佐藤亜紀
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佐藤 亜紀 (さとう あき) | |
|---|---|
| 生誕 |
1962年9月16日(63歳) |
| 職業 | 作家 |
| 最終学歴 |
成城大学文芸学部卒業 成城大学大学院文学研究科博士前期課程修了 |
| 活動期間 | 1991年 - |
| 代表作 |
『天使』(2002年) 『ミノタウロス』(2007年) 『喜べ、幸いなる魂よ』(2022年) |
| 主な受賞歴 |
日本ファンタジーノベル大賞(1991年) 芸術選奨新人賞(2002年) 吉川英治文学新人賞(2007年) 読売文学賞(2022年) |
| デビュー作 | 『バルタザールの遍歴』(1991年) |
| 配偶者 | 佐藤哲也 |
佐藤 亜紀(さとう あき、1962年9月16日 - )は、日本の小説家。新潟県栃尾市(現長岡市)出身。
夫は、1993年に『イラハイ』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞した佐藤哲也。
栃尾市立栃尾中学校、新潟県立長岡大手高等学校を経て成城大学文芸学部卒業。同大学院文学研究科博士前期課程(修士課程)修了。専攻は18世紀美術批評。大学院修了後の1988年 - 1989年にはロータリー財団奨学金を得て、フランスに留学。
1991年、『バルタザールの遍歴』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。以後『戦争の法』『鏡の影』などの作品を主に新潮社より発表するが、1999-2000年頃に『鏡の影』が絶版になると、著書の版権を引き上げ同社との関係を断つ(詳細は後述)。
2002年に5年ぶりの長編『天使』を上梓し、第53回芸術選奨新人賞(平成14年度)受賞[1]。2004年にはその『天使』の姉妹編である『雲雀』、2006年には初の評論集となる『小説のストラテジー』を刊行した。2007年刊行の『ミノタウロス』は高い評価を受け、第29回吉川英治文学新人賞、2007年「本の雑誌が選ぶノンジャンルのベストテン」1位を受賞した。2022年、『喜べ、幸いなる魂よ』で第74回読売文学賞受賞[2]。
1999年から2005年まで早稲田大学文学部文芸専修の講座において、小説の創作指導を担当(2002年4月以降は客員教授)。2007年4月より明治大学商学部特別招聘教授として「特別講義」を実施。2008年、2009年にも5月から5回の特別講義を実施した[3]。
人物
好きな日本の作家として篠田節子、笙野頼子、奥泉光を挙げている。近代西洋文学においてはヴォルテール、ドゥニ・ディドロ、マルキ・ド・サド、ジョージ・メレディス、ウィリアム・メイクピース・サッカレー、フョードル・ドストエフスキーらの一部作品を好む[5]。20世紀の文学に関しては、自身のウェブサイトで「二十世紀ベスト」として、ギルバート・キース・チェスタトン、ウラジーミル・ナボコフ、イーヴリン・ウォー、ロベルト・ムージル、ヨーゼフ・ロート、ヴォルフガング・ヒルデスハイマー、リチャード・パワーズ、トーマス・ベルンハルト、ブレット・イーストン・エリスらの一部作品を挙げている[6]。
山田正紀に対しては「四半世紀前に『神狩り』を読んだ時既に終ってると感じられた作家」、小松左京に対しては「二百万死のうと三百万死のうと人類の進歩と調和の前では無、な小松左京的粗野」とコメントしている[7]。
筒井康隆、小林恭二、堀晃、薄井ゆうじとの5名で、「JALInet」(JAPAN LITERATURE net)を発起人として立ち上げている[8]。比較的早い段階から自身の公式サイトを開設しており[9]、いくつかのSNSにおいてもオフィシャルにアカウントを持っている[10]。
新潮社との関係途絶の経緯
佐藤は2000年までに新潮社から3冊の著書(『バルタザールの遍歴』、『戦争の法』、『鏡の影』)を出していた[11]。このうち『鏡の影』は同社から1993年に刊行された。平野啓一郎の「日蝕」は1998年に同社の雑誌〈新潮〉に発表された[12]。
佐藤によれば新潮社は、1998年12月に『鏡の影』を絶版とした。1999年3月には『戦争の法』の文庫版を絶版としながら、同社は佐藤にその事実を連絡せず、1994年4月には佐藤が当時執筆していたウィーン会議を題材とした作品[13]の〈新潮〉掲載について「載せる余地がないので掲載は不可能」として掲載約束を反故にしたという。その後、佐藤は3冊の著書の版権を引き上げることを申し入れたため、『バルタザールの遍歴』も2000年春に絶版となった。同年に佐藤は「今後、新潮社とはいかなるビジネスもしない」と述べている[11][14]。
佐藤によれば、『鏡の影』が新潮社によって絶版とされたのは、「日蝕」が芥川賞候補になってから間もなくであったという。この絶版のタイミングについて佐藤は、同書と「日蝕」が読み比べられることを避けるために絶版とされたのだと「考えたくもなります」と述べているものの、『鏡の影』および雑誌掲載時点での「日蝕」の各々から抜粋して比較対照できそうな箇所はない、と2000年に述べている[11]。
この件はネットやゴシップ雑誌などで盗作疑惑として取り上げられた[15]。佐藤も「ぱくり」「習作段階での補助輪」といったのであり「盗作」とはいっていない、また『鏡の影』と『日蝕』は酷似したプロットである以外はまったく異なる性格を持った作品ではあると主張[16]、違法性のある盗作という言及の仕かたはしていない。
平野は2006年9月のブログにおいて、『日蝕』が1999年に芥川賞を受賞した後に佐藤が『日蝕』について朝日新聞に発表した短い書評を読んだのが佐藤の存在を初めて知った機会であったとしている[17]。平野は2006年9月なかばの時点で佐藤の小説を1行も読んだことがなく、読む意志もなく、佐藤についても関心がないので「『盗作』云々は、あり得ない話である」と述べている。佐藤のウェブサイトに「『日蝕』が佐藤の作品の“ぱくり”である」との佐藤の見解が掲載されていると平野は主張し、“ぱくり”は「盗作」と「要するに同じことである」との解釈を述べたうえで、自身は「『盗作』という屈辱的なレッテルを貼られた」と平野は述べている[18][19]。
佐藤は2011年1月のブログにおいて、『鏡の影』の連続的な一部分と『日蝕』の「プロットの流れがほぼ一致していることを示すための」表を示したあと、「プロットの借用自体は格別問題はない」としつつ、「しかし『日蝕』の作者が濡れ衣を着せられたと嘘を吐いたことは相当に問題だと、今も考えている。私の現在の見解を申し上げるなら、彼は盗作者ではもとよりないが、平気で嘘を吐く男ではある」と批判している[20]。
著作リスト
文学賞関連
- 第三回ファンタジーノベル大賞 (大賞受賞作『バルタザールの遍歴』)[24]
- 〈小説新潮〉1991年9月号、新潮社 ※「受賞のことば」収録
- 第24回SF大賞(候補作『天使』) 選評:高千穂遥・難波弘之・神林長平・川又千秋・巽 孝之 〈SF Japan〉2004年3月 Vol.9、徳間書店
- 芸術選奨文部科学大臣新人賞 文学部門(受賞作「天使」)[1]
- 闘うベストテン2007 【国内編】 『ミノタウロス』 第一位 / 2007年12月16日 ミステリチャンネル ※選考:関口苑生、杉江松恋、福井健太、豊﨑由美、香山二三郎、大森 望
- 第一回プレイボーイミステリー大賞(第3位『ミノタウロス』) 〈PLYABOY〉2008年1月号、集英社 ※選考:大森望・香山二三郎・杉江松恋
- 「本の雑誌が選んだ2007年度ノンジャンルのベスト10」(第1位『ミノタウロス』) 〈本の雑誌〉2008年1月号、本の雑誌社、2007年
- 第29回吉川英治文学新人賞(受賞作『ミノタウロス』)[25]
- 第29回吉川英治文学新人賞 発表 〈群像〉2008年5月号、講談社 ※「受賞のことば」収録
- 第29回吉川英治文学新人賞 選評:浅田次郎・伊集院静・大沢在昌・高橋克彦・宮部みゆき 〈小説現代〉2008年5月号、講談社
佐藤への言及
- 二人の翠をめぐって/矢川澄子:『第七官界彷徨/尾崎翠:ちくま日本文学全集』(1991 筑摩書房 文庫版)
- 所収 『「父の娘」たち/矢川澄子―森茉莉とアナイス・ニン』(1997 新潮社 ISBN 4-10-327803-X)
- 『「父の娘」たち/矢川澄子』 (2006 平凡社ライブラリー ISBN 4-582-76579-3)
- 私が推すいい女〈男性編〉/ 関口照生 自由時間 1994年3月3日号(マガジンハウス)「いい女」 可愛いだけの女はもういらない!
- 恋敵(ライヴァル)を屠りて首夏の乗馬服/猫鮫 朝日新聞 1994年5月7日 夕刊 猿蓑倶楽部/小林恭二
- 話題の「日蝕」で芥川賞を受賞した“京大生作家”平野啓一郎の盗作疑惑/曽我静太郎 噂の真相 2000年6月号
- 盗作疑惑の「日蝕」平野啓一郎の不快 ネタ本の佐藤亜紀に何と警告書 噂の真相 2000年8月号
- 『作家の値うち/福田 和也』(2000 飛鳥新社 ISBN 4-87031-395-2)
- 他人を言い負かしたいだけの人:『考える日々III/池田晶子』(2000 毎日新聞社)※初出:サンデー毎日 2000年上期
- 解説(訳者あとがき)/堀茂樹『第三の嘘/アゴタ・クリストフ』(2002 ハヤカワepi文庫 ISBN 4-15-120016-9)
- 佐藤亜紀の文学的思想/虎谷 瞳 『文献探索2001 文献探索・書誌作成・書誌解説/深井人詩 編 ページ 582 - 590』(文献探索研究会 2002年)
- 哲学と妻とお笑いと:佐藤哲也+豊崎由美 SFマガジン2002年8月号 佐藤哲也小特集(早川書房)
- 著者インタビュー:佐藤哲也先生 アニマ・ソラリス、2003年9月[26]
- 「作家の読書道 第31回:伊坂 幸太郎さん」 Web本の雑誌、本の雑誌社、2004年5月[27]
- 所収:『作家の読書道/web本の雑誌編』(2005 本の雑誌社 ISBN 4-86011-053-6)
- 『文学賞メッタ斬り!/豊崎由美&大森望』(2004 PARCO出版 ISBN 4-89194-682-2/2008 ちくま文庫 ISBN 978-4-480-42413-6)
- 『文学賞メッタ斬り!2008年版 たいへんよくできました編/豊崎由美&大森望』(2008 PARCO出版 ISBN 978-4-89194-774-3)
- 仁木稔『グアルディア』 早川書房、2004年 あとがき ISBN 4-15-208588-6
- 『そんなに読んで、どうするの? -縦横無尽のブックガイド/豊崎由美』(2005 アスペクト ISBN 4-7572-1196-1)
- 『どれだけ読めば、気がすむの/豊崎由美』(2007 アスペクト ISBN 978-4-7572-1358-6)
- 仁木稔『グアルディア(下)』 早川書房、ハヤカワ文庫、2007年 あとがき/文庫版あとがき ISBN 978-4-15-030887-2)
- 『本の本—書評集1994-2007/斎藤美奈子』(2008 筑摩書房 ISBN 978-4-480-81487-6)
- 『「本の雑誌」炎の営業日誌/杉江由次』(2008 無明舎出版 ISBN 978-4-89544-488-0)
- 『読むのが怖い! 帰ってきた書評漫才〜激闘編/北上次郎&大森望』 (2008 ロッキング オン ISBN 978-4-86052-074-8)
- 『盗作の文学史/栗原裕一郎』(2008 新曜社 ISBN 978-4-7885-1109-5)
- 『正直書評。/豊崎由美-ミノタウロス』(2008 学習研究社)
- 『超弦領域 年間日本SF傑作選/日下三蔵&大森望篇 伊藤計劃・扉文/大森望』 (2009 創元SF文庫 ISBN 978-4-488-73402-2)
- 『虐殺器官/伊藤計劃 解説/大森望』 (2010 ハヤカワ文庫 ISBN 978-4-15-030984-8)
- 「世界内戦」とわずかな希望-伊藤計劃『虐殺器官』へ向き合うために/ 岡和田晃 SFマガジン 2010年5月号(早川書房)
- 「金比羅/笙野頼子」解説/ 安藤礼二 (2010 河出文庫 ISBN 978-4-309-41037-1)
- 「伊坂幸太郎を作り上げた100冊/文藝別冊 総特集 伊坂幸太郎(2010 河出書房新社)
- 「世界内戦」下の英雄(カラクテル)—仁木稔『ミカイールの階梯』の戦略」/ 岡和田晃 サブカルチャー戦争「セカイ系」から「世界内戦」へ(2010 南雲堂)
- 「本の寄り道/鴻巣友季子」-小説のストラテジー/ミノタウロス(2011 河出書房新社)
- 「『危険なビジョン』2.0」/ 岡和田晃-戦争の法 / The Indifference Engine (2012 ハヤカワ文庫JA) 伊藤 計劃
- 「世界文学から/世界文学へ 文芸時評の塊 1993-2011 / 沼野充義」-アナトーリとぼく(2012 作品社)