テルル化ビスマス
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原子構造: 理想状態(左)と 双晶状態(右) | |
テルル化ビスマスの双晶の電子顕微鏡写真 | |
| 識別情報 | |
|---|---|
3D model (JSmol) |
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| ChemSpider | |
| ECHA InfoCard | 100.013.760 |
| EC番号 |
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PubChem CID |
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| UNII | |
CompTox Dashboard (EPA) |
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| 性質 | |
| Bi2Te3 | |
| モル質量 | 800.76 g·mol−1 |
| 外観 | 灰色の粉末または灰色の金属結晶 |
| 密度 | 7.74 g/cm3[1] |
| 融点 | 580 °C (1,076 °F; 853 K)[1] |
| 不溶[1] | |
| エタノールへの溶解度 | 不溶[1] |
| 構造 | |
| 三方晶系, hR15 | |
| R3m, No. 166[2] | |
a = 0.4395 nm, c = 3.044 nm | |
式単位 (Z) |
3 |
| 危険性 | |
| NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |
| 引火点 | noncombustible[3] |
| NIOSH(米国の健康曝露限度): | |
| TWA 15 mg/m3 (総量) TWA 5 mg/m3 (呼吸) (純粋) none (硫化セレンを添加) [3] | |
| TWA 10 mg/m3 (総量) TWA 5 mg/m3 (呼吸) (純粋) TWA 5 mg/m3 (硫化セレンを添加)[3] | |
| N.D. (純粋、添加)[3] | |
| 安全データシート (SDS) | Sigma-Aldrich |
| 関連する物質 | |
| その他の 陰イオン |
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| その他の 陽イオン |
テルル化ヒ素 テルル化アンチモン |
テルル化ビスマス(テルルかビスマス、英語: Bismuth telluride,Bi
2Te
3)は、ビスマスとテルルからなる化合物であり、灰色の粉末で、テルル化ビスマス(III)とも呼ばれる。半導体であり、アンチモンまたはセレンとの合金は、ペルチェ効果を持つ素材として冷凍や携帯型発電用の効率的な熱電材料となる。Bi
2Te
3は、トポロジカル絶縁体であり、厚さに依存した物理的性質を示す。
テルル化ビスマスは、三方晶系単位格子を持つ層状のナローギャップ半導体である。価電子帯と伝導帯の構造は、反射面を中心とする6つの一定エネルギーの楕円体からなる多楕円体モデルによって表される[4]。Bi
2Te
3は、隣接するテルル原子との間のファンデルワールス結合により、三方晶の軸に沿って容易に割れる。このため、発電や冷却に使われるテルル化ビスマスを含む素材は多結晶でなければならない。さらに、多量のBi
2Te
3のゼーベック係数は、室温付近で補正されるため、発電装置に用いられる素材はビスマス、アンチモン、テルル、セレンの合金でなければならない[5]。
近年、研究者らはナノワイヤーや薄膜などを用いたBi
2Te
3を含む素材の効率の向上を試みており、n型半導体テルル化ビスマスを用いた例では、ゼーベック係数(単位温度差あたりの電圧)が54℃において−287 μV/Kであることを示した[6]。しかし、ゼーベック係数と導電性はトレードオフにあり、高いゼーベック係数はキャリアの濃度を減らし、電気伝導率を下げることに留意しなければならない[7]。
他のケースでは、テルル化ビスマスは1.1×105 S·m/m2という高い電気伝導率を示す一方で、1.20 W/(m·K)という極めて低い格子電気伝導率を示し、通常のガラスと同等であると報告されている[8]。
トポロジカル絶縁体
テルル化ビスマスはよく研究されたトポロジカル絶縁体である。その物理的性質は、伝導性表面が露出し分離した状態の極薄層において変化することが示されており、これらの薄層はエピタキシー法や機械による剥離によって得られる。
分子線エピタキシーや有機金属気相成長法などのエピタキシャル成長の方法は、Bi
2Te
3の薄層を得る一般的な方法である。このような方法によって得られた薄層の化学量論的組成は実験によって大きく変動するため、相対的な純度を決定するためにラマン分光法がしばしば用いられる。しかし、Bi
2Te
3の薄層は低い融点と低い放熱性により、ラマン分光法による測定が困難である[9]。
Bi
2Te
3の結晶構造は、三方晶の軸に沿った階列による薄層の機械的な剥離を可能にする。このプロセスはエピタキシャル成長に比べ収率が著しく低いものの、欠陥や不純物のない薄膜試料が得られ、多量のグラファイトからグラフェンを得るのと同様に、粘着テープによって行うことが可能である。この手順は1 nm.のBi
2Te
3フレークを得るのに用いられてきた[10]。しかし、この方法ではSi/SiO2基板上に粘着残留物が付着し、原子顕微鏡での測定を曖昧にし、試験用の基板上への接点の設置を阻害する。酸素プラズマや沸騰したアセトン、イソプロピルアルコールといった一般的な洗浄方法ではこの残留物を効率的に落とすことができない[11]。



