山と高原地図

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山と高原地図』(やまとこうげんちず)は、昭文社ハイカー登山者向けに発行する、日本国内の著名な山域をシート(1枚)物の地図として収録したシリーズである。2026年現在の価格は一点につき紙版は税込1,760円、スマートフォン版は650円。サブスクリプション版の山と高原地図ホーダイは月額500円または、年額4800円。

関連する書籍についても、この項にて記述する。

内容は、シート物地図1枚、解説小冊子1冊(SiMAP製版のものは、カラー冊子)と、以上2点を収めるカバー表紙(190mm×120mm)1冊。

地図のサイズは四六半裁判(546mm×788mm)だが、「六甲・摩耶」など、若干サイズの異なるものもある。縮尺は山域によって異なるが、おおむね1:2.5万から1:5万(「日本アルプス総図」は1:15万)。破れにくい合成紙ユポ紙を使用し、さらにインク脱落防止のためのニス引き加工により、耐水性・耐摩擦性をもたせている。

地図上では登山ルートが赤線で表示され、各区間ごとのコースタイムなどの情報が記載されている。地図の裏面には山小屋などの宿泊施設やキャンプ地の情報などが記載されている。

解説の小冊子は、コースガイドが主で、アプローチ情報は簡潔にまとめているだけのものが多い。よって、現地までの交通手段などは、他の手段を用いて情報を収集する必要がある。

国土交通省国土地理院は、測量法改正(2002年4月1日施行)に伴う対応として従来の基準の測地系座標(日本測地系)から世界測地系に統一した。これに伴い、経緯度座標の位置が従来より北西方向へ450m(東京付近の場合)移動しており、本シリーズも2002年版よりこの世界測地系に対応している。

本シリーズは、カバー表紙上部に年ごとに異なった色の帯に、何年版かを表記している。例えば、2006年版はオレンジ、2007年版はターコイズに近い、2008年版はモスグリーン(苔の色に近い)の帯である。

国土地理院地形図との比較

本シリーズは毎年、修正新刷が年1回(2 - 3月頃)発行されている。山域の一部においては調査の都合上、古い状態の情報が掲載されている場合がある。

本シリーズのみならず民間の山岳地図は、毎年修正されることによる情報の新しさ、携帯性、一覧性の高さ、登山施設情報の豊富さ、所要時間の表示、登山道表示の見やすさにおいては優れている。ただし、国土地理院発行の1:2.5万地形図と比べると、携帯性を高めるために縮尺がおおむね1:5万程度と小さい。

一方、国土地理院の地形図は毎年修正されているわけではなく、山岳地域では必要に応じておおむね10年から20年間隔の不定期で行われている。古いものでは昭和50年代から昭和60年代の修正のものが最新の場合もある。地形図の修正年や購入する図名の確認は、日本地図センターのウェブサイトまたは書店備え付けの「刊行地図一覧図」などで確認できる。

スマートフォン版

スマートフォン向けにアプリ版の山と高原地図が提供されている。3種類のバージョンがある。

  • 通常版 - 地図1エリア単位で650円で購入
  • ホーダイ - 月額500円または年額4,800円

シリーズ一覧

2026年現在、以下の63点が出版されている[1]

  1. 利尻羅臼 斜里阿寒礼文
  2. ニセコ羊蹄山 暑寒別岳・駒ヶ岳
  3. 大雪山 旭岳トムラウシ山・十勝岳幌尻岳
  4. 八甲田岩木山 恐山白神岳田代岳十和田湖
  5. 岩手山八幡平 秋田駒ヶ岳・姫神山・森吉山・和賀岳
  6. 栗駒早池峰 焼石岳・神室山
  7. 蔵王 面白山船形山
  8. 鳥海山月山 羽黒山
  9. 朝日連峰 以東岳・祝瓶山・摩耶山・白鷹山
  10. 飯豊山 朳差岳・二王子岳
  11. 磐梯吾妻 安達太良
  12. 那須・塩原 高原山・八溝山
  13. 日光 白根山男体山
  14. 尾瀬 燧ヶ岳至仏山・会津駒ヶ岳
  15. 越後三山 平ヶ岳巻機山
  16. 谷川岳 苗場山・武尊山
  17. 志賀高原 草津白根山四阿山
  18. 妙高戸隠雨飾 火打山・高妻山・信越トレイル
  19. 浅間山 軽井沢・浅間隠山・岩櫃山
  20. 赤城皇海・榛名 袈裟丸山・足尾山地
  21. 西上州 妙義山荒船山
  22. 筑波山・加波山 高鈴山・奥久慈男体山
  23. 奥武蔵秩父 武甲山
  24. 奥多摩奥秩父総図
  25. 奥多摩 御岳山大岳山
  26. 大菩薩嶺
  27. 雲取山両神山
  28. 金峰山甲武信
  29. 高尾陣馬
  30. 三浦・房総
  31. 丹沢
  32. 箱根 金時山駒ヶ岳
  33. 伊豆 天城山
  34. 富士山 御坂山地愛鷹
  35. 八ヶ岳 蓼科美ヶ原霧ヶ峰
  36. 日本アルプス総図
  37. 白馬岳
  38. 鹿島槍五竜岳
  39. 立山
  40. 槍ヶ岳穂高岳 上高地
  41. 乗鞍高原
  42. 御嶽山 小秀山・奥三界岳・位山三山
  43. 木曽駒空木岳
  44. 北岳甲斐駒
  45. 塩見赤石聖岳
  46. 白山 荒島岳・能郷白山・金剛堂山
  47. 御在所霊仙伊吹
  48. 比良山系 武奈ヶ岳・赤坂山
  49. 京都北山…京都府内の丹波高地を網羅
  50. 北摂・京都西山 箕面・妙見山・中山・丹波篠山
  51. 六甲摩耶 須磨アルプス
  52. 金剛葛城 生駒山・紀泉高原
  53. 高野山熊野古道 伯母子岳
  54. 大峰山脈
  55. 大台ヶ原 高見山倶留尊山
  56. 氷ノ山 鉢伏神鍋
  57. 大山蒜山高原 三瓶山・比婆山・道後山
  58. 石鎚四国剣山 東赤石山・三嶺・四国山地横断トレイル
  59. 福岡の山々 宝満英彦山
  60. 阿蘇九重 由布岳
  61. 祖母 大崩山
  62. 霧島開聞岳 市房山・高隈山
  63. 屋久島 宮之浦岳

改訂

昭文社の地図においては、1995年頃から製版のコンピュータ化が始まり、本シリーズにおいても、1998年頃からコンピュータ化が始まった。1999年頃からは、昭文社独自の地図情報システム「SiMAP」を用いた地図製版のコンピュータ化が本格化し、本シリーズも2002年版よりこれを用いて改訂されるようになった。

2002年版以降の改訂

2002年版
「日光」「妙高・戸隠・雨飾」「木曽駒・空木山」「白山」「六甲・摩耶」の5点で収録範囲を追加。
全点の本紙注意書きに「入山前に必ず登山計画書を提出するように」との記述を追加。
2003年版
「鳥海山・月山」「朝日連峰」の2点で収録範囲の追加。「白馬岳」「鹿島槍・五竜岳」「槍ヶ岳・穂高岳」「乗鞍高原」の4点で地図面の経緯度座標の追加と小冊子のカラー化など。「八ヶ岳」「日本アルプス総図」「御在所・霊仙・伊吹」「京都北山」「北摂・京都西山」「金剛・葛城」「石鎚・四国剣山」の7点は統廃合に伴う新版。
2004年版
「尾瀬」「谷川岳」「志賀高原」の3点で地図面の経緯度座標の追加と小冊子のカラー化など。「越後三山」「浅間山」「比良山系」「大台ケ原」「屋久島」の5点で収録範囲を追加。
2005年版
「丹沢」「大峰山脈」の2点で収録範囲を追加。
2006年版
「御嶽山」「氷ノ山」「福岡の山々」の3点で収録範囲を追加。
2007年版
「谷川岳」「富士山」「八ヶ岳」「塩見・赤石・聖岳」の4点で全面調査の実施。「蔵王」「飯豊山」の2点で地図面の経緯度座標の追加と小冊子のカラー化。
全点の本紙注意書きに「山におけるし尿問題について」の記述が追加。
2008年版
「那須・塩原」で全面調査の実施。「栗駒・早池峰」「磐梯・吾妻」「高尾・陣馬」の3点で地図面の経緯度座標の追加と小冊子のカラー化。「赤城・皇海・筑波」で全面調査と地図面の経緯度座標の追加、小冊子のカラー化を実施。
全点で、昭文社が公式サイト上にて主催した山岳写真コンテストの大賞作品をカバー裏表紙に掲載したのに加え、同コンテストの受賞作品などを掲載したカラー冊子を付録。カバー裏表紙に2007年版まで掲載されていた隣接図検索用の地図は、カバー表紙内側に移動。

2015年版以降の改訂

2015年版
表紙パッケージイラストの担当が井筒啓之に変更。アプリのアイコンも準拠したものに変更された。 「鳥海山・月山」「金峰山・甲武信」「箱根」「槍ヶ岳・穂高岳」以上4点で全面改訂を実施。
2016年版
「磐梯・吾妻」「志賀高原」「大菩薩嶺」「雲取山・両神山」「丹沢」「乗鞍高原」「六甲・摩耶」「阿蘇・九重」以上8点で全面改訂を実施。
2017年版
「尾瀬」「奥武蔵・秩父」「奥多摩」「高尾・陣馬」「伊豆」「塩見・赤石・聖岳」「大台ヶ原」「屋久島」以上8点で全面改訂を実施。 ほか、「奥多摩・奥秩父総図」が新刊として加わり、ラインアップ数は58商品となった。
2018年版
これまで全面改訂版のみの対応となっていた「磁北線」を全商品にて表示。 「八甲田・岩木山」「蔵王」「越後三山」「谷川岳」「浅間山」「八ヶ岳」「白山」「大山・蒜山高原」以上8点で全面改訂を実施。 ほか、「高野山・熊野古道」が新刊として加わり、ラインアップ数は59商品となった。
2019年版
「利尻・羅臼」「ニセコ・羊蹄山」「妙高・戸隠・雨飾」「剱・立山」「日光」「剱・立山」「木曽駒・空木岳」「北岳・甲斐駒」以上8点で全面改訂を実施。
2020年版
「岩手山・八幡平」「飯豊山」「那須・塩原」「赤城・皇海・筑波」「鹿島槍・五竜岳」「金剛・葛城」「大峰山脈」「石鎚・四国剣山」以上8点で全面改訂を実施。 ほか、「飯豊山」では飯豊山地の中心部に1/2.5万縮尺の拡大図を新設。「鹿島槍・五竜岳」では八方尾根を1/2.5万の縮尺で追加収録。
2021年版
2021年版においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、例年実施している特定の山域における「全面改訂」は見送られ、全商品通常改訂のみとなった。
2022年版
コロナ禍の下、調査など様々な制約の中で見送った全面改訂が復活。「西上州」「御嶽山」の2点で全面改訂を実施。 ほか、「日光」の収録範囲を拡大、三岩岳および窓明山を新規収録。 『山と食欲と私』と『ヤマノススメ』の作者描き下ろしイラストをパッケージに採用した、山と高原地図 特別版「筑波山・加波山」および「三浦・房総」の2点を発売。
2023年版
「富士山」「霧島・開聞岳」の2点で全面改訂を実施。 ほか、「妙高・戸隠」では2021年末に延伸を遂げた信越トレイルよりSection08にあたる部分の 「森宮野原駅~宮野原~中子~結東」のトレイルコースを新規追加。「高野山 ・熊野古道』においては伊勢神宮と熊野三山を結ぶ信仰の路、熊野古道 「伊勢路」を新規に収録。
2024年版
表紙パッケージイラストの担当がますこひかりに変更。アプリのアイコンも準拠したものに変更された。 「大雪山」「北摂・京都西山」の2点で全面改訂を実施。 また2022年夏に発売した特別版「筑波山・加波山」「三浦・房総」ラインアップに追加され、全63点のシリーズとなる。ラインアップ追加に伴い、従来の「赤城・皇海・筑波 榛名山」を「赤城・皇海・榛名 袈裟丸山・足尾山地」へと変更。足利市の両崖山や行道山、栃木市の太平山などのエリアも新規収録。
2025年版
「朝日連峰」「日本アルプス総図」の2点で全面改訂を実施。 ほか、「八甲田・岩木山」で新規に恐山や縫道石山、吹越烏帽子を擁する下北半島を収録。「浅間山」で浅間山周辺からさらに群馬県西北部の吾妻の山々までエリアを拡大。「高野山・熊野古道 伯母子岳」で大日山周遊コース完成に伴う熊野本宮大社周辺の拡大地図の新設。
2026年版
「御在所・霊仙・伊吹」「比良山系 武奈ヶ岳・赤坂山」の2点で全面改訂を実施。 ほか、「朝日連峰」にて金峯山を新たに収録。

関連書籍

山と高原地図ガイド 日本百名山〈上・下巻〉
冊子タイプの製本で、A5判。税込定価2,530円。深田久弥が著した『日本百名山』を紹介している。
山と高原地図ガイド 関東の山あるき100選
冊子タイプの製本で、A5判。税込定価1,980円。関東と山梨・静岡東部・一部長野の山を100コース紹介している。
山と高原地図ガイド 関東トレッキングベストコース
冊子タイプの製本で、A5判。税込定価1,540円。東京都市圏から日帰りを中心に、少し足を伸ばして1泊~2泊で巡る、初~中級者向けのトレッキングコースを紹介。
山と高原地図ガイド 関西トレッキングベストコース
冊子タイプの製本で、A5判。税込定価1,540円。大阪都市圏から日帰りを中心に、少し足を伸ばして1泊~2泊で巡る、初~中級者向けのトレッキングコースを紹介。
山と高原地図ガイド アルプストレッキング BESTコース
冊子タイプの製本で、A4判。税込定価1,650円。日本アルプス、御嶽・八ヶ岳山域を全30コース掲載。
山と高原地図ガイド 山と高原地図ではじめる山登り入門ガイド
冊子タイプの製本で、A4判。税込定価1,760円。登山初心者に向けたハウツー本。

脚注

関連項目

外部リンク

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