マーモットを抱えたサヴォワ人
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| ロシア語: Савояр с сурком 英語: Savoyard with a Marmot | |
| 作者 | アントワーヌ・ヴァトー |
|---|---|
| 製作年 | 1716年 |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 40.5 cm × 32.5 cm (15.9 in × 12.8 in) |
| 所蔵 | エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク |
『マーモットを抱えたサヴォワ人』(マーモットをかかえたサヴォワじん、露: Савояр с сурком、英: Savoyard with a Marmot)は、18世紀フランス・ロココ期の巨匠アントワーヌ・ヴァトーが1716年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。サヴォワからやってきた旅回りの音楽家・語り手をオーボエ、マーモットとともに描いている。1774年以前にロシア皇帝エカチェリーナ2世のコレクションに入った作品で[1]、現在、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に所蔵されている[1][2][3][4]。
当時の版画から、この絵画は現存しない『糸紡ぎ女』の対作品であったことが分かっている。どちらの作品でも視点は低く取られ、鑑賞者はモデルと直接向かい合っているような印象を受ける。結果として、それが作品に親密な雰囲気を与えている[3]。
サヴォワ人は当時、貧しさの代名詞とされ[3]、日銭を稼ぐ旅回りの見せ物や祭で動物を使うことで知られていたが、そうした動物は「帽子から運勢の書かれたカードを引くことで」占いをするように訓練されていた。ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの『マーモット少年の歌 (Lied des Marmottenbuben)』[1]と『二人の小さなサヴォワ人』には、このことが記述されている[4]。
イリス・ラウターバッハによれば、「ヴァトーの絵画には、肉体的欲望への暗示に事欠かない...たとえば『マーモットを抱えたサヴォワ人』には、顔に明るい笑みを浮かべ、檻の上のマーモットを連れている芸人が冬の情景の中に登場している。オーボエを立てて、彼はマーモットを躍らせているが、それは当時よく知られた比喩だったのである」[5]。
また、風俗の研究から、「マーモット」という語が女性を象徴することを突きとめ、この作品を性的に解釈する試みもある。しかし、ヴァトーがしばしば単身像に込めた人間存在に対する共感をこそ、本作に見るべきであろう[3]。本作を所蔵しているエルミタージュ美術館では、しばしば本作がサヴォワ人の疎外と孤独を表していると述べている。サヴォワは貧しい土地であり、そこを後にして移民してきた人々は、社会の底辺の人々であったのである[1]。