徳野英治
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生い立ち
石川県金沢市生まれ[2][5]。門前町立諸岡小学校、門前町立門前中学校卒業[6]。石川県立金沢二水高等学校に入学[注 1]。
カトリックの教会に通っていた1970年12月、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と出会う。それから3か月間は両方の教会に通い、1971年4月11日に統一教会へ入信した[7][8][3][5][6]。1979年3月、富山大学経済学部卒業[3][6]。
原理研究会(CARP)は当時、大学ごとに一戸建ての家を賃借し、「学舎」もしくは「ホーム」と名付け、勧誘した学生と共同生活を行っていた。学生が親から受け取る仕送りは全額拠出され、「学舎長」の指導管理の下、学生たちには三食と必要に応じて日用品が平等に提供された[9][10]。徳野は大学を卒業した1979年から東北大学、京都大学、東京大学において学舎長を務め、信者獲得に邁進[2][11]。そののち中日本(関西・中部)ブロック長、東京ブロック長兼伝道局長に昇進した[2]。
1982年10月14日、6000双国際合同祝福結婚式がソウルの蚕室体育館で開催され、5837組の新郎新婦が祝福された[12][13]。徳野もこの合同結婚式に参加し、久江という名の女性と結婚した[14][15][注 2]。
1995年、日本CARP会長に就任[3]。1998年4月18日、日本純潔同盟(PLA-Japan)が設立[24]。徳野は同団体の会長に就任した[25][26]。
2000年、日本統一教会副会長に就任[3]。2001年7月、統一神学大学院(統一神学校)に留学し、宗教教育学の修士号を取得[3]。2004年4月から12月にかけて鮮文大学校の韓国語教育院に留学。韓国語を勉強する[2]。
2005年から西アフリカのリージョン責任者に就任。2006年1月1日、アフリカ大陸の大陸会長に就任[3]。
日本統一教会第11代・第13代会長
2008年5月16日に日本統一教会第11代会長に就任[27][3]。2009年1月8日に一般財団法人国際ハイウェイ財団会長に就任[28][29][30]。
同年6月11日、有限会社新世の社長・幹部・販売員5人の計7人が、特定商取引法違反の疑いで逮捕された(新世事件)[31]。信者が逮捕されたことを受け、2009年3月にコンプライアンス宣言を発表し、7月13日、日本統一教会会長を引責辞任[32]。その後はロシアや中国などの旧共産圏の大陸を担当する責任者を歴任[3]。
2012年12月26日、日本統一教会会長の梶栗玄太郎が腎臓癌のため死去[33][34]。梶栗の死に伴い、12月29日、同会長に復帰(第13代)した[3]。
2013年6月30日、安倍晋三首相は自民党本部の総裁応接室で、徳野、全国祝福家庭総連合会総会長の宋龍天、国際勝共連合会長の太田洪量と面談した[注 3]。面談には、萩生田光一、安倍の実弟の岸信夫、国際勝共連合副会長の渡邊芳雄、同団体幹部が同席した[37][38][39][注 4]。安倍は、4日後に公示を控えた参院選に比例区から立候補する北村経夫の当落予想について徳野、太田らと協議し、徳野に北村の支援を直接依頼した[46]。出席者のあいだで、教団側が全国組織を生かして北村の票の積み上げをすることが確認された[37][46][47]。7月1日に日本経済新聞が配信した「30日の首相動静」には「13時9分 萩生田副幹事長、岸信夫衆院議員」とあるのみだった[38]。2024年9月17日付の朝日新聞が安倍ら8人が並んだ記念写真を公表するまで、教団トップの徳野、宋、太田がその場にいたことは伏せられていた[48]。7月21日投開票。北村は知名度も低く「当選には程遠い」と言われていたが[35]、自民党が比例代表で獲得した18議席中、15位で初当選した[49]。
2014年4月1日、神奈川県川崎市宮前区にある統一教会の宮崎台研修センターにおいて、真の家庭運動推進協議会の関連組織の「真の家庭国民運動推進全国会議」の結成式が開催され[50]、徳野は同全国会議の会長に就任した[51]。また、徳野はUPFの共同会長も長年担当した。
2016年6月、徳野と宋龍天の妻の李海玉[52]は安倍首相から首相官邸に招待された[53][54]。2017年5月14日に行われた教団のイベント「母の日孝情文化フェスティバル in TOKYO」[55]では自民党衆議院議員の山本朋広をして「世界平和統一家庭連合の徳野会長、世界平和連合の太田洪量会長には、日頃より自民党に対して大変大きなお力をいただいていることを改めて感謝申し上げたい」と言わしめるなど、教団史に多大な実績を遺した[56][注 5]。しかし日本からの献金額が目標の300憶円に届かなかったことから、降格の噂が度々起こった[56]。
2018年2月、徳野は韓国統一教会の嶺南圏(慶尚道圏)の幹部らと会った席で、日本の統一教会と政界が交わす「ギブ・アンド・テイク」の機能のしかたを詳細に説明した。面談に参加した嶺南圏の第5地区長は当時、与野党を問わず嶺南圏の政治関係者に広く接触し、日韓トンネル関連事業の協力を求めていたが、韓国では「ギブ・アンド・テイク」戦略は模索中で、確立がされていなかった。徳野の説明を受けた韓国側は「非常に刺激的だった」と徳野に伝えた[58]。献金目標を30%上げることに成功した徳野は同年3月6日付の韓鶴子総裁への報告書(TM特別報告)で、日本の信者にとって献金は義務感、使命感で担うものではなく、日本の韓国植民地化の過去の歴史を帳消しにするために積極的に感謝しながら励むものだと書いた[59]。「TM」は「True Mother(真の母)」の頭文字[58]。2019年1月10日付の報告書では「日本人の性格は、眼前の目標の内容自体も重要としながらも、周囲の雰囲気、つまり全体の流れに非常に影響を受けるため、主体性がないということが特徴の一つである」と述べ、韓国への送金を増やすことに傾注した[59]。
2019年7月2日、安倍晋三首相と萩生田光一は自民党本部総裁室の隣にある応接室で、徳野、UPFジャパン議長の梶栗正義、世界平和連合理事長の横田浩一[42]、同前副会長の渡邊芳雄[39]、同事務総長の松本康ら5人と面談した[60][61][62]。安倍は2日後に公示を迎える参院選について「故郷の友人である北村経夫を応援してほしい」と要請した。徳野は「今回(の目標)は30万票とし、最低でも20万票は死守する」「組織をあげて戦う」と宣言した。そして「神様と真の父母様、全人類のために世界から尊敬される日本を作ってほしい」という韓鶴子のメッセージを伝えた。安倍は喜び、徳野は安倍と萩生田にエルメスのネクタイを贈呈した[58][63][64][61][62]。
同年7月21日、第25回参議院議員通常選挙が実施され、北村は2期目の当選を果たした[65]。同月22日、萩生田は安倍からの感謝の意を教団側に伝えた[66]。同月24日、北村は渋谷区松濤の教団本部を訪れた。徳野、同副会長の李成萬(イ・ソンマン)[67]、同副会長の堀正一、同副会長の田中富広、UPFジャパン議長の梶栗、同事務総長の魚谷俊輔、世界平和連合理事長の横田浩一、同事務局長の松本康らが北村を総出で出迎えた[68]。北村は「どうか韓鶴子総裁に感謝の気持ちをお伝えください」と徳野と梶栗に言い、梶栗の妻が当選祝いの花束を贈呈した。教団は北村に対し4項目を要求。徳野が代表して、「安倍政権と真のお母様とのパイプ役をこれまでよりもしてほしい」「安倍首相に助言し、日韓関係改善のため尽力してほしい」「産経新聞の政治部長出身者として、マスコミと家庭連合のパイプ役をしてほしい」「東京ドームで韓鶴子総裁をお迎えする大会を開催できるように交渉してほしい」と伝えた[66][68]。
2020年以降
日韓関係は、韓国最高裁の元徴用工賠償判決に日本政府が反発し、2019年8月2日に韓国を「ホワイト国」(輸出審査優待国)から除外する閣議決定をするなど「戦後最悪」と言われる状態が続いていた[69][70]。統一教会は日本の献金を韓国に送金する問題を解決する通路として、萩生田に注目。2020年6月、徳野は韓鶴子への報告書(TM特別報告)に「送金に関し、安倍政権が厳格な措置を取るならば、自分が安倍首相に会って談判するつもりだ。幸いにも、安倍首相との面会をこれまで仲裁してくれた萩生田文部科学大臣とは常に連絡を取る関係なので、有事の際にはそのようなホットラインを通じて談判するつもり」と綴った[66]。
2020年5月8日、韓鶴子は宣教本部を強化するとして、世界本部長に事務総長兼秘書副室長のユン・ヨンホ(윤영호)[注 6]を任命した[74][75]。
同5月28日、徳野は韓鶴子への報告書で、2019年10月に行われた「孝情文化祝福フェスティバル 名古屋4万名大会」に大村秀章知事を出席させることができなかったことについて言及。「天の父母様と真の父母様に本当に申し訳ないという悔しい思いでした」と詫びた。碧南市長の禰冝田政信の機転により同イベントで少なくとも大村の祝電(改竄含む)披露は実現していたが[76]、徳野は「6500双祝福家庭食口の禰冝田(政信)市長と、先日祝福を受けて食口となった天野正基愛知県議会議員[注 7]の二人を常に召集し、いかにすれば知事を復帰できるかということを真剣に検討し、作戦を立て熱心に行っています」と述べた[78][79]。
同年10月13日、韓鶴子が下した人事により実権を握ったユン・ヨンホは徳野の日本統一教会会長の職を解いた[80][56]。同日、徳野は神日本天議苑長に就任。
2021年9月17日、自民党総裁選挙が告示され、岸田文雄、河野太郎、高市早苗、野田聖子の4人が立候補の届出をした。翌18日、徳野はTM特別報告に「安倍元首相がわれわれと近いという観点から見れば、高市氏が自民党総裁になることが天の最大の願いであるという解釈もできます」と綴った[81][61]。
同年、徳野は天皇の公務内容を9項目に分け、それぞれの年間の件数を調べ上げた。10月6日付の韓鶴子への報告書に「天皇陛下の公務件数は、1年間になんと710件にもなります」と書いた。さらに、「皇室費予算の金額は2021年度は約124億円、韓国ウォンで1240億ウォンになります。そして宮内庁費予算として約126億円、韓国ウォンで約1260億ウォンです。宮内庁の職員数は1073名です」と書いた。徳野は報告書の結論として「真の父母様をお迎えできる日本国民になるために、当然天皇制は将来的には廃止されなければなりません」と述べた[82]。
2023年10月13日、盛山正仁文部科学大臣は統一教会に対する解散命令を東京地方裁判所に請求した[83]。財産流出を防ぐ関連法案が国会で審議されるなか、韓国にある統一教会の世界教団本部は日本側の独立性を示すことを目的とし、同年11月30日、日本担当の最高幹部である神日本大陸会長の方相逸(パン・サンイル)と、神日本天議苑長の徳野を免職した[84]。
2025年11月4日、翌年3月に行われる金沢市長選挙に出馬することが報道により明らかとなった[85][5]。
同年12月10日、李在明大統領は「統一教会と政治家の不正な関係に関し、与野党や地位を問わず厳正に捜査せよ」と緊急指示を出した。緊急指示から6時間後、警察庁国家捜査本部は、中央本部内の重大犯罪捜査課に「特別専従捜査チーム」を編成した[86]。特別専従捜査チームは、ユン・ヨンホが取りまとめた韓鶴子への報告書「TM特別報告」を確保し、解析を進めた[87][63]。徳野が上げた報告書の内容が次々と報じられ[58][60]、上記の萩生田光一や高市早苗に関する記述のほか、衆議院議員の長島昭久が反共思想に共鳴し、かつて統一教会に入信していたことなども明らかとなった[88][89]。
2026年3月1日、金沢市長選挙が告示され、徳野ら4人が立候補を届け出た。同年3月4日、東京高裁は、統一教会の解散を命じた東京地裁決定(2025年3月25日)を支持し、教団側の即時抗告を棄却[90]。教団は清算手続きに移行し、清算人に選ばれた伊藤尚弁護士が教団の代表者となった[91]。3月8日、金沢市長選挙の投開票が行われ投票終了直後の午後8時に報道各社は現職の村山卓の当選確実を報じた。徳野は5,038票(得票率2.92%)の得票に止まり供託金を没収された[92]。
※当日有権者数:367,808人 最終投票率:48.59%(前回比:
7.36pts)
| 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧別 | 得票数 | 得票率 | 推薦・支持 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 村山卓 | 53 | 無所属 | 現 | 118,174票 | 68.41% | (推薦)自民党金沢市部・公明党金沢市総支部・立憲民主党 |
| 田中敬人 | 55 | 無所属 | 新 | 36,441票 | 21.10% | |
| 中内晃子 | 53 | 無所属 | 新 | 13,074票 | 7.57% | (推薦)日本共産党金沢地区委員会 |
| 徳野英治 | 71 | 無所属 | 新 | 5,038票 | 2.92% |
著作
- 『神に帰れ!そこにこそ希望がある!―説教集』光言社、2009年8月
- 『平和の世紀へ―家庭再建・宗教和合への挑戦』賢仁舎、2013年12月
