CD163

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CD163(cluster of differentiation 163)は、ヒトではCD163遺伝子にコードされるタンパク質である[5]。CD163は、ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体に対する高親和性のスカベンジャー受容体英語版であり[6]、ハプトグロビンが存在しない場合にはヘモグロビン単体に対しても低い親和性を有する[7]。また、CD163は単球/マクロファージ系統のマーカーである[8]。CD163は、グラム陽性菌陰性菌に対する自然免疫系のセンサーとして機能する[9][10]。CD163は1987年に発見された[11]

血漿中や脳脊髄液中には可溶型のCD163が存在し[12]、一般にsCD163と表記される。sCD163は膜結合型受容体のエクトドメインシェディングによって産生され、CD163の機能調節機構の1つとなっている可能性がある[13]。sCD163のシェディングは、ADAM17英語版による酵素的切断によって行われる[14]肝硬変[15]2型糖尿病マクロファージ活性化症候群英語版ゴーシェ病敗血症HIV感染、関節リウマチホジキンリンパ腫[16]など、炎症性疾患を含む幅広い疾患でsCD163のアップレギュレーションが観察される[17]。また、クモ膜下出血の発生後にも脳脊髄液中のsCD163はアップレギュレーションされる[12]。CD163は中枢神経系において出血後に神経細胞上に発現することが明らかにされているが、その意義は不明確である[18][19][20]。sCD163の尿中への分泌は全身性エリテマトーデスANCA関連血管炎における活発な糸球体腎炎の存在と密接に関係しており、治療反応性の追跡のために利用される場合がある[21]

マウスとヒトの間の差異

非臨床試験はマウスで行われることが多いため、マウスとヒトのCD163の生物学の差異について留意しておくことは重要である。sCD163へのシェディングはヒトでは生じるものの、マウスでは生じない。これはADAM17による酵素的切断に必要不可欠なArg-Ser-Ser-Arg配列がヒトには存在するものの、マウスには存在しないためである[22]。また、ヒトのCD163はヘモグロビンと比較してヘモグロビン-ハプトグロビン複合体に対して極めて高い親和性を示すが、マウスではこうした差異はみられない[23]

動物研究

CD163の遺伝子領域を除去したブタは、豚繁殖・呼吸障害症候群の原因となるウイルスに対して完全な耐性を示す[24]

相互作用

CD163はCSNK2B英語版と相互作用することが示されている[25]

出典

関連文献

関連項目

外部リンク

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