呉茂一
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- 出生から修学期
1897年、東京帝国大学医科大学教授(精神病学講座)を務めた呉秀三・みな夫妻の長男として東京市本郷区に生まれた[1][2][3]。第一高等学校医科をへて、1919年東京帝国大学医学部に入学したが、1922年に文学部英文科へ転じた。有島武郎を崇敬し、生前しばしば訪ねており、また父と同じく精神科医の歌人斎藤茂吉とも終生交流があった。
- 戦前
1925年に大学卒業した後、東京帝国大学文学部言語学科副手に採用された。1926年にヨーロッパ留学し、古代ギリシア文学・ラテン文学を修めた。1929年に帰国し、文学部講師に昇格。法政大学予科教授も務めた。1932年に病気のため教職を辞し、翻訳生活に入ったが、1939年より日本大学予科教授を務めた。
- 戦後
1947年、第一高等学校教授に就任。1949年に東京大学教養学部教授となり、1950~56年には初代の日本西洋古典学会委員長を務めた。1953年に東京大学文学部西洋古典学の初代主任教授を務めた。1958年に東京大学を定年退官し、その後は名古屋大学教授として教鞭を執った。1962年に名古屋大学を定年退官し、翌63年に初代ローマ日本文化会館館長となった。1966年からは上野学園大学教授を務めた。1977年に死去。墓所は多磨霊園にある[4]。
受賞・栄典
研究内容・業績
家族・親族
著作
- 『ラテン文法概要』鉄塔書院 1933
- 『オリュンポスの雪 随筆・評論集』弘文堂書房 1943
- 『ぎりしあの小説』「日本叢書」生活社 1945
- 『ホーマー物語』中央公論社 1947
- 『随筆評論集 花とふくろう』要書房 1947
- 『ホメーロスの世界』思索社 1948
- 『ラテン文法綱要 文法篇』要書房 1948
- 『ラテン文法綱要 演習篇』要書房 1948
- 『ギリシア・ローマ文学襍攷』思索社 1949
- 『新修ラテン語教程』要書房 1950
- 『世界古代中世文学史概説』角川書店 1950
- 『ギリシア神話』中央公論社 1950
- 新版:玉川大学出版部・玉川こども図書館 1976 - 児童向け
- 『ラテン語入門』岩波書店(岩波全書)1951
- 改版:オンデマンド版 2016
- 『ギリシア神話』新潮社 上下 1956
- 『ぎりしあの詩人たち 鑑賞世界名詩選』筑摩書房 1956
- 『入門・世界の神話』講談社現代新書 1965
- 『世界の神話入門』講談社学術文庫 2021※
- 『西洋文化の源をたずねる』講談社現代新書 1966
- 『ギリシア悲劇:物語とその世界』社会思想社・現代教養文庫 1968。度々新版
- 文元社 2004※。オンデマンド版 2015
- 『アクロポリスの丘に立って-ギリシア文学閑話』新潮社 1976
- ※は電子書籍版も刊行
- 編著
- 『ギリシア・ラテンの文学 文学案内1』中村光夫共編著、新潮社 1962
- 『世界の文化史蹟4 ローマとポンペイ』講談社 1968、新版 1980
- 『ギリシア神話 美術と伝説にみる世界』社会思想社 1972
- ケンペル『ケンプェル 江戸参府紀行』(異国叢書5・6) 、呉秀三訳註・補校訂、雄松堂 1966 - 以下は各・オンデマンド版 2005
- シーボルト『江戸参府紀行』(異国叢書7) 、呉秀三訳註・補校訂、雄松堂 1966
- シーボルト『日本交通貿易史』(異国叢書8) 、呉秀三訳註・補校訂、雄松堂 1966
訳書
- 『ギリシア抒情詩選』岩波文庫 1938
- 増補版 1952、復刊 1987、2013
- エウリピデス『タウリケのイピゲネイア』岩波文庫 1939
- ルキウス・アプレイウス『愛とこゝろ-アモールとプシケー』岩波文庫 1940[14]
- キケロ『友情について』水谷九郎共訳、岩波文庫 1941、新装復刊 1995
- 『ギリシャ・ローマ古詩鈔』岩波書店 1942
- レッシング『ラオコオン』高橋義孝共訳、筑摩書房 1942
- 『ルキアノス短編集 第1巻』山田潤二共訳 筑摩書房 1943
- 『本當の話 ティモ 哲學諸派の賣立 漁師』養徳社 1946
- アリストパネス『鳥』岩波文庫 1944
- 『花冠 ギリシヤ・ラテン譯詩集』みすず書房 1947
- ロンゴス『ダフニスとクロエー 牧人の恋がたり』養徳社 1948/角川文庫 1951
- 「世界文學大系 64 古代文学集」筑摩書房 1961
- 『ダフニスとクロエ』グーテンベルク21※ 2005
- 『イソップの物語 猫のお医者さん』中央公論社 1950 - 児童向け
- アイスキュロス『アガメムノン』岩波文庫 1951/改訳版 筑摩書房 1975
- アプレイウス『黄金の驢馬』「世界文学全集」筑摩書房 1951
- アイスキュロス『つながれたプロメーテウス』(世界文学全集) 河出書房 1952
- 「縛られたプロメーテウス」岩波文庫 1974
- 『ギリシア・ラテン抒情詩集 世界抒情詩選』河出書房 1952 - 編者代表で分担訳
- 『世界名詩集大成 第1 古代・中世篇』平凡社 1963 - 編者代表で分担訳
- ルキアノス『神々の対話 他六篇』山田潤二共訳、岩波文庫 1953、復刊 1985
- ホメロス『イーリアス』岩波文庫 上中下 1953-58、改版 1964(上のみ。韻文体)
- ソポクレス『アンティゴネー』、エウリピデス『アルケースティス』(世界文学全集) 河出書房 1956[18]
- 改訳ソポクレース 『アンティゴネー』 岩波文庫 1961[19]
- 改訂『ギリシア悲劇』(全4巻) ちくま文庫 1985-86
- キケロー『老年について』(世界大思想全集) 重田綾子共訳、河出書房新社 1959
- 『ギリシア・ローマ古典劇集』(世界文學大系2) 筑摩書房 1959
- アイスキュロス「供養する女たち」「慈みの女神たち」
- トマス・ア・ケンピス『キリストにならいて』大澤章共訳、岩波文庫 1960
- 『ギリシア悲劇全集』編集委員、人文書院 1960
- 「縛られたプロメーテウス」
- 「オレスティア三部作」アイスキュロス
- 「アガメムノーン」
- 「供養する女たち」
- 「慈しみの女神たち」
- 「救いを求める女たち」
- 「アルケスティス」
- 「アウリスのイーピゲネィア」井上一彦共訳
- ホメーロス『イーリアス』筑摩書房 - 散文体
- 〈世界文學大系 1〉1961
- 〈世界古典文学全集 1〉1964
- 〈筑摩世界文学大系 2〉1971
- 『ギリシア喜劇全集』[20]編集委員、人文書院 1962/岩波文庫 1975
- 「女だけの祭」アリストパネース、「気むずかし屋」メナンドロスほかを収録
- キケロ「人生の幸福について」(世界人生論全集 2) 筑摩書房 1963
- 『エジプト詩集』ももんが書房 1965 - 私家判(34頁)
- ホメーロス『イーリアス オデュッセイア 世界文学全集 1』河出書房新社 1969
- 『イリアス』グーテンベルク21 (上下)※ 2013
- ホメロス『オデュッセイアー』岩波文庫 上下 1971-72
- 復刻 一穂社 2004 - 韻文体
- 『花冠 呉茂一譯詩集』 紀伊國屋書店 1973
- 『ギリシア・ローマ抒情詩選 花冠』久保正彰解説、岩波文庫 1991、特装版 1997
- ホメーロス『オデュッセイア 世界文学全集 1』集英社 1974 - 散文体
- 改訂版 1979、愛蔵版 1986[21]
- グーテンベルク21(上下)※ 2012
- 『イミタチオ・クリスティ-キリストにならいて』永野藤夫共訳、講談社 1975/講談社学術文庫 2019※
呉茂一に関する評伝・資料
参考文献
- 『人事興信録 第2版』人事興信所、1908年6月18日発行
- 『人事興信録 第3版 く之部―す之部』人事興信所、1911年3月25日発行
- 『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年1月10日発行
- 『人事興信録 第5版』人事興信所、1918年9月15日発行
- 『人事興信録 第8版』 人事興信所、1928年7月10日発行
- 『人事興信録 第15版 上』 人事興信所、1948年9月1日発行
- 小谷野敦『日本の有名一族 近代エスタブリッシュメントの系図集』幻冬舎新書、2007年9月30日第1刷発行、ISBN 978-4-3449-8055-6
- 水谷仁「学問の歩きオロジー わが故郷の偉人たち (3) - 現代につながる巨星たちの系譜」『Newton』2007年4月号、ニュートンプレス、98-103頁。