市川沙央
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2012年春学期に八洲学園大学へ特修生入学し、2013年4月から正科生となる[2]。
2019年、早稲田大学人間科学部eスクール人間環境科学科に入学[3]。卒業論文「障害者表象と現実社会の相互影響について」で小野梓記念学術賞を受賞[4]。
2023年、「ハンチバック」で第128回文學界新人賞を受賞し小説家デビュー[5]。同作で第169回芥川龍之介賞受賞[6]。
2025年、『ハンチバック』の英訳版"Hunchback"が国際ブッカー賞のロングリストにノミネートされた[9]。同年、同作のフランス語訳が、フランスの文学賞メディシス賞の外国小説部門で最終候補7作品の中に選ばれた[10][11]。2026年、『ハンチバック』の英訳版が全米批評家協会賞のジョン・レナード賞最終候補となった[12]。
人物
神奈川県大和市に在住し、大和市内の小中学校を卒業した[7]。
筋疾患先天性ミオパチーにより症候性側弯症を罹患し、人工呼吸器と電動車椅子を常用する[13]。芥川賞の授賞式では電子書籍のさらなる普及など「読書バリアフリー」の推進を訴えた[14]。また7つ上の姉も同じ病気であることを明かしている[15]。
療養生活のため就職が難しいことから小説家を志した。20代から20年以上にわたり、コバルト・ノベル大賞他、女性向けライトノベルやSF、ファンタジーの賞に応募を続けた。コバルト編集部からは受賞には至らなかったものの、『類い稀な才能がほとばしっている』という絶賛する電話連絡があったことから自信を持ち、応募を続けたが最大の自信作が落選しことから心が荒み、この感情をぶつけるには純文学しかないだろうと書き上げた作品がハンチバックであった[13]。Web小説投稿サイトカクヨムにもプレオープン期から投稿している。
行き詰まったときはピアノを弾き、「ハンチバック」の執筆中はショパンの『雨だれ』をよく弾いた[13]。
大江健三郎、島田雅彦、若木未生への私淑を公言している[16]。
「10代半ばから月刊『正論』読者」であると明かし、「(自身がマイノリティの権利を訴えただけで)こいつは反日だの、左の活動家だのと、ずいぶん皮相浅薄なことを言ってくるものだと悲しくなった」、「バリアフリーには右も左もない」としている[17]。
執筆活動
単行本
小説
- 『ハンチバック』(文藝春秋、2023年6月、ISBN 978-416391-712-2 / 文春文庫、 2025年10月、ISBN 978-416792-425-6)
- 『女の子の背骨』(文藝春秋、2025年9月、ISBN 978-416392-021-4)[20][21]
- 「オフィーリア23号」 - 『文學界』2024年5月号
- 「女の子の背骨」 - 『文學界』2025年1月号
アンソロジー収録
外国語訳
- Hunchback(『ハンチバック』、英語、Hogarth、Polly Barton、2025年3月)
- Hunchback(『ハンチバック』、ドイツ語、Ecco、Katja Busson、2025年4月)
- LA BOSSUE(『ハンチバック』、フランス語、EDITEUR GLOBE、Patrick Honnoré、2025年9月)
文庫本の巻末の解説
単行本未収録作品
小説
連載中
- 「良心的兵役拒否」(連作)
- 「洒落た文句に振り返りゃ」 - 『新潮』2025年1月号
- 「ママ」 - 『新潮』2025年4月号
- 「風船のパパ」 - 『新潮』2025年7月号
- 「ビネガー・シンドローム」 - 『新潮』2026年1月号
- 「誰が殺したクックロビン」 - 『新潮』2026年5月号
短編
- 「トロイメライのみる夢は」[22] - note「さざなみs」 2018年7月11日公開
- 「音の心中」 - 『GOAT』2024 Autumn(小学館、第1号、2024年11月)
- 「悪のロール」 - 『GOAT』2025 Summer(小学館、第2号、2025年6月)
- 「明日には転生してる。」-『アンデル』(中央公論新社、第3号、2026年3月)
掌編
- 「運」 - 『文學界』2025年8月号
- 「Pow(d)er」 - 初出:『BRUTUS』2025年8月15日号、のちに『文學界』2025年11月号に再掲された。
エッセイ・寄稿
- 「破壊と共生の王の死」 - 『ユリイカ』2023年7月号 大江健三郎追悼号
- 「みんな鹿の夢をみればいいのに——エニェディ・イルディコー『心と体と』に寄せて」 - 『季刊福祉労働』174号
- 「前世の記憶」[23] - 『文學界』2023年9月号
- 「芥川賞、この得体の知れない怪物」[24] - 『朝日新聞』デジタル版に2023年8月9日配信
- 「コードネームは「落選」」[25] - 『沖縄タイムス』2023年8月10日朝刊文化22面
- 「芥川賞なる怪物・鵺、挑み続けて」- 『朝日新聞』2023年8月13日朝刊(8月9日にデジタル版で配信された物を改題)
- 「芥川賞を受賞して 匂い立つ紙の本の記憶」[26] - 『毎日新聞』2023年8月17日東京夕刊
- 「右も左もない「読書バリアフリー」」[17] - 『産経新聞』2023年8月23日
- 「オレンジ色のニクい奴」 - 『小説トリッパー』2023年秋季号
- 「不自由だけど好き自由に生きてきた」[27] - 『婦人公論』2024年1月号
- 「三島由紀夫の文 「ドルヂェル伯の舞踏会」」 - 『新潮』2025年2月号
- 「奪われた「共生」の言葉」[28] - 『朝日新聞』2025年9月4日
- 「アルコーヴの思い出」 - 『文學界』2026年5月号
散文
- 「嘘予告(ホントも混じる)カウントダウン」- note「さざなみs」(全17回)[29]
書評
- 「私を作った書物たち」(全4回)『読売新聞』にて連載
- (1)タイトル不明 - 2023.10.1(日)全国版東京朝刊25頁
- (2)「「魂」の文学…」 - 2023.10.15(日)全国版東京朝刊書評C21頁
- (3)「エンタメ志向期のお手本」 - 2023.10.22(日)全国版東京朝刊書評C11頁 (『モンテ・クリスト伯』)
- (4)「忘却と絶望に抗い、書く」 - 2023.10.29(日)全国版東京朝刊書評C9頁
- 「私の書棚の現在地」(連載完結)
- 「すべり坂に突き落とされてゆく私たち」(土屋葉編『障害があり女性であること : 生活史からみる生きづらさ』ほか) - 『新潮』2024年2月号
- 「ファウストは加速主義か、否か」(田中岩男『鴎外と『ファウスト』――近代・時間・ニヒリズム』) - 『新潮』2024年5月号
- 「安吾探偵は人間を見抜く」(坂口安吾『安吾探偵事件帖 事件と探偵小説』ほか) - 『新潮』2024年9月号
- 「作家は行間に棲んでいる」(ステファン・テメルソン『缶詰サーディンの謎』ほか) - 『新潮』2024年12月号
- 「善くする者らの足あと」(柳広司『パンとペンの事件簿』ほか) - 『新潮』2025年3月号
- 「遍在するオルタナティブな支配者」(鈴木光司『ユビキタス』) - 『新潮』2025年6月号
- 「家族の光と闇について」(渡部昇一『渡部昇一の快老論』ほか) - 『新潮』2025年9月号
- 「終わりのない抗いのために」(W・フォークナーほか、石塚久郎訳『障害文学短編集』) - 『新潮』2025年12月号
- 「共有してくっつくこと」(朝比奈秋『サンショウウオの四十九日』)[30] - 『波』2024年8月号
- 「異世界転生は殖民論の夢をみる――『大転生時代』論」[31](島田雅彦『大転生時代』) - 『文學界』2024年10月号
- 「今週の本棚・なつかしい一冊」[32](『新装版 ロードス島戦記 灰色の魔女』安田均・原案、水野良・著)『毎日新聞』2026年1月31日東京朝刊