マルコフ性 From Wikipedia, the free encyclopedia マルコフ性(まるこふせい、(英: Markov property)は確率過程が持ちうる「現在状態が明らかなら、未来状態は過去履歴から独立して予測される」という性質である[1]。 マルコフ性は確率過程が持ちうる特性の一種で「過程の将来状態の条件付き確率分布が、現在状態のみに依存し、過去のいかなる状態にも依存しない」ことをいう(⇒ #定義)。すなわち、過去の状態が与えられたとき、現在の状態(過程の経路)は条件付き独立である。 この性質はロシア人数学者のアンドレイ・マルコフにちなんで名付けられた。 マルコフ性のもつ確率過程はマルコフ過程と呼ばれる。マルコフ過程で最も知られているのはマルコフ連鎖だが、他にも様々な過程があり、ブラウン運動もマルコフ性を有する[2]。 定義 口語的定義 次の性質はマルコフ性と定義される[1]: 「現在状態が明らかなら、未来状態は過去履歴から独立して予測される」 確率論的定義 確率過程 X ( t ) {\displaystyle X(t)} が次の条件を満たすとき、この確率過程はマルコフ性を持つ: P r [ X ( t + h ) = y | X ( s ) = x ( s ) , ∀ s ≤ t ] = P r [ X ( t + h ) = y | X ( t ) = x ( t ) ] , ∀ h > 0. {\displaystyle \mathrm {Pr} {\big [}X(t+h)=y\,|\,X(s)=x(s),\forall s\leq t{\big ]}=\mathrm {Pr} {\big [}X(t+h)=y\,|\,X(t)=x(t){\big ]},\quad \forall h>0.} 派生概念 斉時的 この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)出典検索?: "マルコフ性" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2025年2月) 以下が成り立つマルコフ過程を「斉時的; time-homogeneous」であるという。 P r [ X ( t + h ) = y | X ( t ) = x ] = P r [ X ( h ) = y | X ( 0 ) = x ] , ∀ t , h > 0 , {\displaystyle \mathrm {Pr} {\big [}X(t+h)=y\,|\,X(t)=x{\big ]}=\mathrm {Pr} {\big [}X(h)=y\,|\,X(0)=x{\big ]},\quad \forall t,h>0,} そうでない場合は「非斉時的; time-inhomogeneous」であるという。斉時的マルコフ過程は一般に非斉時的過程よりも単純であり、マルコフ過程の中でも最も重要なクラスである。 高階マルコフ過程 この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)出典検索?: "マルコフ性" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2025年2月) 実際にはマルコフ過程でないものを「現在」状態や「将来」状態の概念を拡張することでマルコフ過程的に表現することもある。例えば、X が非マルコフ過程であるとする。ここで、X における状態間の時間間隔を過程 Y の各状態とする。これを数式で表すと次のようになる。 Y ( t ) = { X ( s ) : s ∈ [ a ( t ) , b ( t ) ] } . {\displaystyle Y(t)={\big \{}X(s):s\in [a(t),b(t)]\,{\big \}}.} Y がマルコフ性を持つ場合、それは X のマルコフ的表現となる。この場合 X を二階マルコフ過程(second-order Markov process)と呼ぶ。高階マルコフ過程も同様に定義される。 非マルコフ過程のマルコフ的表現の例として、移動平均を時系列に並べた移動平均線がある。 脚注 [脚注の使い方] 出典 1 2 "現在の状態がわかったという条件のもとでは,未来の状態は過去の履歴とは独立に予測される,この性質はマルコフ性といわれている." 以下より引用。岡部, 靖憲 (1973). "正規過程のマルコフ性と局所性について". 数学. 25 (3): 266–272. doi:10.11429/sugaku1947.25.266。 ↑ Le Gall, Jean-François (2016). Brownian Motion, Martingales, and Stochastic Calculus. Springer Cham. pp. 153-154. https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-319-31089-3 関連項目 確率論 確率過程 マルコフ過程 マルコフ連鎖 マルコフ再生過程 マルコフ決定過程 アンドレイ・マルコフ マルコフ連鎖モンテカルロ法 表話編歴確率論確率の歴史 アンドレイ・コルモゴロフ トーマス・ベイズ アンドレイ・マルコフ ジョゼフ・L・ドゥーブ 伊藤清 確率の定義 客観確率 統計的確率 古典的確率 公理的確率 主観確率 ベイズ確率 確率の拡張 外確率 負の確率 基礎概念 モデル 試行 結果 事象 標本空間 確率測度 確率空間 確率変数 確率変数の収束 確率分布 離散確率分布 連続確率分布 同時分布 周辺分布 条件付き確率分布 独立同分布 関数 確率質量関数 確率密度関数 累積分布関数 特性関数 用語 独立 期待値 モーメント 条件付き確率 条件付き期待値 確率の解釈 ベルトランの逆説 3囚人問題 モンティ・ホール問題 サンクトペテルブルクのパラドックス 合接の誤謬 ギャンブラーの誤謬 問題 壺問題 クーポンコレクター問題 法則・定理 ベイズの定理 大数の法則 中心極限定理 コルモゴロフの0-1法則 デ・フィネッティの定理 ウィーナー=ヒンチンの定理 測度論 確率測度の拡張 カラテオドリの拡張定理 E.ホップの拡張定理 コルモゴロフの拡張定理 ヴィタリの収束定理 優収束定理 ラプラス原理 スコロホッドの表現定理 確率微分方程式 伊藤の補題 確率過程 独立増分過程 定常過程 マルチンゲール マルコフ過程 マルコフ性 マルコフ連鎖 マルコフ決定過程 部分観測マルコフ決定過程 マルコフ再生過程 ウィーナー過程 ブラウン運動 幾何ブラウン運動 非整数ブラウン運動 ベルヌーイ過程 ガウス過程 自己相似過程 経験過程 中華料理店過程 オルンシュタイン=ウーレンベック過程 情報量 最大エントロピー原理 交差エントロピー 結合エントロピー カルバック・ライブラー情報量 相互情報量 応用 数理ファイナンス ブラック–ショールズ方程式 確率的ボラティリティモデル 系統学 ベイズ法 カテゴリ Related Articles