舞踏会の喜び
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| フランス語: Les Plaisirs du Bal 英語: The Pleasures of the Ball | |
| 作者 | アントワーヌ・ヴァトー |
|---|---|
| 製作年 | 1715–1717年ごろ |
| 素材 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 52.5 cm × 65.2 cm (20.7 in × 25.7 in) |
| 所蔵 | ダリッジ・ピクチャー・ギャラリー、ロンドン郊外 |
『舞踏会の喜び』(ぶとうかいのよろこび、仏: Les Plaisirs du Bal、英: The Pleasures of the Ball)は、18世紀フランス・ロココ期の巨匠アントワーヌ・ヴァトーが1715-1717年ごろにキャンバス上に油彩で制作した絵画で、画家の雅宴画の1つである。1811年にブアジュワー (Bourgeois) 氏から遺贈されて以来[1]、ロンドン近郊のダリッジ・ピクチャー・ギャラリーに所蔵されている[1][2]。
ヴァトーは雅宴画で最もよく知られている。雅宴画に登場する人物たちは、理想化された夢のような公園で戯れたり、恋愛のゲームに興じたりしている[1]。

優雅な集いが表されている本作の中央には、メヌエットを踊っている男女がいる。メヌエットは人気ある、凝った貴族のダンスである[1]。国王ルイ14世の時代、ヴェルサイユ宮殿では数多くの舞踏会が開かれたが、メヌエットは宮廷舞踏会の花形といえるものであった。一度に一組の男女だけが踊り、その間、ほかの人々は2人のダンスを鑑賞する[2]。ちなみに、ヴァトーは、メヌエットを『田舎の踊り』 (個人蔵) [2]や『羊飼いたち』 (シャルロッテンブルク宮殿、ベルリン) [3]にも描いている。
画面には、色とりどりの衣装に身を包んだ60人以上の人物による華やかな舞踏会の様子が描かれている[2]。画面両側にいる人々の集団は会話や遊びを楽しんでいるが、彼らに見て取れる様々なポーズ、仕草、表情は、ヴァトーが視線や頭部の向きにより、人々の複雑なやり取りを示唆する技術を持っていたことを証だてる[1]。また、衣装の描写には、ヴァトーが得意とした、絹地の光沢をつややかに表現する技術が遺憾なく発揮されている[2]。
本作を含む雅宴画はしばしば、コンメディア・デッラルテと呼ばれたイタリア演劇に登場する人物たちを描いている[1]。画面左側のコンメディア・デッラルテの人物たちの中には、ピエロとアルルカンがいる。「悲しい道化師」ピエロは奥におり、白い服を纏い、丸い帽子を被っている。彼の隣のアルルカンはいわゆる「詐欺師」で、特徴的な茶色の、髭付きの仮面を被っている。その仮面は、演劇におけるブラックフェイスの初期の例として特定化されている。仮面はまた、近代初期のヨーロッパの視覚文化において、コンメディア・デッラルテが人種差別的ステレオタイプを定着させるのに果たした役割を象徴する。白人が圧倒的多数を占める群衆の中には、黒人が2人見える。1人の少年が右側前景で扇を使っている2人の婦人の肩越しに覗き見をしているが、足元近くに犬のいる女性 (青いドレスを着ている) の探すような視線を見つけたようである。右側のバルコニーの高いところにいる、ターバンを巻いた男性は下のお祭り騒ぎを見下ろしている。前景にいる小さな犬はおそらく、その男性に気づいたようである[1]。