山本昌代
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仕事と評価
デビュー後、歌舞伎役者の沢村田之助(三代目)を描いた『江戸役者異聞』、平賀源内を主人公にした『源内先生舟出祝』と、近世を舞台にした作品を多く書いた。落語に触発されたと思われる『居酒屋ゆうれい』(1991年)は映画化された。この頃は「飄々とした文体で江戸をテーマに描く作家」という評が多く、時代作家に分類されがちであった。
その後文体が簡潔なものに変化し、扱うテーマも『き人伝』(1994年)などでは江戸に限らず世界中の実在の人物に取材するようになり、伝記とも小説とも読める短編を多く書くようになった。
1987年「豚神祀り」で第96回芥川賞、同年「春のたより」で第97回芥川賞の候補となる。1995年『緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道』で三島由紀夫賞を受賞したが、麻原彰晃の逮捕と重なったため、あまり報道されなかったという不遇があった。この作品のような、家族の奇妙な日常を静かに描いた短編・中編を著して評価が高い。1996年「海鳴り」で第115回芥川賞候補となるも落選する。
その後イギリスに渡り、エッセイ『イギリス通信』などを発表。2001年以降、著書の刊行はない。
著書
- 『応為坦坦録』河出書房新社、1984 のち文庫
- 『文七殺し』(1985、河出書房新社)のち新潮文庫
- 『江戸役者異聞』(1986、同)のち文庫
- 『源内先生舟出祝』(1987、同)のち文庫
- 『善知鳥(うとう)』(1988、同)のち文庫
- 『デンデラ野』(1989、同)のち新潮文庫
- 『居酒屋ゆうれい』同、1991 のち文庫
- 『き人伝』集英社、1994
- 『緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道』河出書房新社 1994 のち文庫
- 『朝霞』(1995、講談社)
- 『エルンストの月』(NOVA出版、1995)
- 『コレクション』(集英社、1996)
- 『水の面』(新潮社、1996)
- 『九季子』(ベネッセ、1996)
- 『江戸ノート』(新潮社、1997)
- 『顔』(河出書房新社、1997)
- 『三世桂三木助』(新潮社、1997)
- 『魔女』(河出書房新社、1999)
- 『ウィスキーボンボン』(講談社、2000)
- 『イギリス通信』(荒地出版社、2001)
- 『手紙』(岩波書店、2001)