大戸屋ホールディングス

日本の外食チェーン運営会社 From Wikipedia, the free encyclopedia

株式会社大戸屋ホールディングス(おおとやホールディングス、: OOTOYA Holdings Co., Ltd.)は、神奈川県横浜市西区に本社を置き、国内外で飲食店事業を行う他の事業会社の運営を統括する持株会社コロワイドグループに属する。子会社の株式会社大戸屋は、和食を中心とする外食チェーンストアを運営する企業で、家庭料理を意識した和定食などを提供する「大戸屋ごはん処」の全国チェーン展開などを行う。

市場情報
東証スタンダード 2705
2001年8月31日上場
本社所在地 日本の旗 日本
220-0004
神奈川県横浜市西区北幸一丁目1番8号
エキニア横浜4F
概要 種類, 機関設計 ...
株式会社大戸屋ホールディングス
OOTOYA Holdings Co., Ltd.[1]
種類 株式会社
機関設計 監査等委員会設置会社[2]
市場情報
東証スタンダード 2705
2001年8月31日上場
本社所在地 日本の旗 日本
220-0004
神奈川県横浜市西区北幸一丁目1番8号
エキニア横浜4F
設立 1983年5月20日
(1958年創業)
業種 小売業
法人番号 9012401020674 ウィキデータを編集
事業内容 定食店「大戸屋ごはん処」等の国内及び海外におけるチェーン展開を行うグループ会社の企画・管理・運営
代表者 代表取締役社長 蔵人賢樹
資本金 20億44百万円
発行済株式総数 725万1,830株[1]
売上高 連結:188億34百万円
単独:12億52百万円
(2022年3月期)[1]
営業利益 連結:△5億94百万円
単独:2億39百万円
(2022年3月期)[1]
経常利益 連結:△5億32百万円
単独:1億88百万円
(2022年3月期)[1]
純利益 連結:19億18百万円
単独:3億25百万円
(2022年3月期)[1]
純資産 連結:34億15百万円
単独:61億25百万円
(2022年3月期)[1]
総資産 連結:98億09百万円
単独:87億84百万円
(2022年3月期)[1]
従業員数 連結:713名(2025年3月31日現在)
決算期 3月31日
会計監査人 有限責任監査法人トーマツ
主要株主
主要子会社
  • 大戸屋 100%
  • 香港大戸屋有限公司 100%
  • OOTOYA ASIA PACIFIC PTE. LTD. 100%
  • AMERICA OOTOYA INC. 100%
  • THREE FOREST (THAILAND) CO., LTD. 49.0%
  • M OOTOYA (THAILAND) CO., LTD. 100%
  • (2022年3月31日現在)[1]
外部リンク www.ootoya.jp ウィキデータを編集
テンプレートを表示
閉じる

沿革

1958年1月 - 三森栄一が東京池袋駅東口に「大戸屋食堂」として創業。海苔佃煮のボトルキープができて、白飯だけのオーダーでも食事が可能な貧乏学生御用達の安飯屋として人気を博した。

1983年5月 - 三森久実が株式会社大戸屋を設立。1992年吉祥寺店が火災で全焼したが、建て直しの際「おしゃれな定食屋」というコンセプトに路線変更したところこれが当たり、以後急成長した。

2005年1月 - 海外1号店となる店舗をタイ(バンコク)に出店。以降、台湾、インドネシア、香港、アメリカなど海外への本格的な多店舗展開を開始する。

2010年3月 - 実質的な本社機能を新宿区岩戸町から三鷹駅至近の武蔵野市中町に移転し、登記上の本店所在地も同年7月1日をもって移転した。

2011年5月 - 持株会社化。株式会社大戸屋分割準備会社(2011年5月16日設立)に日本国内の飲食店事業を分割(海外事業は元々別の子会社が運営)。

2011年7月1日 - 株式会社大戸屋分割準備会社を株式会社大戸屋に社名を変更。元の株式会社大戸屋は株式会社大戸屋ホールディングスに社名を変更した[3]。三森社長の従弟にあたる窪田健一が社長に就任。

2013年 - 大戸屋(上海)餐飲管理有限公司を完全子会社化(2016年度清算結了)。大阪証券取引所の現物市場の東京証券取引所への統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場。

2015年7月 - 三森久実が急逝。

2016年6月 - 三森智仁が取締役を退任(詳細後述)。

2017年6月 - 窪田健一が株式会社大戸屋代表取締役会長に、山本匡哉(1973年生まれ)が同取締役社長に就任[4]

2018年8月 - 新業態「かこみ食卓」1号店を、大戸屋創業の地である池袋(南池袋)に出店した。

2019年3月 - アルバイト従業員による悪質な「不適切動画」(バイトテロ)がSNSで拡散される事件が発生。3月12日には全店一斉休業を実施し、従業員の再教育と店舗清掃を余儀なくされた[5]

2019年4月 - ポイントサービスは従来Pontaに加盟していたが、2019年4月1日より楽天ポイントカードに切り替えた(なお、楽天ポイントとの提携は2024年3月31日で終了した[6])。

2019年11月 - 中間決算が発表され、2001年上場以来初の赤字転落となった[7]

2020年4月 - かこみ食卓を閉店。

2020年7月 - 株式会社コロワイドより大戸屋ホールディングス株への敵対的公開買い付けが開始。

2020年8月 - オイシックス・ラ・大地と業務提携[8]

2020年9月8日 - 株式会社コロワイドの大戸屋ホールディングス株への敵対的公開買い付けが成立[9]

2020年11月 - コロワイドは臨時株主総会の開催を請求[10]、11月4日に行われた株主総会にて、コロワイドが提案した、取締役11名中10名の解任と新たに7名を選任する議案が承認可決され、窪田健一に代わりコロワイドの蔵人賢樹が代表取締役社長に就任した[11]。この取締役派遣を受け、コロワイドは大戸屋ホールディングスの親会社となった[12]

2021年2月 - 前年9月末時点で上期の売上減少及び減損損失計上により債務超過となったため、コロワイドを引受先とする優先株式での第三者割当増資を行い、債務超過を解消した。また本社及び本店所在地を武蔵野市中町から横浜市西区北幸に変更した[13]

2022年4月 - 東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、JASDAQ(スタンダード)から「スタンダード市場」へ移行。

2024年3月 - 2024年3月期決算において営業利益が16億4600万円、純利益が14億200万円となり、本格的な最終黒字へ回復。

2026年6月 - 社長の蔵人賢樹が退任(コロワイドの代表取締役副社長に就任)し、後任に三森智仁が就任[14]

三森久実の急逝からコロワイドによる買収まで

2015年7月に三森久実が57歳で急逝したことを契機に、大戸屋は株式の大部分を保有する創業家と、実務を掌握する新経営陣(窪田健一社長体制)との間に対立が産まれた[15]

三森久実の死後、大戸屋の経営の舵取りは、2012年から社長を務めていた窪田健一に完全に委ねられることとなった[15]。窪田は三森久実の母方の叔母の息子、すなわち従兄弟にあたる人物であり、ライフコーポレーション(食品スーパー)を経て1996年に大戸屋に入社し、店舗現場からキャリアを積み上げた経歴を持つ[15]。一方で、資本関係に着目すると、久実が保有していた大戸屋株式の約19%は、妻の三森三枝子(約13.15%)と、2015年6月に常務に昇進したばかりの長男・三森智仁(約5.64%)にそれぞれ相続された[16]。窪田社長自身は当時4万3,000株しか保有しておらず、エージェンシー問題が生じていた[17]

両者の対立が修復不可能な段階に達したプロセスは、郷原信郎弁護士を委員長とする「大戸屋コンプライアンス第三者委員会」が2016年10月3日に公表した調査報告書に記録されている[18]

騒動の発端となったのは、2015年8月に起こった「焼き鳥屋事件」と称される出来事である[18]。病床の三森久実が生前に行きたがっていた東京・阿佐ヶ谷の焼き鳥店において、窪田、三森智仁、そして秘書ら4人が会食を行った。酒が進むにつれ、三森智仁が「僕が正当な事業の継承者だ」と自らの正統性を主張したのに対し、窪田は「もっと経験を積んで地べたを這ってやらないと誰もついてこない」「(智仁は)もう会社に来なくていい」「そんな簡単な会社じゃない」と一蹴し、激しい口論へと発展した[18]

この会食の後、三森久実の告別式からわずか2日後の8月3日、窪田は海外事業本部長であった智仁に対し、突如として10月1日付での香港赴任を内示する[18]。9月8日、三森三枝子と三森智仁は、三森久実の遺骨と位牌と遺影を持って、社長室に向かい窪田社長との面談を求めた。三森三枝子は智仁の人事について猛抗議し窪田社長を叱責した[19]。社内ではこれを「お骨事件」と呼んで忌み嫌うこととなった[18]

9月14日、東京・赤坂のホテルニューオータニで、三森久実のお別れの会が開かれた。その場で窪田は当時相談役であった河合直忠に仲介役を打診[20]。河合はメインバンクの三菱UFJ信託銀行の常務から大戸屋HDの会長に就いたが、三森久実と香港出店について意見が対立し、相談役に退いていたという経歴を持つ[21]

数日後、河合は祇園ミクニや上海の事業、山梨の植物工場などの赤字事業を負の遺産とし、整理するという提案を行った[22][20]。その後、2015年11月6日の臨時取締役会で三森智仁と海外事業担当の専務を取締役に降格させる人事を発表[22]。一方、相談役の河合は頻繁に会社に顔を出すようになり、2015年10月に相談役兼最高顧問になった[22]。三森智仁によれば、2015年11月6日から2016年年5月7日に至るまで窪田と目が合うことすらなく、完全に冷戦状態に陥ったという[23]

2016年2月5日、大戸屋ホールディングスは、中国で直営店を展開する子会社「大戸屋(上海)餐飲管理」の清算を発表[16]。この事業は3期連続の赤字を計上していたが、三森久実が生前に成長戦略としてとりあげていた事業であった[16]。同時に、三森久実が推進していた山梨県植物工場事業についても撤退が進められた[16]

結果として、三森智仁は「事実ではないことを理由に経営に介入した」との不信感を理由に、香港赴任日だった2016年3月1日の直前の2016年2月24日に取締役を辞任した[16]

同時に、相続対象であった三森三枝子と三森智仁に対する功労金の問題が生じた。株式の約19%を相続した三枝子と智仁には、巨額の相続税を納税する義務が生じていたた[17]。創業者が急逝した場合、会社から遺族(創業者)に対して巨額の死亡退職金や功労金を支給し、それを原資として遺族が相続税を納付するスキームは一般的に用いられていた。大戸屋においても、創業家が株式を保持し続けるための防衛策として、水面下で三森久実に対する功労金の支給検討が開始されていた[17]。一部の内部文書によれば、当初は最大8.7億円規模の支払いが想定されていたとされる[23]。会社側は2016年6月28日に開催された第34回定時株主総会において、約2億円の功労金支払い議案を提出したものの[24]、窪田を中心とする経営陣の消極的姿勢や、資金拠出に対する金融機関の不透明なスタンスが重なり、議論は紛糾し続けた[17]。この功労金支給の実質的な拒否は、創業家から資金調達の手段を奪うことを意味した。資金繰りに窮した創業家は、結果的に大戸屋の経営権を保持することを諦め、後にコロワイドに対して全株式を売却して現金化するという手段を選択することになる[17]。また、この株主総会において、取締役8人のうち5人が退任し、河合直忠は正式に取締役に復帰することになった[25]。しかし創業家側から猛烈な批判や追及を浴び、世間の批判や騒動の長期化を避けるためか、3ヶ月後の2016年9月に河合は取締役を辞任した[16]

2016年11月9日の戦略発表会で窪田はマーケティング、ブランディングの強化や大戸屋ブランドの確立という中期経営計画を発表[26]

2018年の改正出入国管理法を契機に大戸屋では外国人のアルバイト層を増やす方針転換を行った。これは、大戸屋のセントラルキッチン(集中調理施設)では人手を多く要するという背景があった。2019年の窪田に対するメディアのインタビューで「地域によっては外国の方の労働力に頼らざるを得なくなってきている」と認めており、大戸屋は店舗運営の維持に必要な労働力を、外国人アルバイト層に大きく依存するようになった[27][28]。例えば、銀座の店舗においては従業員の約25%を外国人が占め、全体を通じても非正規雇用への依存度が高まっていた[27]

2019年3月 、アルバイト従業員による悪質な「不適切動画」がSNSで拡散される事件が発生。3月12日には全店一斉休業を実施し、従業員の再教育と店舗清掃を余儀なくされた[5]

2019年4月18日、事業戦略発表会において、高価格帯へのシフトを理由に、定番メニューやの値上げや一部メニューの廃止を発表。

2019年12月、経済ドキュメンタリー番組『ガイアの夜明け』において、窪田は店長らに対し「残業を減らす」「45時間の壁を超えてはならない」と厳しく説教する姿を見せた。しかし、これは現場に労働時間の上限だけをトップダウンで押し付けるものであったため、視聴者からは「ブラック企業に潜入した告発回」として猛烈な批判を浴び、SNS上で大炎上を引き起こした[29]

2019年11月13日、大戸屋ホールディングスの中間決算が発表され、2001年上場以来初の赤字転落となった[7]。2020年3月期の決算では、売上高が前年比4.5%減の245億79百万円となり、営業損益は前年の4億14百万円の黒字から一転して6億48百万円の営業赤字へと転落した[30]。期初時点の会社予想では最終赤字を5億3千万円と見込んでいたが、不採算店舗の減損損失(3億33百万円)などが重なり、最終赤字は予想を大幅に上回る11億47百万円へと拡大した[30]

2019年4月、三森智仁側は株式の売却手続きを開始。創業家側は「株を持っていても仕方がない。もっと智仁が考える創業者の想いを実現してくれる会社に渡したほうが良い」と判断し、2019年10月にコロワイドに対して全株式(19%)を約30億円で売却し、コロワイドは大戸屋の筆頭株主になった[15]

2020年6月25日に開催された大戸屋の株主総会において、コロワイドは大戸屋に対し、自社が持つ巨大なセントラルキッチン(集中調理施設)の活用を強く要求した[31]。これに対し、窪田は、「加工済み食材の導入は原価上昇を招き、品質を落とすだけでなく、大戸屋のアイデンティティである店内調理というブランド価値そのものを根本から破壊する」と反発した[32]。さらに、窪田はメディアの取材に対し「強引なやり方をしてくる会社とは組めない」「コロワイドによる子会社化に大戸屋の未来はない」と、徹底抗戦の構えを見せた[32]。また、コロワイド側が提案した大戸屋側の取締役続投を認めつつも、コロワイド側から7人の取締役を送り込む提案は否決され、窪田体制が一時的な防衛に成功した[33]

2020年7月9日、コロワイドは大戸屋に対する敵対的TOBの実施を正式に発表[33]。買付け価格は1株あたり3,081円。これは、TOB公表前日(7月8日)の終値2,113円に対し、実に45%ものプレミアムを上乗せした破格の金額であった[34]

大戸屋側は記者会見を開き、反対を表明[33]。しかし、窪田側にはホワイトナイトが現れず、株主を引き留めることは完全に不可能であった[35]。後にこの対応については、専門家から「大戸屋は創業家ともめ事が発生した時点で、創業家をハンドリングするかホワイトナイトを探すべきだった。なしで勝てると思ったら甘すぎる」と酷評されている[35]

2020年9月8日、コロワイドによるTOBは無事に成立し、コロワイドは大戸屋株式の約47%を取得した[33]。外食業界では皆無であった敵対的買収の成功例となった[33]。同日夜、窪田は「株主が決めたことだ。結果を受け入れるしかない」と述べ、完全なる敗北を認めた[36]。その後の臨時株主総会において、現在の取締役11人は全員解任され、コロワイド創業家出身の蔵人賢樹が新社長に就任。さらに、かつて窪田から放逐された長男の三森智仁が社外取締役として経営陣に復帰した[37]

コロワイド傘下となった後、蔵人は「大戸屋らしい店内調理を強みとすることも必要」と、当初考えていたコロワイドのセントラルキッチン活用を食材の下ごしらえなど最小限にとどめ、店内調理の方針を維持した上で、商業施設内店舗を増やすなどして客層の幅を広げるなどにより業績が大幅回復。2026年7月に蔵人が退任し、後任に三森智仁が就任し、本格的に創業家の手に経営が戻ることになった[38]

大戸屋ごはん処

2026年6月現在、総店舗数は450店舗、国内320店舗、海外130店舗。

日本国内では、山形県徳島県香川県愛媛県宮崎県鹿児島県を除く都道府県に出店している。鹿児島県ではかつて鹿児島市スクエアモール鹿児島宇宿に出店していたが、2018年9月末で撤退して県内から店舗が消滅した。宮崎市にも宮崎大島店があったが現在は閉店している。香川県も2020年2月末にゆめタウン高松店が閉店し、同時に同店を運営していたフランチャイジーのありがとうサービスがFC契約を終了させたため、県内から店舗が消滅した。店舗網は東日本が主体で西日本には少なく、特に関西圏は味の嗜好の違いや同業他社(特にフジオフードシステム)との競合などで店舗数は少ない。

全店舗で終日全席禁煙電子たばこ無煙たばこ等も含む)となっており、近年はテーブルのタブレット端末からの注文システムやセルフレジを導入している店舗が多い。

海外店舗は2018年1月現在、ニューヨーク3店舗[39]タイ60店舗[40]台湾51店舗[41]香港4店舗、インドネシア10店舗、カンボジア1店舗、フィリピン1店舗。

メニュー

チキンかあさん煮定食

提供される料理は和風の定食メニューを中心に、日本のいわゆる家庭料理風のものが多い。

長年の看板メニューが「特選大戸屋ランチ」である。キャベツスライスやサニーレタストマトブロッコリー生野菜(付け合せは時期によって異なる)を土台にコロッケ鶏肉(モモ肉)の竜田揚げを並べ、中央に目玉焼きを盛り合わせたもの。2019年4月23日のメニュー改定時に廃止されたが[42]、売上急減などを受けて同年10月1日にメニューに復活したものの、価格は税込み70円の値上げとなる790円となった[43]

他に人気メニューとして「チキンかあさん煮定食」がある。チキンカツ醤油ベースのタレに大根おろしを加えて、人参ジャガイモなどの根野菜と一緒に鍋で煮込んだもの。一般には「みぞれ煮」と呼ばれるものである。アルミ鍋で煮込み、さらに上から大根おろし・なめ茸水菜をかけて提供される。

定食メニューにはメインの惣菜の他にご飯味噌汁お新香(メニューによっては小鉢も)がセットされるが、惣菜単品での注文も可能である。ご飯は、白米または五穀ご飯を選べ、量も4段階(少なめ・普通・大盛り・特盛り)で細かく選べる。ものとうどんまたは蕎麦のセットも、それぞれ丼・うどん・そば単品の注文が可能である。

ドリンクバーエスプレッソコーヒー(おかわり自由)、和のテイストの季節のデザートが用意されている。またビールなど酒類もある。テーブルにはご飯にふりかける胡麻塩などが置かれている。2008年5月16日のメニュー改定よりご飯の大盛料金が無料(大盛のできないせいろご飯は除く)に変更となった。

かつては、全国チェーンとしては珍しくセントラルキッチンを持たず、各店舗で調理して提供する手作り調理でファミリーレストランなど他の外食チェーンとの差別化を行っていた[44]。しかし、業績の低迷やコロワイドグループとなったのに伴い、1次加工の工程においてセントラルキッチンを導入している[44]

2002年頃より炭火での調理を一部店舗で試験的に開始、1年あまりの過渡期を経て順次全店に導入され、全店舗の標準となった。それと同時に従来は炭火調理可能店舗でのみ炭火で調理されていたメニュー(それ以外の店舗ではグリル、鉄板などで調理していた)が「○○の炭火焼き定食」など「炭火焼き」を挿入する形で改称されている。また使用する炭も、タイへの出店を機に現地のトータイネットワーク社から植林したユーカリ炭を仕入れ、二酸化炭素等の発生を抑え環境にも配慮した企業努力を行っている。その観点から日本で使用する炭はタイ製にシフトすることになった。

他の業態

かこみ食卓(2018年〜2020年)

大戸屋のプロデュースによる新業態の定食店。野菜雑穀米を使用した健康志向のメニュー、おしゃれな店舗内外装やサイトデザインInstagramによる宣伝など、女性客を意識した業態となっている。2018年東京都豊島区南池袋に1号店を開店[45]京王線仙川駅駅ビルフレンテ仙川」(東京都調布市)に2号店を開店した。

レストラン「おとや」(~2017年)

静岡県熱海市天然温泉ホテル熱海シーサイド スパ&リゾート」内のレストラン。大戸屋がプロデュースしていた[46]。カウンター造りの料亭風の内装で、静岡特産の海鮮料理を提供する会席レストラン[47] でありながら、リーズナブルな価格設定となっていた。2017年頃まで営業していたが[48]、その後(時期不明)ホテルのレストランが、会席コースのレストランから和洋ビュッフェスタイルの「The Dining OCEAN'S GIFT」にリニューアルしている[47]

不祥事・騒動

漂白剤希釈液混入事件

2013年8月20日に東京都新宿区の「大戸屋ごはん処 新宿靖国通り店」で、洗浄のため漂白剤希釈液を入れて店内に置いていた給茶ポットを、お茶が入っているものと間違えて従業員が客に提供し、この客が漂白剤を飲んでしまうトラブルが発生した[49]。これを飲んだ客から「強い違和感を感じた」との訴えがあり、病院で診察を受けた結果「数日の安静が必要」と診断された[50]

不適切動画投稿事件

2019年2月16日、大戸屋の店舗に勤務するアルバイト従業員3名が、厨房内で不適切な行為(商品のプリンを口に含む、ズボンを脱いで調理器具で局部を隠すなど)を行う4本の動画がInstagramのストーリーズに投稿された。この動画がTwitter(現・X)や掲示板サイト等に転載され、インターネット上で猛烈な批判を浴びる炎上状態となった[51]。2019年3月12日、国内の「大戸屋ごはん処」ほぼ全店(約350店舗)を終日一斉休業とした。この休業日を利用し、全従業員に対する再発防止の研修および店舗の徹底清掃を実施した[52]

ガイアの夜明け放映騒動

2019年12月10日にテレビ東京系列の経済ドキュメンタリー番組『日経スペシャル ガイアの夜明け』で放映された大戸屋の働き方改革の内容が、視聴者から激しい批判を浴び炎上となった。2019年7月に開催された店主会において、長時間労働の現状を報告する店長たちに対し、山本社長が「本気になってる? 本当に? 目が死んでるんだけど」「このままではこの会社、生きていけなくなる」と強く叱責する場面が放映された[53]。放送直後からインターネット上ではネガティブな反応が殺到し、SNS分析ツールによる調査では、一連の反響の9割以上が批判的な意見であったとされている[53]。大戸屋の公式ウェブサイトはアクセス集中により一時的につながりにくい状態となった。事態を重く見た大戸屋は12月12日、公式Twitterにおいて「社員の皆さんが健全に働ける環境づくりを会社全体で取り組んで参ります。この度は貴重なご意見をありがとうございました」と謝罪文を掲載するに追い込まれた。

類似店舗

岐阜県各務原市および美濃加茂市に「大和屋(やまとや)」の店名にて、大戸屋とほぼ同一業態を持つ飲食店が存在した。この2店舗は、開店当初は「大戸屋ごはん処 各務原店」「大戸屋ごはん処 岐阜美濃加茂店」という大戸屋のフランチャイズ店舗であったが、2008年6月頃に「大和屋」と店名を変更している。

岐阜美濃加茂店については、幹線道路(国道41号)沿いにあった看板などが突然塗りつぶされ、店名不明の状態での営業が1週間ほど続いた(その時点ですでに大戸屋ではなく「大和屋」に変わっていたようである)。その後、看板などには「大和屋」の店名がペイントされたが、字体などは大戸屋のロゴと酷似していた。

大戸屋側は公式サイト上で、「大戸屋ごはん処 各務原店」「大戸屋ごはん処 岐阜美濃加茂店」は閉店し、同じ場所で営業している「大和屋」は、大戸屋ごはん処の「類似店舗」であるという説明をしていた[54][リンク切れ]。なお「大戸屋ごはん処 各務原店」「大戸屋ごはん処 岐阜美濃加茂店」をフランチャイズ経営していたのは株式会社ダイワ[注釈 1] であった。

その後2009年頃に、美濃加茂市にあった「大和屋」店舗は閉店し、2020年2月現在「大戸屋ごはん処 美濃加茂店」として営業している[55][注釈 2]

テレビ番組

  • 日経スペシャル ガイアの夜明け』シリーズ「新興国を攻めろ!第1弾 ニッポン外食に勝機あり」(2010年4月20日、テレビ東京)[56]。- 海外事業拡大の戦略を取材。
  • 日経スペシャル カンブリア宮殿』「定食一筋50年の人気チェーン!「うまい」に挑み続ける独自戦略」(2013年9月26日、テレビ東京)[57]
  • 『日経スペシャル ガイアの夜明け』「残業を減らす!45時間の壁 シリーズ「人生が変わる働き方」(4)」(2019年12月10日、テレビ東京)[58]
  • 『日経スペシャル ガイアの夜明け』「“大戸屋”買収劇の真相~人気定食チェーンはなぜ狙われたのか?~」(2020年10月6日、テレビ東京)[59]

提供番組

書籍

関連書籍

  • 『創業家に生まれて 定食・大戸屋をつくった男とその家族』(著者:三森智仁)(2017年6月16日、日経BP社)ISBN 9784822237394

脚注

関連項目

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI