ジェルサンの看板

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製作年1720-1721年
寸法163 cm × 308 cm (64 in × 121 in)
『ジェルサンの看板』
ドイツ語: Gersaints Ladenschild
英語: L'Enseigne de Gersaint
作者アントワーヌ・ヴァトー
製作年1720-1721年
素材キャンバス上に油彩
寸法163 cm × 308 cm (64 in × 121 in)
所蔵シャルロッテンブルク宮殿ベルリン

ジェルサンの看板』(ジェルサンのかんばん、: Gersaints Ladenschild: L'Enseigne de Gersaint)は、18世紀フランスロココ期の巨匠アントワーヌ・ヴァトーキャンバス上に油彩で制作した絵画である。現在、ベルリンシャルロッテンブルク宮殿に所蔵されている[1]。ヴァトーが死去する前の1720-1721年に制作され[2]、彼の最後の重要な作品と見なされている。画商エドム・フランソワ・ジェルサン英語版の店の看板として描かれた[3]ダニエル・ロッシュ英語版によれば、この絵画は画商にとってよりも画家自身の宣伝になった。

18世紀のフランスでは、街路に沿った店舗の入り口に、その業種がわかるような看板絵を掲げる習慣があった。本作の題名にある「ジェルサン」とは、画商シロワの娘婿の名である。彼自身、ヴァトーの作品を最も多く取り扱った画商であった[1]。絵画は、ジェルサンの混雑した店の大きさを誇張している。実際の店は、小さな奥の部屋がある常設のブース以上のものではなかった。パリの中心にある、中世ノートルダム橋上に設けられ[1]、ジェルサンが美術品や高級な品々を貴族の顧客に売却することで流行を生み、追っていた。

男女が『ルイ14世の肖像』の箱詰めを見つめる。

本作は元来、1枚のキャンバスに描かれたもので、店の顧客と従業員を表している。画中の絵画が上流階級の人々の批評に晒されている。当時の上流階級の男性の服装は女性に劣らず優美で、男性もかつらを着けていた[1]。登場人物は、ヴァトーの親しい人々とされる。左側で店員が『ルイ14世肖像』を箱詰めしている間、中央の若い男性が店の敷居をまたぐ女性に手を差し伸べている。画面右寄りでは年老いた夫婦が楕円形の絵画を吟味中で、それは当時好まれた裸婦が登場する神話画となっている。右端には、接客をしているジェルサン夫妻が見える。夫妻の前で鏡を見ている、良い身なりの客は、後にヴァトーの画集を出版した彼の庇護者のジャン・ド・ジュリエンヌ英語版とその妻である。なお、中央の人物は、ヴァトー本人との説もある[1]

一般に、本作は、貴族文化の変化に対して言及したものと解釈されている。その変化とは、ルイ14世の死後、ルイ15世が即位するまで摂政を務めた、より性的に放縦なオルレアン公フィリップ2世の治世 (1715-1723年) に起こったものである。ピエール・ミニャール作の逝去した『ルイ14世の肖像』が箱詰めにされているのは、ルイ14世の体制が終焉したことを暗示している。

現在、本作は2つの別個の部分から成り立っている。画面上部は、1720-1732年の間に知られていない画家によって追加され、元来アーチ型であったものが長方形に変えられた。ヴァトーはおそらく、ジェルサンの店の入り口全体が建て直された1720年の春に絵画を描いている。ヴォグテール (Vogtherr) およびヴァンデール・ド・カリス (Wenders de Calisse) の2007年の発表によれば、絵画は本来、店入り口の上部にあった丸い部分を覆っていたという。店が建て直された1720年の春が絵画の一番妥当な制作時期なのである。

来歴

ヴァトーは「指が冷える」から作業が必要であると嘆き、自ら、ジェルサンに本作を描かせてもらうように頼み込んだ[4]。作品は店に15日間置かれただけで、売れてしまったために看板として使用されることはなかった[1]。その買い手はクロード・グリュック (Claude Glucq) で、次いでヴァトーの庇護者であったジャン・ド・ジュリエンヌに取得された[4][5]。1732年には、ヴァトーの構図を版画用に拡大したジャン=バティスト・パテルの小さなヴァージョンにもとづいて、エングレービングが制作された。結果として、プロイセン国王フリードリヒ2世の関心を引き、王は1748年にオランダの画商ピーテル・ボートヘンス (Pieter Boetgens) から本作 (すでに上部が変更されていた) を購入したのである。以降、ドイツに所有されることになり、1748年以降、現在の所蔵地であるベルリンのシャルロッテンブルク宮殿に展示されている。

部分

脚注

参考文献

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