ビスマス酸ナトリウム

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ビスマス酸ナトリウム
NaBiO3粉末
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.032.220 ウィキデータを編集
EC番号
  • 235-455-6
UNII
特性
化学式 NaBiO3
モル質量 279.968 g/mol
外観 黄色または黄褐色の無臭の粉末[1]
密度 6.50 g/cm3
への溶解度 冷水には不溶、熱水では分解[2]
危険性
GHSピクトグラム 急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード 警告(WARNING)
Hフレーズ H302, H315, H319, H335
Pフレーズ P261, P264, P270, P271, P280, P301+P312, P302+P352, P304+P340, P305+P351+P338, P312, P321, P330, P332+P313, P337+P313, P362, P403+P233, P405, P501
半数致死量 LD50 420 mg/kg (ラット、経口)[1]
関連する物質
その他の
陰イオン
アンチモン酸ナトリウム
その他の
陽イオン
ビスマス酸カリウム
関連物質 ヘキサフルオロビスマス酸ナトリウム
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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ビスマス酸ナトリウム(ビスマスさんナトリウム、英語: Sodium bismuthate)は、化学式NaBiO3で表される無機化合物であり、強い酸化剤である[3]。やや吸湿性を持つが[2]、冷水には不溶であり、数少ない水に不溶のナトリウム塩の一つである。試薬が反応後に容易に除去できる点で便利であり、市販品は酸化ビスマス(V)炭酸ナトリウム過酸化ナトリウムとの混合物である場合がある[4]

正味の化学式Na3BiO3で表される化合物(ビスマス酸三ナトリウム)も存在する[5]

ビスマス酸ナトリウムはイルメナイト構造をとり、八面体型のビスマス(V)中心とナトリウムイオンを持つ。Bi-Oの平均結合長は2.116 Åである。イルメナイト構造はコランダム構造(Al2O3)に関連しており、八面体の間隙に交互に2つの異なる陽イオンを持つ密に充填された酸素原子から形成される層構造を持つ[6]

合成

ビスマスは、アルカリが存在しない場合、酸化数を +5 へ酸化させることは困難である。合成は、沸騰した水酸化ナトリウム溶液中で酸化ビスマス(III)の懸濁液を作ることで行われる。その後臭素を加えて酸化することで、ビスマス酸ナトリウムが生成される[7]

Bi2O3 + 6 NaOH + 2 Br2 → 2 NaBiO3 + 4 NaBr + 3 H2O

他のNaBiO3の合成方法は、酸化ナトリウムと酸化ビスマス(III)の混合物を(O2の供給源として)空気中で酸化することが挙げられる[8]

Na2O + Bi2O3 + O2 → 2 NaBiO3

この手順はアルカリによって二酸化マンガンマンガン酸ナトリウムへ酸化させる手順に類似する。

NaBiO3の薬瓶

反応

高温多湿の保存状態は、水と酸化反応を起こし、水酸化ナトリウムと酸化ビスマス(III)に分解してしまうため、ビスマス酸ナトリウムにとって有害である[2]

2 NaBiO3 + H2O → 2 NaOH + Bi2O3 + O2

また、酸によってより速く分解され、塩化水素中では、ビスマス酸ナトリウムは反応して塩素ガスとなる[2]

NaBiO3を用いたマンガンイオン検出の陽性反応

NaBiO3は、マンガンイオンを定性的・定量的に検出するのに用いられる。強い酸化剤として、ほとんどのマンガン化合物を過マンガン酸塩にし、これは分光光度法で容易に測定できる[3]。このためには、NaBiO3と試料が熱した硫酸または硝酸溶液中で反応する必要がある[2]。過マンガン酸塩は紫色を呈し、吸光度は最大で510 nmである。反応は以下の通り[要出典]

2 Mn2+ + 5 NaBiO3 + 14 H+ → 2 MnO
4
+ 5 Bi3+ + 5 Na+ + 7 H2O

ビスマス酸ナトリウムは、生成しうるアルデヒドをさらに酸化することなく、グリコール、ケトール、α-ヒドロキシ酸の酸化的な1,2-劈開反応を起こすことができる[9]

R2C(OH)–C(OH)–R2 → R2C=O + O=CR2
R2C(OH)–C(O)–R → R2C=O + RCOOH
R2C(OH)–COOH → R2C=O + CO2

これらの劈開\\反応は、常温で酢酸またはリン酸の存在化で行われる。メタノールエタノールなどのアルコール類は、ビスマス酸ナトリウムによって穏やかに酸化されるため、反応媒体として用いることができる。四酢酸鉛も同様の反応を起こすが、四酢酸鉛の反応で必要な無水条件は、ビスマス酸ナトリウムでは不要である[9]

NaBiO3は、実験室でのプルトニウムの分離(リン酸ビスマス法)に用いることができる。

安全性

脚注

参考文献

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