ユーロで売却された[4]。