エチニルエストラジオール

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エチニルエストラジオール(Ethinylestradiol、EE)はエストロゲン薬で、プロゲスチンと組み合わせて避妊薬として広く使用されている[8][9]。過去には、更年期障害婦人科疾患ホルモン感受性の高い癌英語版など、様々な適応症で広く使用されていた。通常は経口で服用する。パッチや膣内リングとしても使用される[8][12]

販売名 Numerous
別名 Ethynylestradiol; Ethinyl estradiol; Ethinyl oestradiol; EE; EE2; 17α-Ethynylestradiol; 17α-Ethynylestra-1,3,5(10)-triene-3,17β-diol; NSC-10973[1]
概要 臨床データ, 発音 ...
エチニルエストラジオール
臨床データ
発音 [ˌɛθɪnɪlˌɛstrəˈd.əl]
販売名 Numerous
別名 Ethynylestradiol; Ethinyl estradiol; Ethinyl oestradiol; EE; EE2; 17α-Ethynylestradiol; 17α-Ethynylestra-1,3,5(10)-triene-3,17β-diol; NSC-10973[1]
AHFS/
Drugs.com
国別販売名(英語)
International Drug Names
MedlinePlus a604032
医療品規制
胎児危険度分類
投与経路By mouth (tablet)
Transdermal (patch)
Vaginal (ring)
薬物クラス Estrogen
ATCコード
法的地位
  • 一般: ℞ (処方箋のみ)
薬物動態データ
生体利用率 38–48%[2][3][4]
タンパク結合 97–98% (to albumin;[5] is not bound to SHBG)[6]
代謝 Liver (primarily CYP3A4)[7]
代謝物質Ethinylestradiol sulfate[8][9]
• Others[8][9]
消失半減期 7–36 hours[2][7][10][11]
排泄 Feces: 62%[10]
Urine: 38%[10]
識別子
CAS登録番号
PubChem
CID
IUPHAR/BPS
DrugBank
ChemSpider
UNII
KEGG
ChEBI
ChEMBL
CompTox
Dashboard

(EPA)
ECHA InfoCard 100.000.311 ウィキデータを編集
化学的および物理的データ
化学式 C20H24O2
分子量 296.410 g·mol−1
3D model
(JSmol)
融点 182 - 184 °C (360 - 363 °F)
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EEの一般的な副作用には、乳房の圧痛肥大頭痛体液貯留嘔気などがある[8]。男性の場合、EEは更に乳房の発達女性化性腺機能低下性機能障害を引き起こす可能性がある。稀ではあるが重篤な副作用として、血栓肝障害子宮体癌などがある[8]

EEは、エストロゲンエストラジオール等)の生物学的標的であるエストロゲン受容体作動薬である[8]。EEは、天然のエストロゲンであるエストラジオールの合成誘導体であり、エストラジオールとは様々な点で異なる[8]。EEはエストラジオールと比較して、経口投与時の生物学的利用能が大幅に向上しており、代謝され難く、肝臓子宮など特定の部位での効果が比較的高くなっている[8]。これらの違いにより、EEはエストラジオールよりも避妊薬への使用に適しているが、血栓やその他の稀な副作用のリスクが高くなることもある[8]

EEは1930年代に開発され、1943年に医療用として導入された[13]。1960年代には避妊薬に使用されるようになった[14]。今日、EEは殆ど全ての合剤型避妊薬に含まれており、この目的の為に使用されるほぼ唯一のエストロゲンであり、最も広く使用されているエストロゲンの1つとなっている[15][16]

効能・効果

単剤

  • 前立腺癌
  • 閉経後の末期乳癌(男性ホルモン療法に抵抗を示す場合)

レボノルゲストレル合剤

ノルゲストレル合剤

  • 機能性子宮出血
  • 月経困難症、月経周期異常(稀発月経、頻発月経)、過多月経、子宮内膜症、卵巣機能不全

デソゲストレル合剤

  • 避妊

ノルエチステロン合剤

  • 月経困難症

ドロスピレノン合剤

  • 子宮内膜症に伴う疼痛の改善
  • 月経困難症

EEには多くの用途がある。高用量(0.15~3.0mg/日)で前立腺癌や閉経後乳癌の治療に、低用量(0.02~0.05mg/日)で月経困難症や避妊等に用いられる。

最も頻用される用途は、性交後の妊娠を防ぐ為の経口避妊薬(COC)である。EEは、妊娠を防ぐ為だけでなく、無月経、月経中の症状、ニキビの治療にも使用される。

また、EEは更年期のホルモン療法としても使用される。更年期の女性にホルモン補充療法(HRT)を使用する主な理由は、火照り、寝汗、紅潮などの一般的な血管運動性の症状を緩和する事である。エストロゲンを補充すると、プラセボと比較してこれらの症状が改善されることが研究で判っている[17]。他にも、膣の乾燥(性交時の痛みの原因となる)、膣の痒み、憂鬱な気分など、一般的な更年期障害の症状はHRTによって改善される。

EEは、女性の性腺機能低下症の治療、女性の骨粗鬆症の予防にも使用され、男性の前立腺癌や女性の乳癌の緩和ケアとしても使用されている[9][18]

EEまたはエストロゲン単独投与は、子宮内膜癌のリスクが高まる為、子宮の有る女性には禁忌であるが、プロゲストーゲンとエストロゲンを併用することでリスクを軽減する事が出来る[19]

警告・禁忌

警告

ドロスピレノン合剤のみ、血栓症について致死的な経過を辿る事があるとの警告が記載されている[20]

禁忌

単剤は抗癌剤であるのに対して、合剤は慢性疾患の治療またはQOLの向上を目的とする製剤であるので[注 1]、禁忌の内容は両者で大きく異なる[20][21][22][23][24][25][26]

  1. 抗癌剤は致命的疾患からの延命を目的とするので、ある程度のリスクは許容されるが、QOL向上を目的とする場合は、小さなリスクでも許容され難い。

単剤

合剤

(1) レボノルゲストレル合剤、ノルエチステロン合剤
(2) ノルゲストレル合剤
(3) デソゲストレル合剤
(4) ドロスピレノン合剤

副作用

重大な副作用は、下記の通りである[20][21][22][23][24][25][26]

単剤

  • 血栓症
  • 心不全、狭心症

合剤

  • 血栓症(四肢、肺、心、脳、網膜等)
  • アナフィラキシー[※ 1]
  1. ノルエチステロン合剤のみ

副作用の重症度は、EEの投与量および投与経路によって異なる[27]。EEの一般的な副作用は、他のエストロゲンと同様で、乳房圧痛頭痛体液貯留腫脹)、嘔気眩暈体重増加などである[10][28]経口避妊薬のエストロゲン成分(殆どがEE)は、乳房圧迫感膨満感を引き起こす可能性がある[29]。男性の場合、EEには、女性化乳房(乳房の発達)、女性化、性腺機能低下、不妊症性機能障害(性欲減退、勃起不全など)等の副作用がある。200μg/日の経口EEによる高用量エストロゲン療法を3ヶ月以上受けた男性では、98%に女性化が起こり、42~73%に性欲減退が発生した[30]

薬理学

抗アンドロゲン作用および抗性腺刺激作用

男性前立腺癌患者における無治療時および各種エストロゲン投与時のテストステロン値[31]。測定には初期の放射免疫測定(RIA)を用いた[31]

EEは、女性と男性の両方に強力な機能性抗アンドロゲン作用を示す[32]。EEの抗アンドロゲン作用は、1)肝臓における性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の産生を促進し、血中のテストステロンの遊離濃度と生理活性濃度を低下させる、2)下垂体からの黄体形成ホルモン(LH)の分泌を抑制し、性腺からのテストステロンの産生を低下させる、というものである[32][33][34][35]。EEを含む避妊薬は、抗アンドロゲン作用により、面皰多毛症などのアンドロゲン依存性疾患の治療に有用である[32][36]

EEを含む避妊薬は、女性の循環SHBGレベルを2~4倍に増加させ、遊離テストステロン濃度を40~80%低下させる事が知られている[34]。高用量のEEを含む避妊薬は、女性のSHBGレベルを5〜10倍にも増加させる[37]。これは、妊娠中に起こるSHBGレベルの5〜10倍の増加に類似している[37]。SHBGレベルの顕著な増加の為、EEを含む避妊薬の治療中は遊離テストステロンレベルが非常に低くなる[10]。男性では、比較的低用量の20μg/日のEEを5週間投与したところ、循環SHBGレベルが150%上昇し、それに伴う遊離テストステロンレベルの低下により、循環総テストステロンレベルが50%上昇したという研究結果がある(アンドロゲンによる視床下部-下垂体-性腺軸への負のフィードバックが減少する事による性腺テストステロン産生のアップレギュレーションによる)[33]。EEによる肝SHBG産生促進作用は、エストラジオール等の他のエストロゲンに比べて遥かに強く、これはEEが肝臓での不活性化に対する抵抗性が高いので、肝臓での作用が不均衡になっている為である[8][10][38]

エストロゲンは抗性腺刺激ホルモン作用を持つ物質であり、脳下垂体からのLHおよびFSHの分泌を抑制し、ひいては性腺のテストステロン産生を抑制する事が出来る[39][40]。EEを含む高用量エストロゲン療法英語版は、男性のテストステロンレベルを約95%、つまり去勢/女性の範囲まで抑制出来る[39][40][41]。術前のトランスジェンダー女性のホルモン療法に必要なEEの投与量は50~100μg/日である[42]。この高用量は、特に40歳以上では深部静脈血栓症(VTE)の発生率が高く、使用すべきではないと言われている[42]。男性の前立腺癌の治療に用いられるEEの投与量は、150~1,000μg/日(0.15~1.0mg/日)である[9][43]。EEの投与量50μgを1日2回(合計100μg/日)投与すると、男性のテストステロン値を3mg/日のジエチルスチルベストロール経口投与と同等に抑制できる事が判明している[44]。これは、テストステロン値を去勢域まで安定して抑制するために必要なジエチルスチルベストロールの最小投与量である。女性におけるEEの排卵抑制量は、プロゲスチンと併用しない単独投与で100μg/日となっている[45][46]。しかし、20μg/日の投与量で約75~90%、50μg/日の投与量で約97~98%の排卵抑制効果がある事が判っている[47][48][49][50]。また、別の試験では、50μg/日のEE用量で25.2%に排卵が生じた[51]

また、EEは低用量でも抗性腺刺激ホルモン作用は顕著である[42]。15µg/日のEEという「非常に低い」投与量は、男性のLHおよびテストステロンレベルの抑制に必要な「境界線」の量とされており、30µg/日のEEの投与量で男性のLHおよびテストステロンレベルが「確実に」抑制されたという研究結果もある[9]。しかし、他の臨床試験では、20µg/日のEEで男性のテストステロン値が50%上昇し(前述)[33]、32µg/日および42µg/日のEEの投与量で男性のFSH値が抑制されたが、LH値には有意な影響が見られなかった[9]。男性では、エチニルエストラジオール50μgとノルゲストレル0.5mgの複合経口避妊薬を9日間連日投与したところ,より強いテストステロン値の抑制が認められた[9]。しかし、テストステロン値を抑制する成分としては、プロゲスチンの方が重要である事が判明した[9]。つまり、COCのプロゲスチン成分は、女性の排卵を抑制する主な役割を担っていると考えられる[9]。20μg/日のEEと10mg/日のメチルテストステロン英語版の組み合わせは、男性のFSH分泌を精子形成を停止するのに充分な程度まで抑制することが明らかになった[9]。女性を対象とした研究では、閉経後の女性において、50μg/日のEEがLHおよびFSHレベルをともに約70%抑制する事が知られている[52]

EEは、抗性腺刺激ホルモン作用に加えて、高濃度では副腎によるアンドロゲン産生を著しく抑制する[9][53][54]。ある研究では、トランスジェンダー女性に100μg/日の高用量のEEを投与したところ、循環血中の副腎性アンドロゲンレベルが27〜48%抑制されたという[9][53][54]。この事から、エストロゲンによるアンドロゲンレベルの抑制の増強にEEが寄与していると考えられる[9][53][54]

肝臓でのタンパク質合成に及ぼす影響

EEは、低用量でも、投与経路に無関係に、肝臓のタンパク質合成に顕著な影響を与える[8][9]。これらの効果はエストロゲン活性によって齎される[8][9]。EEは投与量に依存して性ホルモン結合グロブリン(SHBG)、コルチコステロイド結合グロブリン(CBG)、チロキシン結合グロブリン(TBG)の血中濃度を上昇させ、その他の広範な肝タンパク質にも影響を与える[8][9]。EEは、1μg/日という低用量でトリグリセリド値に影響を与え、2.5μg/日という低用量でLDLおよびHDLコレステロール値に影響を与える[55]。EEは、5μg/日という低用量で、いくつかの肝たんぱく質に影響を与える[9]。20μg/day以上の投与量では、肝臓のタンパク質合成に対するEEの影響の増加分は連続的に小さくなる[9]

EEを5μg/日投与した場合、閉経後の女性のSHBGレベルは100%上昇し、20μg/日投与した場合は200%上昇する事が知られている[9]。アンドロゲンは肝臓でのSHBG産生を低下させるため、EEのSHBG上昇効果に対抗することが判っている[9]。この事は、COCに使用されている多くのプロゲスチンが、程度の差こそあれ弱いアンドロゲン活性を有することを考慮すると、特に関連性が高いと言える[9]。20μg/日のEEと比較的アンドロゲン活性の高いプロゲスチンである0.25mg/日のレボノルゲストレルの組み合わせはSHBG値を50%低下させ、30μg/日のEEと0.25mg/日のレボノルゲストレルはSHBG値に影響を及ぼさず、30μg/日のEEと0.15mg/日のレボノルゲストレルはSHBG値を30%上昇させ、EEとレボノルゲストレルを含む三相性英語版COCはSHBG値を100〜150%上昇させた[9]。また、30μg/日のEEと、レボノルゲストレルよりもアンドロゲン作用が比較的弱いプロゲスチンである150μg/日のデソゲストレルの組み合わせは、SHBG値を200%上昇させ、35μg/日のEEと、強力な抗アンドロゲン作用を持つプロゲスチンである2mg/日の酢酸シプロテロンの組み合わせは、SHBG値を400%上昇させた[9]。この様に、COCに含まれるプロゲスチンの種類と量は、SHBG値に対するEEの効果を強力に調整する[9]

10μg/日のEEはCBGレベルを50%増加させ、20μg/日のEEは100%増加させる事が知られている[9]。プロゲステロン誘導体であるプロゲスチンはCBG値に影響を及ぼさず、19-ノルテストステロン誘導体のようなアンドロゲン性プロゲスチンはCBG値に弱い影響しか及ぼさない[9]。COCは、CBGレベルを100〜150%増加させる可能性がある[9]。EEは、5μg/日の投与でTBGレベルを40%増加させ、20μg/日の投与で60%増加させる事が判っている[9]。プロゲステロン誘導体であるプロゲスチンはTBG値に影響を与えないが、アンドロゲン活性を有するプロゲスチンはTBG値を低下させる可能性がある[9]。中等度のアンドロゲン活性を有するプロゲスチンであるノルエチステロン1mg/日と30μg/日のEEの組み合わせは、TBG値を50~70%増加させ、30μg/日のEEと150μg/日のデソゲストレルの組み合わせは、TBG値を100%増加させる事が判明している[9]

相互作用

EEは、CYP3A4CYP2C9英語版などの特定のシトクロムP450アイソフォームによって代謝される[56]。従って、CYP3A4等の酵素の誘導剤は、EEの循環血中濃度を低下させる事が出来る[28]。誘導剤の例としては、フェニトインプリミドンエトスクシミドフェノバルビタールカルバマゼピンの様な抗痙攣薬フルコナゾールのようなアゾール抗真菌薬リファンピシンの様なリファマイシン抗生物質が挙げられる[28]。逆に、CYP3A4を始めとするシトクロムP450酵素の阻害剤は、EEの循環濃度を上昇させる可能性がある[28]。一例として、CYP3A4の強力かつ高選択的な阻害剤であるトロレアンドマイシンがある[28]

アセトアミノフェンは、EEの硫酸化を競合的に阻害する事が知られており、女性において、アセトアミノフェン1,000mgの前処理を行うと、EEのAUC値が有意に増加(22%)し、エチニルエストラジオール硫酸エステルのAUC値が減少した[28]。また、アスコルビン酸(ビタミンC)とEEについても同様の結果が得られているが、相互作用の有意性は疑わしいとされている[28]

エストラジオールとは対照的に、喫煙(特定のシトクロムP450酵素を強力に誘導し、エストラジオールの2-水酸化を顕著に増加させる)とEEの間に薬物動態学的な相互作用があるとは考えられない[28]。これは、エストラジオールとEEが異なるシトクロムP450酵素で代謝されることを示唆している[28]。しかし、喫煙と他のエストロゲンの場合と同様に、喫煙とEEでは心血管合併症のリスクが増加する[28]

EEは、CYP1A2CYP2B6CYP2C9CYP2C19CYP3A4等、幾つかのシトクロムP450酵素を阻害する事が知られており、CYP2A6誘導剤となる可能性もある[57]。その結果、他の多くの薬剤の代謝および濃度に影響を与える可能性を有する[57]。既知の相互作用の例としては、ブプロピオンカフェインメフェニトインミダゾラムニコチンニフェジピンオメプラゾールプロプラノロールプログアニルセレギリンテオフィリンチザニジン等が挙げられる[28][57]。最も注目すべき相互作用の一つは、CYP2B6およびCYP2C19の基質であるセレギリンの濃度をEEが強く増加させることである[57]。また、EEはグルクロン酸抱合を誘導し、硫酸化を変化させる可能性がある[57]。EEはグルクロン酸化されることが知られている様々な薬剤のクリアランスを増加させ、濃度を低下させる事が判明している[57]。例えば、クロフィブラートラモトリギンロラゼパムオキサゼパム英語版プロプラノロール等である[57]

また、EEと併用される事の多いプロゲスチンは、シトクロムP450酵素を阻害する事が知られており、EEを含む避妊薬との薬物相互作用の一因にもなっている[57]。例えば、ゲストデン英語版デソゲストレルエトノゲストレル英語版は、CYP3A4阻害剤、CYP2C19阻害剤である[57]。また、これらのプロゲスチンは、EE自体の代謝を徐々に阻害し、濃度を上昇させる事が知られている[28]

生態学的影響

廃水にはEEを含む様々なエストロゲンが含まれており、廃水処理の過程で完全には分解されない[58]。人工エストロゲンの淡水生態系への投入は、魚類両生類の個体群に影響を与える。カナダ・オンタリオ州の実験湖では、低濃度のEEに7年間慢性的に曝された結果、ファットヘッド・ミノウ(コイ科の魚)の個体群が崩壊した[58]。EEは雌魚の卵形成英語版を変化させ、雄魚を雌性化させ、卵の成熟に関連するタンパク質であるビテロゲニン英語版を生成し、未成熟の卵を産むようになった[58]。両生類では、EEへの曝露により、孵化の成功率が低下し、生殖腺の発達英語版が変化する[59]。ホルモンへの暴露は、遺伝子コード化されているものであっても、カエルの生殖腺の発達を変化させる[59]ミンクガエル英語版の研究では、実験的にEEに曝されたものは、EEに曝されていないものよりも間性オタマジャクシが多く、アオガエルでは孵化の成功率が大幅に低下した[59]

化学的特徴

EEは、17α-エチニルエストラジオールまたは17α-エチニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオールとしても知られており、エストラジオールのC17α位をエチニル基英語版で置換した合成エストランステロイドであり、エストラジオール誘導体である。エストラジオールを17α-エチニル化してEEを作る事は、テストステロンを17α置換してエチステロン英語版(17α-エチニルテストステロン)やノルエチステロン(17α-エチニル-19-ノルテストステロン)などの17α-エチニル化プロゲスチンや、メチルテストステロン英語版(17α-メチルテストステロン)などの17α-アルキル化アンドロゲン/アナボリックステロイドなどのテストステロン誘導体を作る事と類似している。

参考資料

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