朝日のごとくさわやかに

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朝日のごとくさわやかに」(あさひのごとくさわやかに、英語: Softly, as in a Morning Sunrise)は、オスカー・ハマースタイン2世作詞、シグマンド・ロンバーグ作曲のジャズ・スタンダードとして知られる楽曲[1][2]1928年オペレッタニュー・ムーン英語版』のために書かれた[1][2]。歌詞の内容は、失恋を悔やむものである。当初は物憂げなタンゴの曲調で演奏されていたが、1940年ごろアーティー・ショウ楽団などによりスウィング・ジャズのリズムで演奏されるようになった[3]。1950年ごろには一旦ジャズ・プレイヤーから忘れられていたが、モダン・ジャズ・カルテットが取り上げて以降、クール・ジャズモード・ジャズフリー・ジャズなど様々な解釈の可能性が試され、ジャズ・スタンダードして定着するに至っている[3]

この曲は当初のオペレッタニュー・ムーン英語版』(1928年)においては、物憂げなタンゴのリズムで演奏され、主人公の親友であるフィリップ(英語: Philippeテノール[4]によって歌われていた。同時期にナット・シルクレットによるSPが発売されており、同様の演奏を聴くことができる。1940年版の映画『ニュウ・ムウン』では、ネルソン・エディバリトン)が歌唱している[1]

1930年代には、アーティー・ショウ楽団がレパートリーに加え、タンゴのリズムから4/4拍子スウィングのリズムに変化している。その後、ベニー・グッドマンウディ・ハーマンも演奏したが、1950年ごろにはジャズ・プレイヤーからほとんど忘れ去られていた[3]

1950年代中ごろこの曲は再発見され、多くのモダン・ジャズの演奏者によって可能性を試されることとなった。モダン・ジャズ・カルテットカノン対位法を導入し、ほかのクール・ジャズの奏者を触発した。暗い短調の雰囲気により、ソニー・ロリンズソニー・クラークリー・モーガンといったハード・バップの奏者にも積極的に採用された。ジョン・コルトレーンの演奏からは、そのシンプルなコード進行がモード・ジャズに適していることも聴き取れる[3]。また、このころから女性ジャズ・シンガーによってもしばしば録音されるようになっている。

1960年代に入ると、エリック・ドルフィーアルバート・アイラーといったフリー・ジャズの演奏者による新たな解釈も示された。その他、ラテン・ジャズスムース・ジャズなどとしても演奏され、ジャズ・スタンダードとして定着するに至っている[3]

日本語の訳題

原題「Softly, as in a Morning Sunrise」は、コーラス冒頭(その前にヴァースがあるが、しばしば省略される)そのままであるが[5][6]、日本語では「朝日のごとくさわやかに」とされることが多く、また、文体を改め「朝日のようにさわやかに」とされることもある。「朝日のごとく さわやかに」は、明治天皇の御製(1909年)に見える語句である[7]

村井 2004, p. 17モダン・ジャズ・カルテットによる演奏を評して『さわやかに』のイメージにピッタリ」であるが、原題は「朝日のようにそっと」なので、「別にさわやかである必要もないわけだが……と述べ、またソニー・ロリンズによる演奏については、『さわやか』とは正反対の濃厚な味わいと評している。

主なカヴァー

男声ボーカル

アーティスト 発売年 /

録音年

収録アルバム等 YouTube

[註 1]

ナット・シルクレットCond.)

ヴィクター管弦楽団

フランクリン・バウアー英語版Ten.

1929 シングル盤[1][8]
ジャック・ハイルトン英語版楽団

ft. ジョージズ・メタクサー(英語: George Metaxa[9]

1929 シングル盤[10]
ネルソン・エディBar. 1940 シングル盤[11]
ウディ・ハーマン 不明 /

1944

放送録音[3][12]
ビング・クロスビー

w/ バディ・コール英語版・トリオ

1957 ニュー・トリックス英語版 💽
ボビー・ダーリン 1959 ザッツ・オール英語版 💽
ジミー・ジャスティス 1962 The Two Sides of Jimmy Justice[13] 💽
リチャード・タッカー(Bar.)

w/ スキッチ・ヘンダーソン英語版

1963 The Fabulous Voice of Richard Tucker[14][15] [註 2]
フランク・シナトラJr英語版 2006 That Face! 💽


女声ボーカル

アーティスト 発売年 収録アルバム等 YouTube

[註 1]

ジューン・クリスティ

w/ ピート・ルゴロ楽団

1954 サムシング・クール英語版(モノラル) 💽
1960 サムシング・クール(ステレオ再録) 💽
ヘレン・メリル 1958 ザ・ニアネス・オブ・ユー 💽
アビー・リンカーン 1959 アビー・イズ・ブルー 💽
ロレツ・アレキサンドリア英語版 1962 ディープ・ルーツ英語版 💽
ナンシー・ウィルソン

w/ グレート・ジャズ・トリオ

1982 ホワッツ・ニュー
研ナオコ 1983 Naoko Mistone
ダイアン・リーヴス 1991 I Remember[16] 💽
ロザンナ・ヴィトロ英語版 1993 Softly
ジェニー・エヴァンス英語版

w/ ダスコ・ゴイコヴィッチ

1997 シャイニー・ストッキングス英語: Shiny Stockings[17]
カトリーヌ・マドセン英語版 2006 Supernatural Love 💽
ケイコ・リー 2009 フラジャイル英語: Fragile[18]
ドリーン・シャファー英語版

w/ the Moon Invaders

2009 Groovin’ [19]
ヒラリー・コール英語版

w/ ベニー・グリーン

2010 ユー・アー・ゼア~デュエッツ英語: You Are There[20]
渚ようこ 2014 シングル盤[21]

混声ボーカル

アーティスト 発売年 収録アルバム等 YouTube
レイ・コニフ楽団&合唱団 1960 Say It with Music (A Touch of Latin)[22][註 3] 💽
ロバート・ショウ (Cond.)

ロバート・ショウ合唱団英語版

RCAビクター交響楽団英語版

1962 Yours Is My Heart Alone[23][24]

インストゥルメンタル

アーティスト 発売年 /

録音年

収録アルバム等 YouTube

[註 1]

アーティ・ショウ楽団 1938 シングル盤[25][26][註 4]
ベニー・グッドマンCl. 不明 /

1939年

放送録音[3][27]
マントヴァーニ楽団 1954 Plays The Music of Sigmund Romberg[28] 💽
モダン・ジャズ・カルテット 1955 コンコルド英語版[25][29][註 5][註 6] 💽
穐吉敏子Pf.トリオ 1956 ザ・トシコ・トリオ英語版 💽
リー・モーガンTp.

w/ ハンク・モブレー・カルテット

1956 イントロデューシング・リー・モーガン 💽
アル・コーンSax.

w/ オーシー・ジョンソン英語版ミルト・ヒントン英語版ハンク・ジョーンズフランク・リハク英語版

1957 コーン・オン・ザ・サキソフォン英語版 💽
ソニー・ロリンズ(Sax.) 1957 ヴィレッジ・ヴァンガードの夜[25][31] 💽
テリー・ギブス英語版Vib. 1957 ジャズ・バンド・ボール(セカンド・セット)英語: A Jazz Band Ball (Second Set) 💽
バディ・デフランコ楽団 1979 /

1957年

クローズド・セッション英語: Closed Session[32] 💽
バド・シャンク(Sax.)・カルテット

ft. クロード・ウィリアムソン英語版

1957 バド・シャンク・カルテット英語版 💽
ソニー・クラーク(Pf.)

w/ ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズ

1958 ソニー・クラーク・トリオ英語版[25] 💽
ビンス・ガラルディ英語版(Pf.)・トリオ 1958 A Flower Is a Lovesome Thing 💽
ポール・チェンバースBa.・クインテット

w/ ドナルド・バードクリフ・ジョーダントミー・フラナガンエルヴィン・ジョーンズ

1958 ポール・チェンバース・クインテット英語版 💽
ウィントン・ケリー(Pf.)

w/ ポール・チェンバース、ジミー・コブ

1959 ケリー・ブルー英語版 💽
スタンリー・ブラック(Pf.) 1959 南国のセレナード英語: Friml & Romberg: in Cuban Moonlight[33] 💽
ソニー・クリス(Sax.) 1959 アット・ザ・クロスロード英語: At the Crossroads 💽
ウィル・デイヴィス英語版(Pf.)・トリオ 1959 ハヴ・ムード・ウィル・コール英語: Have Mood Will Call....[34][35] 💽
アーネット・コブ(Sax.) 1960 Movin’ Right Along 💽
アート・ペッパー(Sax.)

w/ ウィントン・ケリー、ポール・チェンバース、ジミー・コブ

1960 ゲッティン・トゥゲザー英語版 💽
シャーリー・ホーン(Pf.) 1960 Embers and Ashes[註 7] 💽
ジャッキー・デイヴィス英語版Org. 1960 Tiger on the Hammond[36] 💽
ルー・ドナルドソン(Sax.) 1960 サニー・サイド・アップ英語版 💽
ハワード・マギー(Tp.)

w/シェリー・マンフィニアス・ニューボーンリロイ・ヴィネガー

1961 マギーズ・バック・イン・タウン英語版 💽
ボビー・ティモンズ(Pf.)・トリオ 1961 イン・パーソン英語版 💽
ロン・カーター(Ba.)

w/ エリック・ドルフィーマル・ウォルドロン

1961 ホエア英語版 💽
ジョン・コルトレーン(Sax.) 1962 ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード[25][註 8] 💽
アルバート・アイラー(Sax.) 不明[註 9]/

1962年

ザ・ファースト・レコーディング英語: The First RecordingsVol.2[37] 💽
エリック・ドルフィーB.Cl.

w/ ハービー・ハンコックエディー・カーン英語版J.C.モーゼズ英語版

1999 /

1963年

伝説のイリノイ・コンサート 💽
チャック・ウェイン英語版Gt. 1964 タペストリー英語: Tapestry[38][39] 💽
ラリー・ヤング(Org.)

w/ ウディ・ショウジョー・ヘンダーソン、エルヴィン・ジョーンズ

1966 ユニティ[25] 💽
エリック・クロス(Sax.) 1967 Grits & Gravy 💽
寺内タケシとバニーズ 1967 世界はテリーを待っている[40]
リチャード・デイヴィス英語版(Ba.) 1970 ミューゼズ・フォー・リチャード・デイヴィス英語版 💽
本田竹曠(Pf.)トリオ 1972 ジス・イズ・ホンダ 💽
ジム・ホール&ロン・カーター 1973 アローン・トゥゲザー英語版 💽
ズート・シムズ(Sax.)・カルテット

w/ ルイ・ベルソン英語版、ハンク・ジョーンズ

1973 ズート・アット・イーズ英語: Zoot at Ease 💽
渡辺貞夫 1974 ライヴ・アット・ピット・イン[41]
ザ・グレイト・ジャズ・トリオ 1977 アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード英語版
バーニー・ケッセル(Gt.) 1977 ライブ・アット・サムタイム英語: Live at Sometime[42]
ジョン・スコフィールド (Gt.)

w/ リッチー・バイラークジョージ・ムラーツジョー・ラバーベラ

1978 ジョン・スコフィールド・ライヴ英語版 💽
ジョン・クレマー英語版(Sax.)

w/ カール・ブルネット(英語: Carl Burnett

1979 ネクサス英語: Nexus for Duo and Trio[43]
チェット・ベイカー(Tp.)&ウォルフガング・ラッカーシュミッド英語版(Vib.) 1979 バラッズ・フォー・ツー英語版 💽
ジャック・シェルドン英語版(Tp.)&ヒズ・ウェスト・コースト・フレンズ 1980 エンジェル・ウィングス英語: Angel Wings[44] 💽
ワーレン・ヴァシュCort.

w/ ハンク・ジョーンズ、 ジョージ・デュヴィヴィエアラン・ドーソン英語版

1981 Iridescence[45]
クエスト

デイヴ・リーブマンリッチー・バイラーク、ジョージ・ムラーツ、アル・フォスター

1982 /

1981年[46]

QUEST[25][47]
フレディ・ハバード(Tp.) 1999 /

1982年

Above & Beyond[25] 💽
クヌード・ヨリエンセンドイツ語版(Pf.)& Bengt Hanson(Ba.) 1996 /

1983年

Bojangles[48] 💽
J.J.ジョンソンTb.&アル・グレイ(Tb.) 1984 シングス・アーゲッティング・ベター・オール・ザータイム英語: Things Are Getting Better All the Time[49]
ドロシー・アシュビーHarp 1984 朝日のようにさわやかに英語版
ケニー・ドリュー(Pf.) 1985 バイ・リクエスト英語: By Request[50]
ジョン・ラーキン(Pf.、a.k.a. スキャットマン・ジョン 1986 John Larkin[51]
チャーネット・モフェット(Ba.) 1987 チャーネット・モフェット英語: Net Man[52] 💽
エミリー・レムラー(Gt.)

w/ ハンク・ジョーンズ、バスター・ウィリアムスマーヴィン・“スミティ”・スミス英語版

1988 イースト・トゥ・ウェス英語版 💽
レイ・アレクサンダー英語版(Vib.)・カルテット

w/ ペッパー・アダムスアルバート・デイリー英語版ハーヴィー・シュワルツ、レイ・モスカ(英語: Ray Mosca

1988 Cloud Patterns 💽
ミシェル・カミロ(Pf.) 1989 オン・ファイア英語版
ニック・ブリグノーラ英語版(Sax.)

w/ ケニー・バロン、 デイヴ・ホランドジャック・ディジョネット

1990 On a Different Level[25][53] 💽
デイヴ・ウェックルDr. 1990 マスター・プラン英語版 💽
スティーヴ・グロスマン(Sax.)

w/ マッコイ・タイナーエイヴァリー・シャープ英語版アート・テイラー

1991 In New York 💽
ドン・ブレイデン英語版(Sax.)・カルテット

w/ トム・ハレル英語版、ベニー・グリーン、クリスチャン・マクブライドカール・アレン英語版

1991 The Time Is Now[54] 💽
スタン・ゲッツ(Sax.)&ケニー・バロン(Pf.) 1992 ピープル・タイム英語版 💽[註 10]
ビレリ・ラグレーン(Gt.)

w/ アンドレ・チェカレリニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセン

1992 枯葉英語: Standards 💽
ジュニア・マンス英語版・トリオ 1994 朝日のようにさわやかに英語: Softly as in a Morning Sunrise[55]
ビレリ・ラグレーン・トリオ

w/ アンドレ・チェカレリ、 クリス・ミン・ドーキー

1994 Live in Marciac[56] 💽
ロイス・キャンベル英語版(Gt.)

ft. デイブ・ストライカー英語版

1994 6×6[57] 💽
ジオバーニ・イダルゴ英語版Perc.

ft. ミシェル・カミロ

1997 Hands of Rhythm 💽
エド・シグペン(Dr.)・リズム・フィーチャーズ 1998 It’s Entertainment 💽
マーク・リボー(Gt.) 1999 Yo! I Killed Your God[58]
ジャン=ミシェル・ピルク(Pf.)・トリオ 2000 Together: Live at Sweet Basil 💽
ケニー・バロン(Pf.)&レジーナ・カーター英語版Vn. 2001 フリーフォール英語版 💽
チャールズ・ガイル英語版(Pf.) 2001 Jazz Solo Piano 💽
エリス・マルサリス(Pf.) 2004 On the First Occasion[59]
ジョージ・ベンソン(Gt.) 2004 イリプレイサブル英語版[註 11]
上原ひろみ(Pf., Key., Syn. 2008 ビヨンド・スタンダード 💽
ドクター・ロニー・スミス英語版(Org.) 2009 The Art of Organizing 💽
フレッド・ハーシュ英語版(Pf.)・トリオ 2012 アライブ・アット・ザ・ヴァンガード英語: Alive at the Vanguard[60] 💽

関連楽曲

脚注

参考文献

外部リンク

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