乳と卵
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芥川賞候補にもなったデビュー作『わたくし率イン歯−または世界』の第2作に当たる。本作は『文學界』2007年12月号に中編小説として掲載され、2008年に芥川賞を受賞した。同年の『文藝春秋』3月特別号に再掲された。
樋口一葉の影響を色濃く残す、改行なしで読点によって区切られ、延々と続く文体が特徴的である。芥川賞選考委員の池澤夏樹は本作の選評で「文章がよい。読んでいて声が聞こえてくるような、なめらかな大阪弁がらみ、それでいて抑制が効いた文体だった。また、母に対して口を利かない娘、その壊れた母娘が東京に来て母の妹と暮らし、最後は娘が口を利くようになり大阪に帰るというカタルシスにいたるまでの、短編としての構造が巧みだった」と絶賛した。
また、川上はブログ「純粋悲性批判」(外部リンク参照)で、たびたび本作の解説をしている。