コシャマイン記
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あらすじ
巫女カピナトリは謡う。日本人からの迫害に対して蜂起し勇猛で知られたセタナ部落の酋長の血統は、何度もだまし討ちに合い、幼きコシャマインとその母を残してすべて滅びた。アイヌの英雄コシャマインにあやかった名前をもつ彼は祖先の思いを胸に、同族をまとめあげ再起するために各地を放浪し逞しく成長していく。しかしまとまるどころか同族同士で争い合い、信頼できる仲間は倒れ、そして多くの同胞は立ち向かう気概をすでに失っていた。失意のコシャマインは妻と老いた母と共にひっそりと暮らしていたが、あるきっかけで日本人と親しくなり心を許し酒を酌み交わす。そして祖先と同じようにだまし討ちに合い、その生涯を終える。
芥川賞の受賞について
林房雄によって菊池寛に推薦されたことで芥川賞の候補にあげられた[3]。
昭和11年上半期芥川賞の銓衡委員は、菊池寛、久米正雄、山本有三、佐藤春夫、谷崎潤一郎、室生犀星、小島政二郎、佐佐木茂索、瀧井孝作、横光利一、川端康成の11名で、候補作としては高木卓「遣唐船」、北条民雄「いのちの初夜」、鶴田知也「コシャマイン記」、小田嶽夫「城外」、横田文子「白日の書」、緒方隆士「虹と鎖」、打木村治「部落史」、矢田津世子「神楽坂」の8編が挙げられた[4]。
1936年(昭和11年)8月10日の芥川・直木賞両賞委員総会で受賞作は「コシャマイン記」と小田嶽夫の「城外」の2作品に決定、「コシャマイン記」に関しては菊池寛によれば「殆んど満場一致で入選した」とのことである[4]。
書籍
- 『コシヤマイン記 - 他六篇』改造社、1936年、国立国会図書館書誌ID:000000713896
- 『コシャマイン記』みやま書房、1976年、国立国会図書館書誌ID:000001351135
- 『コシャマイン記 (現代名作児童版)』日本文學社、1939年、国立国会図書館書誌ID:027235382
- 『コシャマイン記・ベロニカ物語 - 鶴田知也作品集』講談社〈講談社文芸文庫〉、2009年、ISBN 978-4-06-290044-7