3歳ダート三冠
From Wikipedia, the free encyclopedia
2022年の時点において、3歳の三冠路線は芝では中央競馬クラシック三冠と中央競馬3歳牝馬三冠の2路線が存在している一方、ダートでは地方競馬が行われているそれぞれの地区が三冠路線を形成しており、JRAのような三冠競走の路線は存在していなかった[注 2]。
このような状況を改善するため、2022年6月20日に特別区競馬組合、兵庫県競馬組合、日本中央競馬会および地方競馬全国協会の合同記者会見が行われ、その席で3歳ダート三冠路線を中心とした2・3歳馬競走の体系整備に関する改革案が発表された。
この改革案により、羽田盃・東京ダービーは南関東重賞格付であるSIからダートグレード競走のJpnIに昇格させ、ジャパンダートダービーはジャパンダートクラシックに名称変更の上、時期を7月上旬から10月上旬に移設することでJRAと同様のヨーロピアンスタイルによる三冠体系が整備された。これにより、1996年よりアメリカンスタイルで行われてきた南関東クラシック三冠体系は、2023年を最後に消滅した。
3競走すべてがダートグレード競走であり、南関東所属馬だけでなく地方他地区・JRA所属馬も出走できる。一方で、2023年までは出走条件を「3歳(せん馬も含む)」としていたが、JRAクラシック三冠に倣って「3歳牡馬・牝馬」限定と改められ、せん馬(去勢された馬)の出走は不可能となった。
これら3歳ダート三冠競走と位置付けるため賞金額の増額ならびに、三冠全て1着となった馬には特別賞の三冠ボーナス報奨金として8,000万円が贈られる。また、3歳ダート三冠競走に出走する競走馬に対する報奨金・付加賞金も拡充され、一例として、2024年度にはアメリカ3歳三冠競走又はパートI国のG1競走・UAEダービー・サウジダービーで1着となった馬がジャパンダートクラシックに出走し1着となった馬主に対して、アメリカ3歳三冠競走1着馬に3,000万円、それ以外は2,000万円が支給される[注 3][1]。2025年度からは前述の規定は地方所属馬に限る褒賞金に改定され、パート1国におけるG1競走に優勝すれば3000万円が支給、以下G2競走には2000万円、G3競走には1000万円と改められた[2]。
3歳ダート三冠
| 開催順 | 競走名 | 競馬場 | 距離 | 施行時期 | 1着賞金 | 出走枠 (2025年) |
|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 羽田盃 | 大井 | 1,800m | 4月下旬 | 5000万円 | JRA 4 地方 12 |
2 | 東京ダービー | 2,000m | 6月上旬 | 1億円 | ||
3 | ジャパンダートクラシック | 10月上旬 | 7000万円 | JRA 7 地方 9 |
ステップレース
トライアル競走
以下のレースが新たにトライアル競走として設定される。なお、優先出走権は注記あるものを除いて地方所属馬についてのもの。
- 羽田盃
- ブルーバードカップ JpnIII(船橋1800m 1月中旬 - 下旬) 1着馬
- 雲取賞 JpnIII(大井1800m 2月中旬) 地方所属馬は上位2頭、JRA所属馬は5着以内入線のうち上位2頭
- スターバーストカップ 準重賞(大井2000m 2月下旬) 1着馬
- 京浜盃 JpnII(大井1700m 3月中旬 - 下旬) 地方所属馬は上位2頭、JRA所属馬は5着以内入線のうち上位2頭
- 東京ダービー
- クラウンカップ SIII(川崎1600m 4月上旬) 1着馬
- ユニコーンステークス GIII(京都1900m 4月下旬 - 5月上旬[3]) 地方所属馬は上位1頭(2着以内)、JRA所属馬は1着馬
- 東京湾カップ SII(船橋1700m 5月上旬) 1着馬
- ジャパンダートクラシック
- 備考
- ブルーバードカップは新設(準重賞からの格上げ)。
- 不来方賞はダービーグランプリと統合。
- 雲取賞はSIII、京浜盃はSII、不来方賞はM1からの交流重賞化。
- ユニコーンステークスは東京競馬場から京都競馬場へ開催競馬場及び距離変更。
選定競走
以下のレースについては当該競走の出走馬選定委員会における選考にて重視される。
- 雲取賞・京浜盃
- 羽田盃
- クラシックチャレンジ オープン(大井1800m 4月上旬) 1着馬
- 東京ダービー
地方所属馬の出走条件
3歳ダート三冠競走における地方所属馬の選定条件については、2023年3月30日に特別区競馬組合より以下の旨が決定・公表されている[9]。
- 出走馬の選定にあたっては、地方所属時における総収得賞金(着内賞金の総額)順を基本とする。
- 中央(JRA)からの転入馬について。
- 中央所属時に獲得した賞金については、上記の総収得賞金には加算しない。
- 中央(JRA)からの転入初戦馬は、3歳ダート三冠競走には出走できない。
優勝馬一覧
旧来の3歳ダート三冠
- 特記事項なき場合、本節の出典は参考文献を参照。
1996年から1998年まではユニコーンステークス・スーパーダートダービー・ダービーグランプリとして3歳ダート三冠として整備され、9月から11月にかけて開催された。当初はユニコーンステークス・サラブレッドチャレンジカップ・ダービーグランプリで3歳ダート三冠とする予定であったが、特別区競馬組合がスーパーダートダービーを新設した結果、金沢のサラブレッドチャレンジカップが追い出された。
しかし1997年の統一グレード格付けにより、ダービーグランプリはGI、スーパーダートダービーはGIIとなり格付けに差が生じた。特別区競馬組合は1999年にGI格付けのジャパンダートダービーを新設し、開催時期は7月となった。スーパーダートダービーは1999年から南関東重賞競走のスーパーチャンピオンシップに縮小し、2001年の開催をもって廃止された。ユニコーンステークスの開催時期についても2001年から6月に移動し、ジャパンダートダービーの前哨戦としての性格を与えられた。
このようなダート路線の改編が整備直後に生じたことにより、旧来の3歳ダート三冠が定着することはなかった。2005年にカネヒキリがユニコーンステークス・ジャパンダートダービー・ダービーグランプリの3競走を制覇したが、三冠馬と呼称されることはない。ダービーグランプリは2007年に馬インフルエンザの影響で地元馬限定の競走として実施した後、現状の競走体系では3歳の地方所属馬の確保が困難で収益性も見込めないことから、同年にダートグレード競走の格付けを返上した[10]。