一穂ミチ
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関西大学社会学部卒業[1]後、同人誌で二次創作の小説を書く中で編集者から声がかかり[3]、2007年に『雪よ林檎の香のごとく』(タイトルの由来は北原白秋の短歌)で雑誌デビュー[4]。2008年に書籍化。以後BLジャンルを中心に活躍する[5]。代表作『イエスかノーか半分か』は2020年にアニメ映画化されている[6]。
2021年、『スモールワールズ』で一般小説デビュー[5]。直木三十五賞や本屋大賞など多くの文学賞の候補となり、注目を集める[7]。『スモールワールズ』で第9回静岡書店大賞、第43回吉川英治文学新人賞を受賞[8][9]。
2024年、『ツミデミック』で第171回直木三十五賞を受賞[11]。『光のとこにいてね』で第30回島清恋愛文学賞を受賞[12]。
人物
会社員の傍ら執筆活動をしており[4]、原稿を書いているのは平日では多くて3~5時間程度だという。土日は休みのため出歩かずのんびりしている[13]。
濃く好きなのは小説では川上弘美、三浦しをん、村上春樹。漫画では谷川史子、いくえみ綾、志村貴子。その他にはスピッツとCoccoの歌、ナンシー関のコラム、ダウンタウン、80年代後半~90年代の週刊少年ジャンプ、ファンロード、昔の藤子不二雄アニメ[13]。
"一穂ミチ"というペンネームについては「"穂"という字が、字面も響きも好きなので、それは入れたいなと思いました。実りを連想させる字ですが、とりあえず一冊出してもらえたらいいなの意を込めて"一穂"。"ミチ"は本当に何の由来もなく適当です。こんなに長く使い続ける予定がなかったので、たまに後悔します。たまにね」[13]と語っている。
作風
登場人物を書くときには「誰も否定しないようにしよう」と思ってるという。男性が好きでも兄弟姉妹が好きでも、その気持ちは否定できない大切なもの。どんな人にもその人なりの主張や信念、生きてきた人生がある。それを伝えられればと語っている[14]。
BLについては基本的に濡れ場ありきで書いている。BLは"萌え"という情動が大きな柱だと考えており、ベッドでの彼らを覗き見ることは大切な要素だと語っている[15]。また、BLはハーレクインに近いものがあり、幸せな恋愛、裏切らなさを保証するものだとも思っている。そのため片方が死んだり、ふたりが別れたりは基本的にNG、濡れ場も「受」(挿入される側)の目線から書くことが多いため、相手のことにフォーカスして書く必要があると感じている[16]。
大阪出身で現在も大阪に住むことから「かなしみの中にも笑いがあり、笑いの中にもかなしみがある、という感覚が自分に根付いているように思う」とも語る[4]。
作品
小説
()内は出版年度、挿絵と出版社。
- 雪よ林檎の香のごとく(2008年、竹美家らら、新書館ディアプラス文庫)
- オールトの雲(2009年、木下けい子、新書館ディアプラス文庫)
- 朝から朝まで(2009年、山本小鉄子、幻冬舎ルチル文庫)
- はな咲く家路(2009年、松本ミーコハウス、新書館ディアプラス文庫)
- 藍より甘く(2009年、雪広うたこ、幻冬舎ルチル文庫)
- Don't touch me(2010年、高久尚子、新書館ディアプラス文庫)
- おとぎ話のゆくえ(2010年、竹美家らら、幻冬舎ルチル文庫)
- さみしさのレシピ(2010年、北上れん、新書館ディアプラス文庫)
- 街の灯ひとつ(2010年、穂波ゆきね、幻冬舎ルチル文庫)
- ハートの問題(2011年、三池ろむこ、新書館ディアプラス文庫)
- is in you(2011年、青石ももこ、幻冬舎ルチル文庫)
- アロー(2011年、金ひかる、幻冬舎ルチル文庫)
- シュガーギルド(2011年、小椋ムク、新書館ディアプラス文庫)
- 窓の灯とおく(2011年、穂波ゆきね、幻冬舎ルチル文庫)
- meet,again.(2012年、竹美家らら、新書館ディアプラス文庫)
- off you go (2012年、青石ももこ、幻冬舎ルチル文庫)
- ステノグラフィカ(2012年、青石ももこ、幻冬舎ルチル文庫)
- ムーンライトマイル(2012年、木下けい子、新書館ディアプラス文庫)
- アイズオンリー(2013年、小椋ムク、大洋図書SHY NOVELS)
- ぼくのスター(2013年、コウキ。、幻冬舎ルチル文庫)
- ふったらどしゃぶり When it rains, it pours(2013年、竹美家らら、メディアファクトリーフルール文庫)
- バイバイ、ハックルベリー(2013年、金ひかる、新書館ディアプラス文庫)
- ノーモアベット(2014年、二宮悦巳、新書館ディアプラス文庫)
- アンフォーゲタブル(2014年、青石ももこ、幻冬舎ルチル文庫)
- 甘い手、長い腕(2014年、雨隠ギド、新書館ディアプラス文庫)
- ワンダーリング(2014年、二宮悦巳、新書館ディアプラス文庫)
- ナイトガーデン(2014年、竹美家らら、メディアファクトリーフルール文庫)
- イエスかノーか半分か(2014年、竹美家らら、新書館ディアプラス文庫)
- 青を抱く(2015年、藤たまき、メディアファクトリーフルール文庫)
- 世界のまんなか〜イエスかノーか半分2〜(2015年、竹美家らら、新書館ディアプラス文庫)
- 雪よ林檎の香のごとく 林檎甘いか酸っぱいか[青](2015年、竹美家らら、新書館)
- 雪よ林檎の香のごとく 林檎甘いか酸っぱいか[赤](2015年、竹美家らら、新書館)
- Tonight The Night(2015年、絵津鼓、大洋図書SHY NOVELS)
- さよなら一顆(2015年、草間さかえ、新書館ディアプラス文庫)
- ペーパー・バック 1(2015年、青石ももこ、幻冬舎ルチル文庫)
- ペーパー・バック 2(2016年、青石ももこ、幻冬舎ルチル文庫)
- きょうの日はさようなら(2016年、宮崎夏次系、集英社オレンジ文庫)きょうの日はさようなら 完全版(2025年11月、文春文庫)
- おうちのありか〜イエスかノーか半分か3〜(2016年、竹美家らら、新書館ディアプラス文庫)
- ひつじの鍵(2016年、山田2丁目、新書館ディアプラス文庫)
- 横顔と虹彩〜イエスかノーか半分か番外篇〜(2017年、竹美家らら、新書館ディアプラス文庫)
- 一穂ミチファンブック〜long hello〜(2017年、竹美家らら/二宮悦巳ほか、新書館)
- OFF AIR〜イエスかノーか半分か〜(2017年、竹美家らら、新書館)
- キス(2017年、yoco、新書館ディアプラス文庫)
- 運命ではありません(2018年、梨とりこ、新書館ディアプラス文庫)
- 恋敵と虹彩〜イエスかノーか半分か番外篇2〜(2018年、竹美家らら、新書館ディアプラス文庫)
- ふったらどしゃぶり When it rains,it pours 完全版(2018年、竹美家らら、新書館ディアプラス文庫)
- メロウレイン〜ふったらどしゃぶり〜(2018年、竹美家らら、新書館)
- ふさいで〜イエスかノーか半分か番外篇3〜(2018年、竹美家らら、新書館ディアプラス文庫)
- ラブ〜キス2〜(2019年、yoco、新書館ディアプラス文庫)
- ナイトガーデン 完全版(2019年、竹美家らら、新書館ディアプラス文庫)
- アンティミテ(2019年、山田2丁目、新書館ディアプラス文庫)
- OFF AIR2〜イエスかノーか半分か〜(2019年、竹美家らら、新書館)
- 雪よ林檎の香のごとく 林檎甘いか酸っぱいか[黄](2020年、竹美家らら、新書館)
- つないで〜イエスかノーか半分か番外篇4〜(2020年、竹美家らら、新書館ディアプラス文庫)
- イエスかノーか半分か読本 Color Bar(2020年、竹美家らら、新書館)
- スモールワールズ(2021年、講談社 / 2023年10月講談社文庫)
- パラソルでパラシュート(2021年、講談社 / 2025年3月、講談社文庫)
- 砂嵐に星屑(2022年、幻冬舎 / 2024年7月幻冬舎文庫)
- OFF AIR3〜イエスかノーか半分か〜(2022年、竹美家らら、新書館)
- 光のとこにいてね(2022年、文藝春秋 / 2025年9月、文春文庫)
- うたかたモザイク(2023年、講談社 / 2024年11月、講談社文庫)
- 青を抱く(2023年、角川文庫)
- ツミデミック(2023年、光文社)
- 恋とか愛とかやさしさなら(2024年、小学館)
- アフター・ユー(2025年、文藝春秋) ISBN 978-4163920429
アンソロジー収録作品
「」内が一穂の作品
- 『ひらり、 ピュア百合アンソロジー vol.4』(2011年、新書館)「Droppin' Drops」
- 『猫だまりの日々 猫小説アンソロジー』(2017年、集英社オレンジ文庫)「神さまはそない優しない」
- 『昭和ララバイ 昭和小説アンソロジー』(2019年、集英社オレンジ文庫)「ごしょうばん」
- 『Story for you』(2021年3月、講談社)「玉ねぎちゃん」
- 『ザ・ベストミステリーズ 推理小説年鑑 2021』(日本推理作家協会編、2021年6月、講談社)「ピクニック」(再録)
- 『奸計の遁走曲(フーガ)』(日本推理作家協会編、2022年12月、光文社)「花うた」
- 『僕たちの月曜日』(2023年1月、角川文庫)「泥舟のモラトリアム」
- 『大逆転 ミステリーアンソロジー』(2023年2月、朝日文庫)「ピクニック」
- 『黒猫を飼い始めた』(2023年2月、講談社 / 2025年2月、講談社文庫)「レモンの目」(再録)
- 『二周目の恋』(2023年7月、文春文庫)「カーマンライン」
- 『超短編!大どんでん返しSpecial』(2023年12月、小学館文庫)「恋に落ちたら」
- 『これが最後の仕事になる』(2024年8月 講談社)「魔法少女ミラクルミルキー」
- 『潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー』(2024年8月、角川ホラー文庫)「にえたかどうだか」
- 『恋する星屑 BLSFアンソロジー』(2024年10月、ハヤカワ文庫)「BL」
- 『有栖川有栖に捧げる七つの謎』(2024年11月、文春文庫)「クローズド・クローズ」(再録)
- 『いただきますは、ふたりで。 恋と食のある10の風景』(2025年1月、新潮文庫nex)「わたしたちは平穏」
- 『孤独の時間。』(群像編集部編、講談社、2025年6月)「TKを聴きながら」
- 『30の短編小説』(2025年11月 朝日新聞出版)「プレゼント」(再録)
- 『それでもまた誰かを好きになる クラッシイ・アンソロジー』(2026年2月、光文社文庫)「感傷旅行」
雑誌など掲載作品
- 「ひらいて」(『小説Dear+』2020年2月号)
- 「ネオンテトラ」(『小説現代』2020年7月号)
- 「初恋のマチエール 前篇」(『小説Dear+』2020年8月号)
- 「魔王の帰還」(『小説現代』2020年10月号)
- 「初恋のマチエール 後篇」(『小説Dear+』2020年11月号)
- 「ピクニック」(『小説現代』2020年11月号)
- 「花うた」(『小説現代』2020年12月号)
- 「愛を適量」(『小説現代』2021年1月号)
- 「式日」(『小説現代』2021年3月号)
- 「回転晩餐会」(『スモールワールズ』刊行記念フリーペーパー/電子書籍 2021年3月)
- 「違う羽の鳥」(『小説宝石』2021年11月号)
- 「希望の子」(『小説幻冬』2022年2月号)
- 「BL」(『S-Fマガジン』2022年4月号)
- 「レモンの目」(Mephisto Readers Club 2022年3月21日)
- 「ホンサイホンベー」(『小説推理』2022年6月号)
- 「ハイランド美星ヶ丘」(『スピン』第1号、文藝2022年秋季号増刊 - 連載中)
- 「青い雛」(『光のとこにいてね』初版分附録、2022年11月)
- 「カーマンライン」(『オール讀物』2023年2月号)
- 「わたしたちは平穏」(『小説新潮』2023年9月号)
- 「クローズド・クローズ」(『オール讀物』2024年5月号)
- 「もう忘れます」(『怪と幽』 vol.018 2025年1月)
- 「あなた」(『小説新潮』2025年3月号)
- 「おやすみなさい、小羊ちゃん」(『GOAT』Summer 2025)
- 「プレゼント」(『小説トリッパー』2025年夏季号)
- 「すげえ泣くじゃん」(『小説新潮』2025年9月号)
- 「ホタル」(『週刊文春』2025年10月9日号)
漫画原作
受賞・候補歴
メディア・ミックス
出演
舞台
- なにげに文士劇2024 旗揚げ公演『放課後』(2024年11月16日、サンケイホールブリーゼ) - 前島裕美子 役[39]